世界樹の迷宮 ―――英雄達の軌跡―――   作:春山乃都

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第十一話

目が覚める。レフィーヤの瞳に映り込んだのは寝る前に見た天井に。当然それは、見慣れた自室のそれでは無い。

 

夢では無かった、或は戻っていなかった事に落胆し、けれど少しだけ嬉しく思ってしまって。

 

「おぉおおおおおおはようウィリディス!!いや、いいや違うか!!お前と俺は既に、共に道を歩む仲間。なら、此処は一つ名前呼びの方が良いかな!!と言う訳でだ、改めておはようレフィーヤ!!清々しい朝だ!!みろ、鳥も気持ち良さそうに飛んでいるぞ!!」

 

そう言ったモノを全て、一切合切、余す事無くローウェンに吹っ飛ばされたのであった。

 

「……おはようございます。其れで、何か用ですか?」

「仲間に会いに来るのに理由は要らない! というのは冗談でだ。服を届けにきた」

「服?」

「そう服。ルーンマスターの服だ……あぁ、そう言えば良い忘れてたか。冒険者は一目で見分けられる様に、服が職業別で大体統一されているんだよ。因みに大体って言うのはあれだ、防具とかそういったの関係だな。と言う訳で届けたから。じゃ、冒険者ギルドで待ってるから!!」

 

言って、服を置いて部屋から出て行くローウェン。嵐の様だと思ったレフィーヤは間違っていない。

 

少し唖然とした様子だったが、気を取り直すレフィーヤ。ローウェンの置いて行った服を手に取って見る。

 

見た目は、確かにホロンの着ていた其れとよく似ている。いや、さっきの言葉から考えれば、女性用であるか男性用であるか程度の違いしかないのだろう。性能面は、恐らくこちらの方が劣っているだろうが。初心者にそんな高性能の物を渡したりはしないだろう、昨日酷い目に在ったばかりであるし。まぁ、可愛いデザインで良かったとレフィーヤは思った。

 

尤も、着てみたらとんでもなく暑くて直ぐに脱ぎたくなったのだが。

 

 

 

 

レフィーヤは消耗していた。

 

それはもう、死ぬ間際で在った。息が荒く、汗も止まらない。どんどんと体力を奪われていく感覚に、しかし何もすることが出来ず。唯、唯、黙々と歩き続けて。其処に辿り着く。

 

見覚えのある姿が二つ。嗚呼、ローウェンとギルド長だ。二人は彼女に気が付いた。何か、驚いたような表情を浮かべているが、関係ない。今、レフィーヤが口にすべき言葉は一つだけだ。

 

「水……下さい」

「レフィーヤが死に掛けてる?!」

 

その暑さは命に到るものだった。

 

 

其の後、ぐったりしながら水を飲んでいる彼女を見かけた通りすがりの女性ルーンマスターが火球と氷槍の印術を応用した温度調整を服に施してくれた為、地獄のような暑さから解き放たれた。思わず女神と崇めそうになったが間違っていないだろう。若しもオラリオだったならば改宗待ったなしだろう。

 

「いやぁ、すまん。ルーンマスターの奴らは大体平気な顔してるから思い至らなかった。普通に考えれば暑いよなその格好」

 

と、申し訳なさそうに頭を下げて謝罪するローウェン。基本的に人は良いのだろうか。テンションが高かったり金が関わたたりしなければ。

 

「いえ、気にしてませんから。いやまぁ、死ぬかとは思いましたけど。此れも経験だと思う事にしますので」

「そう言ってくれると助かるな」

 

そう、ローウェンに言いながらもレフィーヤは思った。でも経験を活かす機会は出来れば無いと嬉しいなぁ、と。仕方ない事だ。死にそうな程暑いのは、誰だって嫌だろう。

 

「あぁ……さて、色々あったが。本題だ。まぁ、やる事は昨日と同じで仲間候補を探す事…なんだが」

「だがって、どうしたんですか?」

「なんかまたギルド長に頼まれた」

 

言いながら、横目でギルド長を見るローウェン。つられる様に彼女も視線を向ける。先程の彼と同じ様に若干申し訳無い様な表情を浮かべていた。如何したというのか? 首を傾げて、そう言えば朧げに先程二人が何かを話しているのが見えた様な気がと思う。本当におぼろげであるが、死にかけてたから仕方が無い。

 

「すまない」

「いや別に謝る様な事じゃ無いだろう? 唯単に俺達に冒険者の紹介しただけなんだから」

「紹介?」

「そう、なんか来たら行き成り声掛けられてな。もし良かったらって言われたんだよ。まぁ、その紹介された奴はまだ来てないらしいが」

「それは…確かに、謝る様な事では無いです、よね?」

「間違いなくな」

 

なら、何故謝罪したのか。若しかして、問題児と言える様な人物なのだろうか?と、そう疑問に思うと、察したのかギルド長は口を開いて、否定した。

 

「いや、問題があると言う訳では無い。性格、技量、共に問題ないと言えるパラディンの男性だ」

「なら、尚の事なんで謝ったし」

 

レフィーヤも頷く。寧ろ、優良と言えるのでは?と、其処まで思ってふと気が付く。性格と技量に問題ない。なら、後問題に成る様なものといえば。

 

「その……とてもすごいぞ?」

 

主にキャラが。

 

 

 

 

 

 

 

暫くすると、それは現れた。

 

「あらギルド長。この二人があたしのお仲間かしら? もぉおおおおお!! 嫌に成るくらい素敵じゃないの?! 可愛らしい女の子にカッコいい男! もうギルド長ったらあたしの事興奮させまくって殺す気なのかしら?!!!!!?」

 

「確かに凄いな」

「凄いですね」

 

主にキャラが。

 

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