世界樹の迷宮 ―――英雄達の軌跡―――   作:春山乃都

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第百七十五話

唐突であるが、レフィーヤ・ウィリディスはとても暇であった。端的に言ってやる事がない。だから、思い付きで色々な人から話を聞いて情報収集でもしてみる事にしたのだ。内容は、何かとても古いものを知らないだろうか、だ。

 

歩いていた一般エルフに尋ねる。

 

「古いもの? 王家はそれにあたるのでは?」

「あぁ、そうですね」

 

若しかしたらまだ知っているのではと変態のエルフに尋ねる。

 

「申し訳ないがこの前の森の事以外は知らないのだよレフィーヤ氏」

「其れよりもなんで髪の毛が虹色なんですか」

「寝てたらふと思ったのですよ。そうだ、髪を染めるのだと」

「それで何故虹色に成るのかと。あ、別に言わなくても結構なので」

 

序でに変態パルゥムに尋ねる。

 

「ニャァアアアアアア!! ニャァ? ニャ、ニャガ、ガガガガガガガガガガ、ガォオオオオオ!」

「あ、駄目ですねこれは」

 

仕方なく外に出て、偶然見かけた巡回中の新兵に尋ねる。

 

「申し訳ありません、これと言っては」

「そうですか」

 

少しう歩き回ってからよく訓練された兵士に尋ねる。

 

「それならアレス様でも締め上げて聞いてみれば良いと思うぞ。ほら、神様って基本古いし」

「その手が在りましたから」

 

意気揚々と城に向かい自室で酒を浴びる様に飲んでいた神に尋ねる。

 

「知らん」

「そうですか」

「だからさっさと帰れキチガイが!!」

 

追い出されてしまったので帰ろうとしていた処に最近疲労が抜けてきた王子が通りかかったので尋ねる。

 

「私は知らないが城の書庫で調べれば何かしら分かるのではないか?」

「あぁ、その手が在りましたね。所で」

「当然、利用してもらって結構だ」

「ありがとうございます。それでは」

「良い冒険が出来ると良いな」

 

そんな事を言われながら歩いて書庫へとレフィーヤは向かい。

 

 

一週間の時が流れる。

 

 

「とまぁ、そんな感じで調べてた訳ですよ」

「成程、昼間姿を見かけなかったのはそう言う事か。で、なにか分かったか?」

「えぇまぁ」

「ほほぉ」

 

と、レフィーヤがテーブルの上に広げた資料を身を乗り出しながら眺めるローウェンは興味深げに呟いた。

 

「ドワーフがかつて利用していた洞窟……か」

「えぇ、正しければ神々が降り立つまでは鉱石などを掘り出すために利用されていたらしいですよ」

「それが使われなくなったのは鉱石が取れなくなったからか、或いはそこよりも効率の良い場所が見つかったからか」

「多分後者だと思いますよ。ほら、オラリオの迷宮って鉱石も取れますし」

「成程、それなら確かにすぐでないにしても使われなくなるのも可笑しくはないか」

「だと私は思ってます」

 

だからと言ってそこに石板が在るかどうかは分からないのだが。在り得ない事では無いとレフィーヤは考えていた。あと単純に行ってみたいとも。あと。

 

「とてもいい冒険の出来そうな場所だと思いまして」

「まぁ、行ってみたい場所で在る事は確かだな。ところで」

「あ、他の調べたものを纏めたのはこれです」

「あぁ、ありがとう」

「しかしなんというか」

「何がだ?」

「いえ、ローウェンさんならそう言ったことをもう調べると思ったので」

 

実際、調べてる途中にあれ、これ若しかして二度手間に成るのでは、なんて思ったものだ。まぁ、途中で投げ出すのもあれだったのでそのまま続けたわけだが。

 

「調べたかったは調べたかったな」

「と言う事は調べられなかったと」

「其れ処じゃなかったしな」

「あぁー……そうでしたね。確かに色々と問題だらけでしたしね」

 

弾丸とか弾丸とか、あとは弾丸とかの問題の事だ。確かにそれなら調べるどころでは無かっただろう。冒険したいのに弾不足で出来ない。そこに調べて魅力的な場所が在るなどと知ってしまえば、発狂もので在る。それが分かっていたから自重していたという訳か。

 

「……なんかそれっぽい場所は他に無いな」

「そうなんですよ。大体調べつくされてたりするんですよね」

「隠し扉とかでもない限りはこれと言った発見は無いだろうな」

「だと私も思ったわけですよ。それに対してこの洞窟は」

「未だに最奥まで足を踏み入れたものは居ないらしいな、これが正しければ」

「えぇ、正しければですけど」

「モンスターは出るし、入り組んでいて天然の迷宮と化していると。なんだこれ最高かよ」

「でしょう? そりゃ在るかも知れない隠し扉とか隠し道とかもとても興味深いですけど。私的にこっちの方が好みなんですよね」

「分かる、凄い分かるぞレフィーヤ。ぶっちゃけ俺はもうここにすぐ行きたい」

「私もです」

 

準備も何も出来てないので無理なのだが。

 

「まぁ、魅力的と言うだけで石板も何もないかもしれませんけどね」

「石板なくても冒険出来ればそれで良いだろう。寧ろ石板とかついでだし」

「確かにそうですね」

 

もしも一般人が聞いてたらそれは可笑しいと良いそうな会話だが、そんな事は一切ない。冒険者なのだから積極的に危険を冒しに行くのである。恐れるべきは金欠の所為で冒険が出来なくなる事だけだ。

 

「さてじゃあ、あいつらが戻ってきたら話し合うか。どうなるかは分かり切ってるけど」

「そうですね」

 

寧ろ、駄目だとか嫌だとか言う事が在るのだろうか? いやリリルカやアスフィならそう言うかもしれないが。まぁ、それは其れだ。そうなったらその時考えようと、レフィーヤは思う。

 

 

 

 

「行こう」

「そうね、行きましょう」

「わくわくでござるな」

 

そしてやっぱり思った通りなったのでしたとさ。因みにリリルカとアスフィも同意した。若干やけくそに見えたが気のせいだと言う事で。

 

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