魔法ある世界での災難   作:濡鴉

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二話 日常生活:中

「お帰りなさい恭二、シュトルツ」

  恭二がボロボロになりながら帰宅すると、エプロン姿彼の姉クリスティン・ブリュヒルデが出迎える。 彼女は、腰まで掛かるほどの金髪碧眼の女性であり、年齢、彼氏や身長体重は不詳である。

 そして彼も黄金色の髪である 。

「ただいま帰りましたブリュヒルデ様」

「ただいま、クリス姉さん」

  二人は彼女に言ったあと、リビングからキッチン前のテーブルへと向かった。

「今日は簡単なものにしてみました」

  ブリュヒルデはキッチンから、食パンと皿に上げたスクランブルエッグ、焼いたベーコン、それにサラダを人数分持ってきた。

「いつもありがとうクリス姉さん」

「いえ、私は私の役目をしたまでですよ」

「いつもすみません。 こんな贅沢な物を頂いて」

「シュトルツさんもですよ。 私は私の役目をしたまでです。 貴方だってあなたの役目を果たしたのでしょう? それだけです」

  二人とも私を困らせないでくださいとブリュヒルデが言うと、二人はこれ以上言うのをやめ、食事を頂くことにしていた。

「「「いただきます」」」

  彼らは、食事を取り始めた。

  恭二は食べていて思った。 パンやベーコン、スクランブルエッグは絶妙な焼き加減を保っており、その材料は近くのスーパーで買った物ではなく、高級品を使ったかと錯覚させる物だった。 サラダもそうだった。 これもちゃんと水切りがしっかりしており、瑞々しいしくそれでいて濡れすぎてもいない。

  彼は思うにそれを表現するなら、永久に食べ続けられる料理だった。

 恭二が隣を見ると、シュトルツもいい顔をしていた。 彼の話によると、昔の食生活はかなり酷く、残飯を漁っていたらしい。 非常に衛生面でも危なく、食べる気を無くすと思う。

  恭二がそう考えていた時、ブリュヒルデは何かを思い出して、それを口にした。

「そういえば恭二。 あれをシュトルツからもらいましたか?」

「あれってデバイスのこと? それなら今日渡されたよ」

  そう言って恭二はネックレス状のデバイスを彼女に見せながら言った。

「今日使ってみたけど使いやすいね、手に馴染む感じがあったんだ。 とても不思議な感覚だったよ」

  そういいながら彼は、その感覚を思い出していた。

「そうですか。 それは良かったです」

  彼女は、顔に影をちらっと見せながら言った。 だが、彼はその感覚を思っていたのかそれを見ることはなかったのだった。

「〈ブリュヒルデ様......〉」

  シュトルツは念話を使用し、ブリュヒルデに直接話しかける。

 念話とは、こいつ直接脳内に......!ということである。 優秀な連絡手段ではあるが、劇中どう考えても潰されるものであることに変わりない。 ホラーで電話が使えないのと同じくらいに。

「〈ええ、やはりそうですね。 分かっていましたが〉」

「〈彼は一体なぜ持っていたのでしょう?〉」

  彼らは馴染むということに心当たりがあるようだが、これ以上はやめておこう。 それは、私が語るべき段階ではない。

「? 二人ともナニカかあったんですか」

  念話内容は聞こえなかったらしいが、していることを感じ、疑問に思った恭二は二人に質問した。

「いえ、何でもないですよ恭二」

「そうだ。 恭二、君はこれから学校なのだ。 準備をしないと」

  二人は顔色一つ変えずにそう答える。

「そうですか。 何かあったら言ってくれませんか? 蚊帳の外ほど虚しいことはないので」

  と顔に淋しさを浮かべて言った。

「そうですね、わかりました。 今回の件は言えませんが、もしあった時は言いますね」

  恭二はその返答に、はいと歯切れ悪くいった。

  その後静かな食卓となり、そしてそろそろバスが出る時刻の15分前。

「では、クリス姉さん行ってきます」

  と小学校の制服に身を包み、その身に少し大き目のリュックサックを背負っていた。

「行ってらっしゃい恭二。 遅くならない様にしてくださいね」

  微笑みながらお弁当を手渡して彼女は言った。

 余談だが、シュトルツは普段狼形態でいるのだが、どう見ても大型犬です本当にありがとうございました。

「わかりました」

  こうして彼は学校(死地)へ向かう。 そういう理由は次回へ続く。

 

 

 




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次回:日常生活:下
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