前回投稿から3分の1年経ってしまいました。
ようやく一通り書き溜めができたので投稿です。
エピローグ 私ハリーの終わりの後悔
また今年も一年が終わろうとしている。
原作『ハリー・ポッター』の知識を持って生まれた私、ハリエット・ポッターが、魔法界に足を踏み入れて3年が経つ。
1年目、「賢者の石」
一昨年、私はホグワーツに入学した。
いろいろと問題を起こした後で、自分と、あるいは原作と向き合い、私自身が何をしたいのかを考えた。
その結果として、一人の命を救うことができたと思う。
2年目、「秘密の部屋」
去年だ。去年は生徒たちに直接被害が出るかもしれない、恐ろしい年だった。
まあそれに怯えていたのも中盤までだったけど。私は途中から原作の知識を失っていたのだ。
原作の記憶が無ければ、怯えるも何もない。気楽ではあった。
でもそんな不安定な状態で、よく死者を出さずに切り抜けられた。
入学から2年間、危ない場面はいくつもありつつも、なんとかやってきた。
じゃあ、今年は。
3年目、「アズカバンの囚人」
私、ハリエット・ポッターのホグワーツ3年生のこの1年はどうだったか?
去年、一昨年に及ぶべくもない。
最悪の年だった。
結局のところ、油断していたんだと思う。
去年、一昨年に比べれば、危険のない年だろうと。
ヴォルデモート卿が教師に憑りついているわけでもない。
遭えば即死の怪物がうろついているわけでもない。
今までよりも安心して、一年を終えられる。
もしかしたら、原作より良い結果を求められるかもしれない。
そんな風に考えていた。
勘違いしてしまっていた。
今まで2年間を乗り越えてきたのだから、今年も大丈夫だと。
その成功が、どれだけ危うい薄氷の上に乗っていたかを忘れていた。
人生は階段のようで、うまくいくときは一歩一歩、ひとつずつ。
でも、悪いことが起こるときは転げ落ちるように連鎖する。
一歩でも足を踏み外せば真っ逆さまだ。
今年、私が足を滑らせたのはいつだったか。
思い返してみれば、いくつか心当たりがあるような気もする。
私は神様じゃないから、正確になんてわかるわけないけど。
あのときああしていれば、なんていうありきたりな後悔を抱いても、もう遅い。
原作なんてとっくに崩壊してるんだから、もうこんなことを考えるのは馬鹿馬鹿しいかもしれない。
それでもあえて言うなら、原作の「アズカバンの囚人」
その結末を、私は迎えることができなかった。
後悔と、苦しさと、悲しみと、とにかく私の胸を裂けんばかりに締め付ける感情たち。
そして何よりも、自分への怒り。
過程は色々、違いはある。
結果だけを言ってしまえば――
シリウス・ブラックが命を落とした。