佐藤太郎は勇者である/桐生戦兎は仮面ライダーである   作:鮭愊毘

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第四話 正義と私利私欲のボーダーライン

俺は真っすぐ大赦へ向かった。

一年ぶりだ。葛城さんがこの世を去った今、父さんは技術開発部の部長になっているのだろうか。

 

―――それ以前に怒りの感情が沸いてくる。

どうして散華を教えてくれなかった?

教えたらビビッて戦えなくなるから?

俺たちのことを信用していないのか?

俺たちは信用してたのに―――――

 

 

いかんいかん。と赤信号のときに深呼吸をし、自分を落ち着かせる。

 

信号が青になった。皆交通ルールを守っている。もはや当然のことだが、青信号というものは

 

進め

 

ではなく、

 

周りの状況を見て直進・右折・左折してもいい

 

である。だから俺はいつも左右確認を怠らずやっている。

 

 

「……最悪だ」

 

俺はタッチパネルになっているメーターを操作し、例のアプリを起動させる。

 

うん、俺の目に嘘はないみたいだ。あれはスマッシュだ

 

逆に考えろ。この状況、新しく見つかったベストマッチを試すのに最適じゃないかと。

 

 

 

〔鋼のムーンサルト!ラビットタンク!Yeah!〕

 

 

一応ラビットタンクで様子見。

 

 

「こいつは生身で敵う相手じゃない!逃げろ!」

 

友人を守ろうとしているのかスマッシュにファイティングポーズをとっている赤い髪の女の子に声をかける。

 

「は、はい!」

 

その女の子は後ろの黒髪の女の子の手を取って岩陰に隠れる。

でも今、黒髪の子を「トウゴウさん」って言ってなかった?

 

なーんか知り合いの本名でそんなのあった気が……まぁいいや

 

 

再びスマッシュに注目すると、

 

「えっ」

 

おかしい。二体に増えている。と思ったら三体、四体……

 

「分身の術ってわけか……」

 

"分身"だったら本体は一つ。残りは残像か幻影。"増殖"だったらすべてが本体。

どれか一体でも漏らせば被害は広がるばかり。

 

スマッシュが前者か後者か、正直よくわからない。

 

 

「だったら、全部倒せばいい」

 

 

と、その時、スマッシュが勢いよく飛び上がり、俺を見下す態勢になった。

 

「飛行能力……?いや、滑空か?忍者みたいだな」

 

分身に滑空。面白い。

 

 

 

 

〔TAKA!〕

〔GATLING!〕

〔BESTMATCH!〕

 

 

 

スナップライドビルダーにタカの橙色のハーフボディーとガトリングのガンメタリックのハーフボディーが形成される。

 

 

〔Are you ready?〕

 

 

「ビルドアップ」

 

 

 

〔天空の暴れん坊!ホークガトリング!Yeah!〕

 

 

ここに来る前、万丈が第六感で見つけたベストマッチ。

背中のソレスタルウィングで飛行もできるようだ。

 

 

〔HAWK GATLINGER!〕

 

このベストマッチが判明したと同時に完成させた機関銃型武器"ホークガトリンガー"を召喚・装備する。

 

 

「勝利の法則は決まった」

 

ソレスタルウィングを展開し、スマッシュと同じ高度まで上昇。

 

リボルマガジンを回転させる。

 

 

〔TEN!〕

〔TWENTY!〕

〔THIRTY!〕

〔FORTY!〕

〔FIFTY!〕

 

1回転ごとに弾が10発装てんされる仕組みだ

 

〔SIXTY!〕

〔SEVENTY!〕

〔EIGHTY!〕

〔NINETY!〕

 

〔ONE HUNDRED! FULL BULLET!〕

 

最大装填数の100に達し、周囲への被害を抑えるための球状のフィールドが展開される。

 

「行ッけー!!」

 

トリガーを引き、100連射。

 

スマッシュの分身はせいぜい20~30程度。

こちらは100連射な上、一発一発が計算された速度・タイミングで発射されるため、

分身の一体一体に数発ずつ命中し、最後の一体が地面に落下する。

 

俺も着地し、エンプティボトルに成分を回収する。

 

スマッシュにされていた人が倒れている。

起こそうと近づくが

 

「あ、あんたは……!」

 

ここに来る前、俺はある男の写真をマスターに見せてもらった。

 

その男の名は鍋島。

刑務所にいたころの万丈を拉致し、人体実験の場まで運んだとされる人。

 

「なぁ、あんた鍋島だろ?」

 

「ぅ……」

 

「なんでこんなことに―――」

 

謎の気配がした。

気のせいか、こう思い鍋島を見ると、もうそこに彼はいなかった。

 

代わりにいたのが、水色のヘビ。コブラといったほうがいいか

 

そいつに射撃を試みるがまるで効いていない。実体がないかのように弾がすり抜ける。

 

「はぁ……」

 

最悪だ。こう言おうとしたがそういう言葉はあまり口に出さないほうがいい。

 

「あ、あの!」

 

さっきまで隠れていた女の子二人が近づいてくる。

 

「ありがとうございました!」

 

「いいのいいの。俺だって好きでこういうことやってるわけだし」

 

「……もしかして、仮面ライダーさんですか!?」

 

赤い髪の子の目が輝いて見える。にしてもさん付けとは珍しい

 

「ああ。俺は仮面ライダービルド。『作る・形成する』って意味のBUILDだ。

以後、お見知りおきを」

 

「――――私、讃州中学勇者部の結城友奈っていいます!」

 

「友奈ちゃんね。よろしく」

 

「こちらこそよろしくお願いします!……最後に、お写真いいですか?」

 

「え、はい……どうぞ」

 

別に撮られて拡散されても困るもんじゃないし。

 

黒髪の子が「フウ先輩が言ってたのと違う……」とつぶやきながら俺を撮影する

 

「……ねぇ、友奈ちゃん」

 

「はい、何ですか?」

 

「よく俺が仮面ライダーだってわかったね」

 

「少なくとも讃州中学では有名ですよ!」

 

「そっか」

 

この後も友奈ちゃんの話を聞いていたが、どうやら依頼で俺のことを探していたらしい。

 

全部はさすがに言えないけど、自分がなぜ戦っているかは話せる。

 

「……くしゃっとなるんだよ」

 

「え?」

 

「誰かの力になれた こう感じると心の底から嬉しくなって、くしゃってなるんだよ。俺の顔。マスクで見えないけどね。

 

見返りなんていらない。役に立てればいい。私利私欲ではなく、自分の信じる正義のため戦う。……いや、これもある意味私利私欲かな」

 

正義と私利私欲、その境界線がわからなくなることがある。正義も私利私欲も、決まっているわけではない。人それぞれだからだ

 

 

二人に手を振りマシンビルダーのもとまで戻る。

……にしてもトウゴウさんってあの東郷さんなのかなぁ。

別人の東剛さんって可能性もある

 

 

 

 

 

 

 

「次は、讃州中学で会いましょう。佐藤さん?」

 

 

 

 

 

 

「…………はい」

 

あの鷲尾さんちの須美さんの方の東郷さんだった。

 

世界は案外狭い―――

あ、四国以外火の海だから実質狭いか

 

 

 

――――――――――――

 

 

 

ずいぶん寄り道したが本当の目的を果たしに行こう。

 

 

 

――――――――――――

 

~大赦~

 

「ついたはいいが、どうするか……」

 

問題はここからである。

 

 

俺が今いる大赦。ここはかなり広く、複雑な内装である。

 

自分の今の職場でもある研究所は一応大赦と繋がってるから行けるかも……

 

「……」

 

入り口付近でバイクのメンテのふりをしながら考える。

 

「――――うした」

 

「……どうしよっかな…………」

 

「おい」

 

肩を強く叩かれる

 

「所長……?どうしてここに」

 

「君もここに用事があるのか?」

 

「はい」

 

「だったら一緒にどうだ」

 

――――――――

 

「君はここでも通じるだろう。どうだ?葛城君のようにここでも働くというのは」

 

「それはちょっと……」

 

「じゃあこうしよう。ここで研究所の仕事に励む」

 

「……何か俺を引き離そうとしてません?」

 

「そんな事はない」

 

こう言って所長は大赦の見取り図をくれた。

技術開発部は近寄らないようにしよう。

 

 

それにしてもおかしい。

俺がここに来ることは誰も知らないはず。

 

 

結局、色々迷ってやけに禍々しい雰囲気を漂わしている部屋の入り口についた

 

 

「何がどうなって……」

 

 

扉を開け、中に入る。

 

 

「何だよ……ここ……!」

 

壁が血のように赤く、札が何枚も貼られている。

園子を何だと思って―――

 

 

さらに奥へ進むと、鳥居とベッドが一つずつ。そしてそのベッドには―――

 

 

何と言っていいかわからなかった。

右目を隠すように巻かれた包帯、紫色の着物の首元から見える包帯……

 

それに部屋の内装。

 

祀っているようにしか感じなかった。

 

 

「そ、園子……」

 

なんて声をかけていいかわからなかった。

 

大丈夫か!?でもない。久しぶり でもない。

 

「うん、園子だよ~。さっとん、ずいぶん大きくなったね~」

 

いきなりそこを突いてくるか

 

「よく、俺だってわかったな」

 

「わかるよ~」

 

一年前と変わらないな。

と言いたいが、よくよく見ると結構違うことがわかる。

 

「……」

 

俺は園子に寄り、

 

「寂しかった……んだな。ごめん。『守ってやる』って言ったのに……」

 

「さっとん……さみしかった……本当に…………死んじゃったって思ってたから……!」

 

寄るというより抱きしめると言ったほうが正しい体勢でよしよしと泣いている彼女を慰める。……だけど

 

「ちょっと待って?死んじゃったって何?俺死んだことになってんの?」

 

一旦園子から離れ、考える。

……わからない

 

「大赦が、けーあいえー?みたいなこと言ってさっとんを探すのをやめたの。1週間探したんだよ?」

 

園子が言いたいのは「KIA」のことだろう。

Killed In Action の略で意味は「戦死」

 

「…………園子」

 

勝手に死んだことにされた俺を癒して と言おうとしたがさすがに気持ち悪いのでやめた。

 

「私がこんな風に祀られて、1か月くらい……かな?そんな時にさっとんが死んだって大赦の人が…… 告別式もやって……」

 

「え?もうそこまでいったの?じゃあ、俺のPCは……!」

 

「ミノさんとそんな約束してたね~。本当に消しちゃったみたいだよ?」

 

「……まぁ、別にいいし。けしからん画像とか映像とか入ってなかったし」

 

「本当に?」

 

「本当にって何よ」

 

「なんか、女の人のにおいがするから」

 

「確かに、今日ここに来る途中で女の子を助けた。ただそれだけなの!」

 

「浮気なんてしたらずがーんだよ~」

 

「わ、わかってるよ……。それにしても、においなんてするか?抱き合ったとかそういうのしてないし」

 

「さっとん、人間の体っていうのはね、よくできてるものなんだよ~」

 

自分は散華で色々な体の機能を失ったから、その分残ってる感覚が鋭くなったとでもいいたいのか……?

 

「この状況をどうにかできないものか……」

 

つい口に出てしまった。

 

「できたらいいよね~。でも、『勇者に変身できない状態になったら供物が~』とか聞いたよ」

 

「……例えば」

 

「端末を壊されるとか?」

 

「きっとダメだな」

 

いや、一つだけあるかもしれない。試してみる価値はある

 

「さっとん~」

 

「んー?」

 

「そんな暗い話はやめて、もっと他の事しようよ~」

 

「ほかの事?」

 

てぇんさい物理学者(たぶん)として働いてます!とでも……

 

「ほら、恋人同士なんだからさ~」

 

「といってもなー」

 

「じゃあ私から。仮面ライダーって知ってる~?」

 

「あ、それ俺だわ」

 

こう言って証拠のビルドドライバーとフルボトルを出す。

 

「世のため人のため園子のため戦ってるわけですよ」

 

「へ~」

 

どうも話が続かない。いつもだったら

 

てぇ↑んさいですから!

 

で済むが、こんなこと言ったら悲しい人だと思われるかもしれない。

 

そしてやることがないのでつい園子の頭を撫でてしまう。

 

 

「この世界にはバーテックス以外の脅威も存在する。それから守ってやんないとな」

 

「……ってことは、毎日来るって言うのは―――」

 

「出来ないな。でも大丈夫。運命に縛られたお前を、いつか必ず救ってみせる」

 

「……さっとん、愛しているからね」

 

「ありがとう……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そういう事言うまで発展したっけ?まぁ違いないんだけど」

 

「恋に早い遅いは関係ないよ~」

 

「園子らしいな。じゃ、またな」

 

こう言って俺は部屋を後にした。

正直、このまま朝までいてもいいのだが、やりたいことがある。

 

 

「大赦も神樹もそこまで鬼ではないだろう」

 

俺はスマッシュのものではない成分の入った浄化前のボトルを手に、nascitaに帰った

 




勇者の章一話を見直しました。

そして、英霊の一人に「桐生」って苗字の人いるじゃねーか!と気づきました。

…イチャイチャって書いたことないからこれでいいのかよくわかりません

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