佐藤太郎は勇者である/桐生戦兎は仮面ライダーである   作:鮭愊毘

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第八話 葛城巧のプロット

「何だよこれ……」

 

『PROJECT BUILD』と『REBOOT OF LEGEND KAMENRIDER』はそれぞれクリックできるようで、まず俺は前者をクリックする。

 

すると、一本の動画が流れ始める。

 

 

『俺は、葛城巧。これから話すPROJECT BUILDとは、勇者システムを発展させた究極の防衛を目的としたライダーシステムの事だ。

これは、それの源となるビルドドライバー。

ハザードレベル3以上の者が使用することで、仮面ライダービルドに変身することができる!

 

これが、ビルド。『作る・形成する』って意味の、BUILDだ。

 

ビルドは、ドライバーに刺すボトルによって姿や能力が変わる。

使うボトルは二本。ボトルはパンドラボックスが発見された洞窟から噴出するネビュラガスをベースにしていて、組み合わせ次第で必殺技「ボルテックフィニッシュ」を放てる。

 

先ほど言ったようにビルドにはフォームチェンジ機能が存在する。

例えば、ウルフボトルとスマホボトルで、「スマホウルフフォーム」

勇者ボトルとライフルボトルで「ブレイブスナイパーフォーム」

に変身が可能だ。

 

これらはほんの一部に過ぎない。ビルドは無限の可能性を秘めている!

以後、お見知りおきを。See you !』

 

映像が終わった。

 

「防衛……、ライダーシステム……」

 

それより気に障るのは、勇者フルボトルについて触れていたこと。

これは俺が園子から勇者の力をはく奪し、供物を返してもらおうとして生まれたもの。

nascitaに出入りする俺、万丈、マスター以外は知らないはず。

 

これは最後に編集した日を調べてわかったことだが、やはり葛城さんは生きている。

でもスタークは"体が"と魂が死んだかのごとく言及していた……

 

 

 

次に、『REBOOT OF~』とクリックする。

 

 

「未知の脅威 バーテックスから世界を守る勇者。それと同じように、仮面ライダーも過去に存在していた。

新しいもので300年前。"エグゼイド"というライダーが活躍していた。

 

究極の救済(EXTREME-AID)と書いてEX-AID(エグゼイド)

 

これは、その源のゲーマドライバー。そして、ライダーガシャット。

 

〔MIGHTY ACTION X!〕

 

今起動したこれは、エグゼイドのプロトタイプにあたる"仮面ライダーゲンム"のガシャットであるプロトマイティアクションXガシャットオリジン。

本来これはバグスターウイルスというウイルスの抗体が必須だが、改良によりハザードレベル4.5以上で使用ができるようにした。

 

他にも、マキシマムマイティX、ハイパームテキなどが存在する。

特にハイパームテキは名の通り無敵になることができ、マキシマムマイティXと接続することで真価を発揮する。

 

 

ここまで聞いたならもうお分かりだろう。『REBOOT OF LEGEND KAMENRIDER』とは、過去の仮面ライダーの力をお借りし、彼らの意志を受け継ぐ計画である』

 

映像はここで終わった。

すると、画面の左下に検索エンジンのようなものが出現する。

試しに俺は、先ほど出たライダーガシャットを検索してみる。

 

以下のような文章が出てきた

 

 

修理及び運用テストが完了したもの

 

・GAMERDRIVER

・PROTO MIGHTY ACTION X ORIGIN(HLV4.5以上)

・DANGEROUS ZOMBIE(HLV4.5以上)

・MAXIMUM MIGHTY X(HLV4.7以上)

・HYPER MUTEKI(HLV6.0以上)

 

デンジャラスゾンビはバグスターウイルス抑制の力を持つオリジンガシャットと併用しないと身体にかなりのダメージを負う。そして、

298年のバーテックス侵攻はハイパームテキの修復が天の神に察知されたことが理由の一つだ。

使用するときは用心してくれ

 

 

 

「すげぇ……」

 

「戦兎、それもそうだがこのケースも開けてみようぜ」

 

「そうだな」

 

アタッシュケースのロックを外し、開ける。

 

「これは……!」

 

中に入っていたのは、ローグやスタークが使う銃と短剣。そして、ゲーマドライバーにガシャット4本、ボトル三本だった。

 

「錠前にドクターにゲーム!?最ッ高だぁ……!」

 

「葛城の奴、何を企んでやがる……

 

 

あ!一つ気になってる事あんだけどさ」

 

「どうした?」

 

「スタークが言ってたんだ。俺のハザードレベルが3超えたって」

 

「おお」

 

「ってことはー……俺もビルドに――」

 

「なれません」

 

「はぁ!?変身できないってどういうことだよ!さっきの動画でも説明あったじゃねぇか!」

 

「……別に変身できないなんて言ってないだろ。お前のドラゴンフルボトル、そしてクローズドラゴン。これを使う」

 

俺の元にドラゴンが飛んできて、首と尻尾をたたみ、胴体の左側をドライバーのスロットにセットできるように変化させる。

 

「こんな風に、ガジェットに変形して、ボトルを挿す」

 

「なるほど。じゃあ早速……」

 

「あ!まだお前は―――」

 

「行くぞ!」

 

万丈がドラゴンボトルをクローズドラゴンの背中に挿そうとする。

しかしそれをドラゴンが拒み、ガジェットから元の姿に戻り火を噴く。

 

「何でだよ!」

 

「……あのな、そのドラゴンはお前の大脳辺縁系とシンクロしてんだよ。そして、お前の強い思いの閾値が一定以上になると、変身できるようになるの」

 

「…………何言ってんのかさっぱりわかんねー」

 

「『誰かを助けたい』『誰かの力になりたい』って思いが必要ってこと。自分のためだけで変身されて暴れたらそれこそ人殺しだからな」

 

「俺はそんなことしねぇ!」

 

「一応。一応だから」

 

「そうか。そうしちまったもんはしょうがないもんな」

 

万丈のやつ、相当ピリピリしてるな

 

「どうだ?ちょっと外歩かないか」

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

龍我SIDE

 

 

『外行こう』

こう言われついていくと、あいつは大赦に足を運んだ。

 

「ここ……か?」

 

「ああ」

 

そして俺たちはある部屋へ向かった。

そこはとても気味が悪かったが、何故か女が一人、立っていた。

 

「園子!もうそこまで回復したのか!」

 

「あ、さっとん!」

 

さっとん?ああ確かこいつ一年前まで佐藤太郎って名前だったってマスターが言ってたな

 

「回復?あんた、病気か何かなのか?」

 

「ちょっと違うかな~」

 

「じゃあ何」

 

「それは―――――」

 

話を聞くうちにわかった。

この子は前戦兎が言ってた勇者ってやつか。

 

どうやら勇者ってのは必殺技みたいのを使うたび体の一部が動かなくなるらしい。

 

「ふざけんなよ……!」

 

「万丈?」

 

「何で俺たちは何も出来ないんだよ……!なんで、こんな子供が……」

 

「神の力を授かることができるのはいつだって無垢な存在だけ。こう決まっちゃってるみたいだからね」

 

「……ってことは、戦兎は一年前までむく……?ってやつだったのか?」

 

「それは違うかな」

 

「ひどくなぁい!?

 

……それより園子、俺の使ってた端末はどこだ?ここに回収されてるのか?」

 

「精霊の数を4体まで減らして、結城友奈って子のものになったんだって」

 

「次世代の勇者……か」

 

「それとさっとんの刀の事なんだけど、三好さんに継がれたんだって」

 

「……遺志継ぐとか言ってたもんなぁ」

 

正直、この二人の会話は知らない単語ばっかでよくわかんねぇ。

でも……俺が役に立てないことだけは確かだ。

 

「俺には、何も出来ないのか……」

 

「どうした?お前が他人の助けになりたいだなんて――――」

 

「どうしたもこうしたもねぇよ!何で将来の明るいガキがこんなひどい目に遭って、俺たち大人が指をくわえているしかない!こんなのおかしいだろ!」

 

「お前にだってできることはあるさ。今わからないだけで」

 

「そうだよ~。……えーっと」

 

「悪い。名前、言ってなかったな。万丈龍我だ。一十百千万の万に、大丈夫の丈、書くのが面倒な方のドラゴン(龍)に、我って書く」

 

「う~ん……あとで考えておくね」

 

「?」

 

「園子はあだ名つけるの大好きだからな」

 

「えへへ~褒められた~!」

 

「……」

 

 

 

―――――――――――――――――

 

 

 

「どうだ?何か見つけたか?」

 

「ああ。大赦がクソだってことはわかった」

 

「お、おう……」

 

「なぁ、勇者って他にもいるんだろ?」

 

「ああ。確か――――」

 

 

 

「五人」

 

 

 

「そうそう!五人……え?」

 

俺は何も言ってないぞ

 

「ここだよここ!」

 

「スターク!!」

 

「おい待てよ。今は戦いに来たわけじゃないんだ。話をしに来た」

 

「ファウストの奴の言うことなんか聞きたくもねぇ!」

 

「あ?俺はファウストじゃない。訳あって奴らに雇われた傭兵さ。

それより桐生戦兎、あのアタッシュケース開けてみたか?トランスチームガンとスチームブレードが入っていたはずだ」

 

「何故それを……」

 

「トランスチームガンには、ネビュラガスを一定時間だけ抑制するガスを噴射することができる。

例えば、手足が動かないガキがネビュラガス浴びて身体が大人になっちゃって五体満足になりましたと。そこに、さっき言ったガスを使うと……五体満足のまま、ガキの姿に戻れるってことだ」

 

「何が言いたい!」

 

「怒るなよ。あと数分で年越しだぞ?落ち着け」

 

「……」

 

「つまりだ、お前が乃木園子から採取した成分を基にしたボトルをトランスチームガンで使えば、あの時のお前に戻れるかも……と言ってるんだ。

それで親を驚かすもよし、バーテックスと戦うもよし。

 

別に混乱を恐れる必要はないぞ。『行方不明の子供が一年未満で大人になって返ってきました』なんて案件、多すぎてニュースにもならない。

 

なぜなら、それをやっているのは俺だからだ。

最後に一つ。プロジェクトビルドの裏の顔は、『勇者システムを強化しつつ、散華をなくすこと』つまり、神の力を一切頼らないでバーテックスに対抗できるシステムを作ること。お前にはそれができるかな? じゃ、よいお年を」

 

「待て!」

 

「……最悪だ」

 

この数分後、年が明け、神世紀は300年に突入した。

 

 

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