佐藤太郎は勇者である/桐生戦兎は仮面ライダーである   作:鮭愊毘

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第十二話 ファウストの謎

「葛城巧だと?奴はすでに死んだはず」

 

「俺は全てを知っている。お前がファウストを指揮し、大赦と敵対した理由

そして……万丈龍我を殺人犯に仕立て上げた理由―――」

 

「それ以上言うな!ファウストは、私のものだ」

 

「……ふざけるんじゃねぇよ。ファウストはお前の好きに動かせる玩具じゃない」

 

「勝手にほざいてろ。悪魔め」

 

「仲間から見放されて一人ぼっちになっても知らないぞ?クソジジイ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「おかわり!」

 

「またですか?」

 

「うめぇんだから仕方ねぇだろ」

 

1月の第二月曜日

ほとんどの学校が再開される時期。

讃州中学もその一つで、放課後の現在、nascitaに足を運んでいる人物が6人

 

勇者部である。

彼女たちから見ればnascitaという場所は

静かで勉強の場に使え、(コーヒー以外の)飲み物や料理が安く美味である

という点から非常に好かれている。

 

しかし、そのメニューが少なすぎる。

まず惣一製コーヒーである『nascitaで何シタ?』だが、評価は最悪。

『まずい』『まじぃ』『泥水』『トイレに流せ』

とボロクソ言われているが、つくった本人は

 

お前らの舌がおこちゃまなだけだよ!これが大人の味ってもんだ

 

と言及し、周りに『もう一回自分で飲んでみろ』と言われその通りにすると

 

まじぃ!

 

と叫び残りを捨てた。

ちなみに、自分以外の8人のうち一人がこれをギブアップせずに涙目になりながら飲み干し、こちらに『淹れてくれてありがとう』と笑顔を見せたことは彼のトラウマである

 

次のメニューは戦兎製の『〇〇は焼肉っしょ!』だが、こちらは一定の評価を得ている。

〇〇にはこれを注文した時点の時間帯(朝・昼・今夜)を入れる。

料理としては単なる中辛のたれを使った焼肉だが、生焼け、焼き過ぎが全くない。

 

最後に龍我製の『卵かけごはん(醤油増し増し)』は、単なる卵かけごはんである。

 

『もはや料理ですらないからぁ!』『でもコーヒーよりマシ』

 

という評価をもらい、本人は歓喜している。

だが、名前の通り醤油が増し増しで若干卵が黒くなっている。

 

 

メニューは以上。nascitaの未来は暗い。

石動惣一のマスターとしての未来も暗い。

 

 

話を戻すと

今勇者部と仮面ライダーの8人は美森と風の料理を堪能している。

例に漏れず惣一はバイトである。

 

 

「なぁ戦兎、ボトル、どうすんだよ」

 

「問題はそこなんだよなぁ……。どう取り返すか」

 

「えっ、奪われたんですか!?」

 

「ああ。ファウストって聞いたことある?」

 

「んー……ないです」

 

「さっとん、それってスペルわかる?」

 

「スペルか。確か、FAUST」

 

「……Task Force Advance Support Unfold

っていうのならあるけど」

 

「なにそれ」

 

「略してTFASU。大赦がつくった警備会社だよ。

でも、お金の問題でつぶれちゃったんだって」

 

「…………どういう意味?」

 

園子の言う単語に困惑する龍我。

そこに戦兎が手を差し伸べる

 

「タスクフォースは機動部隊

アドバンスは前進・進歩

サポートは支援・援助・補助

アンフォールドは広げる

 

だから、『進歩したサポートを広い範囲で行う機動部隊』ってとこか」

 

「へー。なんか後付けした感じだな」

 

「後付け……TFASU…………なるほどね」

 

「?」

 

「潰れた時期はわかるか?」

 

「三年前だね~。でも、そんなこと知ってどうするの?」

 

「まぁ、こいつの冤罪晴らしの材料になると思って」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日もありがとうございましたー!」

 

「気を付けてね。クローズドラゴンつかせようか」

 

何が終わるかわからないしと戦兎が彼女たちの帰り際に提案するが

大丈夫と返された。

 

「あ、ちょっとこっち」

 

戦兎が美森、銀、園子に残るように手でサインを出す

 

「どうかしました?」

 

「はは~ん、さては園子とまだいたいからか?」

 

「そうしたいところだが……今は違う。

また、選ばれちまったみたいだな」

 

「「……」」

 

「まだ続いてるって方が正しいか。

俺と園子が壁へ行った後、満開はしたか?」

 

「はい。私は二回」

 

「あたしはあの後もう一回……」

 

「じゃあもう猶予はないってことか。

次満開したら……」

 

「で、でも!そのっちはもうこんなに元気になりました!

散華は一時的なものでは―――」

 

「いや違うね。あれは、園子の勇者としての資格を剥奪したから神樹が気を利かせてなのかは知らないけど、戻ってきただけだ。

 

新しいものを付け加えたわけじゃない。帰ってきたんだ。

だから回復が非常に早かった。

 

だったら『散華したら資格を剥奪してもらって~』と言いたいが、たぶん無理だろ。

とにかく、また戦う機会があっても満開はするなってこと」

 

「わ、わかったよ」

 

気をつけて帰れよと言って帰る三人の背を見守る戦兎。

 

あと三か月と数十日。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やあ!大赦のみなさん!」

 

「なっ……!?」

 

ここは大赦

開発部にある人物が訪れていた。

 

「どうしたんだよ。そんな顔して」

 

「……そ、その声………………葛城さん!?

何ですかその姿!生きていたんですか?!」

 

「俺はブラッドスターク。BLOODは『血』、STALKは『茎』とか『忍び寄る』って意味だ。

繋げると血管ってとこかな。それより、乃木園子の端末はどこだ」

 

「何が目的なんですか!」

 

「いいから答えろよ。少なくともお前らよりはうまく扱うからさ」

 

「……」

 

「いいのか?黙り込んで

ここに来る前出くわした奴らみたいに眠ることになるぞ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「素直に従えばいいものを……

ブツは回収した。後は…………」

 

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