佐藤太郎は勇者である/桐生戦兎は仮面ライダーである   作:鮭愊毘

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第十四話 最悪のリユーニオン

「おー!!ボトルちゃん!ファウストから取り返したのか!」

 

ファウストからパネルごとボトルを全て取り戻した戦兎たち。

バイトから帰ってきた惣一が歓喜する。

 

「あ!俺のあげたボトルまであるじゃねぇか!まさかこれも奪われ―――」

 

「できた!!名付けて、カイゾクハッシャー!」

 

戦兎は前々から予想していたベストマッチである海賊レッシャーを見つけた勢いで新しい武器を制作していた。

海賊船・電車・錨をモチーフにした弓型の武器である

 

「攻撃は……各駅電車~、急行電車~、快速電車~、海賊電車の

四・段・階!」

 

「ぅわあ!そんなもん人に向けるな!」

 

4コマ忍法刀と同じように完成したての武器を振り回す戦兎。

非戦闘時にはセーフティがかかっているとはいえ、鈍器であることに変わりはない。

 

このようにはしゃぐ彼だったが、そこに一通の電話が入る。

 

 

『……あの時は世話になった』

 

「鍋島さん?」

 

『万丈龍我もそこにいるのか』

 

「ああ」

 

『記憶が完全に戻った。俺を使ってそいつをこんなことにした犯人を今から言う』

 

「……」

 

『ナイトローグだ』

 

「……そうか」

 

『そして、その隣にいた奴のことも』

 

「スターク……」

 

『奴はファウストではない。奴は、―――だ』

 

「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……」

 

「おい戦兎!出て来いよ!」

 

「……最悪だ」

 

鍋島からの電話でついにスタークの正体を知った戦兎。

彼は今地下室の入り口を閉め、うずくまっている

 

 

 

 

「マスター、どうする?」

 

「こういう時は、アレだろ?」

 

「アレ……? ああそういうことか!」

 

万丈と惣一は七輪を持ってきてそこでアジを焼き始める

 

「戦兎ー、早く来いよー。食っちまうぞ~」

 

戦兎からの反応はない

 

「食うぞ食うからな!」

 

反応はない

 

「あーっ、こんなところにお前の彼女の手料理が――――」

 

戦兎が入り口から体を出す

 

「…………嘘だよ」

 

再び閉じこもろうとする戦兎だったが、惣一に腕をつかまれて拘束される。

 

「悪かった!俺が悪かった!代わりにこれ!」

 

惣一が一つの端末を戦兎の手に持たせる。

 

「…………なんでこんなの持ってるの」

 

「色々あるんだよ。あ、俺バイトの時間だから」

 

鍵よろしくと出ていく惣一。

 

 

 

 

 

 

 

戦兎は自室に戻り、浄化装置を覗く。

そこにはスカイブルーのフルボトルが一本、浄化されてないボトルが一本あり、

それを回収。新たにもう一本ボトルの浄化を開始する。

 

「何こそこそしてんだよ。鍋島から何か言われたのか?」

 

「お前の冤罪を晴らす証人になってくれるだってよ」

 

「マジか!」

 

先ほど回収したフルボトルに目を移す。

ラベルには『Y/R・L』の文字。

 

そして、狙ったかのように一通のメールが届く。

『難波重工のここで待ってるぜ』

送り主はブラッドスターク。地図も添付されている。

 

戦兎のメールアドレスを知っているものは二人。

 

 

龍我と惣一だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これは潜入はきつそうだな」

 

三度難波重工にやってきた二人。

前回までと違い警備が大勢配備されている

 

「俺たちには、これがあるだろ?」

 

ビルドドライバーを取り出す。

 

「正面突破か。おもしれぇ!」

 

 

〔KAIZOKU!〕

〔DENSYA!〕

〔BESTMATCH!〕

 

〔CROSS-Z DRAGON!〕

 

 

〔〔Are you ready?〕〕

 

 

「変身!」

「変身ッ!」

 

 

〔海賊レッシャー!Yeah!〕

〔GET CROSS-Z DRAGON! YEAH!〕

 

二人は変身し、龍我が戦兎の前に立つ。

 

「邪魔」

 

「行くぞサブ主役!後ろは任せた!」

 

「あ?まだそれ引きずってんの?俺もう変身できるから主役は俺に戻るの!」

 

「変身以前に俺の方が最近目立ってるじゃねぇかよ!」

 

「それはお前のキャラが濃いだけであって―――」

 

「じゃあ俺主役でいいじゃん」

 

「駄目に決まってんだろ!」

 

「いや、もうお前驚くようなイベントやっただろ?

『実は俺葛城でしたー』って言っても驚かねぇからな!」

 

「わかったわかった。お前主役なんだろ?先行けよ」

 

「……」

 

「はい、突撃ー!」

 

龍我の背中を押し無理やり走らせ、警備員が銃撃してくる中突っ走る。

警備員は人間のため、下手をしなくても殺してしまう可能性がある。

 

銃撃が当たり警備員を斬ろうとする龍我を抑えながら第一関門は突破。

 

 

施設内に侵入。そこにはロボットであるガーディアンが立ちはだかる。

 

〔各駅電車~ 急行電車~〕

〔出発!〕

 

戦兎はカイゾクハッシャーの二段階目の攻撃を放つ。

電車の形をした矢がガーディアンを次々貫き、最後に龍我と対峙していたガーディアンを打ち抜く。

 

「危ねぇぇぇ!!」

 

「お先~」

 

「あっ!」

 

 

 

目的地が見えてきた。

戦兎はガーディアンを龍我に任せ、入り口のパスワードを解きに行く。

 

「……」

 

「どうした?早くしろ!」

 

「指が太くて押しづらいんだよ!」

 

「小指使え!小指!」

 

「……あ、そっか」

 

入力画面に小指でメールに書いてあったパスワードを入力する。

しかし、〔ERROR〕と表示され、扉があくことはなかった

 

「あれ?」

 

「こういうのは壊すに限る!」

 

「何でも力で解決しようとするんじゃないよ」

 

龍我の顔を手で押さえる戦兎

 

「うわっ!前が見えねぇ!

ここ誰も使ってないんだからぶっ壊してもいいだろ!」

 

「お前はもうちょっと事を穏便に済ますよう努力しなさいよ」

 

「うるせぇサブ主や―――」

 

と、次の瞬間、扉のロックが外れる音とともに〔OPEN〕と画面に表示される

 

「「あ」」

 

「おぺんだってよ!」

 

「オープンな」

 

こいつ学校通ってたのか?と頭を抱える戦兎。

 

それはともかく扉を開ける。

最初に目に入ったのはパンドラボックス。

そして

 

 

「この部屋のパスワードは三時間ごとに変わる」

 

 

優雅に椅子に座っていたスターク。

 

「それを教えるために開けてくれたのか」

 

「礼には及ばん。さあかかってこい。俺に負けるようでは……

バーテックスには勝てないぞ」

 

「バーテックス……?」

 

「おっと、万丈は知らなかったか?

俺たちが戦うべき本当の敵だよ」

 

「この野郎ォォ!!」

 

スタークに肉薄する龍我。

 

戦兎もホークガトリングにフォームチェンジし、空中から攻めに入る。

 

しかし、スタークは龍我を盾にするよう立ち回り、まともに射撃が不可能。

 

「いい的だな!」

 

〔RIFLE MODE!〕

 

「ぉああ!」

 

スタークの攻撃を受け、地上に落とされる。

 

〔ニンニンコミック!〕

 

〔分身の術!〕

 

すぐさまフォームチェンジし、相手のかく乱を狙う。

 

スタークは分身したビルド一人ひとりを正確に狙い撃ち、

最後に本体も狙い撃つ。

 

「無駄だ。貴様の攻撃は既に把握している」

 

「ああそうかよ。だったら、これはどうかな?」

 

 

〔OCTOPUS!〕

〔Light!〕

〔BESTMATCH!〕

 

「オクトパス……?」

 

〔Are you ready?〕

 

「ビルドアップ」

 

〔稲妻テクニシャン!オクトパスライト!Yeah~!〕

 

ビルドはさらなるフォームチェンジをし、右肩にタコ、左肩に電球がついた

相手の視界を遮ることに特化したオクトパスライトフォームになる。

 

スタークが知らないフルボトルに疑問を抱いている隙に左肩の電球を光らせ、

距離を詰める。

 

さらに肉薄したと同時に左手首の外側につけられた発光装置でまたしても目くらまし。

 

それと同時に距離を再び取り、右肩のタコの足を伸ばしスタークを拘束。

思い切り振り回し壁にたたきつける。

 

「万丈!行くぞ!」

 

「お、おう!」

 

〔SPECIAL TUNE!〕

〔ヒッパレェー!ヒッパレェー!ヒッパレェー!〕

 

〔READY GO!〕

 

態勢を立て直し接近してくるスタークにタコ炭型の粉末を発射。

 

〔VOLTEC FINISH! YEAH!〕

〔MEGA SLASH!〕

 

そこに二つの発光装置を作動させた状態で左拳でスタークをたたく。

すると、電球の熱で粉塵爆発が発生し、スタークの復帰を妨害。

 

最後に龍我の斬撃が決まる

 

 

「また……強くなりやがって…………」

 

「あんたにこの攻撃は読めないと思ってね」

 

「まさか、奥の手を用意していたとはな……流石、俺の見込んだ勇者……いや、仮面ライダー

これで、全てのボトルを浄化できたか。

この際だ、一つ教えてやろう。ファウストについて

 

十年前のパンドラボックス展覧会を知っているか」

 

「ああ。行きたかったけどな」

 

「そこである男がボックスに触れてしまった。

触れた途端ボックスは光を放ち、その光が止んだころには……

性格が攻撃的になった人間と怪人がうじゃうじゃしていた。これが、スマッシュ。

 

俺もその一人でね。性格が荒くなっちまった。

 

そして、このことを受けて大赦はある警備会社を設立する。それは―――」

 

「Task Force Advance Support Unfold」

 

「正解だ。それを略してアナグラムしてみろ」

 

「えっと、タスクだからT、フォースは―――」

 

「TFASU。FAUST」

 

「お見事。その通りだ。

で、それが潰れたのはいつだ」

 

「三年前」

 

「完璧だ。表向きではTFASUは潰れたことになったが、裏ではファウストと改名し大赦と縁を切っていた。

ファウストが今のようになったのは二年前、バーテックスの進行が停止した後、ある男が暴走したからだ。その名は氷室幻徳。ナイトローグだ」

 

「……」

 

「なぁ、一ついいか」

 

「どうぞ」

 

「お前、前に言いかけたことあったよな」

 

 

『ふざけんな!俺の冤罪の事も全部、てめぇがやったんだろ!』

 

『はぁ?ちげぇよ!それはこの――――――』

 

 

「ああ、あれか。

あいつに邪魔されて言えなかったが、当時心臓病で入院していた小倉香澄を誘拐・人体実験し、万丈龍我を無実の罪で投獄させたのは、ナイトローグだ」

 

「あいつだったのか……!」

 

「万丈、今のお前ではあいつには勝てない。

一月一日、お前はスクラッシュと書かれた紙を受け取ったはずだ」

 

「あ、ああ。でも何でお前が―――」

 

「まぁ聞けよ。

葛城の研究データにその単語を入れてみろ。"アレ"の設計データが閲覧できるまずだ。

未完成だがな。

でも、俺の頭脳の一部が入ってる戦兎ならそれが作れる。

万丈龍我ならそれが使える」

 

「スタークの…………頭脳……?」

 

「あ、この声じゃわかんねぇか」

 

スタークは軽く咳払いし、再び二人のほうを向く。

 

 

 

 

「久しぶりだね。太郎君」

 

 

 

その声は、戦兎にとって聞き覚えのある声だった。

 

 

「葛城……さん?」

 




「なぜSがVなのクワァ!」が檀黎斗構文って言われてハイパー大草原

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