佐藤太郎は勇者である/桐生戦兎は仮面ライダーである   作:鮭愊毘

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OVERFLOW

「で、大丈夫なの?」

 

「何が」

 

大赦内の訓練所の床に転がっている牛鬼をつっついている夏凜から疑問が飛んでくる。

 

「ほかの勇者についてよ。ろくに会ってないみたいだけど……」

 

「あいつら小学生だし……」

 

「休みの日とか」

 

「そういう日って俺抜きの方が楽しいかなーって」

 

「……あんた、いつも心配してるじゃない。『あいつらが変な奴に絡まれたらどうしよう』って。あんたが守ってやりなさい。勇者なんでしょ?」

 

「ごめんな。まだ下向きの考えが抜けてないみたいだ」

 

「焦る必要はないわ。誰に何といわれようと、自分を変えられるのは自分だけ」

 

「…………」

 

「ど、どうしたのよ黙り込んで」

 

「ありがとな。いつもいつも。助けられっぱなしで……

 

お前に煮干しをあげることでしか感謝の意を表せない……」

 

「……あのね、私はにぼし以外も食べれるわよ?…………あの時の料理みたいに手作りだったらなおさら……」

 

「あれそんなに良かったのか。また作ってやるよ」

 

「うぐっ!聞こえてたか……」

 

 

 

―――――――

 

 

「あたしらの町、あっちか?大橋やイネスは……流石に見えないか」

 

「ミノさんは本当にイネス大好きだね~」

 

「佐藤にも見せてやりたかったなー」

 

「今頃何やってんだろうね~」

 

銀とそのっちは相変わらずである。

銀は「友達ができた」

そのっちは「兄ができたみたい」

 

と言っているが私は彼に対する思いはそのっち寄りだと思う。

 

「わっしー?何考えてるの~?」

 

「そのっち前言ってたでしょ?佐藤さんの事、兄ができたみたいだって」

 

「うんうん。年齢的に考えたらそうなるよね~」

 

「え?」

 

「私、心配なんだ~」

 

「……うん?」

 

「さっとんに変な虫がついてないかなーって」

 

「……」

 

 

「確かに!変な虫がついてたら怖いよな!」

 

「だよね~」

 

 

銀は"変な虫"の意味をわかっていない様子。そのっちもわかってないよね?そういう言葉知らないよね?

きっと私の考えすぎだ

こう落ち着かせる

 

「そ、そのっち?佐藤さんは大丈夫よ。きっと……」

 

「ハチとかに刺されたら痛そうだもんね~」

 

「園子の家かなりデカいけどそういう対策はとってるの?」

 

あ、ほんとに虫の話だったのね……

 

―――――――――

 

もうすっかり日は暮れ、俺は帰る支度を整えていた。

 

「太郎?携帯なってるわよ?」

 

俺の携帯から音が鳴っている。しかし様子が変だ。

画面には"樹海化警報"と表示され電源を切ることができなくなていた。

 

「太郎?」

 

「俺はまだ帰れないみたいだ」

 

 

 

―――――――――――――――――

 

 

「だんだんこの景色にも慣れてきたな」

 

「気を付けて銀。そういうときが―――」

 

「一番危ない、でしょ?大丈夫!あたしの服は接近戦用に丈夫にできてるから!」

 

この戦いを切り抜ければ三人には俺と同じ精霊が実装されるはず。

 

「あれ?佐藤ってそんな服だったっけ?」

 

「そんなに違うか?」

 

俺の服は色こそ変わっていなかったが、全体的に強くなったという感じが出ている。それと、左腕の甲に何やらゲージのようなものがあった。

 

 

「サソリ……あいつは、俺がやる」

 

俺は視認した二体のバーテックスのうち尻尾のあるほうへ駆ける。あれが葛城さんが言ってた蠍座のバーテックスだろう。

 

 

「じゃああたしらはもう片方だ!」

 

 

俺はサソリまでたどり着くと抜刀し逆手持ちした刀を突き刺す。

バーテックスはそれに抵抗して尻尾を振り回す。

 

 

それの直撃を食らってしまい、地面に叩きつけられてしまう。

しかし、たたきつけられた時の衝撃がほとんどなく、体にも傷は少なかった

どうやらバリアが張られているようだ

 

「これが精霊の力……」

 

こうつぶやいている間にもサソリは尻尾の先端の針で刺してくる。

高く飛び上がり、上空から拳による一撃をお見舞いする。

 

「……慣れないことはやるもんじゃねぇな」

 

パンチと同時にサソリの頭に着地したので刺さっている刀を回収し一度地面に降りる。

 

 

「佐藤!上!」

 

「あ?」

 

銀が上空を指さしている。

何だと思った次の瞬間、大量の針のようなものが降ってくる。

 

「ちっ!」

 

まずは目の前のサソリを何とかしなければ。

刀でサソリの尻尾を切断、顔のようなところへ左腕でパンチをお見舞いする。

 

「銀!そっちは大丈夫か!」

 

俺は精霊の張るバリアのおかげで大丈夫だったが、あっちはそれが実装されていない。

 

「ああ!大丈夫!それよりも!」

 

「三体目……か」

 

隠れていた三体目が姿を現す。

さっきの針はあいつの仕業か

 

 

「三人とも下がってろ。分が悪い」

 

「何言ってんだよ! あたしらは―――」

 

正常な判断ができていなかった俺は銀の肩を思い切りつかむ

 

「さっきも見ただろ。精霊のバリアが無いお前らが突っ込んでみろ。死ぬぞ」

 

「……」

 

「俺は大丈夫だって。またな」

 

 

――――――

 

 

「……」

 

あれからどれだけ時間が経ったかわからない。

わかっているのは二つ。

 

一つは三体のバーテックスの撃退に成功、三人は無事だったこと

 

もう一つは、戦いの途中から服に変化、そして背部から巨大な腕が現れ、これを用いた格闘戦を行っていたこと。

力も増幅していた。

 

こんなこと、大赦からは伝えられていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「通常時が3.0、オーバーフロー時が3.8……

 

満開には二回まで代償がないよう細工はしておいた。俺にできることはここまでか…………」

 




わすゆ編は後一話で〆ます

この話だけはどう考えてもこうなってしまいました。雑ですみません。
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