D.Gray‐man~転生した兄妹の物語   作:晴月

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第六夜~巻き戻しの街 前編

コムリンによる教団壊滅騒動から数日経ったある日の朝。雷渡と月はいつもの様に早朝からのトレーニングを終えて、現在は食堂で朝食を食べていた。するとそこに

 

ラ「おっす、雷渡。」

 

雷「ああ、ラビ。おはよう。」

 

ラビが現れ、雷渡に話しかけてきた。

 

ラ「ん?どしたんさ?何か疲れてるみたいだけど。」

 

雷「ああ。此処のところ毎日任務でね、まともに寝てないんだよ。」

 

その証拠と言わんばかりに雷渡は自分の目の下を指差す。

 

ラ「うわっ酷いクマさ。と言うと月もか?」

 

雷「いや、月は任務の合間を縫って寝かせてるから大丈夫だ。」

 

ラビは雷渡にそう言われて月の方を見てみる。

 

月「zzzz」

 

寝てる。間違いなく寝ている。

 

ラ「.....今月が寝てるのは寝不足って訳じゃないよな?」

 

雷「ああ。そういうのじゃない。今日のトレーニングの疲労が溜まって寝てるだけだろ。」

 

ラ「そ、そうか。」

 

雷「それよりもラビ。何か俺に話があるんじゃないか?だからわざわざ月が寝てる今の時間を狙ったんじゃないか?」

 

雷渡はラビにそう問いかけた。

 

ラ「.....やっぱり雷渡には敵わないさ。」

 

ラビはやれやれといった感じで雷渡を見据える。

 

雷「それで、用件は何だ?」

 

ラ「簡単な話さ、雷渡。お前のイノセンスの能力を教えて欲しいんさ。」

 

ラビの雷渡を見る目は正に真剣だった。

 

雷(....目のことは伏せておくか。)「分かった。その代わりお前のイノセンスの能力も教えろよ。こっちが情報を提供するだけなのは割りに合わないからな。」

 

ラ「...取り引きって訳ね.....分かったさ。」

 

雷「先ず、俺のイノセンスの能力だが、──────」

 

・・・・・

 

雷「という訳だ。」

 

ラ「へぇ、成る程。使い方によっては強い能力さ。」

 

雷「それならお前の"鉄槌"も強いだろ。俺の刀と違って多数の属性を武器に付与させるんだからさ。」

 

雷渡がラビにそう言うと、思い出したかのようにラビに訪ねた。

 

雷「そうだ、ラビ。」

 

ラ「ん?何さ?」

 

雷「ラビのイノセンスの能力は大体分かった。.......だが"木"って何だ?木を操れるとかか?」

 

ラ「あーそんなんじゃないさ。雲や風なんかの自然物を操作できるってだけの技だぜ。」

 

雷「成る程。でもそれも使い方次第では味方のサポートが出来るな。」

 

ラ「?どういうことさ?」

 

雷「例えばだが、もし敵が雲の上から攻撃してきた場合その"木"を使えば直ぐに敵を視認することが出来るだろ。それだけじゃなく味方に有利な状況を作り出すことも可能だろ。」

 

ラビはそう言われて少し考える。

 

ラ(成る程、確かにそういった使い方も出来るな。)

 

雷「話は以上か?ならそろそろ月を起こしてコムイの所に行かないと、今日も任務だしな。」

 

ラ「そうか。引き止めて悪かったさ。じゃあな。」

 

ラビはそう言って別の席に向かって歩いていった。

 

雷「やれやれ、何とか疑われずにすんだな。...さて、いい加減に起きろ月。」

 

雷渡が月の肩を掴み、揺すって起こそうとするも、

 

月「うへへ~もう食べられないよ~。」

 

幸せそうな寝顔で寝言を言うだけだった。

 

雷「はぁ、全く。」

 

・・・・・

 

その後、雷渡は何とか月を起こして室長室へと着いた。

 

コンコン、と部屋の扉をノックしてから

扉のドアノブに手を掛けて、中に入る。

 

雷「よぉ、コムイ入るぞ。....って、おわっ!?」

 

部屋の中は本やその他諸々の資料で埋まっていた。その中にはコムイやジョニーが埋まっているのが見て分かった。

 

雷「何だこの有り様....ってアレン?リナリーも要るのか。」

 

リ「ええ。アレン君と任務に行くことになってね。」

 

ア「そういう雷渡と月は?」

 

雷「俺も月も任務だよ。ってまさか....。」

 

コ「そう。今回は君達四人に行ってもらう。」

 

資料に埋もれていたコムイが此方を向いて話しかけてきた。

 

雷「.....それで、任務の内容は?」

 

雷渡がそう聞くがコムイは聞こえてないのか

 

コ「たぶんね、多分あると思うんだよねイノセンス。」

 

雷「はぁ?」

 

コ「といっても多分だからね 多分期待しないでね多分だから」

 

コムイはそのまま矢継ぎ早に話を進める。

 

コ「絶対じゃなくて多分だからでもまぁ多分あるんじゃないかなーってね多分」

 

ア、雷「「わかりましたよ(分かったから)多分は。」」

 

コ「何て言うかさ、巻き戻ってる街があるみたいなんだよね。」

 

ア「巻き戻る?」

 

雷(遂に来たか。)

 

アレンは分かっていない様子だが雷渡と月は内容を知っているためここから先の説明については聞いていなかった。

 

コ「────という訳でここからはボクらの推測

①もしこれがイノセンスの奇怪なら同じイノセンスを持つエクソシストなら中に入れるかもしれない 。 ②ただし、街が本当に10月9日を保持し続けてるとしたら入れたとしても出てこれないかもしれない。」

 

雷(そうだとしても行かない理由にはならないがな。)

 

コ「そして調べて回収!エクソシスト単独の時間のかかる任務だ。...以上。」

 

アレンとリナリーは納得したのか、

 

ア「分かりました。」

 

リ「分かったわ。」

 

そう言って室長室を後にする。

 

雷「あー、アレンとリナリーは先に行って待ってて。ちょっと話あるから。」

 

ア「? 分かりました。先に行って待ってます。」

 

アレンとリナリーが部屋から出ていき、近くに居ない事を確認すると、

 

雷「さて、コムイ。話がある。」

 

コ「何かな。ボクこれでも忙しいんだけど。」

 

雷「まぁまぁ。直ぐに終わるからさ。....俺の────についてだけど、」

 

コ「!」

 

・・・・・

 

その後、コムイとの話が終わったのか雷渡と月はアレン達と合流し、任務地である通称"巻き戻しの街"へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雷「さて、ここが説明されてた通称"巻き戻しの街"だな。」

 

その街は見るからに周りを城門で囲まれていた。

 

月「取り敢えず、入ってみる?何時までもここに要られないしさ。」

 

ア「え、ええ。そうしましょうか。」

 

そう言ってアレン達は次々と城門を潜って街へと入っていく、先ずアレン。次にリナリー。次に月と次々に街へと入って行った。そして残るは雷渡ただ一人となった。

 

雷「.....あいつ、来るよなぁ。」

 

そう言って後ろを振り向き、溜め息を吐く。

 

雷「...仕方ない。行くか。」

 

そう言って雷渡も城門を潜って街へと入って行った。

 

・・・・・

 

全員が街へと入り、これからどうするかを決める。

 

雷「取り敢えず。まずは各自で情報を集めよう。俺は北を回る。」

 

リ「なら私は街から出られるか確かめてみるわ。」

 

ア「なら僕は西と東に行きます。」

 

月「じゃあ、ボクは、」

 

雷「待て月。お前はアレンと一緒に行け。」

 

月、ア「「え、何で?」」

 

雷「アレン。お前初任務で迷子になったんだってな。」

 

ア「ウグッ。」

 

痛いところを突かれたのかアレンはうずくまってorzの形になってしまった。

 

雷「という訳だ、月。アレンが迷子にならないようにお前が付いていってくれ。」

 

月「うーん。あんまり気乗りはしないけど、分かった。そうするよ。」

 

・・・・・

 

アレン達と分かれ、街の北へとやって来た雷渡

 

雷「さてと、先ずは例の話にあった酒屋を探すか。」

 

暫く歩いていると、何やら近くから聞こえてきた。

 

「ミランダ♪ミランダ不幸女ミランダ♪」

 

近くで子供達が誰かを馬鹿にするような歌を歌っている声が聞こえてきた。

 

雷(ミランダ?)

 

雷渡はふと、気になり声が聞こえてきた方向に顔を向けてみた。

 

そこには、アレン達と出会い、エクソシストとなる前のミランダがいた。

 

雷(間違いない。あれはミランダだ。)

 

ミランダは子供達に馬鹿にされ、ミランダが何かを言おうとしたところで逃げてしまい、そのままミランダも何処かへ行ってしまった。

 

雷(どうする?追いかけて話を聞くか?...いや、今は止めておこう。下手に情報を教えても混乱してしまうだけだし何よりも後でロードに拐われてしまうからな。)

 

一度は話を聞こうか考えたがやはり今は関わらない方がいいと考え、そのまま酒屋へと向かうのだった。

 

・・・・・

 

「もしもしベルリーニの酒屋だが明日10日までにロゼワイン10樽頼むよ。」

 

雷渡が酒屋へと向かうとやはり店主は今日も酒屋へと酒を頼んでいた。

 

雷(....やはりミランダ以外は何度も"10月9日"を繰り返していることに気づいていないんだな。)

 

 

そう確信した雷渡は一度リナリーと合流することにした。

 

・・・・・

 

雷「で?どうだった?」

 

雷渡の問いかけにリナリーは首を横に振る。

 

リ「ダメね。何度も壁の何処を壊して街の外に出ようとしても街の中に出てしまうわ。」

 

雷「そうか。やっぱりコムイの読みは当たってたな。」

 

二人は今、雷渡が尋ねた酒屋へと来ていた。

 

雷「ところで雷渡と月は?連絡を取ったのか?」

 

リ「いいえ、まだ取ってないわ。」

 

そうか。と一息置いてから注文したコーヒーを一口飲む。

 

雷「まぁ、月に付いていかせたけどアレンのやつ絶対迷子になってると思う。」

 

雷渡がそう言ってから少し考え、話を切り出す。

 

雷「さて明日からの話なんだが、リナリーはアレンと月と合流してくれ、俺は俺で調べることが出来たから明日からは単独行動をさせてもらう。」

 

リ「その調べたいことって?」

 

雷「それは明日合流してから話す。それと今後合流するときはこの店に集まるように二人に伝えてくれ。特にアレンには道案内を頼む。」

 

リ「分かったわ。それじゃ後でアレン君達に連絡するから。」

 

雷「じゃあ、俺は別で調べることがあるからこれで」

雷渡はそのまま、そそくさと店を出ていくのであった。

 

・・・・・

 

翌日、雷渡はミランダが現れた場所へと来ていた。

 

雷(ここで待ってたら来るかな。)

 

すると、また子供達の歌声が聞こえてきた。

 

雷(あれ?そういえば今日って。)

 

はっ、となり慌てて合流地点へと走っていく。

 

雷(マズイ!今日はミランダがアレン達と出会う日。急がないと。)

 

・・・・・

 

走って酒屋についてから雷渡が息を整え、店に入ると既に三人が集まっていた。アレンはオムライスを、月は巨大なパフェを食べていた。

 

雷「....お前らは何時も何か食ってるな。アレンは兎も角、月。お前は食わなくても大丈夫だろ。」

 

ア、月「「え?」」

 

雷渡に気づいていなかったのか二人は驚いた様に振り返り、雷渡を見た。

 

雷「よぉ。アレン、月。昨日ぶり。」

 

ア「あれ?雷渡 どうしたんですか?調べたいことは?」

 

雷「ちょっと事情が変わってね。リナリー、隣いいか?」

 

リ「ええ。かまわないけど。」

 

リナリーの隣に座り、目の前にアレンが座っている状態となった。

 

雷「それよりもアレン。そっちはどうだった?」

 

ア「ああ。そうでした。昨日こんな人を見かけまして、」

 

そう言ってアレンが雷渡に見せた物は絵だった。

それもただの絵ではなく恐らくだが人物画なのだろう。あまりにも下手くそ過ぎてホントにこんな人が要るのかを疑ってしまうが。

 

雷「何だこの絵?下手くそだな。」

 

ア「酷い!」

 

リ「まぁまぁ雷渡。この人昨日アクマに襲われたらしいのよ。」

 

雷「そうなのか?」

 

アレンに聞いてみる。

 

ア「ええ。アクマを倒してから話を聞こうと思ったんですけどいつの間にか居なくなってて。」

 

雷「で?どうやって見つけたんだ?」

 

ア「それは....。」

 

話を振られるとアレンは急に顔を下に向けて黙り込む。

 

雷「成る程。迷って偶然見つけたんだな。」

 

ア「う.....はい。」

 

雷(やれやれ、そうならないために月を付いていかせたのに。もはや才能なんじゃないのか?)「まぁ、それはそれとして、ア「雷渡、酷い。」うるさい。.......この人なら昨日見かけたぞ。」

 

雷渡のその一言で三人が雷渡の方に顔を一斉に向けた。

 

ア「何処でですか?」

 

雷「いや、この店に来る途中の道で偶然子供達に馬鹿にされてるのをな。....話を戻すぞ。その時この人子供の一人に犬の糞を投げられてたんだがその時奇妙な事を言ってたんだよ。」

 

リ「奇妙な事って?」

 

皆気になったのか雷渡の話を近づいて聞いている。

 

「糞を投げられて避けたあと、"30回も同じタイミングで投げられたら覚える"って言ってたんだよ。」

 

ア、リ、月「「「!!!」」」

 

雷「ここからは俺の仮説なんだけど、この人はイノセンスの影響を受けずに30回以上の"10月9日"を過ごしてたんじゃないか?そして、その影響を受けてないってことは....」

 

ア「イノセンスに接触している人物。」

 

雷「そう言うことだ。でアレン。」

 

ア「はい。」

 

雷渡はアレンの書いた似顔絵を持ってアレンに問いかける。

 

雷「お前はこの人を助けたんだよな?...もし、街中でお前を見かけたら近づいて来るんじゃないか?」

 

ア「いや、まさかそんな...。」

 

雷「いや、俺ならそうするね。...そうでしょ。」

 

雷渡はそう言って後ろを振り向き、

 

雷「ミス・ミランダ?」

 

後ろで話を聞いていたミランダに話を振った。

 

ミ「!?」

 

・・・・・

 

ミ「エクソ...シスト...?」

 

ア「はい。...てか何で逃げるんですか。しかも窓から。」

 

ミ「ご、ごめんなさい。その人が私に気づいたことにびっくりしてつい...」

 

雷「背後から気配がしたからそうだと思っただけですよ。」

 

月「兄さん....それはそれで怖いよ。」

 

・・・・・

 

ミ「わ、私はミランダ・ロットー。嬉しいわこの街の異常に気づいた人に会えるなんて...ところでそこのあなた。」

 

ミランダは雷渡に指差した。

 

雷「何ですか?」

 

ミ「私、あの時まだ名前言ってなかった筈なんだけど何で私の名前知ってたの?」

 

雷「ああ。昨日あなたが子供達に馬鹿にされてるのを見ていて、その時に子供達に名前を呼ばれてたのでてっきりそれが名前だと...。」

 

ミ「そう。....」

 

リ「それでミス・ミランダ。あなたには街が以上になりはじめてからの記憶があるの?」

 

ミ「ええ。街のみんなは昨日の10月9日は忘れてしまうみたいだけど」

 

ミランダはそう言ってから急に暗くなり、

 

ミ「私だけなの...」

 

ガシッとアレンの手を掴み、

 

ミ「ねぇ助けて 助けてよぉ 私このままじゃノイローゼになっちゃうぅ~~~~助けたならもっと助けてよー。」

 

アレンに凄む様に頼んでいた。

 

リ「落ち着いてミス・ミランダ!助けるからみんなで原因を探しましょう。」

 

リナリーがミランダを宥めようとして必死で説得する。

 

ミ「そんな事言っても気づいたらずっと10月9日になってたんだものぉ~~~。」

 

雷(やれやれだな。)

 

その時、雷渡が右目に違和感を感じた。

 

雷(!)「アレン。」

 

ア「ええ。...リナリー、ミランダさんを連れて一瞬で店を出て。」

 

雷「月もリナリーに捕まって店を出ろ。」

 

二人は何かを感じたのか立ち上がり、後ろを振り向く。

 

雷「やっぱり俺の予想は当たってたな。」

 

ア「ええ。ミランダさんがなぜ他の人と違い奇怪の影響を受けないのか...それはきっとミランダさんが原因のイノセンスに接触してる人物だからだ。」

 

ミ「え?」

 

アレンと雷渡はイノセンスを発動したと同時にリナリーがミランダと月を連れて店を出た。

 

それと同時にアクマ達がアレン達の目の前に立ち塞がる。

 

雷「さてと、やりますか。」

 

こうしてまた10月9日が繰り返される。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




この作品を心待ちにしている皆さん春月です。明日からいよいよ新年という事で皆さんにまたこの作品を楽しんでもらえたらと思います。それでは皆さん良いお年を。
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