「……っ、私のターン、ドロー!」
『ドローフェイズ時、《星守の騎士 プトレマイオス》の効果発動、オーバーレイユニットを3つ取り除き、『No.』モンスター以外の、このカードよりランクが1つ高いエクシーズモンスター1体を自分フィールドのこのカードの上に重ねてエクシーズ召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。この効果は相手ターンでも発動出来る。――私はランク5《外神アザトート》をエクシーズ召喚扱いで特殊召喚する』
豊海柚葉
LP8000
手札3→2→3
無し
魔法・罠カード
無し
???
LP4000
手札1
《邪神ドレッド・ルート》星10/闇属性/悪魔族/攻4000/守4000
《邪神アバター》星10/闇属性/悪魔族/攻4100/守4100
《外神アザトート》ランク5/闇属性/悪魔族/攻2400→1200/守0 ORU1
魔法・罠カード
永続罠『血の代償』
フィールド魔法『神縛りの塚』
そして相手ターンにも関わらずエクシーズ召喚扱いで特殊召喚されたのは幾つもの口と眼がある異形のバケモノ……アザトート、元ネタはクトゥルフ神話の盲目暗愚の白痴の外神アザトースか?
確か外なる神の親玉みたいな存在で、瞬き一つで宇宙を泡沫の夢にするとかいう超存在だった気がするが――あ、クロウ達がいるって事は必然的に『デモンベイン』世界のそれ等は存在するんだよな――知性の無さそうなバケモノという印象以外は大した事無さそうだが――。
『――《外神アザトート》がエクシーズ召喚に成功したターン、相手はモンスターの効果を発動出来ない』
「――え? ちょっと、それじゃ……!?」
『更に墓地にオーバーレイユニットだった《黒き森のウィッチ》が落ちた事で効果発動、デッキから守備力400の《聖なる魔術師》を手札に加える』
んな、魔法・罠・モンスター、全ての効果が封じられただとォッ!? インチキ効果も大概にしろッ!
「~~っ、モンスターをセットして、ターンエンド……」
豊海柚葉
LP8000
手札3→2
裏側守備表示のモンスターカード1枚
魔法・罠カード
無し
流石の『征竜』もこうなっては何も出来ない……!
だが、召喚に成功したターンだけだから、オレのターンではモンスター効果だけは使える……!
「――オレのターン、ドロー!」
秋瀬直也
LP8000
手札2→1→2
《EMモンキーボード》星6/地属性/獣族/攻1000→500/守2400→1200
魔法・罠カード
無し
ペンデュラムゾーン
《竜穴の魔術師》スケール8
フィールド魔法『天空の虹彩』
オレの引いたカードは……レベル1のチューナーモンスター《調律の魔術師》……!?
ぐ、駄目だ、こんなカードじゃ何も出来ない……! せめてペンデュラム召喚出来たのならシンクロ召喚で繋げたが、《邪神アバター》の効果でこのターンと次のターンまでペンデュラムゾーンにセットする事すら出来ない。
……一応、このカードを使えば《メテオバースト》をシンクロ召喚出来て、ペンデュラムゾーンからレベル7の《竜穴の魔術師》を特殊召喚してランク7エクシーズを立てれるが、『神縛りの塚』があるせいで対抗策にすらならない。此処は《アブソリュート》を立てて防御に――。
「どう?」
「……『神縛りの塚』が痛すぎる。あれさえ無ければ――」
「なら、任せて。壁モンスターを出しておいてね」
くいっと、柚葉は手札の1枚を意図的に上げて何らかのアピールし――瞬時に柚葉の意図を察知する。
「……モンスターをセットし、ターンエンド……!」
秋瀬直也
LP8000
手札2→1
《EMモンキーボード》星6/地属性/獣族/攻500/守1200
裏側守備表示のモンスターカード1枚
魔法・罠カード
無し
ペンデュラムゾーン
《竜穴の魔術師》スケール8
フィールド魔法『天空の虹彩』
オレのフィールドに守備表示のモンスターが2体、これでヤツは――。
『私のターン、ドロー』
???
LP4000
手札1→2→3
《邪神ドレッド・ルート》星10/闇属性/悪魔族/攻4000/守4000
《邪神アバター》星10/闇属性/悪魔族/攻4100/守4100
《外神アザトート》ランク5/闇属性/悪魔族/攻1200/守0 ORU1
魔法・罠カード
永続罠『血の代償』
フィールド魔法『神縛りの塚』
流石のヤツも、『死者蘇生』と『次元融合』が手札に無い状態で大量展開は出来ないし、《邪神ドレッド・ルート》の効果で自分の他のモンスターの攻撃力が半減する為、オレ達二人のライフを0に出来る攻撃力は用意出来ない。
ならば、必然的に――。
『――バトル、《外神アザトート》で少女の方の裏守備表示のモンスターを攻撃』
1キルショットを狙える柚葉に照準を絞るだろう……! 攻撃を分散させる真似などするまい!
「――っ、破壊されたのは《伝説の白石》、このカードが墓地に送られた時、デッキから《青眼の白龍》1体を手札に加える!」
《外神アザトート》の攻撃によって、柚葉のフィールドの裏守備表示のモンスターは爆発四散し――。
『《邪神ドレッド・ルート》でダイレクトアタック!』
自分以外のモンスターの攻撃力・守備力を半減させる暴虐の化身が膨大な稲妻が鼓動する拳を振り下ろし――。
「――手札から《速攻のかかし》発動! 相手モンスターの直接攻撃宣言時にこのカードを手札から捨て、その攻撃を無効にしてバトルフェイズを終了させる!」
《速攻のかかし》の出現によって寸前の処で止まり、《邪神ドレッド・ルート》は口惜しげに退く。
豊海柚葉
LP8000
手札2→3→2
無し
魔法・罠カード
無し
『……決め損ねてしまったか。モンスターをセット、カードをセットしてターンエンド』
???
LP4000
手札3→2→1
《邪神ドレッド・ルート》星10/闇属性/悪魔族/攻4000/守4000
《邪神アバター》星10/闇属性/悪魔族/攻4100/守4100
《外神アザトート》ランク5/闇属性/悪魔族/攻1200/守0 ORU1
裏守備表示のモンスターカード1枚
魔法・罠カード
永続罠『血の代償』
伏せカード1枚
フィールド魔法『神縛りの塚』
魔法・罠ゾーンに置かれた伏せカードは未知数であるが、裏守備表示のモンスターカードは《プトレ》のエクシーズ素材として墓地に落ちた《黒き森のウィッチ》からサーチした《聖なる魔術師》……リバースしたら墓地の魔法カードを回収出来る厄介な禁止カードだ。あれに墓地の『死者蘇生』か『次元融合』を回収されたら大惨事になる……!
「私のターン! ――来い来い来い、ドロー!」
全身全霊を籠めて柚葉がドローしたカードは、心無しか光り輝いているように見えた……!
その引いたカードをちらりと見た瞬間、柚葉は不敵に笑った。
「柚葉! ヤツの裏守備表示のモンスターをオープンさせるなよ! 《聖なる魔術師》が表側表示になると墓地の魔法カード1枚回収される! ソイツはオレの方で何とか出来るから――」
「うん、そっちは任せた! まずは――」
今の魔法・罠カードが封じられた現状ではレベル10以上のモンスターに厄介な耐性を付与する『神縛りの塚』の対処が出来ない。此処は柚葉頼みだ……!
「手札から《炎征竜-バーナー》の効果発動、このカードとドラゴン族モンスター《嵐征竜-テンペスト》を墓地に捨て、デッキから《焔征竜-ブラスター》を特殊召喚!」
豊海柚葉
LP8000
手札2→3→1
《焔征竜-ブラスター》星7/炎属性/ドラゴン族/攻2800→1400/守1800→900
魔法・罠カード
無し
先程まではモンスター効果すら封じられていたが、モンスター効果さえ封じられなければ『征竜』は幾らでも動ける……!
「墓地の《嵐征竜-テンペスト》の効果発動、《幻木龍》《幻水龍》を除外して特殊召喚する!」
豊海柚葉
LP8000
手札1
《焔征竜-ブラスター》星7/炎属性/ドラゴン族/攻1400/守900
《嵐征竜-テンペスト》星7/風属性/ドラゴン族/攻2400→1200/守2200→1100
魔法・罠カード
無し
そしてこんな制圧下で、こんなにも簡単に柚葉の場にレベル7のモンスターが2体揃う!
「レベル7の《焔征竜-ブラスター》と《嵐征竜-テンペスト》でオーバーレイ! エクシーズ召喚! ランク7《幻獣機ドラゴサック》!」
豊海柚葉
LP8000
手札1
《幻獣機ドラゴサック》ランク7/風属性/機械族/攻2600→1300/守2200→1100 ORU2
魔法・罠カード
無し
そして守備表示で出るのは《幻征竜》、此方のオーダーも達成出来て防御も完璧じゃないか!
「《幻獣機ドラゴサック》の効果発動! 1ターンに1度、エクシーズ素材を取り除き、自分フィールド上に《幻獣機トークン》2体を特殊召喚する!」
豊海柚葉
LP8000
手札1
《幻獣機ドラゴサック》ランク7/風属性/機械族/攻1300/守1100 ORU2→1
《幻獣機トークン》レベル3/風属性/機械族/攻0/守0
《幻獣機トークン》レベル3/風属性/機械族/攻0/守0
魔法・罠カード
無し
「更に《幻獣機ドラゴサック》の効果発動! 1ターンに1度、自分フィールド上の『幻獣機』と名のついたモンスター1体をリリースし、フィールド上のカード1枚を選択して破壊する! 私はフィールド魔法『神縛りの塚』を破壊! この効果を発動するターン、このカードは攻撃出来ない」
『邪神』達に厄介な耐性を与えていたフィールドが崩壊する。――これであのレベル10のモンスターはちょっと厄介な効果を持っているだけの、ただのかかしだ! ……あ、『遊戯王』でのかかしはダイレクトアタックを防いでバトルフェイズを強制的に終わらせる有能極まりないカードだが。
『フィールド魔法『神縛りの塚』が効果で破壊され墓地に送られた時、デッキから神属性モンスター1体を手札に加える。――私が選択する神属性モンスターは《オシリスの天空竜》だ』
……え? そのデッキに『三幻神』も入ってるの? いや、さっき《ラーの翼神竜 球体形》があったから《ラーの翼神竜》はいると思ったが、まさか《オベリスクの巨神兵》も含めて全部入っている……!?
しかし、だとすると何故《オシリスの天空竜》を? 手札は1枚だけだし、この場合は《オベリスクの巨神兵》の方が――まさかあの罠カードは……!?
だとすれば、このターンにヤツからの妨害は無い……!
豊海柚葉
LP8000
手札1
《幻獣機ドラゴサック》ランク7/風属性/機械族/攻1300/守1100 ORU1
《幻獣機トークン》レベル3/風属性/機械族/攻0/守0
魔法・罠カード
無し
「これで厄介なフィールド魔法は葬ったわ! 私はこれでターンエンド。直也君、お願い……!」
「おう、任せっとけ! あれさえ無ければこっちのものだ! オレのターン、ドロー!」
秋瀬直也
LP8000
手札1→2
《EMモンキーボード》星6/地属性/獣族/攻500/守1200
裏側守備表示のモンスターカード1枚
魔法・罠カード
無し
ペンデュラムゾーン
《竜穴の魔術師》スケール8
フィールド魔法『天空の虹彩』
「オレはレベル1のチューナーモンスター《調律の魔術師》を反転召喚!」
『《調律の魔術師》だと?』
……まぁそんな反応だよねぇ。オレも何でこれがデッキに入っていたのか、この世界のオレに聞いてやりたい。
『きゃはっ!』
反転召喚されたのは白い魔術師風の格好をしたピンク髪の幼女であり、きゅぴ☆と言わんばかりのあざといポーズで登場である。
というか、その音叉を模した杖は手で持ってないようだが、自動的に浮かぶのね。
ちなみにコイツの効果は――。
《調律の魔術師》
チューナー・効果モンスター
星1/闇属性/魔法使い族/攻 0/守 0
「調律の魔術師」の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが手札・墓地に存在し、
自分のPゾーンに「魔術師」カードが2枚存在する場合に発動できる。
このカードを特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。
(2):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動する。
相手は400LP回復し、その後自分は400ダメージを受ける。
……何とも言い難い。レベル1のチューナーという事で使い道は沢山あると思うよ?
「……ねぇ、直也君。やっぱりそういう可愛い女の子系のカードが好きなの? それにそのカード、どう考えても使えない効果じゃない。同じレベル1チューナーモンスターなら《グローアップ・バルブ》で良いって私でも解るわよ?」
そしてちょっと前まで初心者決闘者だった柚葉にさえそう指摘される始末である。
えーと、コイツと前のデッキでの影のMVPである《グローアップ・バルブ》と比較? 使い勝手では圧倒的に《グローアップ・バルブ》の方が上だし、《調律の魔術師》の方はというと、デッキトップから有益なカードが墓地に行かないぐらいの利点ぐらいしか見い出せない。
……今現在の状況から見ても、ペンデュラムゾーンに設置出来ないので墓地から特殊召喚する効果が使えない。うーむ……。
「い、いや、これはデッキに元から入っていたカードで……そ、それに意図的にダメージを受ける事で墓地から特殊召喚出来るカードもいるし、除外ゾーンから墓地に戻せばまた特殊召喚出来てシンクロ召喚に繋げれるぞ!?」
「……どっちのギミックも直也君の『デッキ』には入ってないじゃないっ!」
……う、それを言われてしまうと痛い。
そんな柚葉の指摘を受けている《調律の魔術師》だが――何か『頑張るぞー!』的な意気込みで、前に押し出した両手をぐっと握りしめ、凛々しくいらっしゃる。
『……あー、茶番フェイズ終わった? 『決闘』の続きをしてくれると有り難いなぁ』
おっと、相手を待たせてしまったか。続きを進めよう。
「オレはレベル6の《EMモンキーボード》にレベル1のチューナーモンスター《調律の魔術師》をチューニング! シンクロ召喚! 誇り高き焔纏いしニ色眼の竜! レベル7《オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン》!」
秋瀬直也
LP8000
手札2
《オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン》星7/炎属性/ドラゴン族/攻2500→1250/守2000→1000
魔法・罠カード
無し
ペンデュラムゾーン
《竜穴の魔術師》スケール8
フィールド魔法『天空の虹彩』
「《オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン》の効果発動! このカードが特殊召喚に成功した時、自分のペンデュラムゾーンのカード1枚を特殊召喚する! この効果を使ったターン、《オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン》は攻撃出来ない。――来い! レベル7《竜穴の魔術師》!」
秋瀬直也
LP8000
手札2
《オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン》星7/炎属性/ドラゴン族/攻1250/守1000
《竜穴の魔術師》星7/水属性/魔法使い族/攻900→450/守2700→1350
魔法・罠カード
無し
ペンデュラムゾーン
無し
フィールド魔法『天空の虹彩』
これでオレの場にレベル7のモンスターが2体揃った! けど、まだ行かないぞ遊馬! その前に――。
「――バトル! 《竜穴の魔術師》で裏守備表示のモンスターに攻撃!」
『セットされていたモンスターカードは《聖なる魔術師》で守備力400、《邪神ドレッド・ルート》の効果で半減して守備力200……そのリバース効果は自分の墓地に存在する魔法カード1枚を選択して手札に加えるものだったが――』
「《オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン》がモンスターゾーンに存在する限り、相手はバトルフェイズ中にモンスターの効果を発動出来ない!」
禁止カードの《聖なる魔術師》はその効果を発揮出来ずに戦闘破壊される。
???
LP4000
手札1→2
《邪神ドレッド・ルート》星10/闇属性/悪魔族/攻4000/守4000
《邪神アバター》星10/闇属性/悪魔族/攻4100/守4100
《外神アザトート》ランク5/闇属性/悪魔族/攻1200/守0 ORU1
魔法・罠カード
永続罠『血の代償』
伏せカード1枚
「――メイン2、オレはレベル7の《オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン》と《竜穴の魔術師》でオーバーレイ! エクシーズ召喚! ランク7《No.11 ビッグ・アイ》!」
そして出てくるのは『眼征竜』とも呼ばれる、かつての『征竜』の玩具の一つ! ガチナンバーズと名高い、ひとつ目の憎いヤツである! 今回は守備表示で。
秋瀬直也
LP8000
手札2
《No.11 ビッグ・アイ》ランク7/闇属性/魔法使い族/攻2600→1300/守2000→1000 ORU2
魔法・罠カード
無し
ペンデュラムゾーン
無し
フィールド魔法『天空の虹彩』
「《No.11 ビッグ・アイ》の効果発動! 1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、相手フィールドのモンスター1体のコントロールを得る! この効果を発動するターン、このカードは攻撃出来ない。オレが選択するのは《邪神アバター》!」
秋瀬直也
LP8000
手札2
《No.11 ビッグ・アイ》ランク7/闇属性/魔法使い族/攻1300/守1000 ORU2→1
《邪神アバター》星10/闇属性/悪魔族/攻4100/守4100
魔法・罠カード
無し
ペンデュラムゾーン
無し
フィールド魔法『天空の虹彩』
なんか眼から怪光線が出たと思ったら、オレのフィールドに《邪神アバター》が這い寄って来た! うん、絵面的に完全に悪役だよね、これ。やってる事も鬼畜外道だし。
これで次のオレのターンのバトルフェイズであの厄介な《邪神ドレッド・ルート》を戦闘破壊できるぞー!
「オレはこれでターンエンド」
『――エンドフェイズ時、罠カードオープン』
そして最後に開示された伏せカードは、オレの最悪の予想通りのカードだった……!
『――罠カード『第六感』、5・6を選択』
ぐっ、2枚目の『第六感』……! またもやオレ達の眼下に大きめのサイコロが現れる。
「……今度は直也君が振って」
「……ああ、でも何故だろうな。オレもこの出る目、当てれそうだよ。どっちかしか出ないだろうし……」
「……凄いね、直也君。うん、私もそんな理不尽な予感がするよ……」
ああ、これはオレのデッキにも『第六感』を入れれば毎回の如く大量ドロー出来るんじゃないだろうか、血迷ってしまうな。
今度は小さく転がして、ころころ転がり、ああ、やっぱり……。
『出た目は5、よって5枚ドロー!』
ぐっ、6出されるよりはマシだと考えよう! しっかし、こんなに大量ドローして良くデッキが尽きないなって、そいやコイツのデッキは60枚と限界まで詰め込んだ枚数だったから、まだ半分程度――おっと、『デュエルディスク』の機能で相手のデッキの残り枚数見れるのか、正確には残り27枚か。普通のデッキなら半分以上ある状態かよ……。
『私のターン、ドロー!』
???
LP4000
手札2→7→8
《邪神ドレッド・ルート》星10/闇属性/悪魔族/攻4000/守4000
《外神アザトート》ランク5/闇属性/悪魔族/攻1200/守0 ORU1
魔法・罠カード
永続罠『血の代償』
そして手札補充の終えた『ラスボス』のターンが回ってくる……!
ライフは4000ぐらい差がついているが、この相手だけは8000ライフがあっても一瞬も安心出来ないぜ……!
さぁ、どう出てくる……?
『《処刑人-マキュラ》を通常召喚し、『血の代償』の効果で500ライフ支払い、《邪神ドレッド・ルート》《外神アザトート》《処刑人-マキュラ》の3体を生け贄に――全てを破壊し尽くせ! 最後の『三邪神』の一柱、レベル10《邪神イレイザー》をアドバンス召喚!』
――なっ、《邪神ドレッド・ルート》さえリリースして最後の『邪神』を召喚しただとォ!?
???
LP4000→3500
手札8→7→6
《邪神イレイザー》星10/闇属性/悪魔族/攻?/守?
魔法・罠カード
永続罠『血の代償』
現れるは終焉を告げる最後の『邪神』、機械的なドラゴン? 種族は悪魔族だが。
色合いや纏う雰囲気は全く異なるが、何処と無く《オシリスの天空竜》みたいな印象があり――。
『――このカードは特殊召喚出来ない。自分フィールドのモンスター3体を生け贄にした場合のみ通常召喚出来る。このカードの攻撃力・守備力は相手フィールドのカードの数×1000になる。フィールドのカードの合計数は5枚、よって攻撃力5000・守備力5000となる』
???
LP3500
手札6
《邪神イレイザー》星10/闇属性/悪魔族/攻?→5000/守?→5000
魔法・罠カード
永続罠『血の代償』
《オシリスの天空竜》と同じように攻撃力が変動する効果だったか……!
「――だが、こっちの《邪神アバター》の攻撃力・守備力も変動して5100となる!」
秋瀬直也
LP8000
手札2
《No.11 ビッグ・アイ》ランク7/闇属性/魔法使い族/攻1300/守1000 ORU1
《邪神アバター》星10/闇属性/悪魔族/攻?→5100/守?→5100
魔法・罠カード
無し
ペンデュラムゾーン
無し
フィールド魔法『天空の虹彩』
こっちの場に《邪神アバター》がいる以上、怖い相手じゃない!
『――《邪神イレイザー》の効果発動、自分メインフェイズにこのカードを破壊する』
オレと柚葉も「え?」と言う間も無く、《邪神イレイザー》が自分の効果で爆発四散し、周囲一帯に噴出した黒い血が豪雨の如く降り注ぎ――更には池、否、底無し沼の如く広がってくる!?
何だこの演出!? ただの破壊され方じゃねぇぞ!?
『このカードが破壊され墓地に送られた場合、フィールドのカードを全て破壊する!』
自ら破壊される事で発動する全体除去効果だとォ!?
オレの場の《ビッグ・アイ》《邪神アバター》が黒い血の池に沈み、フィールド魔法も黒く汚染されて木っ端微塵に破壊される……!
「――っ、《幻獣機ドラゴサック》は自分フィールド上にトークンが存在する限り戦闘及びカードの効果では破壊されない!」
柚葉の場にいた《幻獣機ドラゴサック》だけは飛び退いて回避し、《トークン》は飲み込まれて消える――。
なんてこった、こんなにも簡単に場をがら空きにされるのかよ……!?
豊海柚葉
LP8000
手札1
《幻獣機ドラゴサック》ランク7/風属性/機械族/攻2600/守2200 ORU1
魔法・罠カード
無し
秋瀬直也
LP8000
手札2
無し
魔法・罠カード
無し
ペンデュラムゾーン
無し
???
LP3500
手札6
無し
魔法・罠カード
無し
まだヤツのターンは始まったばかり――果たしてこのターン、オレ達は生き延びられるのか……!?
本日の禁止カード
《聖なる魔術師》
効果モンスター(禁止カード)
星1/光属性/魔法使い族/攻 300/守 400
リバース:自分の墓地に存在する魔法カード1枚を選択して手札に加える。
リバースなので1テンポ遅いが、墓地の魔法カードを回収出来る強力なカード。
月の書でまた裏側守備表示にすれば再利用出来る。
このカードをもって『死者蘇生』か『次元融合』の回収を目論んだが、《メテオバースト》の戦闘中、相手はモンスター効果を発動出来ない効果に阻まれて仕事出来ずに破壊された。
『混沌』さんのデッキだと、リバースした後に『突然変異』でレベル1の禁止融合モンスターに変身する仕事がある。
本日の事故要因カード
《邪神イレイザー》
効果モンスター
星10/闇属性/悪魔族/攻 ?/守 ?
このカードは特殊召喚できない。
自分フィールドのモンスター3体をリリースした場合のみ通常召喚できる。
(1):このカードの攻撃力・守備力は、
相手フィールドのカードの数×1000になる。
(2):自分メインフェイズに発動できる。
このカードを破壊する。
(3):このカードが破壊され墓地へ送られた場合に発動する。
フィールドのカードを全て破壊する。
これ、どうやって使えば良いの?と作者が常々思っているカードであり、今の今まで活躍の舞台が無かったが、やっと活躍出来たよ! やったねイレイザーちゃん!
……え? 「砕けるのが仕事だ」というゴローニャ扱いで、サックには回避された? なぁにぃ、聞こえんなぁ~!
この自壊効果、相手ターンでも使えれば優秀だったのに。あと何で原作の墓地送りから破壊効果に劣化したし。というかお前、他の『三邪神』と一緒で特殊召喚出来ないんだから砕けたら再利用も何も出来ないじゃないk
……まぁ原作でも使用者に「相手によって左右される不甲斐ないモンスター」と言われ、社長には「人頼みの神」と酷評されてるんですがね……救いはなかった。
あ、ちなみに原作の漫画版には神のカードと同等の強力な耐性があったよ。『三幻神』と同じくカードのテキストには書かれてないけど。ちなみに全部特殊召喚も可能だったらしい。
『三幻神』と同じく、第九期の禁止カード行き基準でエラッタされてもいいんじゃよ?