転生者の魔都『海鳴市』   作:咲夜泪

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16/元彼女(自称)vs現彼女(自他)

 

 

 

 

 ――世界が光り輝いたと思ったら、瞬き一つの間に『世界』が一変し……気づいたら、中世ファンタジー風の町並みに居た。

 

「……何だこれ、『固有結界』的な何か?」

「そうかもね。専門家じゃないから断言出来ないけど」

 

 一緒に歩いていた柚葉は隣にいるので、まぁどんな事態に巻き込まれても何とでも対処出来るな、という安心感に包まれる。

 ……周囲には人の気配が一切無く、静寂に包まれている。空には遥か遠方に『空飛ぶ天空城』がぷかぷか浮かんでおり――城よりも、隣に刺さっている塔の方が大きいあたり、何かとんちきな建物の印象が強い。

 

「早速、召喚されたサーヴァントの一騎がやらかしたって事かぁ。初っ端から全陣営巻き込んだ『レイドボス』戦って訳か? 派手好きだなぁ」

「その辺の事情は想像しか出来ないけど、とりあえず直也くん、『鎮魂歌』で殴ろうか。相手が有利な場所で戦う必要性なんて無いし」

「……初手でその選択肢ってさ、割と脳筋で無法よな?」

 

 此方の心情的に、そうぽんぽん『矢』を使うのには躊躇いがある訳なのだが? 色々検証したけど、結局『蒼の亡霊・鎮魂歌』の能力ってどんなのか、正確には解らなかったし――。

 

 

「――っ、痛っ!? 何だこれ……『令呪』?」

 

 

 『矢』をぶっ刺そうと覚悟を決めた直後だった。自身の手の甲が焼けるほど痛く、『令呪』が赤く発光しており――急激な目眩と倦怠感に襲われる。

 

 自身の生命の根幹が一気に吸い尽くされたかの如く、問答無用で意識が途切れる。

 

 ……薄れる意識の中、勝手に召喚された自身のサーヴァントに魔力を根刮ぎ吸い尽くされたのでは?という推察だけが残り――魔力の生成なんて出来ない一般人がサーヴァント召喚したらそうなって当然だと納得し……もうちょい加減出来なかったのかと勝手に召喚されたサーヴァントに文句を言いたかった。

 

 

 

 

「――直也くん!?」

 

 秋瀬直也が正体不明の痛みに呻いた直後、彼の立っていた地面に特有の魔法陣が自動的に刻まれ、禍々しい光を放つ。

 まるで眠るように意識を失って倒れる刹那、膨大なエーテルを放って召喚された何かに支えられる。――大切な者を抱き抱えるように優しく、自身の力で壊れないような慎重さで。

 

 

 ――それは見た事の無い女子高生服を着た、16歳程度の少女だった。

 数多の時代から召喚される年代無視のサーヴァントに関わらず日本的な女学生――黒髪のショートボブで、可愛いよりも凛々しいいで立ちで、特徴的な青い瞳は射抜くように豊海柚葉を睨んでおり――この瞬間、理屈抜きで豊海柚葉は理解する。コイツは『敵』だと。

 

 

 そのサーヴァントは豊海柚葉を一瞥した後、無言で立ち去る。サーヴァント特有の超人的な身体能力をフルに活用し、尚且つ気絶した秋瀬直也を抱えて。

 

「――は?」

 

 白昼堂々行われた、想い人の誘拐劇に、豊海柚葉は即座にブチ切れる。

 その激怒は一瞬にして……最近、ぬるま湯に浸って本領発揮出来ずにいた『シスの暗黒卿』を全『補正』有り状態に戻してしまい――自身の世界を揺るがす超・危険存在を感知した『ランサー/プリテンダー』から直接『初代魔王ククルククル』を派遣させる事態になるが、デモンベイン達に引っかかってしまい――此処に、秋瀬直也から勝手に召喚された英霊らしからぬサーヴァント『バーサーカー/フォーリナー』と『シスの暗黒卿(ラスボス補正有り)』の追跡劇が、人知れず開催したのだった。

 

 

 






 クラス 『バーサーカー/フォーリナー』
 マスター 秋瀬直也
 真名 『■■■■』
 性別 女性
 属性 混沌・善
 筋力■□□□□ E  魔力■□□□□ E
 敏捷■■□□□ D  幸運■■■□□ C
 耐久■□□□□ B  宝具■■■■■ EX


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