――デモンベイン・トゥーソードと思われていた鬼械神から、瞬間的に数多の触手が生成される。
『……は? へ!? 『ガンダムヘッド』!? おいおいおいおい、よりによって!? その『アナハイム・エレクトロニクス』のロゴは何なんだよ!?』
『え? 何? 何なの? 『西博士』と同類なの?』
『紅朔っ、呆けてないで回避回避回避っ! 被弾したら取り込まれますよ!?』
その触手の先端には、特異な事に『V字アンテナ』&『ツインアイ』の頭部が形成され――大多数は『ランサー/プリテンダー』が消滅して消えかけている最中の大地に潜航、消滅している最中の『初代魔王ククルククル』に突き刺さり――融合及び侵食して別存在に書き換えていく。
『……マスター、これは……!?』
『――流石にこれは予想外の展開だ。二番煎じと思いきや、とんだ変化球を隠し持っていたものだ……!』
今まで沈黙を保っていたナコト写本日本語版さえも驚愕の言葉を隠せず、リベル・レギスを駆る『大導師』も眉を顰める。
――驚異的な速度で大地が『銀色』に変換されていき――消滅の予兆が完全に消え去って安定してしまい――元『初代魔王ククルククル』の肉体は、寄生主たるデモンベイン・トゥーソードを格納して――『超巨大ガンダム』に変貌する。
「――レディース&ジェントルメン! 御待たせしました、皆様! 『黒幕(真打)』登場ですとも! 此度の『聖杯戦争』では『セイバー/ビースト』クラスで現界した、真名『迷子』と申します。どうかお見知りおきを!」
その『超巨大ガンダム』の頭部の上に、いつの間にか立っていた『青年』は、道化師じみた仕草でお辞儀する。――『聖杯戦争』のセオリーである、真名を隠すという原則を真っ先にぶち破って。
『……『ビースト』?』
「人間の獣性が生み出した大災害、人類と人類の文明を滅ぼす破滅の化身、『人類悪』なるエクストラクラスで御座います!」
『最上級なまでにろくでもない、ラスボス用のエクストラクラスじゃねぇか!?』
「まぁご安心を。『私』のは偽装クラスですので! 申告詐欺の一種で、実際はもっとろくでもないものですよ!」
『安心出来る要素が一欠片もねぇ!?』とクロウがツッコミしなくとも、全員が全員、『ランサー/プリテンダー』に匹敵する処かそれ以上に、超弩級なまでに論外な存在だと認知される。
「此度の『聖杯戦争』が異常な理由の10割は『私』のせいだと思って頂ければ幸いです!」
『全部が全部じゃねぇか!?』
全員の予想通り、全ての黒幕である事を自白し「いやぁ、流石はクロウ・タイタスさん! ツッコミのキレが違いますね!」『うるせぇ褒められたくもねぇ!?』とクロウに息を入れる間も無く突っ込ませる。
「――さて、デモンベイン・トゥーソードですが、『血の怪異』のギミックをそのまま流用するなんてナンセンス極まりないですよね? 既に種明かしされたネタを使うなど二流の脚本なれば、大胆に改変するのが一流の仕事かと!」
『私がやりました!』と言わんばかりにドヤ顔する『セイバー/ビースト』に際限無き苛立ちを覚えるも、蒸発させるのはその犯行声明を聞いてからだと自分に納得させる。
「――経緯を説明しますと、『私』自身の宝具の持ち込み、『『補正』ちゃん(GM)』に却下されちゃったんですよね。……仕方ないので、他のサーヴァントに分割して仕込んで現地調達する方向性に切り替えました! 具体的には『邪神の歯車(チクタクマン)』の代わりに――『自己進化・自己再生・自己増殖』の三大理論でお馴染みの『DG(デビル・ガンダム)細胞』+『ELS(地球外変異性金属体)』という悪魔的な組み合わせで!」
何処ぞのクトゥルフ神話TRPGでのマンチ系探索者の如き暴挙――をツッコむ間無く、『おい馬鹿やめろ! その組み合わせはもう最初から合体事故にしかならねぇ!?』「最近『強化人士4号(被験者)』に恵まれましてね! 其処から得られた知見は大変参考になりましたとも!」と人類の倫理観を余す事無く冒涜する、邪神もドン引きする前科を白状する始末。
「――邪神の脚本『機械仕掛けの悪夢(クロックワーク・ファントム)』改め、『ELS侵食融合型デビル・ガンダム』――今回の『2回目』の『レイドボス』バトルの形式はタイムアタック方式です。時間を掛けるほど『3回目』の『レイドボス』の難易度が跳ね上がりますので、頑張って撃破して下さいねー!」