転生者の魔都『海鳴市』   作:咲夜泪

206 / 227
エピローグ

 

 

 

 

「……ホント、皆さんには凄い迷惑掛けるし、今回も相変わらず酷い目に遭ったけど――生きてて良かったぁ……!」

「ホントそれ。今回ばかりは『魔術師』様と敬っちゃうね!」

 

 白とアリアは『魔術師』製のスマホ(『超能力者一党』から押収した『学園都市』の超技術+『時空管理局』のデバイス技術を組み合わせて更に発展させた超性能の代物)片手に、宝石剣によって開通した限り無く『根幹世界』に近しい並行世界(2025年)の無線LANを通して、前世のあらゆる娯楽の復活に狂喜乱舞する。

 

 前世に近しいネット環境の復活により、wikiからあらゆる情報の取得が可能となり、動画サイトからありとあらゆるアニメ視聴も可能となり――ネット通販を用いれば最新ゲームもプレイ可能となり、切望した懐かしさと待望した新しさに、多くの『転生者』が感動の涙を流したとか。

 

「ティセちゃんは何見てるのー?」

「ランス10のプレイ動画ですよ、アリアさん」

「え? 何で今更?」

 

 疑問符を浮かべたアリアがティセのスマホの画面を覗き込むと、其処には『ランサー/プリテンダー』として召喚された自称最古の魔人筆頭の姿があり――。

 

「……ああ、『根幹世界』の類似って、そういう事かぁ。――白ちゃん、マスターとして感想よろ!」

「もっと他の人に頼りましょう、まる!」

「あはは、今週の『お前が言うな』スレは此処ですか?」

 

 第一部では最序盤で確定で手に入る魔人枠でありながら最強級の性能を誇り、第二部においては最強最悪の敵として立ち塞がる実質ラスボス枠であり、主人公であるランス達は知る由も無いが、物凄く濃厚な裏設定ストーリーが挿入されている。

 

 あの『ランサー/プリテンダー』が感情を露わにして取り乱し、自身の息子を自らの手で殺害しようとしているほど精神的に追い詰められており――お労しいというレベルを遥かに超過しているが、最後にはランスのランスたる破天荒さで全部吹っ飛び、最高のグッドエンドに到達出来た後の彼女の姿が描写されており、白は密かに安堵の息を零す。

 

「この物語への逆輸入ってのは案外厄介だね。『正史』そのままを見たい人にとっては最悪だろうし」

「私としては『魔術師』さんの反応が一番見たいですね! 直接的な被害が及ばない距離で!」

 

 白は物凄く気まずそうな表情になり、アリアは自身の腹を押さえて「あはは、それは『海鳴市』の外にいないと無理じゃないかなぁ!」と大爆笑する。

 wikiなどを調べて見れば、『魔術師』神咲悠陽の存在は『Fate/stay night』の時代から仄めかされており、直接の登場はしていないが、その血脈が『とあるヒロイン達』の家系に繋がっている事が暗に示唆されており――。

 

 一番の問題は、恐らくは『魔術師』神咲悠陽が最も切望したであろう『Fate/Grand Order』においては――。

 

「で、でも、私、あの『魔術師』さんも好きですよ! 今までとは違った魅力が――」

「白ちゃん男の趣味最悪だから矯正しようね!」

「ひどっ!? アリアさん幾らなんでも酷いですよ!? ティセさんも何か言って下さい!」

 

 

 

 

 ――白

 

 自虐的で悲観的なのは変わらないが、『魔法少女まどか☆マギカ』の物語を再視聴して、暁美ほむらの勇姿を目に焼き付けて、めっちゃ泣き、少しだけ前向きになった。

 少なくとも『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ〈ワルプルギスの廻天〉』(2025年冬予定)を見るまで絶対に死ねないと個人的に奮起する。

 ……密かに『FGO』をプレイしている。最推しは『魔術師』。もう少し推しの人選を考えるべき。

 

 ――アリア・クロイツ

 

 前世での積みゲーを消化すべく、暫く寝不足の日々を過ごす。

 魔都『海鳴市』に定住してから割とエンジョイ勢。多趣味も重なって、数多の原作知識の補強が急速に進んだ。

 最近のマイブームは、『スターウォーズ』宇宙に散りばめられた元主君の軌跡を見つける事。……いずれ復活する『シスの暗黒卿の王』扱いされているけど、これ大丈夫?

 

 ――ティセ・シュトロハイム

 

 完全新作の『魔法少女リリカルなのは EXCEEDS Gun Blaze Vengeance』に、内心狂喜乱舞している。

 自作PCとかも普通に組めるので、多種多様の最新ゲームも普通に遊べるようになっている。

 

 

 

 

「わー、『正史』の私達って大活躍だったんやなぁ!」

「……これ良いの? 視聴させて大丈夫なヤツだったのか!?」

「物凄い今更な話よねぇ? ……普通の人ならSAN値チェック入ると思うけど」

 

 八神はやてが輝く目で、自分達の『正史(『魔法少女リリカルなのはA's』)を見ているが、クロウ・タイタスは死んだ目ではらはらしながら見守っていた。

 元々『転生者』の話から察していたとは言え、実際に突き付けられると、紅朔の言うように非常に重いSAN値チェックが入りそうだが――。

 

「……ところで、赤坂の奴、宇宙猫状態になってるけど大丈夫なのか?」

「『第八位の超能力者(自分)』のいない『正史』の世界線で、自分に引導を渡した『上条当麻(主人公)』に興味持って読み出したんやけど……ああ、あかん。まるで反応無いわ」

 

 今回の『聖杯戦争』において、『ランサー/プリテンダー』の固有結界発動で八神はやてと分断された時点で、『とある魔術の禁書目録』世界出身の『第八位の超能力者』赤坂悠樹(穢土転生体)はやる気が皆無となって不貞寝したまま事件が終わり――スマホを気力無く弄り、前世で自身に引導を渡した自称『無能力者(レベル0)』が目に入ってしまい、睡眠さえ忘れて関連書籍・動画を観覧し続けた結果、『超能力者(レベル5)』の頭脳でも処理出来ない情報量に思考停止状態に陥ってしまったようだ。

 

 ……そう、彼、赤坂悠樹は珍しく『転生者』じゃない為、そういう反応に陥るよなぁ、と全員が納得する。……笑いながら見ているはやてが異常で、ヴォルケンリッターとかは『正史』の自分達の姿を見て、非常に微妙な表情になっている。

 

「クロウさんクロウさん! 『もう一人の私』を止めてぇー!」

「邪魔しないで下さいセラ、今日は私の番です。――もう少し、もう少しで引き当てられる気がします。流れが確実に来てます!」

「おいシスター正気に戻れ!? 其処から先は地獄だぞ!?」

 

 (2025年基準の)現代社会の闇に飲み込まれているのは、前世の記憶が消去されて耐性が皆無になっていたが故か、いつもはしっかり者のシスターをクロウが全力で抑止するという珍しい光景が見られる事となる。

 各々が自身にとって最も興味ある情報を閲覧する中――。

 

「――シエルめ、盛られすぎだろう!? 『原理血戎(イデアブラッド)』って何ぞや!? 一体どういう事だ『奈須きのこ』おおおおおおおおおおおおおお!?」

「うわぁ、『代行者』の野郎、憎悪が強すぎて語彙力喪失してやがる」

「男の嫉妬は醜いねぇ? ねぇねぇ『代行者』さん今どんな気持ち? ねぇねぇ!」

 

 ざぁこざぁこ、と生意気なメスガキの如き大十字紅朔の煽りさえ目に映らないほど、『代行者』は錯乱しており、自身の髪の毛を掻き毟っていた。

 いつも他人を煽る事に全力を尽くしている『代行者』の貴重な錯乱姿だ、珍しいだけで見苦しい事この上無いが。

 

「それにしても――」

「言いたい事は解るけど、逆の立場だったら私も残らないわ。そういうものよ、クロウ」

 

 ――『ライダー/アヴェンジャー』、大十字九朔は現界を望まず、あっさり消失した。

 

 彼が何を望み、何の為に召喚されたのか、それは彼自身の口からは語られず、最早想像しか出来ないが――彼が『復讐者(アヴェンジャー)』のクラスで召喚された事が何よりも物語っており、少しだけ暗い気持ちになる。

 

 ……誰かを選ぶという事は、誰かを選ばないという事であり、正義は別の視点からは悪である事を否応無しに自覚させる。

 

「男の子なんだから、後は自分で何とかするでしょ。――だって、アイツは」

「――大十字九郎の息子、大十字九朔だからな」

 

 

 

 

 ――クロウ・タイタス&大十字紅朔

 

 この後、恐る恐る『斬魔大戰 デモンベイン』の電子書籍を読んで、案の定、阿鼻叫喚となる。

 次の新作が来るまで10年単位で待つ事になると思われ、更なる狂乱の渦の飲み込まれる。SAN値チェック、失敗。1d20。

 

 ――シスター&セラ・オルドレッジ

 

 ガチャは家賃まで!という寝言を吐いたシスターを全力で黙らせた。

 勿論、プレイしているスマホゲーは『FGO』であり、『魔術師』に対する感情の重さを見誤っていたとセラに言わしめた。

 

 ――『神父』

 

 『HELLSING』OVAを見て、満足気に昇天しそうになった。

 同作者の単行本『ドリフターズ』の続きを、静かに待ち望んでいる。

 

 ――『代行者』

 

 リメイク版『月姫』を真っ先に履修し、阿鼻叫喚となる。

 精神衛生の為に『スターウォーズ』での主君の軌跡探しに躍起になる。が、途中で『宿敵』の関連書籍を発見してしまい――。

 

 ――八神はやて&ヴォルケンリッター

 

 自身の関連作品を全部履修したが、『ストライカーズ』には常時「?」マーク状態だった。

 クロウの出身世界である『デモンベイン』シリーズに手を出したが、元々が18禁のエロゲーだという事を知らなかったが故の悲劇が! 18禁じゃないのにそれ以上にエロいエロ本娘の魔の手が迫る!

 

 ――赤坂悠樹

 

 自身のこれまでの価値観が完璧に破壊され、ほんの少しだけ前向きに生き――いや、『穢土転生体』だから元々生きてないが。

 なお、自身が陥っている『穢土転生体』の原典を知るべく『NARUTO』を読み解くが、余りにも卑劣な術にドン引きする。

 

 ――ブラッド&シャルロット

 

 ランスシリーズが18禁のエロゲーである事について、一悶着起こる。幸せに夫婦喧嘩しな!

 

 

 

 

「――『ジョジョの奇妙な冒険』が第六部までアニメ化しているだと!? それに『スティール・ボール・ラン』の続きも! まさか、生きて拝めるとは……!」

「いや、2回死んでるんだけどね?」

 

 キレッキレな『転生者』ジョークを交えつつ、いつもの喫茶店で秋瀬直也と豊海柚葉はデートしていた。

 ……まぁ、目の前の秋瀬直也は自身のスマホに夢中で、秒単位で柚葉の機嫌が傾いていっているが――。

 

「……確かに、便利ではあると思うんだけど……」

 

 そんなに夢中になるほどか、と思うのは、生前にスマホという概念が無かった豊海柚葉限定の感想だろうか? ……なお、同年代に殺された『転生者』である『魔術師』の方は必須扱いと認識しているが。

 更に言うならば、これらは『魔術師』から提供されたものであり、諸々の信頼性は皆無である。絶対に、様々な情報を抜き取られている確信すらある。

 気晴らしに様々な検索ワードを用いて、『並行世界』の向こう側のウェブの海を探索していく。――柚葉の目に真っ先に映ったのは――。

 

「――ねぇ、直也君。これ、何?」

 

 氷点下0度に迫る視線を浴びせながら、柚葉は直也に自身のスマホに表示されたものを見せつける。

 それは一冊の電子書籍だった。特徴的な絵柄は一目見れば誰だか判断出来る。『ジョジョの奇妙な冒険』でお馴染みの荒木先生だ。

 

 

「……『ジョジョの奇妙な冒険 あるがままに委ねる』? ――え? 『レット・イット・ビー』?」

 

 

 問題は、その表紙には高校生時代の自分の姿があり、尚且つ、前世での相棒だった『ジョジョ』が一緒に『ジョジョ立ち』しているという、意味不明な画が広がっており――。

 

「何この表紙!? 仲良く『ジョジョ立ち』して!? 浮気? 浮気!?」

「いや俺に聞かれても知らんって!? というか『ジョジョ』とはそういう関係じゃ……!」

「じゃあどういう関係だったか、白状してくれるの? ――いえ、これを読めば全部解る事だけど!」

 

 

 ――秋瀬直也&豊海柚葉

 

 『ジョジョの奇妙な冒険』の番外編、『あるがままに委ねる(レット・イット・ビー)』を二人、仲良く読む事となる。新手の拷問かな?

 『主人公』の相棒枠の秋瀬直也の心情に関しては最期以外一切描かれておらず、主に『ジョジョ』の主観で物語が進む為、二重の意味で二人の脳を仲良く焼いた。

 

 

 

 

「――ふふふ、ははは、ふぅーっはっはっは!」

「うわぁ、悪役の三段笑いとか、見た事無いほどハイテンションになってますねご主人様!」

 

 『魔術師』の屋敷にて、自らの能力を――永続罠『スキルドレイン』で封印し、制御不能の魔眼を無効化して開眼した神咲悠陽はエルヴィの言う通り、見た事も無いテンションで大笑いしている。正直怖い。

 ちゃっかり現世に居残った『アーチャー/ルーラー』もとい『キャスター/グランド』もとい英雄王ギルガメッシュさえも見た事無い一面であり、未知の光景に目を真ん丸としていた。

 

 ……本来ならば、あの『聖杯戦争』の幕引きは、自身による冠位を返上した最期の一撃になると予測していたが、未知なる法則の介入で未来が変わり、生き残った事を感慨深く想う。

 

「『Fate/Grand Order』の事を他の『転生者』から聞いた時は思わず発狂したが――」

「ネタバレをかますという自業自得もあるとは言え、歴代で最も哀れな末路の『転生者』さんでしたね」

「今、私のスマホに、『FGO』のダウンロードが完了したッ! これで『Fate』シリーズの新たな物語を直接拝める!」

 

 余程嬉しいのか、歌でも歌いそうな勢いで『魔術師』は興奮しており――これから起こるであろう出来事に対し、ギルガメッシュは思わず愉悦顔となる。まさか生きて見届けられるとは望外の幸運である。

 

「史上最大の聖杯戦争、開幕――実に心躍るキャッチコピーではないか! オラ、ワクワクしてきたぞぉ!」

 

 エルヴィが溜息を吐きながら「テンションあがりすぎて悟空さみたいな言動になってますよご主人様」「キャラ崩壊も甚だしいな」いつものソファに寝転がりながら、『ランサー』は疲れた表情を見せる。

 

「今までのパチモンじゃない本家本元の聖杯戦争だぞ? 間違いない、絶対面白いに決まっている!」

 

 清く正しい型月信者並の感想を述べる『魔術師』の姿は正直普段とは違った怖さがあり、これにはディアーチェ達も閉口である。……彼女達も自前のスマホでダウンロードしてたりするが。

 

「……しかし、このガチャという集金方法は正直どうなんだ? 私でも躊躇するレベルの悪辣な手腕だが」

「うわっ、いきなり素に戻りましたね?」

 

 余りのテンションの落差に気持ち悪がりつつ、止せば良いのに「まぁ課金無しで良いだろう。札束で殴ったらゲームにならん」と自己縛りを追加する。

 

「こうなった重度の型月信者に一々ツッコミ入れても疲れるだけだよ、エルヴィ」

「神那様……ええ、重々承知してますけど」

 

 父の奇行を見て見ぬふりをするぐらいの情けは、娘の中に一応あるらしい。

 

「……そういえば、あの『聖杯戦争』で一回も見てないが、貴様、一体何をしてたのだ? それに――何か、こう、雰囲気が変わってないか?」

「あら、『鈍い暗君(ディアーチェ)』にしては目敏いね」

 

 神那は相変わらず見下しながら微笑み、わざわざ立ち上がって踊るように回転して魅せる。

 その外見こそ然程変わってないが、『穢土転生体』の最大の特徴であった白目部分の黒ずみが完全に消えており、更には体の各所に見られた罅割れも綺麗に無くなっており――右手の甲に刻まれた未使用の令呪3画を、此れ見よがしに見せつける。

 

「――私の『セイバー/ビースト(サーヴァント)』に頼んでみたの。『アナハイム・エレクトロニクス』製の義体はとても優秀だね」

 

 

 

 

 ――神咲悠陽

 

 本来ならば、この『聖杯戦争』は一行で語られて終わる物語未満の前日譚であり、『迷子』の介入によって一番苦労した人物。

 それに見合う報酬を得られたかはどうかは、『FGO』をプレイして発狂する『魔術師』の姿で、全て察して欲しい。

 

 ――神咲神那

 

 『セイバー/ビースト』のマスターであり、この『聖杯戦争』で『穢土転生体』から脱し、見事に蘇生果たした真の勝者。

 彼女が『根源接続者』である事は、父の神咲悠陽も知らない。

 『迷子』の願望機機能を使用したが、そんなのは人間の『彼』でも簡単に可能な事であると証明し、その代償を極限まで踏み倒した。

 今回『魔法使い』が協力的だったのは、『迷子』が『彼』の愛娘に手を出したからであり、プライドなんて最初からゴミ箱に廃棄して『混沌』に頭下げた。……その代償に滅茶苦茶『決闘(デュエル)』したのは別の話である。

 

 ――ギルガメッシュ

 

 自分の庭でない世界に興味津々。自身のマスターの別の可能性には特に執心している。

 子供状態なのに大人の時並の出力を誇るのは二重クラスの影響ではなく、冠位の霊基で訪れたからであり、この転生者の魔都『海鳴市』を存分に堪能する気満々である。

 『FGO』に登場する別世界線の自分の姿を見て、宇宙猫状態になる『魔術師』に対して、腹筋大激痛で死にかねないほど大爆笑した。

 

 ――クー・フーリン

 

 今回も生き残り、こういう趣向の戦いも悪くは無いが、やっぱり強敵との一騎討ちを待ち望んでいる。

 英雄王とは奇妙な縁を感じつつも、大人状態じゃない子供状態なので割と仲良くやれる。

 『FGO』において星3サーヴァントとして実装されている事に、一番文句を言ったのは『魔術師』であり、「ランサーが星3でアーチャーが星4なのは解釈違いだっ!」と物凄く怒鳴り散らしたとか。

 

 ――エルヴィ

 

 裏方の全てを押し付けられた、可哀想な使い魔。何処にでも居て、何処にも居ないから仕方ないね!

 この世界における貴重な魔術素材をこれでもかと回収し、これでもかと浪費したので、『魔術師』陣営は暫く大規模な魔術儀式を執り行えないだろう。

 

 ――紫天一家

 

 新たな従者(英雄王ギルガメッシュ)が仲間入りし、今日も彼女達は元気である。……愉悦部として見定められているのは気の所為。

 ディアーチェと英雄王の接し方は、割と『魔術師』の心胆を寒からしめるものである。『魔術師』よろしく、『FGO』をプレイする。

 

 

 

 

「……と、とりあえず、口直しに違うの見よう!」

「……そ、そうね。現実逃避は大事よね!」

「あれま、クロウ兄ちゃんに紅朔ちゃん、大分参ってるね」

 

 斬魔大戰デモンベインから得られた新情報で脳がパンクしそうになったクロウ・タイタスと大十字紅朔は癒やしを求めて、違う作品で脳を上書きしようとする。

 彼等が無作為に選んだのはアニメで、ロボットものであり――。

 

「――お、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』? 知らないシリーズだな、アナザー宇宙かな? 宇宙世紀じゃないなら一見さんも大丈夫だ」

 

 ――さて、転生者の魔都『海鳴市』に住む『転生者』達は知らない法則だが、『根幹世界』に類似した並行世界において物語の上書きが起きている作品には特定条件があり、その『転生者』が常軌を逸した存在、神格に至っている事が第一条件である。

 故に、必然的にガンダムシリーズには全部――。

 

 

「「――あの『頭アナハイム』ぅ!?」」

 

 

 『迷子』の『本体』もとい元となった人物である、『白い流星の片割れ』、『人類種の天敵』である『彼』が何処かしらに登場しているのである。

 

 

 転生者の魔都『海鳴市』――完。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。