転生者の魔都『海鳴市』   作:咲夜泪

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04/『超越せし者』

 

 

 

 

『――? これは、また……いや、そんな事があるのか? 自覚無しで今まで生きてきたの? 凄いな、億回に1回も無いような奇跡を目の当たりにしている』

 

 ――私を一番最初に殺した『吸血鬼(元凶)』は、心底不思議そうに、信じられないという顔で、まじまじと見下ろす。

 自分で殺しておいて、一体何が不思議なのか、残念ながら死に逝く身体は恨み言すら発せない。

 

『さぞかし生き辛かっただろうに。いや、それにすら気づいてないから、何も自覚出来ずに『人間』として生きてられたのかな? 演じている自覚が無いのなら演技に見えないとは逆説的証明か何かかな?』

 

 ……さっきから、『人』を殺しておいて一体何を言っているのか? いい加減煩いし、酷く眠くなってきたから、静かにして欲しい――。

 

『これは傑作だ、勘違いしたまま『人間』のように死ねるんだ! 迫真の演技過ぎて笑えるよ。――『君』のような無自覚の『■■』が、無自覚に『人間』を演じたまま『人間』のように死ぬなんてねぇ?』

 

 一体、何、を――言って――。

 

 

 

 

『――貴女は本当に『人間』ですか? その絶大なる魔力、矮小極まる『人間』のものとはとても思えませんね。いや、これはむしろ、我々に近しいものを感じる――?』

 

 不浄極まる『化物』が何か言っている。波長の崩れた声が、酷く癇に障る。早く、永遠に黙らせないと――。

 

 ――『不浄王キュクレイン』のクリスタルを継承し、以下のアビリティを習得しました。

 

 魔法『バイオ』

 魔法『バイオ』

 魔法『バイオ』

 魔法『バイオラ』

 魔法『バイオラ』

 魔法『バイオラ』

 魔法『バイオラ』

 魔法『バイオガ』

 魔法『バイオガ』

 魔法『バイオガ』

 

『――『聖石』の力で叡智を授かったからこそ、断じられる。小娘、貴様は一体何者だ? 『人間』の皮を被った……『何』だ?』

 

 『人間』でいられなかった、弱い『化物』が何か囀っている。私が『何か』なんて、見れば解るでしょうに――。

 

 ――『魔人ベリアス』のクリスタルを継承し、以下のアビリティを習得しました。

 

 召喚魔法『タイタン』

 召喚魔法『リッチ』

 召喚魔法『クリュプス』

 魔法『ダークホーリー』

 魔法『ギガフレア』

 魔法『ライフブレイク』

 

『――なるほど。キュクレインやベリアスが遅れを取ったのも納得出来る。……いや、ベオルブの末弟だけでなく、魔女たる『君』の仕業かね?』

 

 『死人』が人の言葉を騙っている。生前の優れた見識も、死して腐った眼球のせいで台無しみたいだ。早く、殲滅してあげないと――。

 

 ――『死の天使ザルエラ』のクリスタルを継承し、以下のアビリティを習得しました。

 

 魔法『スリプジャ』

 魔法『ブライジャ』

 魔法『トードジャ』

 魔法『グラビジャ』

 魔法『コンフジャ』

 魔法『フレアジャ』

 魔法『ナノフレア』

 魔法『アルテマ』

 魔法『ハリケーン』

 魔法『アルマゲスト』

 移動アビリティ『ダテレポ』

 

『――何なのだ。一体『何』なのだ貴様は! 昔から、何故誰も気づかない!? これが異常でなくて何が『異常』だと言うのだッ! 父上は一体『何』を拾ってきたッ!?』

 

 ――穢れた血を受け継いだ『誰か』が何か喚いている。昔からその『誰か』は、私の事を『化物』として見ていた。普段は節穴の癖に――。

 

 ――『憤怒の霊帝アドラメレク』のクリスタルを継承したが、何も習得出来なかった。

 

『――小娘、お前は一体『何』だ……?』

 

 大魔道士にも解らない事を、小娘風情に聞かないで欲しい。

 

 ――『サーペンタリウス』のクリスタルを継承し、以下のアビリティを習得しました。

 

 魔法『ミドガルズオルム』

 召喚魔法『ゾディアーク』

 

『――これは、異世界から流れ着いた魂か……? 小娘、その様で『人間』を装うつもりかッ! いや、むしろ貴様はもう――!』

 

 ――煩い。死ね。もう喋るな。

 

 ――『統制者ハシュマリム』のクリスタルを継承し、以下のアビリティを習得しました。

 

 魔法『クエイク』

 魔法『トルネド』

 魔法『メルトン』

 魔法『デジョン』

 

『……何ダ、オ前ハ――アッテハナラヌ存在ガ、何故此処ニ……!?』

 

 ――もう聞き飽きた。出来損ないの『偽神』よ、さっさと死ね。

 

 ――『聖天使アルテマ』のクリスタルを継承し、以下のアビリティを習得しました。

 

 魔法『グランドクロス』

 魔法『アルテマ』

 魔法『完全アルテマ』

 魔法『ミュート』

 魔法『デスペジャ』

 魔法『リタンジャ』

 

 

 

 

 ――生まれたその瞬間から、私は『私』がこのイヴァリース世界にとっての『異物』であると自覚していた。

 

 

 ――生まれたその瞬間から、『私』は飢えていた。餓えていた。呼吸さえままならない、陸に打ち上げられた魚の如く喘いでいた。

 

 

 ――理由すら解らない焦燥感と違和感に支配されていた。ああ、最初の生涯では気づかずに終わる事が出来たのに、自覚してしまったからには無視する事が出来ない。

 

 

 ――足りない。足りない足りない足りない。何もかも足りない。一体、何が足りないのか、自分自身でも解らないけど、全くもって足りない。一時足りとも満たされない。

 

 

 ――例えば、『吸血鬼』が人間以上の肉体性能を誇る代償に、人間の時以上のエネルギー代謝が必要で、自身の肉体性能を十全に補う為に特別な『食事』を必要とするならば――誰もが『何か』と評するしかない『私』には何が必要なのだろうか――?

 

 

 

 

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