そんな感じの小説なので、反省と後悔はいつかするかもしれないし、しないかもしれない。
11/24 少し修正しました。
12/17 加筆&修正
始まり
気がつくと自分は真っ暗な謎の空間にいた。
名前詐欺の公王なんかが出てきそうだなどとぼんやりと思っていたら、公王ではなく、なんか神様っぽい服装の青年がいた。
「そんな死んだ魚の目をしていたら女にモテないぞ」
「うるせーやい、てかもっと他に言うことあるだろオッサン」
青年がツッコんだ。だろうな。
「ここはどこであろうか?」
「死後の世界」
「ほうほう、あなたは?」
「反応薄っ。……俺は、今はアンタみたいな奴ら担当の神の代わりにこの部屋を任されている神だ」
「やはり神様であったか、というか自分は死んだのか」
「ついさっき、ぽっくりと逝ったばっかりだろうが。分かってるだろ」
「おう、それはもう」
先程寿命で逝ったばかりですとも。
青年改め神様が穏やかな声音で聞いてきた。
「……騒いだり、喚いたり、しないんだな」
「それはまあ、それなりに満足して逝けたからなぁ」
己の人生を振り返ってみようと思ったらそれしか頭に出てこなかったが、満足して逝ったと言えるだろう。
「女を愛することはしなかった、いやできなかったみたいだがな」
何処からか取り出した椅子に座りながら、目の前の神様が言う。
そう、長い年月をキツい山ごもりや特訓やらで過ごした結果、女に愛されるような人間ではなくなっていたし、刀を振るうことばかり、したり考えたりしていた。それ故に女を愛することも無かったのだ。
良い人生ではあった。
人としての幸せはあまり無かったが。
「そこでだ、元ここ担当のクソやろ……ではなく神をぶっとばし……ぶっ飛ばして機嫌が良い自分が、お前を転生させてやろう」
「途中で取り繕うの諦めたな……というかその神は何をしたのだ」
「自分の娯楽のためだけに若い人間を殺しまくって、いろんな世界に送りまくっていたぞ?」
「それは酷い」
それより転生?転生といえばあの、チート能力やら現代知識やらで剣と魔法の異世界で暴れたり暴れなかったりするあれか?それとも仏教で考えてられている輪廻転生というやつだろうか。
「安心しな、異世界転生の方だ。お前には、二次創作物によくある方の転生をしてもらうぞ」
「ほう、何処の世界に行くのだ?」
「希望があるなら応えてやるぞ?お前が元いたような世界でも、『お前たちが空想の中のものだと思っている世界』でもな」
「……今割と衝撃的な言葉が聞こえたのだが……そうだなぁ、もし私に行きたい世界があるのだとしたら……」
もし、私の望みが叶うのだとしたら。
目を閉じ、数瞬考えた後、目を開き、言う。
「私の憧れた、
「……いや
「いやいや、今の私ではサーヴァントと打ち合うことなどとてもとても」
それにまだ満足していないしな。
と思っていたら「えぇ……」と何故か引かれた。解せぬ。
「……それじゃあアンタの望みを叶えられる世界に送ってやるよ。その望みを叶えられる環境もおまけして付けてやる……それで良いか?」
「ああ、それで良い……ありがとう」
「それじゃ、良い新生をな」
神様がそう言った次の瞬間、身体が足元から少しずつ消えていく。その間、目の前の神様を、ただ見つめ続ける。
そして意識が薄れていく最中、
「ああそうだ、最後に一つだけ」
と神様は言った。
最後の言葉を聞くために、薄れていく意識を必死に留める。
「アンタなりに幸せを探してみな。たまには剣を忘れて、美味いモン食ったり、女にちょっかい出すとかしてな」
と、口角を上げながら、そう言った。
ああ、うん、そうだな……まぁ、善処はしよう。
そう思いながら私の意識は消えていった。
ただ一人、真っ暗な空間で、神は呟く。
「……ただ"かっこよかった"からと、それだけの、少年の様な憧れの果てに
とりあえず好きな様に書いてみようと思います。