剣の世界を佐々木小次郎(偽)が行く   作:折れたサンティの槍

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この筆者、また連載小説始めたってよ。
大丈夫か?こいついつか自分で首を絞める様になったりしないか?
まぁ自分のペースでのんびりと、一緒に更新して行きたいですね。


はじまりの日2 『コタロウの苦悩』

side コタロウ(オリ主)

 

 

気を取り直して歩き続け、はじまりの街の外に出てからほんの十数歩だけ歩いてみれば、青々とした美しい草原が広大に広がっており、前を向けば何処かの町か村に繋がっているであろう街道長く続き、右を向けば遥か遠くに森が見え、左を向けば湖が陽光を反射しこれまた白く美しくきらめきを放っている。

 

「なんとも美しい景色ではないか……」

 

ここいらで座り込んで酒でも飲みながら、ひたすらぼーっとしたり、考え事に浸ったり、無心で刀を振る事が出来ればどれ程良かったものか。

しかし此処は剣を振り回し、敵を倒したりして強くなっていくためのフィールドであり、草原のそこらじゅうに青い猪がうろついており、派手な髪色をしたプレイヤーたちが複数囲んでいたり、一人のプレイヤーが猪の突進を避けたすれ違いさまに、何かは分からないが"剣を光らせながら"攻撃を放ち、猪をガラスの様に砕け散らせていた。

あの光る刀身は何かのスキルかアイテムであろうか。

 

「おっと、そういえばスキルの確認を(おこた)っていたな」

 

この世界には魔法は無いが多種多様なスキルが存在しており、戦うだけでなく、鍛治や革細工に裁縫といった"製造系スキル"や、釣りに料理に音楽などの"日常系スキル"なんてものもあるのだとか。

そのうち鍛冶屋や衣服屋、魚屋やレストランなどを"プレイヤーたち自身が"建てて商売を始めたり、《はじまりの街》の中央広場なんかで楽器を持って演奏したり歌を歌ったりするプレイヤーも現れたりするかもしれない。

 

さて、そんな多種多様なスキルの中から私が選び、自らのスキル欄にセットしたスキルは、

 

 

 

 

 

 

 

《鍛治》スキル、であった。

 

刀探しのついでに散策したはじまりの街で見つけたNPC鍛冶屋で知った事であるが、誰かに武器のメンテナンスを頼む際、当然ではあるが対価として金銭……この世界では《コル》を支払わなければならないのだ。

 

いずれ自分の使用武器は《物干し竿》になるわけだが、この太刀で相手の攻撃を逸らすでもなく受け流すでもなく、まともに"受けて"しまえば物干し竿はぽっきりとへし折れてしまう。

そうなってしまえば後は"Fate/SN桜ルートの佐々木小次郎"並に悲惨な事になるであろう……いやそれは言い過ぎだった。

とにかく物干し竿はその長身故に脆く、たびたびメンテが必要になるであろう。

 

そこで先程の"誰かに武器のメンテを頼む際の話"に戻る。

常に武器の耐久値を気にしながら戦い、街に戻るたびに鍛治屋に寄ってコルを支払ってメンテしてもらう……なんてプレイをしていたらはじまりの街のそこらに売っている黒パンも食えなくなるどころか、その前に私の精神が死ぬ。

 

ならばいっそのこと少なくとも武器のメンテぐらいは自分で出来る様になってしまい、あわよくば自分で物干し竿を作ってしまおう、という考えに至ったのだ。

街の外なんかで武器のメンテが出来る様になれば、より戦いやすくなるだろう。

鍛冶屋になる気は毛頭無いが。

赤点ギリギリ取らない程度の学しかない自分には、職人の如く鉄を眺めているよりも棒振りの様に剣を振り回しているのがお似合いだと思うしな。

 

それから少し調べて見つけたスキルに"武器種の名前を持ったスキル"もいくつか有りはしたが、やはりというかなんというか刀のスキルは存在せず、そもそもそれぞれの"武器名スキル"をセットしても攻撃力が変化したりはしない様である……この武器名スキルは何の為に有るのだろうか、セットした武器名スキルの武器が鍛治スキルで作りやすくなったりするのだろうか。

刀の武器名スキルが存在しないのだから余計に付ける意味が無い。

そして"刀身を光らせる何か"は割と時間をかけて探してみたものの、習得可能スキル欄にはそれっぽいスキルは確認できなかった。

ということは、自分が前世でやってた死にゲーにあった"武器エンチャントアイテム"の様なものであろうか。

 

さて、それではそろそろ、

 

「"この身体"を動かしてみようか!」

 

 

 

↓ ↓ ↓ ↓ ↓(時間経過)

 

 

 

それから何度かのレベルアップの後。

砕け散りガラス片となった猪を倒し獲得した経験値やコルを確認した私は、その場に座り込みそこから見える景色を眺めていた。

 

時は既に夕方。

広大に広がっていた青々しい草原は(ほの)かに赤みを帯び始めた陽光の下で美しく輝いている。

遥か北には森のシルエット、南には湖面が橙色にきらめいており、東にははじまりの街の外壁を薄く望むことができ、西には無限に続くかの様な空と金色に染まる雲の群れが。

 

そんな景色を眺めながら、とりあえずさっきまでの自分をゆっくりと振り返る。

まず、始めこそ戸惑いが有ったが慣れてしまえば現実の自分と同じ様に身体を動かせた。

試しに走ってみたが、体感でも現実と同じ速度で、更に脳の信号で身体を動かしているからかリラックスして走ればかなり長時間走る事が出来た。

これは、長距離移動に役立つ良い情報を得たと思う。

 

そして"刀"と付いているからと選んだ曲刀だが……短く軽く刀とはほとんど違う感覚で、自分にはとても扱いづらく感じた。

始めこそ意気揚々と猪と戦っていたものの、使いたい武器を無理矢理封じられた事とこの曲刀の扱いづらさも相まってか、今ではこれで戦ってても全く楽しくないのである。

『つまらないものは、それだけでよい武器ではあり得ない』とは前世でやっていた死にゲーに出てきた言葉であるが、まさにその通りであろう。

 

「しばらくはこの武器か……ハァ……」

 

とため息混じりに言いながら立ち上がり、街の外に出る時の様にトボトボと街に戻ろうとしたその時、

 

 

 

リンゴーン、リンゴーンと、

 

 

 

鐘の様な大ボリュームのサウンドが鳴り響き、思わず驚きで飛び上がる。

 

「何だ何だ、17時を告げる鐘かこれは?それにしては大きすぎて喧しいぞ」

 

と口に出しながら時刻を確認してみれば、デジタルの時計は[17:30]と表示されている。

 

「これは一体___」

 

言いかけた自分の体を、鮮やかなブルーの光の球体が包み込む。

その光が一際強く脈打ち視界を奪い、そして青の輝きが薄れ風景が戻ればそこは既に、ゲームのスタート地点であるはじまりの街の中央広場であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてこのゲーム(SAO)遊びではなくな(デスゲームとな)った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『プレイヤーの諸君、

 

 

 

 

私の世界へようこそ』

 

 

 




うちのオリ主はこんな感じになった。

【悲報】オリ主、ソードスキル使わないどころか存在すら知らない。

現実と同じ速度(現時点で俊敏C=全英霊の平均。超人としては普通)。ちなみにゲームでもリアルでもまだまだ速くなります。

所々修正したりするかもです。
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