とある泊地に所属する艦娘、駆逐艦 海風はいつも通り過ごす。繰り返される日常に、ふと海風は昔のことを思い出す。そして今を楽しむべく、今日もいつもと変わらぬ毎日が過ぎていくのだった。

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あらすじ

とある泊地に所属する艦娘、駆逐艦 海風はいつも通り過ごす。繰り返される日常に、ふと海風は昔のことを思い出す。そして今を楽しむべく、今日もいつもと変わらぬ毎日が過ぎていくのだった。


『私』という艦娘、人間 そんな私の日常

「第二三一二号第二○四駆逐艦隊 駆逐艦 "海風"」

 

「はッ」

 

 それが彼女に与えられた新しい名前だった。それまで名乗っていた名前はこの名を与えられた時には、既に軍人として鬼籍に入ることを覚悟しなければならない。

生きて還ることが求められるが、"もしも"の時には海に果てることは確実だ。誰に看取られようとも、そこで果てた軍人は人ではなく"艦娘"。人類存亡を賭けた戦いに身を投じた者が代償を支払って戦列に加わると決めたその時から……。

 彼女には適性があった。この戦い、深海棲艦と名付けられた未確認艦隊群の死戦に立つための適性。

 開戦から数年、海軍技術廠が開発した『試製海上機動装甲』、通称:艤装への身体同調による身体機能の大幅な増加や戦闘力の向上により、一人で大型兵器に匹敵する戦闘力を手に入れる事が出来る。その適性があった。だが、海軍の花形ではない母数の多かった艤装種:甲、駆逐艦の適性だった。艤装種:丙や丁(戦艦や航空母艦等々の大型艦)の護衛等やその他燃費が良いことから、哨戒、偵察、前衛を任される泥を被らなければならない上に、被轟沈、戦死率がダントツで高い種である。それを知りながらも彼女は海軍に返事を出した。『私を海軍で使ってください』と。

 

「君には○○泊地に配属されてもらう。まだ指揮する人間、"提督"となってもらう者は到着しない。到着準備と施設の稼働作業を行って準備をしておいて欲しい。既に他の第二三一二号第二○四駆逐艦隊や他の同泊地配属の艦娘には異動命令を出してある。退出後、すぐに該当泊地へ異動したまえ」

 

「了解しました」

 

 国家、地球の危機的状況からも、誰かが何とかしてくれるだなんて考える人間は少なく、誰しもがこの状況をいち早く脱出することを考え、行動していた。

戦前からは考えられない、若者でさえも志願し、前線へと赴く。艤装を扱えない男で、適性のなかった女性でさえも、"提督"になるか一般兵に志願する、工場で武器弾薬の生産、整備、食料生産に奮起している。

 それほどまでに追い詰められている状況であると云える。

深海棲艦との戦争はそこまでに逼迫しているのだ。

 

 

 

 

 

 

 それはもう三年もの前の話。彼女が艦娘になった頃の話だ。今は配属されている泊地では古株、立ち上げから着任しているから当然ではあるが、戦闘にも慣れて後発の教育も慣れて来ていた。

この生活にも慣れてきていた。戦争だから、隣に立つ仲間が轟沈(死ぬ)のも何度も見てきた。飛び散る血潮が顔や服に付き、水面に浮かぶ"内部構造"を見て吐瀉物を吐き散らしたのも遥か昔のことのように思える。それでも幸いなことに、彼女の姉妹、第二○四駆逐艦隊は誰一人として欠けることなく今まで生きながらえてきた。瀕死の重症を負ったこともあったが、適切な手当と艦娘であるが故の頑丈さから、入渠するまでに絶命することはなかったのだ。

 目の前の"死"と直面しても尚、彼女は臆することなく前を見続けた。襲いかかる深海棲艦に立ち向かい、昨日得た今日で明日を獲る。それを繰り返してきたのだ。

ただそんな彼女も、気付いた時には"死"を直面したとしても、全く別のことを考えるようになってしまったように思える。それは唐突に、何かの因果を疑うようなこと。"彼女だけ"がそうなり、彼女以外は"そうならなかった"。理由は簡単だ。彼女は"死"を乗り越え、そして目に入ることはなくなってしまったからだ。誰が倒れようと、何処で血溜りを見ようとも、彼女は目で見てもその事象だけを情報として取り、記憶には留めなかった。痛みに泣き叫ぶ声を聞いても、断末魔を出す間も与えずに誘爆した艤装の音が轟いても、彼女は耳で事象だけを情報として聞き、記憶には残さなかった。

彼女にはいつしか、"そのようなこと"さえも目には見えず、耳には入らないようになってしまったのだ。

 いつからだろう。彼女はズボラで大雑把な姉妹のために手を焼いて世話をしていた。よく呼ばれて話をし、仕事をさせてくれる提督のために泊地内を練り歩いては書類を作って送り出していた。

もちろんそれは続ける。いつまで経っても、後発をたくさん抱えて教育する立場になっても、後輩に示しの付かない生活をする姉妹の世話をする。『しっかりしているから』と云って仕事をさせてくれる、もう熟練された将といっても良い経験を積んだ提督と泊地を回す。

だが、それだけでは無くなったのだ。いつも誰がのために動き回っている彼女がすることの中に、また新しいことをし始めるようになってしまったのだと。

 

 

 

 

 

 

「資源補給の件に関して、総司令部に催促は……」

 

「既に行っていますよ。ですけど、いい返事はやはり貰えませんね」

 

「そうか。やはり僕のところでも貰えなくなるか」

 

 ここは執務室。とある泊地に着任している僕が取り仕切る帝国海軍の泊地。立地的には前線と後方の中間。前線とは違い、泊地周辺に深海棲艦が出没することのない配置だ。以前まではこの辺りも前線で、当時経験の浅かった僕も必死になって艦娘を指揮していた。

 この泊地でも発足当時からの付き合いである海風とは、僕が軍人になってから長い付き合いだと思う。軍の促成教育を受け、僕は提督となった。

新任だった頃に配属された先、この泊地で稼働作業を終えて待っていたのは初期配備されていた第二○四駆逐艦隊の海風、江風、山風、涼風らとその他。彼女たちと共に戦力増強と勢力圏拡大を目指した。その後配属されたりだとか、自泊地内で建造された艤装、海域で以前に海に散った艦娘の艤装の残骸を修復して作った艤装に適性のある艦娘候補を呼び寄せることを並行して行う。

そうやって増やした部下を僕は十何人と失った。僕が新任だったからか? 作戦が完璧だなんてことはありえない。ならどうして? そんなことを考え出したらキリがなく、誰かを失う度に誰にも見られないように自問自答を繰り返した。

僕が悪かったのか、それとも別の要因があったのか……。考えれば考えるほどドツボにはまっていった。そんな時は決まって彼女が来てくれる。

 

「海風。現在動ける駆逐艦隊は?」

 

「第一○一駆逐艦隊、第○八駆逐艦隊ですね。その他は艦隊構成艦が入渠中であったりだとか、訓練やその他行動中です」

 

 海風はフリップボードに挟んである書類をペラペラと捲り、泊地の艦隊状況を知らせてくれた。

 三つ編みで結っても尚、床に付きそうなほどの長い銀髪を持ち、左目の下には涙ほくろがある。礼儀正しく、姉妹の面倒も僕が仕事を頼んでもよく見ている良い子だ。そしてなぜだか僕の面倒も見てくれる。軍人になる前は独り暮らしをしていて、家事はそれなりに出来るんだがどうしてかやってくれるのだ。

 

「南西方面の補給ルートは未だ健在ですので、他の泊地も資源輸送任務を出しているところが多いそうですよ」

 

「僕のところも資源は心持たないからなぁ。今すぐ動ける駆逐艦隊に招集。南西方面に資源を取りにいって貰おう」

 

「第一○一駆逐艦隊に行かせます。第○八駆逐艦隊は第一○一駆逐艦隊帰還と同時に出発してもらいましょう。双方に招集命令を出し、早急に出撃準備をさせますね」

 

「お願い」

 

 海風は僕が考えていたことを先に言ってしまう。こうやって執務の手伝い、秘書艦を頼む事が多いからだろうか? まぁでも、こうして意思が伝わるって云うのはすごくやりやすい。

正しく認識してくている上に、僕が言おうとしたことを先読みしてくれている。

 資源が少ないのはいつものことだ。帝国海軍がポンポンと泊地や警備府を設立するものだから、全てへの一定量の資源補給を行っていたら、すぐに国内備蓄資源が底を付くのは時間の問題であったのは自明だ。今回のように、資源補給の催促をしても要求する量を海軍が用意する事が出来ない。だからこうして、資源が産出されるところへ、自分で取りに行く必要があるのだ。

幸いなことに、それぞれには精製プラントが建設されているので、出せば使える状態にあるのが有り難い話でもある。それでも砲弾などは、一度国内に持ち込んで工廠で生産する必要があるみたいだ。

鎮守府や泊地、警備府では航空機製造が行えるというのに不思議な話だ。

 僕は次の案件に移った。提督の仕事は大変だ。艦隊運営や泊地内で回る資金の管理、資源の管理、武器弾薬燃料の管理、作戦立案、指揮等々。記録しなければならない書類が山ほどあり、更に総司令部から送られてくる書類にも目を通してサインしたり、返事を書いたりしなければならない。忙しいことこの上なく、提督は基本的にデスクワークしかないように思えた。身体を動かすことなんて、基本的にないからだ。

軍人になったというのに、やっていることは昔とそう変わらない。だが死と隣合わせであることは違う。僕は前線と後方の中間だが、前線にもなると、時には泊地が襲撃されて提督が殉職することなんてのもしばしば報告されているみたいだ。艦砲射撃と航空爆撃によってボッコボコになった泊地の航空写真を見た事があるが、そこが僕の泊地だったなら死んでいたとしてもおかしくない。それほどまでに酷い有様だった。

 

「では、招集をかけてきますね。そのまま出撃してもらいますが、良いですか?」

 

「そうだね。お願いするよ」

 

「分かりました。では行ってきます」

 

 執務室を出ていく海風の背中を見ながら、僕はふと思った。前線の壊滅した泊地の写真を見せてくれたのは海風だった。総司令部の組織内誌でも載らないような写真をどうして海風が持っていたのか。

 

 

 

 

 

 

 第一○一駆逐艦隊が出撃したという知らせを海風から聞いてから、かなり時間が経った。もう陽も落ち、廊下は少し騒がしくなる。

今日の出撃は第一○一駆逐艦隊だけで、他の艦隊は出撃はしていなかった。訓練やその他仕事があって泊地のあちこちに散っていた艦娘たちが集まり、食堂に向かっている声だろう。楽しそうに話している声が廊下と執務室を挟む扉から漏れ出てきている。

 その声に海風も気付いたのだろうか、先程まで走らせていたペンを机の上に置いて立ち上がった。

 

「お夕食の用意をしてきますね。姉妹たちは食堂で食べると思いますから」

 

「いや、海風も姉妹たちと」

 

「私は提督と食べたいですし、それにまだ執務、残ってますもの。時間が惜しいとお思いなのは判っていますから」

 

 そう言い残した海風は執務室を出ていってしまった。確かにまだ執務は残っていて時間が惜しいところではあるが、海風だって僕にかかりっきりだと姉妹との時間がなくなるのではないだろうか。そう思ったのだが、どうしてか海風は毎食毎食作ってくれる。僕は一人でも良いんだけどな。

 海風は僕の考えを先読みしている。僕が何か言えば、それに関しての返答はまるで予想していたかのように、そしてその予想から最適解を選んでいるかのような返答をしてくる。

間違ったことは言わないし、最良だとも思う。だけど、唯一違う点があるとすれば、それは僕に関することだ。

さっきのように『一緒に食べてきたらどうだ』と僕が言うと、決まって海風は『私は提督と食べたい』と答える。確かに海風の用意するご飯は美味しいが、姉妹たちにも食べさせてあげたらどうだろうと思う。それに、食事中でなければ話せないような内容もあるかもしれない。そんな時間を大切にして欲しいから、僕は海風にそう言っているのだ。

僕もたまには独りで食べるのも乙なものかな、とか考えているのに、それを海風は決まって先読みしない。もしかしたら、あえてその選択肢を選んでいないのかもしれないけど……。

 

「さぁて、待っている間にも少しでも減らしておこうか」

 

 僕はほぼ毎日のように考えている思考を片隅に置き、目の前の執務に集中することにした。私情で仕事が遅れるのは良くない。終わらせて、そこから独りで考えよう。寝る時にでも、布団に入りながら。

 

 

 

ーーーーー

 

 

ーーー

 

 

 

 

 

 私には二つの名前がある。それは固有名詞的な意味、私個人を指している名前。もう一つは駆逐艦 海風としての名前。前者は私が軍に入った時、一九歳の時まで名乗る時に使っていた名前。本当の名前。だけど今は海風。第二三一二号第二○四駆逐艦隊所属 白露型駆逐艦七番艦 海風。それもまた、私個人を指す名前。だけど、同じ名前の人は数え切れないほどいるらしい。何千人とか言う単位だとか。

 それは置いておいて、私は理由は省略するけど軍人になった。女性であり艦娘の適性、駆逐艦 海風としての適性があった私は、国存続を賭けた戦いに身を投じることを覚悟した。そこまではちゃんと覚えているし、それからのことも覚えている。

容姿がまるっきり変わってしまったこと、艤装を身に纏って初めて自分が艦娘になったことを実感したこと、艤装を駆って海に繰り出た時の開放感や心に広がる何とも言えない感情……。そして突きつけられた現実は酷く私の心に重圧を掛けた。

隣を駆けていた艦娘が被弾し、胸部中央から右半分が吹き飛んだ時は海に直前に食べた鯖の味噌煮を海にぶち撒けたことは今でも忘れない。戦艦の砲撃が直撃した軽巡の艦娘のもも上から無くなったこともあった。側面から衝突されて、まるで捨てられる紙のようにぐちゃぐちゃになったのも……。

それが戦場の真実で、私が、私たちが常に隣り合っている、最前線の海の姿だった。それからは必死になって生き残ることを考え、手柄は二の次にしてきた。その考えを判ってくれた提督のお陰で、私はその考えの元、三年も生きながらえる事が出来た。姉妹たちにも気を配って、せめて同じ艦隊、同じ艦型の姉妹だからと、共に支え合って教えを請い、教えを請い受けた。そして運良く、私たちは誰一人欠けることなくここまで来ることが出来た。

本来の素顔を知らない姉妹たちと共に……。そんな姉妹たちだからこそ、私はとても愛おしく、本当の家族のように想った。死んで欲しくない、助けてあげたい。そんな気持ちで接してきた。多少ズボラでも、私が代わりにやってあげたい。そう想った。

そしてそれは私が新人だった頃からの付き合い、この泊地が稼働し始めてから一緒に戦ってきた提督もその対象だった。艦娘を効率よく、そして家族のように接してくれた提督。『今いる子たちの中でも、真面目そうだからさ。少し手伝って欲しい』と言って、被った帽子のつばで顔を隠しながら執務の手伝いを頼んできたその時は、真面目に軍人になってこの世を憂いている人だと思った。だけど本当は戦うのが怖くて、体裁を気にして気張っているけど弱くて、自分の心と身体に鞭打って私たちのことを考えてくれている人だと分かった。

そんな人、そこらじゅうにゴロゴロいる人なのかもしれない。だけど、私には提督が輝いて見えた。そう思った時には、既に私の心は提督に惹かれてしまっていたのかもしれない。気付いた時には好きになっていた。もう提督のことしか目に入らないようになっていたことも、遅れながらにして好きであることに気付いた後に気付いたことでもあった。

 

「……総司令部、資源管理部門といえば……彼以外いませんよね」

 

 だから私は提督のため、提督の隣に立っているために頑張ることにした。執務の手伝いからなし崩し的に秘書艦の座に座り込み、それを公然の事実であるかのように仕向けた。私の私と提督の場所を確保するためだ。提督の性格、思考パターン、感情による変化を理解し、提督の人となりを理解した。彼は実に単純な性格をしているし、とても分かり易い。提督の行動・言動の先読みを行って、先手を打っておくためだ。どんな事象が提督の精神状態を左右するのかを調査し、精神状態に即した最善の行動・言動を行うようにする。

 こうして私は"積み上げて"いくうちに、いつの間にか変わってしまっていたのかもしれない。そのことに気付いたのはいつだっただろう。江風に言われたのだ。

 

『姉貴ってさぁー、なんだか提督の奥さんみたいだよなぁ。いつも隣にいるし、考えが分かっているような行動するだろう? なんだかそれを見てるとさ、夫婦みたいだなーって思って』

 

と。確かに私の行動はそういう風に見えてしまうようなものばかりだった。予想の範疇ではあったが、面と向かって言われると思うところもある。私は確かに提督のことが好きだ。恋愛対象として見ている節もあるかもしれない。だが、そんな風に見られてしまっているとは思いもしなかった。予想外で嬉しい誤算だ。

 だが、まだ私と提督はそのような関係になっていないのだ。将来的にはなりたいと思う事が時々あるし、出来たらいいなぁとは思う。だが出来ない。どうしてだろうか……。私には分からない。

理由を幾つも挙げてみるものの、結局解には辿り着かない。障害があるとも思えないし、提督をその気にさせればトントン拍子で話が進んでいくことも想像に容易い。ならば、どうして進展しないのだろうか……。そんなことを最近、ふとした時に考えるようになってしまった。

 

 

 

 

 

 

 資源輸送のために急遽招集を掛けた彼女たち、第○八駆逐艦隊の面々は顔をしかめていた。今日は非番ではなかったものの、特に訓練が入っている訳でもなかったので、待機室で自由に過ごすことが出来たのだ。それに予定外の招集が掛けられ、有事かと思えば資源輸送任務だったのだ。

 だがこれも艦娘になったからには、泊地に所属しているからにはしなければならない事。秘書艦である私が通達しているが、これも結局は提督からの命令。抵抗することも出来るが、この命令に関しては抵抗しても反逆するだけとなり、営倉に入れられる未来しか見えない。

 

「備蓄資源が心の持たないから南西に取りに行けってこと?」

 

「そういうことになります」

 

 第○八駆逐艦隊所属の駆逐艦 曙は私の目の前であからさまに表情を強張らせている。声も怒っているように聞こえる。

その他の艦娘は怒っているというよりも、残念そうにしているように見えた。

 だが、これも仕方のないこと。命令が下っているからには従ってもらわないと困る。資材が足りないのは、結局のところ私たちが困るのだ。積み重ねていく戦力増強には必至な建造、より良い装備を使うために行う開発、出撃する際に必要な燃料弾薬ボーキサイト。帰還した際に修理に必要な資材……。何より、それらが不足していることで提督が困っている。

 

「既に先発の第一○一駆逐艦隊は出発し、そろそろ引き返して来る頃かと思います。ですので、第○八駆逐艦隊も入れ替わりで南西方面に」

 

 そう言いかけた時、曙はついに怒りを顕にした。

 曙はどうしてか提督が絡むと口が悪くなり、『クソ提督』と罵る。

そういう艦娘であることは分かっているが、やはり聞いていて気分が良いものではないことは確か。他の艦娘たちも、曙のこういう面には理解があるが、やはり心の中は気分が良いものではないだろう。現に、曙が誰かと仲良くしている姿は、他の艦娘たちとは明らかに目撃回数は少ないのだ。

 

「第一○一、○八駆逐艦隊は待機で、待機は有事の際に近海に緊急展開出来るようにあるシフトでしょ?! それをどうして遠征任務に駆り出すの?!」

 

「ですからこうして一艦隊ずつ出撃しているじゃないですか。幾ら待機とはいえ、訓練中の艦隊もいますから待機が全てではないですよ」

 

「だからそれが意味わかんないっての!! そもそもどうして資源が枯渇しているのよ!! 総司令部からの供給もあるし、遠征任務で定期的に資源は入ってきているんでしょ?!」

 

 曙は鎮守府運営に関することを口にした。確かにガワだけで見れば、どうして資源が枯渇しているのかなんて分からないだろう。せいぜい無駄遣いしているとかそういうことくらしか思いつかないと思う。だけど本質は違うのだ。その安定しているはずの供給が安定していないからだ。遠征任務で得られる資源は安定しているが、それでも足しにしかならない。なので、基本的に運営に使われる資材の殆どは供給資源に頼らざるを得ない状況だったのだ。

それを知ることはない曙は、ただただ資源の無駄遣いが原因だとしか思わないのだろう。

 

「どうせ無駄遣いしているんでしょ?! 必要のない過度な編成で海域に行ったりだとか、建造を繰り返していたりだとか!!」

 

「それはないですが……」

 

「ならなんなのよ!! どうせクソ提督が無駄遣いしているから、こうして尻拭いに」

 

 感情に任せて吐き捨てているようにも思える曙の言葉が急に止まった。どうしたのだろう。

 

「な、なによ……」

 

 急に怯えだした曙が後ずさりをする。他の第○八駆逐艦隊の面々も顔が青くなっている。

皆、私の顔を見てそうなっていることは自明だが、理由が分からない。いつも通りの表情をしていると思うのだが、あいにく手鏡も顔が映り込むものもない。私は一体どんな表情をしているのだろうか。

 

「だからなんだっての?!」

 

 若干目に涙を溜めた曙が表情と言動が一致しない行動をする。ビクンと肩を跳ね上げ、身体を縮こまらせる。

その姿はさながら驚かされた子猫のように、タジタジと更に身体を小さくさせていた。

 

「ひぅ?!」

 

 情けない声を出し、曙がぺたりと床に座り込んでしまう。

明らかに私が原因であるのだろうが、どうも分からない。私はただ曙を見ているだけ、何か含ませるような視線をした覚えもない。なのに、普段あれほど勝ち気で堂々としている曙がこんなにも小さくなって目尻に涙を浮かべているのだ。

 

「ご、ごめんなさいっ……。ごめん、なさい」

 

 急に謝り出して、。私は何もしていないというのに……。何かした記憶もないし、ただ私は話をしていただけなのだ。

なのにどうして、これほどまでに怯えられなければいけないのか。私が何かしたというのだろうか。

 結局、分からず仕舞いにその場を離れることになったが、終始曙は怯えたままだった。他の三人も何処かいつもと様子が違っておかしい。

私の顔色を伺うような仕草、話し方、どれも普段彼女たちが私に向かってしないことをされた。普通に接してくる彼女たちがそのような行動を取ったからこそ、私はそれに気付くことが出来た。そして、余計に私が何をしたのかが分からなかった。見に覚えがないのだ。彼女たちが私に対して"ああなる"ようなことをした覚えが。

 

 

 

 

 

 

 第一○一、○八駆逐艦隊は数日間に渡って南西方面から資源輸送を続けた。道中で襲撃に遭ったという報告も受けたが、そこまで傷を負うことはなかったとのこと。回収した資源を投棄することもなく、比較的順調に資源は備蓄庫に入れられていった。

そろそろ資源輸送を待機にやらせることはなく、通常の遠征任務の分だけで大丈夫だろうと提督が判断を下し、戻ってきて休憩中である第一○一駆逐艦隊に先にその旨を伝えに行こうと思った矢先、ある緊急無線が飛び込んだ。

 

『第二三一二号第○八駆逐艦隊より付近を航行中の全艦隊に通達ッ!! 直接支援要請ッ!! こちらで対応仕切れない数の深海棲艦から襲撃を受けているッ!! 南西方面航路、緯度一九度○六分一三秒、軽度一二三度○三分○五秒ッ!!』

 

というものだった。声の主は朧だと思われるが、広域緊急無線にてその呼びかけが一度あった。それをたまたま、泊地から少し離れたところで訓練をしていた空母の艦載機妖精が拾っていたものが、私のところまで報告が来ていた。正確な座標を無線に乗せるてはいたが、余裕がないようにも聞こえた。だが、これを聞いたのは既に曙ら第○八駆逐艦隊が帰還予定時刻の一○分前のことだった。

 目の前にはドラム缶を地面に立てた状態で立っている四人の姿があるだけ。私と彼女たちがいるここには、私たち以外は誰もいない。既に陽も落ち、辺りがやっと暗くなった時間帯。皆は食堂に夕食を食べに行っている頃だろう。私のお腹も先程から鳴りっぱなしで、四人のお腹はそれ以上に空いていることだろう。

それ以上に、その風貌からは食事よりも優先しなければいけないことがあるのかもしれないが……。

 

「今回でこの遠征も終わりだったわよね」

 

「はい。お疲れ様でした」

 

 服が焦げてところどころ穴が空き、切り傷がちらほらと腕や腿、顔にある。全員がそうだが、中でも潮は重症、損傷が激しい。右腕、上腕部の粉砕骨折だろう。腕があらぬ方向に曲がっており、本人も涙を浮かべていた。『痛い、痛い』と小声で訴えながら立っている。それに加え、漣は左腕が付け根から先がない。上陸も曙に引き上げられてきたくらいだ。もちろん気を失っている。

 

「お疲れさま、だって?」

 

「何か?」

 

 誰一人として無傷では帰って来なかった彼女たちの中、朧が二歩踏み出して来る。表情はいつもの穏やかなものでは到底ない。怒りに震える少女の顔だ。今にも掴みかかりそうな剣幕で、朧は私に詰め寄ってくる。

 

「確かに遠征任務は戦闘任務よりも危険は少なくて、損傷することが滅多にないけどさ、それはあんまりじゃない?」

 

「……」

 

 私は何も口にしない。だが、それを見ていた朧は目を見開き、曙に背中を撫でられている潮を自分の隣に来させた。いつもああいう性格の曙も、姉妹がこのような状況では辛く当たることもない。心配そうな表情で潮を撫で、壁の隅にもたれ掛かっている漣を心配そうな表情で見ていた。

 漣の傷で圧倒されて分からなかったが、ここまで近づいて見れば潮の損傷は大きい。

 右腕の粉砕骨折。白く細い腕は赤黒く腫れ上がり、何回りも太くなっている。手首から先にはあまり血が行っていないのか、青白くなっており、あまり動かすことも出来ないようだ。応急処置で三角巾で腕を吊っている状態だが、それでもかなりの痛みを感じていることは一目瞭然だった。

他の切り傷の手当は殆どされておらず、血は流しっぱなし。腿から足首まで血の流れた跡が残っている。未だに流れているようだ。

漣に至っては、当人は完全に気を失っている。傷口に乱暴に巻かれたガーゼと包帯からはまだ血は出ており、脇腹を伝って、地面に小さい血溜りを作っていた。見るからに危険な状態であるのは明白。早急に入渠場に放り込まなければいけない状態なのだ。

 

「例のあまりない、私たち駆逐艦隊だけでは対処できない深海棲艦との遭遇戦をしたんだよ?! それで私だけで対処して、自分らの身だけを守るのでも一杯一杯で潮は中破して漣は大破だよ!! そんな状況の中、帰って来た私たちに『お疲れさま』だって? ふざけてるの?!」

 

「……」

 

「ッ!! 近くを航行していた帰投中の他泊地の艦隊が助けてくれたけど、泊地からは何も無線がなかったじゃないか!! 曙が言うには、無線の出力なら十分に泊地まで届いたって!! なのに帰って来たら治療準備が出来ているかと思えば、何もない!!」

 

 私の目を睨み付ける。殺意も篭っているのだろうか、見ただけで身体に衝撃が走ってしまうような目で私の瞳を睨んでいた。

 

「それどころか、大規模作戦発動時でもないのに待機だって?! 連絡を受けていたんだから、それくらいの準備をしておいてくれても」

 

「現在、北方方面に行っていた艦隊の艦娘が入渠中ですから、準備も何もないですよ」

 

「……ッ!! 確かに私たち艦娘は普通の人よりも頑丈だけど、身体は人なんだ!! 片や粉砕骨折、しかも腕があらぬ方向に向いているし、片や腕はない!!痛みが和らぐわけでもないし、我慢強くなった訳でもないから我慢できない。血だって流れているんだ!! 艦娘でも危険なレベルの血を流しているんだよ?! それくらい海風にだって分かっていることでしょ?!」

 

「だからなんですか? 中破は中破。大破は大破。入渠場は既に埋まっています。待機していただかないといけません」

 

 朧は私の胸ぐらを掴み寄せ、睨みつける。

吐息が直に当たる距離での罵倒。彼女の吐息からは血の臭いがした。恐らく噛み締めすぎて口の中から血が流れてきたのだろう。

 

「くッ……。ならばせめて、ある程度の修理(処置)が出来るものを用意して欲しい。艦娘になった時に一通り処置法も学んでいるから、道具と場所さえあれば私が入渠場までのつなぎをするから……」

 

「なら、はい」

 

 そう言って私は、持ってきていたモノを朧に手渡した。

 

「お……応急処置キット? あ、アンタ……ッ!!」

 

「処置室なんてものはないですし、入渠場は埋まってます。そうすると、もうこれしかないですからね。内容物に鎮痛剤があると思いますが、それを使えば痛みを抑えることが出来ます。失った血液等は輸液パックで補充してください」

 

「もう鎮痛剤の投与もしてあるし、輸液パックだって帰還中にぶら下げながら帰って来た!! 泊地で本格的な治療を受けるためのつなぎとしてこれ(応急処置キット)があるんだろう?! それを泊地で使うなんてっ……」

 

「では、私は入渠場の確認をしてきますから」

 

 朧との話も途中で切り上げ、踵を返し、私は泊地の中に向かう。口先で言った事、入渠場の確認をしに行かなければならない。それに提督への報告もある。それらを済ませてから、早く提督の夕食を作らなければならない。

そんなことを考えながら、私は後ろから聞こえてくる声を聞き流し、歩みを止めることなく前へと進んでいった。

 真っ先に噛み付いてくるかな、と思っていた曙がなんだか大人しかったのは気の所為だろうか。それでも視線に篭っていた怒気は感じていた。

それならば朧みたいに何か訴えて来ればよかったのに……。

 

 

 

 

 

 

 入渠場は既に一人分が空いており、もう三つはまだ時間がかかりそうだった。幾ら早くても二○分は掛かるだろう。そのことを朧ら第○八駆逐艦隊に報告し、私は執務室に戻ってきていた。

提督へ遠征任務の報告と、緊急無線の件を伝え、夕食を一緒に食べるためだ。

 執務室に入ると、提督はいつもの椅子に腰を下ろしており、何か執務をしているようにも見えない。私を待っていたのだろうか。そんな考えが頭の中に満ちていく。ならば報告を終えたら早速夕食の準備を始めなければ。考えるだけで楽しくなり、心なしか自然と頬が緩んだように感じた。楽しくて仕方がない。

 

「提督? ただいま戻りました」

 

「……おかえり。第○八駆逐艦隊は無事に帰還できた?」

 

「それが、どうやら遭遇戦になってしまったらしく、損傷を受けて帰って来ました」

 

 そう言うと、提督は少し沈んだ表情をして『そうか』と答えた。入渠場は艦娘以外は立ち入る事が出来ない。様子を見に行きたいのだろうが、それがかなわないから滞りを感じているのだろう。会いたいのなら、入渠が終わった時に報告をすれば良いだろう。大した損傷ではなかったというのに、皆の心配をする。本当に優しい人。

 

 

「大丈夫ですよ。大事(轟沈)には至りませんでしたから」

 

「そうか。大事(大破や中破)にはならなかったのか。……なら安心だ」

 

「さて、お夕飯にしましょう。今日も作ってきますから」

 

「あ、そのことなんだけど……」

 

「……何か?」

 

「久しぶりに食堂に行ってきたからさ、今日は良いや。いつもありがとう」

 

「い、いいえ。そ、そうですか。今日はもう、食べちゃったんですね……」

 

 あれ? 食堂に行って食べてきた? 残念だ。確かに、いつも私が用意する時間から一時間から二時間くらいは経っているが、待っていられなかったのだろうか。それもそうか。提督はまだ若い。いつもたくさん食べるから、お腹が減っていたんだろうな。

というか、提督。いつもは行きたいような素振りは見せないのに、一体どうして行くなんてことになったのだろうか。毎日三食、たまにおやつは私が全て作っているというのに。いつだったかは詳しくは覚えていないが、一ヶ月を二○日前の昼、同じような事があったような気がする。その時はたまたま私が用事があって外に出ていた時で、作り始める時間よりも少し遅くに帰ってきたら『もう食べたから良いよ』と言ったことがあったのだ。あの時はどうだったか、あまり覚えていない。

 かなり残念だが、もう食べてしまったのなら致し方なしだ。無理に作って食べさせても迷惑が掛かるし、そんなに食べることも出来ないだろう。

ならば今日は自分の分だけ作って食べることにしようか。ならば……もう時間も時間だし、軽めにおにぎりを握って食べることに。

 一度執務室を出ておにぎりを二つ作る。それを持って執務室に入り、私はいつもの椅子に腰を下ろしておにぎりを頬張った。我ながら、かなり加減の良い塩加減だ。具も昆布と梅干しだが、ご飯に合っていてとても美味しい。

 おにぎりを完食し、お皿を戻してきてから、私は提督に話し掛けた。

これから、まだ残っているであろう執務を手伝う。これも秘書艦の務めなのだ。

 

「今日の残っている執務はありますか?」

 

「ないね。もう終わらせちゃった」

 

 あははと笑う提督が不意に挙げた手、いつも白手袋をしている手の一部が赤い。どうしてだろうか。

白手袋にそのような模様は入っていなかったし、赤いペンのインクでも不注意で付けてしまったのだろうか。様々な憶測が脳内を飛び交うが、提督は簡単に解を教えてくれた。

 

「提督、その手は?」

 

「あ、あーこれ? 書類の数を数える時に手袋を取ってやったんだけど、その時に切っちゃったのかな? 白手袋をしていると滑らないからね」

 

「失礼します」

 

 すぐに私は立ち上がり、手を挙げたまま笑っている提督の手を取った。そして常備している医療キットから消毒液とガーゼを取り出す。綿に消毒液を染み込ませ、傷口に優しくポンポンと当てた。私の行動に驚いた様子の提督だが、抵抗することなくそのままでいてくれる。

 

「いつも思うけど海風。僕がする怪我の治療、いつも大げさだ。これくらい、唾つけて絆創膏を貼っておけばいいものなんだけど」

 

「いけませんよ。傷口からバイキンが入ったらどうするんですか? これくらいしないと、傷口から入ったバイキンで膿んじゃいますよ?」

 

「またそうやって言う……。大丈夫だって」

 

 そう言いながらも、提督は私の手を振りほどかない。処置が終わり、私が道具をしまうと提督は絆創膏のガーゼを増やしたものを撫でていた。もしかしたら消毒液が染みたのかもしれない。消毒なのでしょうがないことではあるが……。

 

「大げさだけど、ありがとう。海風」

 

「いいえ。当然のことをしたまでですよ、提督」

 

 医療キットを仕舞い、私はいつものところに腰を下ろした。提督はああ言ったが、多分いくらかは仕事が残っているはず。それを一緒にやろう、そう思って座った。

提督が済ませた執務を確認していると、やはりまだ残ってたらしく、先程帰ってきた第○八駆逐艦隊が持って帰ってきた資源の移動と保管場所に関する書類を作成しなければならない。それを手に取り、私は"いつも通り"に処理を進める。

 

《三番埠頭:ドラム缶四個。油格納庫:ドラム缶四個移動・保管》

 

もう少し書くことはあるが、ざっくり言ってしまえばこういう処理をした後に、

 

《遠征:南西方面輸送任務 出撃艦隊:第○八駆逐艦隊 目的:南西方面より資源を輸送、当泊地への搬入》

 

《入渠:第○八駆逐艦隊 駆逐艦 漣、同 駆逐艦 潮 備考:高速修理剤使用不要》

 

という趣旨の遠征報告書と入渠場利用履歴書を書く。合計三枚の書類を作成し、提督に認証印を押してもらってそのまま書類は通過だ。これで今日の執務も終わり。

まだ消灯まで時間があるが、今日の姉妹たちは疲れてもう寝てしまっているだろう。私はまだ眠くないのと、今帰ってしまうと変な時間に起きてしまうため、執務室で過ごすことにした。お茶を淹れて、提督の前に置いてから、私は近くに椅子を持ってきて提督に話しかける。

そうして時間が過ぎていき、消灯時間に近づいた頃、私はお茶の片付けやらを全て済ませてもう出ていくだけとなった。このまま夜中も居てもいいが、それだと提督に迷惑がかかってしまう。それならば、帰ってまた明日来れば良い。

 

「本日も大変お疲れさまでした。明日もご一緒に頑張ってまいりましょう、提督」

 

「あぁ。お疲れ。今日もありがとう。助かったよ」

 

「はい!! では、おやすみなさいませ」

 

「おやすみ、海風」

 

 執務室を後にし、私は自分の部屋、姉妹たちの部屋へと向かう。身支度を整えて、後は寝るだけなのだ。

 部屋に戻った私はお風呂を済ませ、髪を乾かし、机の証明だけで少し本を読んでから、音を立てずに布団に滑り込んだ。

少し冷たい布団に身体を震わせるが、すぐに温まるので首元まで身体を潜らせる。また明日、提督と話すことが出来る。一緒にご飯が食べれる。仕事が出来る。褒めてもらえる。そのことを楽しみに考えているうちに、瞼は意図せずして閉じていってしまった。

また明日、良い日になると良いな……。

 




 突発的に書きたい衝動に駆られ、このような短編を執筆することとなりました。
 今回の短編に関してですが、友人と「最近のヤンデレってメンヘラと混同されてるのが多いよな」という話をしていた時にふと思い立ち、「純粋なヤンデレを書こう」と企画立案しまして、今回このような形で短編を投稿させてもらいました。
自分的には純粋なヤンデレというよりも、好きなもの以外に興味がなさすぎる人みたいな描写になってしまいました。
 本作を執筆するにあたって『好きな相手には好意的、その他には無関心ではあるが好きな相手との関わりがある理由から若干気にする』『寒暖の差』などをルールとしました。
そのルールに則って書けているとは思いますが、どう思われましたでしょうか(唐突な問いかけ)
 制作に本来ならば3日で済ませる予定ではありましたが、諸事情と乗らない日があったために5日も掛かってしまいました。ということで、読んでくださった皆様、またどこかでお会いしましょう。


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