ラブライブ!サンシャイン!!〜お嬢様と小さな守り人〜   作:佐々坊

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お待たせしました

かれこれ三か月ぶりの投稿です。

それではどうぞ



24話 東京スクールアイドルワールド

千歌達と別れて俺は師匠の元へ向かった。

最期にパーティーを開いてもらった以来忙しいのもあったが師匠に会ってない。

師匠の道場は家の庭にあり多くの生徒を抱えている、そのためいろいろな生徒がやってきて師匠から技を教えてもらってる。

道場の前につくとやはり懐かしさを感じるところがある、俺は道場のチャイムを鳴らした。

 

「はい、どちら様でしょうか」

 

「お久しぶりです、和沙です」

 

プツッという音が聞こえるとドタドタという足音が聞こえて目の前のドアが勢いよく開いた。

 

「和沙なのですね、本当に和沙なのですね」

 

「そうですよ師匠、本当にお久しぶりです」

 

「いつ頃まで東京にいる予定ですか?」

 

「14時頃には、東京スクールアイドルワールドが終わるので、それに合わせて千歌達と合流する約束しているのであまりゆっくりはできないですね」

 

「東京スクールアイドルワールド…たしか私たちがやめてからできた団体ですよね」

 

「そうです、今回のスクールアイドルワールドに呼ばれているのでそれにAqoursが参加しているんです」

 

「本人たちの近くにいなくて良いのですか」

 

「流石に控室に入ったら自分はもうだめですから」

 

この一言で師匠は納得してくれた、そのあと道場の方に案内された。

 

「和沙、久々に私と戦いませんか、多少実践を積んだから強くはなっているでしょう」

 

そう言われ渡された竹刀を握った。

竹刀を握り神経を集中させる。そして、自分は右手と右足を前に出し重心を低くする型を取った。言ってしまえば居合と同じ形だ。この型の初撃は斜め下からの攻撃で武器を弾ことが目的だ。一方師匠は何も型を取らない人で最初は棒立ちのことが多い。しかし、隙があるように見えて全く隙が無いのが師匠の型の凄いところだ。自分も一度師匠と同じ型でやってみたがすぐに負けてしまったことがある。

園田流は主に決まった型は無く長年かけて自分に合った型を身に着ける、しかし大体は師匠の型を真似するのが多くなる。他の生徒はそれぞれの師匠の型を真似していく。

 

それぞれ距離を取る。他に見ている人はいないので自分たちで目配せをしながら始める。師匠と目が合って頷いたところで試合を始めた。

 

初撃はやはり左下からの攻撃になる、しかし師匠にはこの手は見極められているからこの攻撃自体はフェイクで前に進みながら左右にステップを踏み右足でステップを踏んだ時に相手の懐に入り、あばら骨の間に沿うように竹刀を入れる、実践とは少し違うからいつものような攻撃をする訳にはいかない。

やはり、一筋縄ではいかず直ぐに止められてしまう。人間は基本的に大きな動作をするときは一度力を貯めなくてはいけないためある程度の動きが予測できたが師匠は予備動作がないからどこから攻撃が飛んでくるかわからない。師匠の初撃は俺の攻撃を見越してか攻撃ではなく防御一択だった。俺の攻撃を的確に予測し竹刀を構えていた。

 

「今度は私から行きますよ」

 

師匠は中段から切り込み一度俺の竹刀を弾いて上段からの打ち込みの攻撃をしてきた、2度3度と何回も攻撃をしてくるため少し体制を崩してしまった、その隙をみて師匠が詰め寄ってきて喉仏に竹刀の先を当てられ降参した。久々に師匠と戦ったのに直ぐに負けてしまった。なんとも言えない感情が自分の胸の中に残った。

 

「最初の判断はよかったですよ、ステップで錯乱するのも手ですが和沙もこの際予備動作なしの攻撃方法を覚えてみてはどうですか」

 

「そうですね、確かに戦略の幅が広がるのでやってみます、最終的にはスピリチュアルモードで何とかしそうですけどね」

 

と談笑交じりに話す、しかし心の中は悔しさとはまた別の感情が残っていた。

ふと時計を見ると14時を指していた。

 

「ごめんなさい師匠、もうそろそろ待ち合わせの時間なのでお暇します」

 

「そうですか、また来てくださいいつでも待ってますよ」

 

千歌達と待ち合わせの場所に指定したのは東京タワーの展望デッキだった、千歌によると『沼津でこんなに高い建物ないし、そういう場所に行ってみたい』ということで集合場所が東京タワーの展望デッキになったのだ。

 

東京タワーに向かう途中の小さな路地に入った、その時目に入ったのは本紫色の髪をサイドテールに結わいた女の子が男たちに脅されているように見えた。どこかで見たことあると思ったら昨日神田明神で出会った子だった。助けない理由はないがどこか引っかかるんだよなこの人、昔に出会っているような気がする。神田明神で出会ったのが初対面だったはずなのに。

何はともあれ助けないといけないよね。

 

「おーい、大丈夫?」

 

声をかけると視線は自分の方に一気に向いてきた。

 

「なんだあてめえは」

 

「僕はそこにいる人の弟です、姉が何かしましたか」

 

そういいながら本紫色の髪色をした姉(仮)に近づいていく。

 

「そうなんだよ、君のお姉さんとぶつかってね骨が折れちゃったみたいなんだよ」

 

また別の男が出てくる。

 

「それでお姉さんから慰謝料貰おうと思ったんだけど持ってないみたいなんだよね」

 

「じゃあ姉さんの分の慰謝料は自分が払いますよ、いくらですか」

 

「う~ん通院代も含めて10万円くらい貰おうかな」

 

知っている、大抵こういう奴らは慰謝料をもらってさらにお金をたかってきたりする連中だということくらい。

しかしながら、現状ではこうやってお金を払うのが得策としか言えない。

俺は財布から10万円を出して相手に見せる。多少驚いた様子を見せながらもリーダー格の男が受け取りにやってくるが同時に周りを取り囲まれた。確かに高校生の財布から10万円が出てくればゆすってもう少し貰おうという考えになるよね。

 

「これで姉のこと許してもらえますか」

 

「そうだね、確かにこれだけあれば問題ないねっ」

 

と言いながら顔面を殴られた。案外強く殴られたみたいで口の中から血の味がする、さっきので口の中を切ったのだろう。

 

「ちょ、ちょっと放して、なんで! あの子はちゃんと言われた通り払ったじゃないですか」

 

「別にお金を払ったからと言って君たちを自由にするとは一言も言ってないよね」

 

どうにか地面から起き上がって周りを確認するとさっきとは違う状況になっており、姉さん(仮)は男たちに捕まっていた。

 

「姉さんを…放してください」

 

「放すかよガキ、こんなに弱い弟でさぞかしお姉さんも残念だろうな、ハハハ。お前たち後はうまくやっとけよ」

 

リーダー格の男が指示をすると自分の周りを囲ってきた。数はおよそ10人。

 

「お前らそこをどけえ」

 

威嚇のように大きな声を出す、それと同時に身体の中心に熱いものが集まってくる感じがした。いつものヒステリアモードとは違う、表現は出来ないが姉さん(仮)を奪ったやつが憎い。そんな中こんな言葉が頭の中を巡っていた。

 

――奪い返せ……!

 

身体の至るところから聞こえてくる。

 

「姉さんを放せ」

 

言葉は発せるが身体がいうことを聞かない、フラフラと歩きながら姉さん(仮)に近づく。その間さっき俺を囲んでいたやつらが殴りにかかってくるが、すぐに返り討ちに合わせている。

フラフラ歩きながら姉さん(仮)の元へ行く、ありがたいことに相手は一歩も動いてはいなかった。

 

「放してもらおうか」

 

「ッ……畜生、これで死ね!」

 

相手が出してきたのは一般的な拳銃だった。セミオートで弾数は七発。安価で入りやすい拳銃らしい。放たれた一発をよけながら相手の懐に潜り込み右手で相手の手首を掴み格闘技の応用で拳銃を自分のものにし左手は首をつかんで地面に倒した。

 

「さあ、どうやって死にたい、眉間か? 脳天か? それとも心臓か? 好きな場所を選ばせてやるぜ」 

 

しかしここで人殺しをすると大変なことになってしまう。仕方なく地面に二発撃って相手が気を失ったことを確認して男の上からどいた。

 

「大丈夫? お姉さん」

 

「私は大丈夫ですがあなたは平気なのですか、口元から少し血が出ていますよ」

 

地面に散らばった一万円札を拾いつつ財布に入れた、口元を手の甲で拭うと血がついてきたがほとんど乾いてきているから問題はない。

 

「心配ありがとうございます、演技上手でしたよ」

 

「咄嗟の演技でしたけど何とかなりましたかね、それにしてもなんてお姉ちゃんと呼んだりしたんですか? あそこで見逃していればあなたは痛い思いをしなくてすんだのに」

 

「なんかあなたを見たときに一瞬自分の姉に見えたんですよ、助けを呼びたいけど自分一人で何とかしないといけないと思い、結局ボロボロになるまで一人でやり続けて、そんな姿を何回も見てきたんです」

 

「とても頑張り屋さんのお姉さんなんですね」

 

「ええ、自慢の姉です!」

 

そんなとき携帯に千歌からのメールが入っていた。

 

『和沙君遅い! 私たち電車に乗って別の場所に行ってるから、また移動するときに連絡してね』

 

まあ確かに時間を守ってないこっちも悪いけどそっちから移動していくかよ。

 

「千歌のやつ無理難題を吹っかけてきやがって」

 

「千歌さん……あなたもしかしてAqoursの関係者の方ですか」

 

「ええ、まあ一応」

 

「じゃあ一応覚悟しておいた方がいいですよ」

 

渡された角二封筒に入った紙を開けて中身を見ると今回出場したグループのリストが載っていた。一枚ずつ捲っていくが一向にAqoursの文字が見えてこない、ようやく三ページ目の最後にAqoursの文字見つけた。同時に投票数も載っていたがAqoursの得票数はゼロだった。

嘘だろ、あれだけ練習してみんなで頑張ってきたのにゼロかよ。

 

「確かにAqoursの歌やダンスはとても素晴らしかったです。しかし今回は観客が得点を入れるシステムです、お客さんが感動しなければ得点は入りません。これは先に千歌さんには言っているのですが……やめるなら今が辞め時ですよ」

 

決定的な一言を言われた、千歌に言ったってことはAqours全員が聞いてるだろう。

 

「ごめんなさい、自分ひとりでは決められないので」

 

そういってその場を後にして千歌達のもとに向かった。

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございます。

遅れたことに関してはとても申し訳ないです。

しかし、春からは大学生になって大学に通っているはずですが、コロナの影響でGWまで大学がありません。なので、次の話は多少早くなるんじゃないかな?と考えています。

次回も楽しみに待っていてください。
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