ラブライブ!サンシャイン!!〜お嬢様と小さな守り人〜   作:佐々坊

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当初はGWに投稿できればと思っていましたがそれは無理でした。

先週から授業が始まり忙しい毎日を送っています。
あまり早く出せないですが今回もお楽しみください。


25話 心の中に溜まっていたもの

本紫色の髪のお姉さんと別れてすぐに駅へ向かい千歌達と合流した。

 

「もう和沙君どこでなにしてたの、ちゃんと東京タワー集合っていったじゃん」

 

「ごめんな、師匠のところで話してたら時間が過ぎててさ、これでも結構走ってきたんだぞ」

 

千歌が『ええ~そうなの』と笑いながらに聞いてくる、周りのみんなも笑っているがすぐに顔が曇る。

 

ホームに移動しながらタイミングよく来た沼津行の電車に乗り沼津まで帰ることにした。

乗ってる間は誰も話そうとはしなかった、みなそれぞれ本を読んだり、スマホをいじっていたり、外の景色を眺めてるものもいた。しかし、熱海を過ぎてから俺が痺れを切らし沈んでいる空気に針をさした。

 

「そういや今日の結果はどうだったんだ?」

 

結果自体は知っている、しかし本紫色の髪のお姉さんの言ったことが本当ならリーダーとしてどういう道に進んでいくのかを決めるのも必要なことだ。

 

「う、うん一応よかったよ、みんなちゃんと歌って踊れてたしプレッシャーにも勝っていたよ」

 

「そっか、じゃあ得票数はどうだったんだ、あの大会はお客さんが一位を決めるシステムだろ」

 

言ったとたん千歌の顔が曇った

 

「得票数的にはゼロ票だったよ、でも私は良かったと思う。精一杯やったんだもん。努力して頑張って東京に呼ばれたんだよ。それだけで凄いことだと思うだから胸張っていいと思う、今の私たちの精いっぱいができたんだから」

 

「たしかに頑張って一杯練習して東京のイベントまで呼ばれたことは凄いことだと思う。他の人がみても頑張ったと言えると思うだけど千歌は……お前は悔しくないのか」

 

まるで拍子抜かれたような顔をした千歌から答えを聞こうと思った思ったが電車は沼津駅に到着する旨のアナウンスをしたため俺たちは降車の準備を始めた。

改札を抜けるとクラスメイト達が待っていた。

 

「イベントどうだった、本気でラブライブを狙えそうな感じ?」

 

みんなが待っていた中で最下位だったと言えるはずも無く誤魔化そうとしたとき

 

「お帰りなさい」

 

何度も聞いてきた声がした。

声の主はダイヤ姉だった。ダイヤ姉をみて安心したのかルビィはダイヤ姉の抱き着きながら泣いていた、それを見て周りのクラスメイトも察してくれたらしく沼津駅の前はまた閑散とした空気が広がった。

 

「立ち話もあれですから少し移動しますよ」

 

ダイヤ姉に言われ移動する途中すれ違いざまに紙をもらった。見た目でわかったのは男ということくらいだろう。

 

『ここ数日が狙われる山らしい、理事長とよく連絡を取っておいてください』

 

そのまま財布の中に入れて狩野川まで場所を移動した。

 

改めて一息ついたところで話を始めた。

千歌が今回のイベントの結果も洗いざらい話した。

 

「やっぱりそうなってしまいましたか」

 

もしかして、交通費の申請をしに行ったときに話していたこれか。だからダイヤ姉はこうなることを危惧して俺ら行かせたくなかったのか。

 

「あなたたちがダメだったわけではないのです。スクールアイドルとして十分練習を積み、見てくれる人を楽しませるのに足りるだけのパフォーマンスもしている。でもそれだけではダメなのです。もうそれだけでは……」

 

 

 

「……7236この数字なにを意味するか分かりますか?去年、最終的にラブライブにエントリーしたスクールアイドルの数ですわ。第1回大会の10倍以上。スクールアイドルは確かに以前から人気がありました。しかしラブライブの大会の開催によって、それは爆発的なものになった」

 

爆発的な人気になり今回のような小さい大会なども多く増えたように思える。

 

「今のAqoursが誰にも支持されなかったのも、仕方ないことなのです」

 

確かに7000以上もグループいれば日の目を浴びないアイドルもいるだろう。しかも活動できる期間は約二年半、中にはそのまま本格的なアイドルに転身するひともいるらしいが大抵二年半でやめていくグループが多い。そして、二年半という期間内に成果を出さなければ周りからは「二年間何をやっていたんだ」と怒られても仕方ないように思えてくる、この世は結果主義、努力の部分も見てくれるのは小学校低学年までと誰かが言っていた。

 

「昔、浦女には既に廃校にしようという案がでていました、それを阻止するために私たちはスクールアイドルを始めました。最初は順調でしたそして大きな大会に呼ばれ浮かれていました『ここで優勝すれば浦女の知名度は格段に上がる』と、しかし歌えなかった。会場の空気に圧倒され歌えずに棄権しました。そんな自分たちに比べて歌えただけあなたたちは立派ですわ」

 

「じゃあダイヤさんがスクールアイドルを拒んでいたのってやっぱりさっきのことが関係あるんですか」

 

曜が質問していく。

 

「そうですわ、私たちと同じような結果になるのではないかと思っていましたが少し違ったみたいですね……さ、わたくしから話せることは以上ですわ、早く家に帰って寝ましょう」

 

帰ろうと思ったが最終バスはすでに出発しておりそれぞれの家が車を出すことで帰ることにした。

千歌達のところは黒澤家が車を出し、沼津駅付近はじーやが車をだすことになった。

自分も家に帰ったが眠れない夜を過ごしていた。そこでみんなに一つあることを聞いてみることにした。

 

『あなたは自分で決めてAqoursに入りましたか?』

 

そしたらみんな予想通りの回答が返ってきた。俺も含めたAqoursは全員自分の意志で入ったということが確認された。どうせ千歌のことだから「せっかくスクールアイドルをやってくれたのに……」とか考えてるんだろうな。しかし伝えようにも夜も遅いし……仕方ない直接言って伝えるのが一番か。仕方ないもう一度じーやに車を出してもらうか。

 

『申し訳ないが車を出してくれないか、内浦まで』

 

『家の前でお待ちください、今すぐ向かいます』

 

五分足らずで自宅前に来てくれた。そのまま車の少ない国道414号を南下して十千万旅館まで向かった。車から降りるとそのには何故か梨子がいた。

 

「どうしたんだ梨子何かあったのか」

 

「さっき千歌ちゃんが海の方へ行くのが見えてちょっと気になって外に出てきたの、和沙君はどうしたの?」

 

「夜にメッセージ送っただろ、それの答えを言いに来たんだよ、どうせ千歌のことだから寝てるかなって思ってさ、それより大丈夫なのか千歌は海の方へ入っていたんだろ?」

 

すると血相を変えたように砂浜の方向へ向かって走りだしそのあとを追いかけるようについていった。

 

「千歌ちゃーーーーーん」

 

「どこだーーーー千歌ーーーーー」

 

砂浜に降り呼んでみるが全く返事がない、確かに海の中には音は入りにくいから聞こえてないのか。

舌打ちをしながらも海に飛び込もうとしたその時

 

「ん? 梨子ちゃんに和沙君どうかした?」

 

「全く人騒がせな」

 

「そうよ千歌ちゃん、心配したんだから」

 

「いや~ごめんごめん、海に飛び込んだら何か聞こえてこないかなって思ってさ4月の梨子ちゃんみたいに……でも何も見えなかった、だけど……だからこそ続けてその先を見てみたいと思うの、先にあるものがなんなのか、このまま続けても0なのか1になるのか、10になるのか。ここでやめたら全部わからないままだって」

 

そこで千歌は初めて『悔しい』という言葉を口にした。リーダーが悔しいと口にしたらみんなを悲しませてしまうから自らの口からは言わなかったらしい。

 

「みんなせっかくスクールアイドルをやってくれたのに……」

 

この言葉にはすぐに反応した

 

「千歌それは違うぞみんなお前のためにやってたんじゃない、みんなは自分の意志でAqoursに入ったんだ、梨子も曜も善子も花丸もルビィもその証拠にほら」

 

メッセージの返信を一枚の写真にまとめてスクリーンショットにしたものをみせた。

 

「千歌ちゃ~~ん、梨子ちゃ~~ん、和沙く~~ん」

 

呼ばれた方を見るとなぜかみんなが集まっていた。あとで聞いた話だがあのメッセージを送られてきてみんな居ても立っても居られなくなったみたいで内浦の方まできたらしい。

 

「最初に和沙君から送られてきたときは少し驚いたけど、だからこそ千歌ちゃんが一人で感情を抑えて我慢する必要はないの、感じたことを素直にぶつけて、声に出していいんだよ、だから『みんなで一緒に歩こう』」

 

その言葉を聞くと千歌の目元が少し潤んで、スクールアイドルを始めてからの楽しかったことや大変だったことなんかと一緒溜まっていたものが涙として流れてきたようにも見える。

 

「今から0を100にするのは無理だと思う。でももしかしたら1にすることはできるかも!私も知りたいの」

 

「うん!やろうAqoursはまだまだこれからだよ!」

 

自信と決意に満ち溢れた言葉だった。雲間から覗く太陽の光が新たに出発するAqoursの門出を祝うように降り注いでいる。

 

 

 

 

「ほら千歌ちゃん、和沙君早く早くラブライブで優勝するためにはまずは練習だよ」

 

曜に促されて足を速める、屋上の扉を開けると梅雨も明け本格的な夏の空に近づいてきていることを改めて実感し扉の前で目を細める。

 

「もう~和沙君どいてこれから練習しないといけないんだから」

 

悪い悪いと言いながら道を譲り屋上に出てきた。みんなの顔を見ると自信に満ち溢れた顔になっていた、いろんな困難があったけどそれでも前を向いて立ち向かっていくという思いを改めて感じた。

 

 




お読みいただきありがとうございます。

投稿は遅いですが今後もよろしくお願いします。
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