俺はただ阿朱羅丸を愛でたいだけ   作:ゔりこんどりふぁ

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不定期~不定期~ 

ドンッ(殴打)
バキッ(骨折)
ザクッ(刺突)
バゴーン(爆発)




斬って殴って愛でさせて

「さぁ、覚悟しろよ?」

 

阿朱羅丸と悠刀の力が掛け合わされた《鬼神化》は2人のパフォーマンスが遺憾なく発揮される。

 

「ガキがァ!!!!」

 

増強系個性、《スプリング》を持つヴィランはその能力により身体をバネ化されることが出来る。それから放たれる拳は高速にして高威力、並の人間ならば身体が捻じ切れ、弾け飛ぶ。が、

 

「叫んだってなんも変わんねぇよ、クソヴィラン!!」

 

悠刀はその高められた身体能力で、拳を真正面から受け止める。

 

「なっ!?」

 

「バネならバネらしく飛んでけ!おらよ!」

 

ハイキックを側頭部に叩き込む。

 

「ぐぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

凄まじい轟音が響き、ヴィランが吹き飛ぶ。

 

『なぁ、悠。君だけ楽しみすぎじゃないか?もっと僕を使うか、それか()()使()()()()()()()

 

悠刀に対し、不満気な表情を見せる阿朱羅丸。そう、《鬼神化》が発動している場合には身体の操作権を阿朱羅丸に移譲することが可能となるのだ。

 

「そいつは悪かったぜbaby、君を傷つけるのが怖くてね」

 

『誰がベイビーか。無駄に発音良いのがまたイラッとくるよ。それで?どちらを選ぶ?』

 

悠刀はニヤリと笑って

 

「少し嫌だが、阿朱羅丸ちゃんが望むなら仕方ない。俺の身体存分に使ってくれ。あぁ、もちろん使われるのが嫌ってわけじゃなくて阿朱羅丸ちゃんが傷つくのが嫌でって意味でブツブツ」

 

慌てて取り繕う悠刀に阿朱羅丸は微笑を返す。

 

『ご心配ありがとう悠。でも傷つくのは君の身体だし、大事に使わせてもらうよ』

 

「oh…Yes」

 

その笑顔を見て満足そうに倒れる悠刀。どうやら気絶したようだ。

 

『さあ、バカ主に変わってお相手させてもらうよ』

 

ガラガラと音を立てて、ヴィランが、瓦礫から這い出てくる。

 

「がっ、はぁはぁ、くそがぁ……」

 

裂傷や打撲のあとが見られ、その姿はまさにボロボロであった。

 

「負けるわけねぇ、この俺がこんな、こんなガキに、負けるわけがねぇんだよおおおおおおおおおおおお!!!!!!」

 

ヴィランが吠える。それと同時にヴィランの姿がおぞましいものに変わっていく。

 

『良いねぇ、この感じ久しぶりだよ。かかってこい!』

 

「身体だけじゃねえ、骨、筋肉、臓器!全てをバネに!行くぞクソガキ!!」

 

先程とは比にならない速度でヴィランが接近する。

 

『速い!けど、()()()()()

 

左ストレート、右膝蹴り、左ハイキック、右回し蹴り、ヴィランのラッシュを華麗に見切り、全てを剣と身体で捌いていく。

 

「なんで当たんねぇ!!!」

 

『言っただろ?視えるんだよ、全部ね』

 

《天眼》

仏教において全てを見通す目であり、五眼の一つ。だが、阿朱羅丸のそれは少し違う。視えた未来を限定し、手繰り寄せる。事象確定能力。

 

『さ、安心してくれ今からするのは全て峰打ちだ。死ぬほど痛いだろうが死なないから、よく目に焼き付けておくれ』

 

悠刀とは違う、まるで貴族のような美しい剣捌きが、ヴィランに殺到し、そして

 

『まあ、見えたらの話なんだけど』

 

僅か一呼吸、1拍、その間に振るわれた剣は100を凌駕する。言うまでもなくヴィランは見るも無惨な姿に成り果てていた。

 

『あっ、ヤバい』

 

阿朱羅丸が突如としてフラつく。

 

『マズイマズイ、こんな所で気絶なんてしたら、クソっ!』

 

《鬼神化》の発動時間の上限を超えたのだ。異なる人格を封じ込め、あまつさえ、操作権の逆転をしているのだから反動は計り知れない。

 

『あっ…………』

 

そして悠刀と阿朱羅丸は倒れた。

 

 

 

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