オルガマリー「聖晶石十連分上げるから取り敢えずガチャ回しなさい」
立香「はーい」
オルガマリー「☆4鯖出しなさいよ」
立香「あ、限定☆5セイバーと☆4ルーラー来た」
オルガマリー「テメェの引きは何なんだ」
一行は燃え盛る街の中をキャスターの先導で進んでいく。
そんな中、藤丸はルーラーに近寄り朗らかに話しかけた。
「ルーラーってさ、千葉出身って事は割と近代の英霊?」
対するルーラーは何とも言えない微妙な表情になり、藤丸の顔を見返している。
此の反応には藤丸も予想外だったらしく、慌てふためき言葉を紡ぐ。
「え? ごめん。やっぱり詮索しちゃいけない事だった?」
「いや、態々俺に話しかけるとは思わなかったから。居ても居ないモノとして扱われてるからな」
「Oh……」
あまりにも切ない返答に藤丸も思わず絶句。そんな藤丸をよそにルーラーは頬を掻きつつ、言うべきか言わぬべきかと悩む仕草を見せる。
然し一つ頷き藤丸に視線を向け口を開いた。
「今が何時で此処が何処だか分らんが、俺は21世紀の人間だった」
ルーラーの瞳は変わらず腐っており、過去を懐かしむ様子など一切無い。
「生前の俺はとてもじゃないが英雄とか呼ばれる存在じゃなかったな。さっきも言ったが居ないモノとして扱われるか、蛇蝎の如く嫌われるかの二択。だから自分でも英霊、然も裁定者の座で呼ばれるなんてどんだけ機知を効かせた皮肉なんだかな」
三日月の様に口を歪ませ、多分笑ったのであろう、彼はそう締めた。
藤丸が首を傾げる。
「真名とかは教えて貰えないのかな?」
マスターとしては尤もな質問である。
英霊の名は其れ自体が武器の様なものである。
たった300の兵を率いて200万の敵を押し留めた王。断崖絶壁を馬にて早駆けし奇襲を成した猛将。
だが同時に其れは弱点でもある。
背に残った菩提樹の葉の跡。レーテ河で洗い損ねた踵。
故に英霊が名を知られる事は己の全てを曝け出すのと同意である。
信を置いてない者に教えるのは有り得ないだろう。
では藤丸の前にいる彼がそういった理由で言わないのかといえば、其れは違っていた。
「憶測だが俺の生きていた時代とマスターが来た時代はほぼ同じだ。然も下手すりゃ俺が未だ学生やってる時と被ってるまでもある。つまり俺の真名を聞いた所で知らないってオチになる訳だ」
取り立てて逸話が無いから仮に真名を知られた所で其処を突かれる心配は無いが、真名を知った所で大して得もない。ただ単に損得の有無で伝えないだけであった。
故に藤丸は理解する。此のサーヴァントは決して感情に流される事はない。言わば合理性を突き詰めた人物だと。
「まぁそんな訳で伝えるべき時が来たら伝える。何か用事がある時はルーラーと呼べばいい」
ルーラーはそう告げると歩速を藤丸より緩めて殿に着いた。
すると入れ替わる様にキリエライトが藤丸の横につく。
「マスター、千葉のルーラー氏とは有益な情報交換は出来ましたか?」
有益か否かと問われると首を傾げるが、少なくとも藤丸にとっては嫌な時間ではなかった。
だから、
「少しだけ彼の事が分かったかな」
そう言ってキリエライトに笑いかけた。
一行が暫しの間、無言で歩みを進めていると、不意にセイバーが足を止め一点を見つめる。
いやセイバーだけではない。ルーラーも同じ方向に顔を向けている。
「氣付いたかセイバー」
「嗚呼…マスター。レディ・キリエライトの後ろへ」
告げながらセイバーは、彼が彼だと足らしめる象徴である剣を構えた。
「敵です」
「■■■■■ーーー!!」
突如として現れた『ソレ』は、死と破壊を其の身に纏い藤丸達の前に立ち塞がる。
「ちっ…如何やら幸運はセイバーの方に傾いていやがったか。奴さん、此方をミンチにする氣満々の様だ」
流石のキャスターも軽口に焦りが帯びている。
そして『ソレ』は何よりも疾く行動を起こした。
即ち敵である藤丸立香の排除。
猛け吼える暴威の一撃が藤丸に振り下ろされた。