衛宮士郎は正義の味方である   作:星ノ瀬 竜牙

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ランキング入りしてるやん!?
やべぇよ……やべぇよ……となりながら書いた番外編。

今後の展開のネタバレが多く含まれてるので
それを了承の上で読んでいただけると幸いです。
時系列的には結城友奈は勇者である本編の後日談、勇者の章の前日談
つまりは結城友奈は勇者であるSの時系列での話になります。

12/7は樹ちゃんの誕生日。
皆も祝いましょう!
……ちなみに私のリアルの友人も12/7が誕生日で樹ちゃんと一緒なんですよね。羨ましい。


番外編だから本編より駄文なのは許してください……


[番外編]Happy Birthday 樹ちゃん

「はぁ〜……」

 

「随分と深い溜め息だな、どうしたんだ?」

 

士郎にとって親しい友人(?)である(ふう)が溜め息を吐く。

 

「そろそろ、樹の誕生日なのよ」

 

「あぁ……そういえば、12/7だったな。彼女の誕生日は。

大方、誕生日プレゼントを迷っている。といったところか?」

 

「そうなのよねぇ……毎年上げてるんだけど……

さすがに同じ物をプレゼントってわけにもいかないし……迷ってるのよねぇ」

 

「出来る姉は大変だな」

 

「何よ、他人事みたいに」

 

ムスッとする風。

だが、士郎にとっては

事実でしかないからだろうか、肩を竦め、苦笑しながら述べる。

 

「事実、他人事だろう?

他所の家庭事情に口を出せる程、私は偉くないさ」

 

「いやまあ、たしかにそうだけどね……」

 

「それで?君は、樹に何をしてやるつもりだ?」

 

驚いた様子で風は士郎を見る。

 

「む、その顔はなんだ」

 

「いや……さっき自分で他人事だって言ったじゃない」

 

「たしかに、家庭事情的に言えば。だがね。

だが、勇者部の部員としては別だろう?」

 

「やっぱり、アンタ……捻くれてるわね」

 

「否定はしない」

 

士郎のなんとも言えない表情を見て、クスッと風は笑う。

 

「アンタと話すとやっぱり色々吹っ切れるわねぇ

決めたわ、今年は皆で誕生日パーティーよ!」

 

「なるほど……たしかに、下手な誕生日プレゼントより

そっちの方が喜ぶだろうな」

 

士郎は風の案に納得がいった様子で頷く。

 

「よし、じゃあ決めたわ。

シロウ、樹と誕生日の日に買い物に行きなさい

私が樹に行かせるようにするから」

 

「いきなりだな……で、理由は?」

 

「樹の誕生日パーティーの準備の間の

時間稼ぎをアンタに頼みたいのよ。お願いできる?」

 

「了解した、風。ケーキはどうする?」

 

「東郷と私で……と思ったんだけど……

前日に手伝ってくれる?」

 

手を合わせて頼む風。

その姿を見て苦笑しつつ士郎は了承する。

 

「……やれやれ……別に構わんよ、

だが妥協は許さんと思っておけ」

 

「……人選間違ったかしら」

 

士郎の有無を言わさんぞといった様子に

風は顔を引き攣らせるのだった。

 

────

 

「なるほど、樹ちゃんの……分かりました」

 

「サンキュー東郷!アンタが居てくれるとほんと助かるわ!」

 

「それに、士郎くんが居るなら

会心の出来になるとは思いますし」

 

「待て、君の中での私の認識はやはりそんな感じなのか?」

 

「あら、事実を言ったまでよ?」

 

「……納得がいかん」

 

東郷の微笑む姿をジト目で睨みつける士郎。

二年程経っても士郎がオカンという認識は

東郷の中で変わっていなかったようだ。

 

「あ、風先輩!私達はどうすれば良いですか?」

 

三人の会話を聞いていた友奈が質問してくる。

 

「そうね……友奈達は飾り付けの準備お願いできるかしら?」

 

「分かりました!」

 

「お、じゃあ私達もか、風先輩?」

 

達は、と風に言われ銀が自分達も飾り付けか。と聞いてくる。

 

「そうね、お願いできるかしら?」

 

「了解ッス!園子、夏凜、友奈!頑張ろうな!」

 

「お〜♪いっつんの誕生日、頑張らなきゃね〜♪」

 

「仕方ないわね……」

 

「うん!頑張ろうね!銀ちゃん!!」

 

銀、園子、夏凜、友奈の四人は気合いを入れるのだった。

 

「うんうん、じゃあそれぞれ……

樹の誕生日パーティーに向けて頑張るわよ!」

 

「「「「「おー!!」」」」」

 

────

 

「すいません、衛宮先輩……買い物を手伝ってもらって……」

 

誕生日当日。

士郎は風に言われた通り、樹と一緒に商店街に来ていた。

 

「いや、構わんさ。オレも暇だったしね。

風に頼まれた時は何事かと思ったが……」

 

「あはは……ごめんなさいお姉ちゃんが急に呼び出して……」

 

「なに、気にしてないさ。それで買う物は決まっているのか?」

 

「あ、はい!メモをお姉ちゃんから渡されたので!」

 

「……そこは用意周到だな

 

樹が風に渡されたメモを士郎に見せる。

しっかりと、時間が掛かるように

タイムセールの物も買ってくるように書かれていた。

用意周到である。

 

「どうかしましたか?」

 

「……いや、タイムセールの物もあるし、

それ以外を買ってもタイムセールの時まで

待たなきゃいけなさそうだな。と思っただけさ」

 

「え!?そうなんですか!?

……ほんとだ……もう、お姉ちゃんってば」

 

「ハハ、今に始まった事ではないだろ?」

 

「そうですけど……

こういうのはしっかり言っておいて欲しいです」

 

「たしかにな……」

 

二人で苦笑いするのだった。

ちなみに噂された当人がくしゃみをしていたのは二人は知る由もない。

 

「……しかし、何故私の家で祝う事になっているのか

 

士郎はボソリと、樹に聞こえない音量で呟く。

そう、何故か誕生日会が士郎の家で行われる事になっていた。

いや、広いといった理由である程度納得はしたが……

正直に言えば、風と樹の家で良くないか。と思った。

誕生日会に広さは殆ど関係ないと言われて納得した後に気付いたのだ。

 

「衛宮先輩?」

 

「ん?どうしたんだ、樹」

 

「なんだか難しい顔してましたよ?」

 

「む、そうか……

すまない、色々考え事があってな。気にしないでくれ」

 

「はぁ……?」

 

士郎の苦笑いに樹は首を傾げるのだった。

 

────その後、買い物をある程度済ませ、

残すはタイムセールの物だけになった。

 

「後は……タイムセールの物だけですね……となると……」

 

「後、十分弱待ちか」

 

士郎はスマホの時計を確認して答える。

 

「後、十分……ここで待つしかないですね」

 

「そうだな……別の場所に行けるような時間でもないしな」

 

二人で待つ事になったのだが、

突如、士郎のスマホに連絡が入る。

連絡してきた相手の名前は『犬吠埼風』と書かれていた

 

「……風か、なんだこんな時に」

 

「お姉ちゃんからですか?」

 

「ああ……少し席を外すぞ」

 

「分かりました」

 

樹から離れて、風と通話する

 

「どうしたんだ、風?」

 

『そっちは大丈夫かなーと思ってね』

 

「問題はない。後はタイムセールの品だけだ」

 

『お、じゃあ丁度タイミングは良かったのね』

 

「という事は……終わったのか?」

 

『ええ、準備も滞りなく終わったわよ

……途中、夏凜が料理にサプリ入れようとしたけどね』

 

「……阻止したか?」

 

『ええ、私と銀と東郷で全力阻止したわ』

 

「良くやった」

 

『当然よ、女子力舐めんな』

 

ガッツポーズを息の合ったタイミングでする風と士郎だった。

 

「……じゃあ、後はタイムセールが終わったら

そっちに行けば良いんだな?」

 

『そうね、お願いするわ

……あ、それと……波に呑まれないように注意してあげてね』

 

「……タイムセールの恐怖はオレが一番良く知っている。

安心しろ、それぐらいは努めさせてもらうさ」

 

そう、タイムセールの時の主婦は怖い。

競い合う相手だからこそ、士郎も風も理解していた。

 

『下手をすれば勇者より強いんじゃないかしら……』

 

「否定できないのが辛いところだな……最早一種の執念だよアレ」

 

『「はぁ……」』

 

二人して思い出し、溜め息を吐くのだった。

 

『ん、じゃあ切るわね。寄り道しないでよ?』

 

「オレはするつもりはないぞ。樹は知らんがな」

 

『そこは大丈夫でしょ。じゃ、後でね』

 

「ああ、後でな」

 

士郎は通話を切り、樹のもとに戻る。

 

「待たせたか?」

 

「大丈夫ですよ、結構話し込んでましたけど……

何かありました?」

 

「特にはないよ、まあ君の事を心配する内容だったな」

 

「うぅ……お姉ちゃんはまた……」

 

恥ずかしそうに顔を赤くする樹。

 

「仕方ないだろう、アイツにとって君は

可愛い妹なんだ。甘んじて受け入れてやれ」

 

「うぅ……はい……」

 

「っと……そろそろ時間か……」

 

「え……あ、ほんとですね」

 

ふと、時間を確認するとそろそろタイムセールが始まる時間だった。

士郎は何かを考え込むと、樹の方を見て爆弾発言をする。

 

「……樹、手を繋ぐか?」

 

「え?……うぇええええ!?なんでですかああ!?」

 

「そこまで驚くことか!?」

 

「だ、だって衛宮先輩と……ふえええ!?」

 

「落ち着け、樹。タイムセールは怖いんだ……

はぐれてしまう事がよくある。

……だから手を繋いでた方が良いだろうと思っただけだ」

 

「……え、えっと……そ、そういう事ですか、

じゃ、じゃあ……失礼して」

 

そっと恥ずかしそうに、樹は士郎の手を握る。

その様子を見て、周りの人が

「あらあら」と微笑ましそうに見ていたり

「ケッ……リア充が」と妬ましそうに

見ていたりしているのは余談である。

 

────

 

「……え、衛宮先輩の……言ってた、理由……分かり、ました」

 

「は……はは……分かって、くれたなら……問題は……ないさ」

 

士郎と樹は二人揃って、疲れきっていた。

そう、タイムセールの地獄を味わったのだ。

 

「す……凄い……ですね……主婦の人……

バーテックスと……戦った時より……疲れました……」

 

「……姉妹揃って……似たような事を

……さすが、というべきか」

 

「お姉……ちゃん……なんて、言ってた……んですか……」

 

「自分達……勇者より……強いんじゃないか……だとさ……」

 

「ひ、否定……できないですね……」

 

樹も体験してしまったからこそ、安易に否定できなくなった。

経験していなかったらすぐさま否定していただろう。

だが、コレを経験してしまった樹は、

否定どころか納得してしまいそうになっていた。

 

「さて……お目当てのものはなんとか買えたし……そろそろ行こうか」

 

「そうですね……はふぅ……疲れました……」

 

「同じくだよ……毎回の事だが……これにだけは勝てないな……」

 

疲れた様子で溜め息を吐いて、トボトボと帰る士郎と樹であった。

 

〔今から行く、準備しておけ〕

〔了解!……大丈夫だった?〕

〔死にそう〕

〔……ドンマイ〕

 

士郎と風がこんなやり取りを

チャットでしていたのは余談である。

 

 

────

 

「えっと……私はどうして衛宮先輩の家の中に居るんですか?」

 

「それは、和室に入ってからのお楽しみというヤツさ」

 

「え?それって?」

 

「ほら、良いから入った入った」

 

「わわ!?衛宮先輩……何を────」

 

樹を和室に押し込むと……

 

パン!パン!とクラッカーの音が鳴り響き……

 

「樹ちゃん!」

 

「誕生日〜」

 

「せーのっ」

 

「「「「「「おめでとう!」」」」」」

 

「え?……ええええええ!?」

 

「お、驚いてるわねー、樹!」

 

士郎以外の全員がクラッカーを鳴らして

樹の誕生日を祝う。

 

樹は何が何やら、理解出来ていない様子だった。

 

「お姉ちゃん!?これってどういう事!?」

 

「今日、樹の誕生日でしょ?

だから、少し前から計画してたのよ」

 

「え?じゃあ皆さんが最近なんだか色々忙しそうにしてたのって……」

 

「うん!樹ちゃんの為なんだよ♪」

 

「あの……もしかして士郎さんも……」

 

「グルだよ。今日の買い物はこの為に、風が考えていたんだ。

準備の時間稼ぎにな」

 

サムズアップしながら、イェーイと士郎は笑う。

 

「ささ、主役が居なきゃパーティーは盛り上がらないし……

樹も座りなさいな」

 

「ケーキもぼた餅もあるわよ。樹ちゃん」

 

「結局ぼた餅作ったのかよ……」

 

「時間が余っちゃったから」

 

机には色々なご馳走とケーキ(とぼた餅)が並んでいた。

ケーキの上には「Happy Birthday 樹」と

ホワイトチョコにチョコソースで書かれていた

 

「わぁ……ありがとうございます!」

 

「サプライズ成功ね!」

 

「だな!夏凜、園子!」

 

「いぇーい、大成功〜♪」

 

サプライズは大成功。

その後、飲めや食えやの大騒ぎだった。

 

「さて、お腹も膨れたし……誕生日プレゼントを渡す時間ね!」

 

「ええ!?そこまでしてもらうのはさすがに悪いよ、お姉ちゃん」

 

「気にしないの!皆、乗り気だったんだから」

 

「……風も買ったのか」

 

「ま……皆、用意してるのに私だけない。ってのもアレだしね」

 

「だろうな」

 

そんな訳で、誕生日プレゼントを順番に渡すのだった。

 

「じゃあ、私達からだな!」

 

最初は園子と銀からだった。

園子が本を樹に手渡す。

 

「イッつんの為に書いた小説だよ〜。読んでみてね〜」

 

「ちなみに私が絵を書いたぞ!」

 

「お二人共、ありがとうございます!

……えっと『仲良し姉妹』?」

 

「うん、イッつん達がモデルなんだよ〜」

 

「お、私達がモデルだなんて、園子も分かってるじゃない」

 

「ありがとうございます、

読み終わったら感想を言いますね!」

 

「うん、楽しみにしてるよ〜イッつん♪」

 

「絵の方の感想も頼むぞ!」

 

「じゃあ次は私だね!」

 

次は友奈から。手渡されたのは押し花の栞だ。

 

「鳴子百合の押し花だよ、

園ちゃん達の小説の栞に使ってみてね!」

 

「素敵ですね。ありがとうございます、友奈さん!」

 

「じゃあ、次は私ね」

 

友奈の次は東郷だった。

 

「つまらないものだけど……料理のレシピ本よ

風先輩から料理を練習してるって

聞いたから良かったら読んでみてね」

 

「ありがとうございます、東郷さん!

こういうの欲しかったので嬉しいです!」

 

「そう、良かった。喜んでくれて♪」

 

「珍しいな須美がそういうの渡すって」

 

「うん、わっしーのことだから

戦艦とかの図鑑渡すのかなって思ってた〜」

 

「……たしかにな」

 

「三人共、どういう意味?

私もそこまでじゃないわよ」

 

とは言いつつも、最初はそれを渡そうとしてたりしていたのは

全くの余談である。

 

「それじゃあ次は私ね。樹、サプリとにぼしよ!

必要な時に使いなさい!」

 

「よりによってサプリとにぼし!?

……あ、ありがとうございます?」

 

夏凜から渡されたのはまさかのサプリとにぼしだった。

 

「にぼっしーらしいねぇ〜♪」

 

「ちょっと夏凜、うちの妹に変なの渡さないでくれる?」

 

「変って何よ!変って!!」

 

「アハハハ……」

 

「じゃあ次はオレか」

 

士郎はそう言うと、押入れに入れておいた紙袋を取り出して

それを樹に渡す。

 

「……これって、手袋とマフラーですか?」

 

「ああ、オレからはそれだ。

これから寒くなるし、自転車通学にも便利だと思ってな」

 

「ありがとうございます!衛宮先輩!

ちなみにこれって……」

 

「?……オレの手編みだが?」

 

「まさかの手編み!?」

 

「え、これ手編みなの?

ウナクロで売ってる手袋とマフラーと思ってたわ……」

 

「む、失礼だな。手編みで悪いかよ」

 

「いやこれ……お店に並んでるようなのと

差がないぐらいに上手いじゃない……」

 

やはりこの男、家事スキルAなだけはある。

掃除洗濯料理裁縫、なんでもござれだった。

 

「じゃあ、締めは私かしら」

 

「そうだな、最後は姉が締めないとダメだろ」

 

「そうね、樹。私からはこれね」

 

マイクを風は手渡した。

 

「へ?これって……」

 

「樹、オーディションに受かってたでしょ?

だから、歌の練習に必要かなーって……

あ、機器の方は家にあるわよ」

 

「でもいいの?お姉ちゃん、これ高いんじゃ……」

 

「いーの、いーの!大赦からの手当てで買える値段だったから気にしないで」

 

「……やっぱりすごいな大赦」

 

「そうだね……」

 

風の言葉に、思わず顔を引き攣らせる

士郎と友奈だった。

というか、それだけ手当てが出るのも充分凄いのである。

 

「うん……ありがとう、お姉ちゃん!」

 

「やれやれ……やっぱり風に持っていかれたわね」

 

「元から、夏凜のは酷かった気が……」

 

「銀!それどういう意味!?」

 

「いや、別になんでもないです」

 

銀の意見に夏凜は噛み付く。

サプリとにぼしプレゼントは普通有り得ない。

うん、有り得ないのである。

 

「さて、じゃあ改めて……

 

……樹、誕生日おめでとう!」

 

「「「「「おめでとう!!」」」」」

 

「────はい、素敵な誕生日になりました!」

 

これは、ささやかな日常の一時。

その一端。架け替えのない、幸せな一日の物語。

 

───Happy Birthday、犬吠埼 樹───




にぼっしーのサプリとにぼし。
これは今日のにぼっしーの中の人のヒロk……樹里さんのTwitterから取ったネタです。
これ見た時私爆笑してましたw
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