衛宮士郎は正義の味方である   作:星ノ瀬 竜牙

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銀ちゃん回。
初めての士郎以外の視点。
というかわっしー視点があります。
拙い文章なのでわっしーの感じが出来てるか不安……

ランキングに昨日26位まで行っててUAとお気に入り登録の増え方半端なくてビビってます。
プレッシャーで胃が壊れちゃーう!

とりあえず言えるのは万人受けできるモノは書けないし、
自分の思う感じにしか書けないので

それが無理と判断したら、即座に読むのをやめる事をオススメします。
じゃないと変に期待しちゃう人が増えて私が耐えられないので!!(必死)


第6話 牡丹

あの時、無理にでも止めていれば、

彼は戦うのをやめてくれただろうか。

 

今となっては分からない。

……私は思う。

自分達がもっと強ければ彼が戦わずに済んだのでは。と

分かっている。言い訳だと

 

どんな言い訳をしようと

■■くんの■■は返ってこない。

 

私達が、彼から■■を、■い■を奪ったのだから────

 

勇者御記 298.■■■■

 

────────

 

 

「ギリギリセーフ!」

 

「セーフじゃありません」

 

「あぅ……すいません」

 

走って教室まで入ってきたところを

安芸ねえにポカっと出席簿で軽く叩かれる銀。

周りはその様子を見て笑う。

 

うん、いつもの感じだなぁこれ

 

「ふー……うわぁ!?こら!?出ちゃ駄目だって……!?

 

猫!?ランドセルから猫!?

迷い猫、ゲット!?

 

横の鷲尾が怪しそうに、

銀を見つめているのは無視する事にした。

 

まあ、ここら辺りで知られておくべきだろうしな、銀も。

 

だから、猫がランドセルから出ないように

悪戦苦闘してる銀は見なかった事にしよう。うん、そうしよう。

これ以上気にしてるとオレの胃と頭に痛みが走りそうだ……

 

────────

 

「三ノ輪さんがどうして遅刻するのか……

これは、調査して原因があるなら元から絶たないと意味が無いわね。

……よく考えれば三ノ輪さんは、勇者になる前から、

授業にたいしても割と遅刻が多かったもの。

やはり何か理由があるのよ。

それを言ってくれないなら、こちらから探りにいくまで!

乃木さんも協力してくれる?」

 

「Zzz……すやぁ〜」

 

乃木さんはうつらうつらと寝ていた。

 

「そう、ありがとう乃木さん」

 

コクリコクリと頷く動作を強制的に了承したと解釈する事にした。

なんとなくだけど、乃木さんの扱い方を心得てきた気がする。

そういえば……衛宮君は何処なのかしら。

今日は用事があるから。と来れてないのだけど。

 

────────

 

「そろそろね。三ノ輪さんの家に到着するわ。

乃木さん……ってあれ!?居ない!?」

 

周囲を見渡すと、雑草の生えた辺りで何かを乃木さんは眺めていた。

 

一体何を……

 

「アリさんだ〜♪ヘイヘイ、元気〜♪」

 

蟻を見ていた。

蟻を見ていた。

 

「ふらふらしないの!!」

 

「うぇ〜……しょぼーん……」

 

服の襟を掴んでズルズルと引っ張り連れていく事にした。

衛宮くんの苦労が分かった気がする。

 

────

 

「此処が三ノ輪さんの家ね。

早速様子を────」

 

「ピンポンダッシュ〜?」

 

「そんな恐ろしい事は駄目よ!?

……こっちにしましょう。こんな事もあろうかと持ってきたの」

 

「わー……本格的〜」

 

そんなに本格的だろうか。

家に置いていたから持ってきたのだけど……

 

「あ、わっしー!あれ」

 

乃木さんが指す方向には三ノ輪さんが居た。

 

「おい、泣くな。お前はこの銀様の弟だろう?」

 

「ふぇ……」

 

「ほら、泣くなって。

泣いていいのは母ちゃんに預けたお年玉が帰ってこないと悟った時だけだぞ?」

 

「何を弟に教えてるんだお前は……」

 

衛宮くんも三ノ輪さんの家に居た

……用事って三ノ輪さんのところに行くことだったのね

たしかに、三ノ輪さんの家庭事情を知ってそうな雰囲気だったし

不思議ではないわね。

 

……でも何故猫が頭に乗っかってるのかしら?

そういえばあの猫、昨日三ノ輪さんが……

 

「おお、悪いな、士郎。手伝って貰っちゃってさ。

……つうかなんで頭に乗ってるんだ?」

 

「知らん、特等席らしい……

降ろしても、また乗ってくるから諦めた」

 

「あー……ドンマイ」

 

「にゃあ」

 

猫が肯定するように衛宮くんの頭の上で鳴いた。

動物にも苦労させられる衛宮くんって……天性の苦労人なのかしら

 

「うるせぇ余計なお世話だ」

 

!?!?!?

 

「どした?いきなり?」

 

「あ……いや、誰かが凄く不名誉な事を言ってた気がしてな」

 

……バレたかと思ったわ。

いえ、声を出してないからバレる可能性は低い筈なのだけど。

 

「うぅ……あうううう……」

 

「あー……愚図り泣きが始まってしまったぁ……

ミルクやおしめじゃないだろうし……」

 

「銀、ほれ」

 

衛宮くんが、三ノ輪さんにガラガラを渡す。

 

「お、サンキュ、士郎。ほーらほらほらー」

 

「あ、あぅあぅ♪」

 

「おー泣きやんだ!偉いぞ、マイブラザ♪

全く、甘えん坊な弟だよなぁ……

大きくなったら舎弟にしてこき使おっ♪」

 

「金太郎、将来銀の舎弟とは……苦労しそうだな」

 

「あぅ?」

 

「む、それどういう事だよー士郎ー」

 

金太郎……あの弟さん。素敵な名前ね。

 

「姉ちゃーん!士郎兄ー!買い物は〜?」

 

「はーい!ちょっと待ってね!」

 

「今回はなるべくトラブルに巻き込まれんなよ……」

 

「善処します」

 

「うん、それ出来ない人の反応」

 

二人の様子を見ていると、乃木さんが小声で呟く

 

「わ〜、ミノさんもえみやんもワンダフル♪

子守りとかお手伝いしてるよ〜♪」

 

「あんな小さな弟達が居たのね。

世話が大変という事なのかしら……?」

 

それでも、衛宮くんが手伝いに来る時があるみたいだし……

それを考えるとそんなに遅刻するような事はないはずだけど……

 

おっと、いけない……

二人が買い物に行くならバレないように追跡しないと。

 

────────

 

二人を尾行して着いたのはイネス手前。

 

「あ、わっしー見て見て」

 

乃木さんが指す方向には

衛宮くんと三ノ輪さんがお爺さんを誘導している姿があった。

 

「道を尋ねられたのかしら?」

 

衛宮くんが携帯で地図を確認して

三ノ輪さんに教えながら、お爺さんを連れている。

 

────

 

「まただわ」

 

次は少し歳上の女性に場所を教えていた。

 

「えーっと……士郎、そっから先は……」

 

「ちょっと待て……ここの交差点を右……

その次のT字路を左に曲がれば着きますね」

 

「ありがとう、二人共。いい子達ね〜」

 

「いえいえ、当然の事ですし!」

 

お礼を言われ、二人共恥ずかしそうにしている。

優しいわね……

 

「ミノさん優しい〜♪」

 

────

 

「わ〜、自転車起こしてるよ〜」

 

乃木さんの言う通り、衛宮くんと三ノ輪さんは

駐輪場で倒れている自転車を起こしていた。

 

「ぐぬぬぬ……!ふぃ〜」

 

「無茶し過ぎだろ士郎!?」

 

ついでと言わんばかりに

倒れていた大型の二輪車を衛宮くんが起こしていた。

 

その怪力はいったい何処から……?

 

────

 

「っととと!」

 

「阻止!」

 

次は他所の人の飼い犬をなんとか止めていた。

 

「次から次だよ〜……

ミノさんって事件に巻き込まれやすい体質なんだね」

 

乃木さんの言葉で

何処かの見た目は子供頭脳は大人の探偵を

思い浮かべてしまった私は悪くない筈だ。

 

「これも、勇者だからかしら?」

 

イネスに何事もなかったように入っていく、

三ノ輪さん達の様子を伺いつつ追跡する。

 

────

 

「次は迷子だよ?」

 

衛宮くんが迷子になっていた女の子の名前と一緒に迷子になっていると叫んで、

三ノ輪さんが、何処ではぐれたかのか聞いていた。

 

────

 

「喧嘩の仲裁?」

 

泣きながら揉めている、

男の子を衛宮くんが女の子を三ノ輪さんが止めていた。

 

────

 

そして極めつけには他のお客様の

レジ袋から落ちた蜜柑と林檎を拾い集めるのを手伝っていた

 

「巻き込まれているというより……放っておけないのね

……もう見てられないわ、三ノ輪さん!衛宮くん!!」

 

「ん?……おわ!?須美!?」

 

「園子も居るんだぜ〜♪」

 

「手伝うわ!」

 

「え!?え!?なんでお前ら……」

 

────

 

銀がメガ・チキン、園子と鷲尾がうどん。

(鷲尾は+で大根の味噌田楽)

オレがたこ焼きを頼み、席に座る。

ここのたこ焼きは美味しいのでオススメだ。

三百年前は本場である大阪でも有名なたこ焼き屋だったらしい。

 

「え!?じゃあ二人共、家の前から見てたっての!?」

 

「そうだぞ?」

 

「士郎気付いてたのかよ!?いつから!?」

 

「最初から。なーんか見られてるなーって思ってて

買い物行く時にふと、後ろ見たら特徴的な髪型と髪色が電柱から見えて……

『あっ……』って察したよ。

敢えて気付かない振りしてスルーしたけど」

 

そう、結構バレバレであった。

思わず笑いそうになったの内緒だ。

 

「うぅ……なんか恥ずかしいな……これ……」

 

「プライベート筒抜けだもんなぁ……

[衝撃!勇者の実態!!]みたいな感じで記事になりそうだな」

 

「えみやん、それ面白そう〜♪」

 

「やめろよ、小説のネタにするの」

 

「ええ……しょぼーん……」

 

一気に落ち込んだぞコイツ……

書く気だったのかよ……

 

「まあ、恥ずかしがる事じゃないだろ。銀」

 

「そうね、いつも遅れる理由はこれだったのね」

 

「言ってくれれば良いのに〜」

 

「それは……なんか他の人のせいにしてるみたいで……

何があろうと、遅れたのは自分の責任なわけだしさ……」

 

「昔からそういう体質なの?」

 

「そうだぞ。それを知って

オレは一時期、銀の手伝いを毎日してたんだ

ほら、一時期オレと銀一緒に登校してただろ?あの時だよ」

 

オレの言ったことに心当たりがあるのか鷲尾は頷く

 

「なるほど、そういえばあの頃は三ノ輪さん遅刻はしてなかったわね……

衛宮くんと一緒に授業中に居眠りはしてたけど」

 

「うっ……それ言われると痛いな……

まあ、そんな事になってから銀が見兼ねて、

迷惑を掛けるのはあれだしもう手伝いに来なくていい。って言い出してさ。

オレは好きでやってるんだー。って喧嘩したよなぁ……」

 

「ちょっ!?士郎、その話は内緒だろー!?

うぅ……恥ずかしい……」

 

「そんな事が……」

 

「ほぇ〜……ミノさんもえみやんも昔から仲が良かったから

そんな事はないと思ってたよ〜」

 

意外そうにこちらを見る、鷲尾と園子。

まあ、たしかに何かとつるんでたからな。オレら。

 

「ま、喧嘩して、仲直りする時に妥協案として

オレが暇な時とか休日に手伝いに行く。って事にしたんだよ」

 

「それが……」

 

「そ、それが今日の手伝い日」

 

「私は渋々だったんだけどなぁ……」

 

「結局、あの後ももう大丈夫って言っておきながら

教科書忘れたり、猫連れてきたりしてるじゃないか……」

 

オレが呆れたようにジト目で見ると

銀は気まずそうに目を逸らす

 

「うっ……反省してます……」

 

「それにしても……銀はツイてない事が多いよな……」

 

「そうなんだよなぁ……ビンゴとか当たった事ないし……」

 

……それは別段おかしくはないよな。

 

「それ割と普通じゃないか?」

 

「そうね……私もそういうの当てた事はないし……」

 

「え〜、私は当たったよ〜?」

 

「「「なん……だと……!?」」」

 

……やっぱり園子は格が違った。

天才+豪運とか人生の勝者じゃないですかーやだー……

 

「ッ!?」

 

その時、違和感を感じた。

周りの音が聞こえなくなった。

周囲を見渡すと、オレ達以外は皆止まっていた。

 

鈴の音が遠くから聞こえた。

 

「はぁ……ほらな……日曜日が台無し」

 

「やれやれ……休日もまともに休ませてくれないとは

……勇者は社畜じゃないんだぞ」

 

オレと銀は溜め息を吐きながらスマホを取り出す。

 

────樹海化が始まった。




牡丹
「思いやり」「恥じらい」「風格」などなど
牡丹は銀ちゃんのイメージ花なのでタイトルは今回牡丹に。
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