衛宮士郎は正義の味方である   作:星ノ瀬 竜牙

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おまたせ

ペース上げて行きますよ〜……行く行く。

後少しでわすゆ編も完結するところまで来ました。


……最初は今回もっと鬱にしようかと思ったけど
書いてる自分がドン引きするレベルで……
しかも、これ関係修復不可能じゃね?になりかけたので没にして書き直したゾ

途中まで書いてるのは残してるから要望あったら……
活動報告かにちょっとだけ書き記しておきますおきます。


第14話 シロツメクサ(下)

「こぉんのおおおおおおおおおッ!!」

 

「あああああああああああ────!!」

 

やってきた桃色のバーテックス……乙女座を相手に鬼の形相で戦う私達。

愚策だ。こんなの。……分かっている。

 

八つ当たりでしかない。

……でも、此処で私達が倒さないと。

私達だけで倒せないと……士郎くんは絶対にまた……!!

 

「それだけは……私がさせない……!!」

 

矢を三本放ち、それぞれ別の場所に当てる。

 

一本を私が押し込み、爆発させ

残り二本をそのっちと銀が押し込む

 

「さっさと……くたばれええええええ!!」

 

「いけえええええええええ!!」

 

銀が斧で連続して叩き込み

それに続くようにそのっちが槍を鋭利に変形させ乙女座を貫く。

 

「これなら!」

 

行ける。私は確信して、矢を放つ。

だけど……

 

「なっ!?ぐああああああああ!?」

 

「ミノさん!?……きゃああああああ!?」

 

「そのっち!銀!!」

 

二人が、乙女座の爆弾に直撃し爆風で吹き飛ばされる。

 

私は弓を構え、狙いを定める。

でも、それより先に乙女座の爆弾がこちらに飛んできて────

 

「ぇ────?」

 

私の上を何かが高速で二本飛来する。

一本は爆弾を貫き、残り一本は乙女座に突き刺さり

とてつもない爆発が起きた────

 

「この……爆発は……」

 

あぁ……そうだ。この威力の攻撃を放てる人。

私は一人しか知らない。

 

私は、矢が……剣が飛来してきた方向を見る。

そこには……

 

「士郎……くん……」

 

いつもの紅い外套。黒い洋弓を構え……

髪の一部分が白く脱色し

そして、焼け焦げたような黒い褐色の肌が

首筋から頬にかけて亀裂のように入っている士郎くんが

大橋の鉄骨の上で立っていた────

 

────────

 

「愚策だな……特攻とは」

 

大橋の鉄骨の部分から三人の戦いを見つめ、そう思う。

 

あれでは……それぞれの長所が生かせていない。

短所も補えない。

 

「まあ、ある意味……私のせいでもあるか……」

 

失笑してしまう。

……彼女らがそれを望むのであれば……手を出さない事も考えた。

 

だが……今の彼女達を見れば、そんな気は到底起きない。

 

投影(トレース)開始(オン)

 

二本の剣を投影する為に、

麻酔で動かない左腕を魔術回路を起動させ無理矢理動かす。

 

赤原猟犬と偽・螺旋剣の二本。

 

同時にそれを洋弓に添え、狙いを定める。

 

「……」

 

視界に、銀と園子が吹き飛ばされる姿が映る。

だが……今の私には、心配よりも……失望があった。

いつもの彼女達ならば、

あの程度であればあっさりと倒せた筈だからだ。

 

「狙いは外さん。確実に……射抜く……!」

 

魔術回路をフル回転させ、

桃色のバーテックスの中心に向けて弦を引き絞る。

 

バーテックスが爆弾を下から放つ。

タイミングは今────!

 

「ハァッ────!!」

 

弦を離し、赤原猟犬と偽・螺旋剣を放つ。

 

赤原猟犬は放たれた爆弾を追尾し、

偽・螺旋剣は一直線に乙女座に向かって飛んでいく。

 

どちらもが弾着したのを確認したと同時が起爆させる。

 

「壊れた幻想────」

 

その言葉と同時に、乙女座を中心にとてつもない爆発が起こる。

爆風がこちらに飛んでくる程だ。

 

「鎮花の儀か……」

 

花弁が空を舞うなか、

須美がこちらを見つめ顔を辛そうに歪めていた────

 

────────

 

雨が降っている。

あの雲はどうやら雨雲だったらしい。

 

「なんで来たんだよ……」

 

倒れていた、銀が私に言う。

私は溜め息を吐き、ボヤく。

 

「……正直に言えば、見ていられるものではなかったからだ。

なんだ、あのザマは?

……些細な事で取り乱してあんな愚策を行うなどとは思わなかった」

 

「些細な事なんかじゃないよ……えみやん……」

 

「…………どういう意味だ」

 

園子の言葉に耳を疑った。

……世界を守る事に比べれば、私の記憶など些細な事だろうに。

 

「……私も……そのっちも、銀も……士郎くんが大切なのよ」

 

「…………それは……世界を守る事よりもか?」

 

須美の言葉に驚きつつも

私がそう聞くと、三人は頷く。

あぁ……そうか……

 

「フフッ……ハハハハハハハハハハッ!!」

 

思わず笑ってしまう。

なんだ……単純な事だったんじゃないか。

 

「……士郎?」

 

「ハハハハ……そうか……そうだったか……」

 

笑っていると、園子がこちらを見つめなが聞いてくる。

 

「えみやん……やっぱり戦うの?」

 

「あぁ……きっと戦うな」

 

「それは……どうしても?」

 

「どうしてもだ」

 

「そっか……じゃあ、仕方ないかな」

 

悲しそうに顔を歪めながら、

園子は諦めたように納得する。

 

「そのっち!?」

 

「園子、何言って……」

 

「でもね……士郎くん(・・・・)

私達は……貴方に戦って欲しくない」

 

「知ってる。理解もしている」

 

「……だったら、どうして?」

 

それは……

 

「分からない」

 

「…………」

 

そうだ。分からない。分からないんだ。

だから私は……

 

「探す為に戦ってる。

自分なりの正義の在り方を……探す為に────」

 

「探す為……」

 

「ああ、だけど……意外とすぐに見つかったな……()の答えは……」

 

「え?」

 

「秘密だけどな」

 

驚いたようにこちらを見つめる園子に苦笑いをして肩を竦める。

 

「教えてはくれないんだ」

 

「ああ、だから……その代わりに約束する」

 

「約束?」

 

「そう、約束だ。『なるべく、無茶はしない』

……その、なんだ……苦しんで欲しくないから、な」

 

少しだけ恥ずかしくなって目を逸らす。

三人は驚いた様子でこちらを見てから、溜め息を吐いて

 

「うん、約束だね!」

 

「……それで許してあげるわ」

 

「仕方ないな……破ったら承知しないぞ?」

 

「勘弁してくれ……」

 

びしょ濡れになりながらも、彼女達は笑った。

……きっと、この笑顔を守る事が────

 

「あ、雨が……」

 

「……止んでいくわね」

 

雨が止んでいき、雲から太陽の光が漏れ出す。

少しだけ、青空が見える。

まるで、今の気持ちを表すように、雲が薄くなっていく

 

「……虹だ」

 

「綺麗……」

 

太陽の光を浴びて、虹が空に浮かび上がる。

……幻想的で美しかった。

 

「ここに居たのね、皆」

 

そこに安芸ねえがやってくる。

 

「安芸先生……」

 

「安芸ねえ……」

 

安芸ねえは私達を見つめ、微笑む。

 

「あの……顔になにか?」

 

須美が聞くと首を横に振る

 

「いいえ、違うわ……

皆、良い顔をしてると思ってね」

 

「「「「え?」」」」

 

皆でキョトンとして顔を見合わせる。

その様子がおかしかったのか、安芸ねえはクスリと微笑んで……

 

「良かった。その様子だと、私が居なくても解決したみたいね」

 

本当に安心したように、そう告げた。

 

「……ああ、お陰様で」

 

私達も釣られて、笑ってしまった。

 

 

 

 

……だが、私は忘れてはいけない事を忘れていた。

 

魔術とは、等価交換で成り立つモノ。

 

それが、どんな残酷な結末になるのか……

この時の()は気付きもしなかった。

 

壊れる音は鳴り止まる。

だが……歯車が動く音は未だ、鳴り止まなかった────




シロツメクサ
『約束』『私を思って』

四つ葉のクローバー
『幸運』『私のものになって』
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