衛宮士郎は正義の味方である   作:星ノ瀬 竜牙

24 / 40
最後の最後で短いけど許して!

……では、どうぞ。


第19話 またあの場所で

「大きい……うちって、ここまでお金持ちだったっけ?」

 

前の記憶とは見違える程大きくなった家に少し驚く。

 

私は少し前に事故にあったらしい。

その時に足が治らなくなって、事故のショックで数年程の記憶が無くなってしまったらしい。

 

「そういえば……このリボン……誰かから貰って、着けて貰ったんだったわね」

 

髪に着けているリボンをそっと触る

……渡してくれた人には申し訳ないと思う

 

でも、きっと……

 

「また会えるわよね……その子とも」

 

庭に入って景色を見渡す。

やっぱり広い……前より圧倒的に。

 

お母さんが言うには、なんでも大赦から援助金が入ったらしい。

 

「新しい生活が……此処で始まるのね……」

 

少し不安があった。車椅子での生活。

そして、記憶の喪失はやはり……怖かった。

 

「こんにちはー!」

 

「!」

 

元気な女の子の声が聞こえて、声のした方向を見る。

そこには赤茶色の髪の女の子が立っていて。

 

「もしかして、貴女が此処の家に住むの?」

 

「え、ええ……」

 

「わぁ!じゃあ新しいお隣さんだ!!」

 

女の子は嬉しそうにこちらに駆け寄ってきて……

 

「あ、自己紹介してなかったね。

私は結城(ゆうき) 友奈(ゆうな)!よろしくね!!」

 

差し伸べられた手を、握り返して

 

「私は……東郷(とうごう) 美森(みもり)……」

 

自己紹介をした。

 

 

────────

 

「そーれー!」

 

「鉄男!あんまり暴れんなよー!」

 

「分かってるよー!姉ちゃん!」

 

「やれやれ……立派な男になるのはまだまだ先だろうなぁ……」

 

あれから、私は家に帰ることを許された。

私は須美みたいに記憶を失ったわけでもない。

園子のように心臓が止まったという異常でもないから。だそうだ。

 

片方の肺と右腕が代償で動かなくなった。

それを知った父さんと母さんは泣きながら私を抱き締めていた。

 

ごめんね。って謝り続けて……

 

でも、あの時の私は……多分、呆然としていた。

士郎が行方不明になったことで頭がいっぱいだったんだ。

 

……今でもそのうちひょっこり顔を出してくれるんじゃないか。って思って

……縁側で待つ事が多くなった。

 

「姉ちゃん」

 

「ん?どした、鉄男」

 

「士郎兄。まだ帰って来ないのかなー?」

 

「────」

 

……分からなかった。すぐに答えれなかった。

 

でも……

 

「そうだなぁ……分かんないな」

 

「え!?姉ちゃん分からないの!?」

 

「うん、全然分からない。……けどさ、私は信じてる。

士郎が帰って来てくれること」

 

「姉ちゃん────」

 

……そうだ。きっといつか帰って来る。

だって、アイツは私達の最高にかっこいい正義の味方(ヒーロー)だから。

 

「だからさ、鉄男。お前も信じてやってくれないか?

士郎が帰って来てくれるって」

 

「……うん。分かってる!

それに、俺……士郎兄と約束したもん!」

 

「約束ゥ?なにしたんだよ?」

 

「ふふん、驚くなよ?

士郎兄が居ない時に姉ちゃん達を守れるぐらい強くなるって約束したんだ!」

 

「────」

 

驚いた。けど……士郎と鉄男らしい約束で────

 

「ハハハハ!生意気な弟め!

まだまだ守られるほど私は弱くないわー!!」

 

「ぎゃー!魔王姉ちゃんの攻撃だー!!」

 

左手でわしわしと鉄男の髪をもみくちゃにする。

 

「……ありがとな。鉄男」

 

「んー?……どういたしまして?」

 

なんで私がありがとうって言ったのか分からない様子で

鉄男は返事をする。

 

……士郎。帰って来いよ。

そんでさ……園子と須美と……一緒にぼた餅食べようぜ────

 

 

────────

 

灼熱の地獄の中、一人の少年が佇んでいる

 

虚ろな目をして、佇んでいる。

 

「…………」

 

ふと、少年が握り締めていた右手を開くと……

青と赤と紫の花弁が手の中にあった。

 

それを見た、少年の目に光が戻る。

 

「……まだ、倒れる訳にはいかないな」

 

ゆっくりと、立ち上がって

突き刺していた白と黒の双剣を抜き、握り締める。

 

白い怪物が少年に襲い掛かる。

 

だが、少年は双剣を巧みに扱い怪物を斬り裂くが、

同時にボロボロだった双剣も砕け散る。

 

そして、彼の目の前には

先程の白い怪物とは比べ物にならない大きさの怪物が現れる。

 

「………フッ」

 

少年は、少し皮肉げな笑みを浮かべる。

 

少年は手を翳してある言葉を口にする

 

体は、剣で出来ている────

 

その言葉と共に、再び双剣が創り出され

その双剣を少年は握り、巨大な怪物に挑む。

 

 

 

鉄を打つ音が鳴り響く。

 

剣を打つ音が響き渡る。

 

 

 

いつかの約束を果たすまで、少年は止まらない。

 

剣を、鉄を、打ち続け。

 

その願いが果たされる時まで、倒れない。

 

 

彼が倒れる時は、願いが叶う時だ。

 

そして、それが来る時は近い。

 

 

彼が歩む道は、正義か悪か。

 

それを決めるのは彼自身ではない。

 

それを決めるのは、少年と無関係な多数の何も知らない赤の他人だ。

 

 

それでも彼は……己の信じた 正義の味方を張り続ける。

 

 

それが

 

 

それこそが……

 

 

 

────英霊 エミヤ シロウ の魂を持つ、衛宮 士郎の道なのだ────

 

 

──鷲尾須美の章──《完》




物語は『結城友奈の章』へと続く────


十九話タイトル

ED 『やくそく』の最後の歌詞より





──ここからは雑談──


そんなわけで、わすゆ編完走です。
いやはや、11月から始めたこの小説ですが気付けば二月ですよ。
時間が経つのって早いですね。

何人か誕生日イベント出来てないのは許して……
西暦組の誕生日イベントをするにはゆゆゆいをせねばならないですし
あまりネタバレになるのをバンバン書いてもあれなので……


わすゆ編は勇者の章終了までに終わらせたいな。って目標があったのに
気付けば、勇者の章終わって1ヶ月……おい、大遅刻じゃねえか。

とまあ、色々あったのですが……
今問題なのは……作者が結城友奈は勇者である第1期の内容がうろ覚えでしかないことですね。

は?ってなる方も多いでしょうがこれマジです。
なのでアマゾンプライム入って見直そうかな。と思ってたりします。
円盤買いたいけどそんな金ないしネ!

くめゆもなんとか購入出来ました。
この辺も後々ストーリーと絡ませたいんですよね……

実は少し前に報告した通り……のわゆ編をこの小説の前日譚として書こうとしているんですが
これまた問題が。

……のわゆ下巻が何処にも売ってないんですよ。
出版社の方の在庫が無いかららしいですが……
紙で読みたい派の自分としては、通販の2000円はキツイものがあるなと思い……
今、電子版にするか悩んでたりします。

まぁ、次章以降が前途多難な状態ですが……それでもめげずに頑張ろうと思います。
ぶっちゃけ、この小説だけは意地でも完結させたいので!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。