衛宮士郎は正義の味方である   作:星ノ瀬 竜牙

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本来は日常回を一つ挟んでから……と思ったのですが

樹海の記憶編として、ストーリーの部分だけやろうと考えているので
あまり尺も取れないな。とそのまま今回の話になりました。

タイトル通り、彼女が出ます。
煮干好きなあの娘が。


第二十四話 赤き勇者襲来

居候の身になってから、一ヶ月と少しほど経ったある日。

 

「士郎くん、学校には慣れた?」

 

「ん、友奈か。ああ、おかげさまでね。

皆良い人ばかりでありがたい限りだよ」

 

勇者部の部室に向かっていると、

友奈が話し掛けてくる。

それに私はクスリと笑って答える。

事実、何度も助かっている。

 

「そっか、良かったぁ……

慣れてなかったらどうしようかと思ったよぉ」

 

「友奈ちゃん、一ヶ月じゃ中々慣れるものじゃないのよ?

でももしかすると……

これも、衛宮くんの人柄が良いからかもしれないわね」

 

「何を言うかと思えば……

私のしている事なんて偽善も良い所だろう?」

 

「偽善でも助かってる人が居るのは事実だもの。

衛宮くんに御礼を言いたいって人が

勇者部のホームページに結構来るのよ?」

 

「……やれやれ、そこまでされる程の事はしていないと思うがな」

 

肩を竦めて苦笑いしてしまう。

その時、スマホから警報の音が鳴り響く。

 

「うわわっ!?」

 

「来たか……」

 

「!」

 

それぞれの顔が強ばる。

人気のないところで鳴ったのが幸いか。

 

「……よーし、久しぶりだけど頑張ろうね!東郷さん!士郎くん!!」

 

パチンと頬を両手で叩いて、友奈はそう告げる。

 

「ああ!」

 

「ええ!」

 

残るバーテックスは八体────

 

────────

 

「────見えた」

 

黒い外套(・・・・)を羽織っている

私はやってきたバーテックスを睨みつける。

私はスマホを取り出し、風に連絡を入れる。

 

「風、聞こえるか?」

 

『ええ、それでお相手さんはどう?』

 

「ゆっくりとだが、接近している────

数分もあればそちらでも確認できるはずだ」

 

『サンキュ、悪いわね。偵察頼んで』

 

「気にするな、適材適所というやつだ」

 

『……そう言ってもらえると助かるわ。

そういえば……黒い外套になってるのはなんで?』

 

「本来の外套はこちららしくてね。

旧型の頃のも纏えるから、前回まではそちらになっていたそうだ」

 

『ふーん……私は紅い方が似合ってたと思うんだけど』

 

「そう言うな。

……そもそも、オレにアレを着る資格はない」

 

そう、私には……アレを着る資格はない。

────理想など、もはや存在していない今のオレにとっては重荷でしかないのだ。

 

『ん?なんか言った?』

 

「こっちの話だ。気にするな」

 

通話を切り、再びバーテックスを睨みつける。

────アレはたしか山羊座(カプリコーン)か。

 

地震を発生させる力があると知った。

なら、なるべく早めに方を付けるか。

 

そう思い、少しだけ引いた後、弓を構えて狙いを定めようとした時

三本の赤い刀が山羊座の頭上から降り注ぎ爆発する────

 

「何ッ!?」

 

「衛宮先輩!?」

 

刀と爆発で、当てはまる人物といえば私しか居ない。

故に、こちらを樹が見てくるが

私は何もしていない。

 

「いや……違う……」

 

「じゃあ、東郷さん?」

 

「私も撃ってないわ……」

 

友奈がでは、東郷かと聞くが

彼女も撃っていない。とすれば

 

「────上か」

 

刀が降り注いだ上空から左右非対称の赤い装束を着込んだ少女が

飛び降りて来るのが確認できた。

 

「ちょろい────!」

 

少女は持っていた二本の剣を投げつけ、爆発させ

山羊座の動きを封じる。

 

「……的確に脚の関節を狙うか」

 

「封印開始ッ────!」

 

少女は、精霊を出現させ刀を地面に突き刺す。

 

「思い知れ……私の力ッ!!」

 

「あの娘、一人でやる気!?」

 

封印の儀で、山羊座の口から御霊が出現する。

そして御霊は自衛の為に視界を奪える程の紫の霧を発生させる

 

「ガス!?」

 

東郷はそう言うが……この臭いには覚えがある。

これは……

 

「違う……これは……毒霧か────!?」

 

「わっ!?なにこれ、前が見えないよ!?」

 

腕で口を覆う。

精霊のバリアで防げるとはいえ、毒だ。

無事でいられる確証はない。

それに、視界を奪われたこちらは狙撃することが出来ない。

 

「チッ……視界を奪うか……!」

 

私は即座に弓を捨て、白黒の銃剣を構えるが……

 

「そんな攻撃……!」

 

赤い少女が飛び上がり────

 

「気配で見えてんのよッ!!」

 

真っ二つに御霊を斬り裂いた。

 

「殲……滅……!」

 

『諸行無常』

 

その言葉に合わせるように、山羊座は消滅した。

 

「ふぅ……」

 

「え、えーっと……誰?」

 

「……揃いも揃ってボーッとした顔をしてんのね。

こんな連中が神樹様に選ばれた勇者ですって?笑わせるわね!」

 

赤い少女はそう嘲笑うように、言ってくる。

離れていた私と東郷はその間に友奈達のもとに合流する。

 

「あ、あのー?」

 

「なによ、チンチクリン!」

 

「チンチクリン!?」

 

「私は三好(みよし) 夏凜(かりん)

大赦から派遣された、正真正銘正式な勇者!

つまり、貴方達は用済み。ほい、お疲れ様でしたー!」

 

「────え?」

 

「「「「ええええええええええっ!?」」」」

 

「なるほど、そう来たか」

 

四人が驚いた様子の中、私は納得がいき頷いた。

たしかに……風のように少しだけ訓練されているだけの素人達だけでは心許ないのは事実。

 

────彼女、三好夏凜のように大赦側から戦闘訓練を行った勇者が派遣される。という可能性は有り得た事だ。

 

では、彼女がここに居るのは必然なのだと私は理解した。

 

その時、三好がこちらをまじまじと観察するように見つめてくる。

 

「ふーん……アンタが先代勇者ね……」

 

「……なんだ?」

 

「私には、そこの素人と変わらないように見えるけど……」

 

「────それは、挑発と受け取れば良いのか?」

 

「好きに捉えれば良いわ」

 

「……はぁ、やれやれ」

 

……随分とイイ性格をした奴が来たものだ。と

思わず肩を竦め溜め息を吐く事しか、私はできなかった。

 

まあ、私のコレが勘違いだと分かるのは……

すぐ後のことだったりする────




ゆゆゆ二次小説を最近日間ランキングでよく見かけるようになって嬉しい……
当初の目標であるゆゆゆの布教は達成されそう。

目標達成したしもう書かなくても……

冗談です。ゆゆゆ編は完結させます。

……その後が二作同時連載になりそうで不安ではありますが。
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