衛宮士郎は正義の味方である   作:星ノ瀬 竜牙

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日常回とかほざいておいてシリアス入れてすまない……すまない……。

此処で一個伏線張っとかないと後で違和感出そうだったんだ……。

2/24にランキング7位ありがとうございます。
なんかやけにUAの伸びが良いなと思ったらランキングに載ってたようで……
本当にありがとうございます!


注意:今日は夏凜ちゃんの誕生日じゃないのでそこはお忘れなく。


第二十七話 ■格あ■■る舞■

「あれ?……アンタ一人なの?」

 

勇者部部室に十五分前に着くと、衛宮士郎。

アイツだけが部室に居た。

 

「いや、全員現地に既に集合しているよ。

もし間違えていたら、を想定して私はここに居ただけだ。

……最も、本当にこっちに来るとは思わなかったが」

 

「嘘……現地!?」

 

慌てて、紙を確認するとそこには

たしかに10:00に現地集合と書かれていて────

 

「……やらかした」

 

「まさか本当に確認していなかったのか……

後、五分遅ければ既に此処を出ていたところだぞ?」

 

呆れた様子で苦笑する衛宮を見て、私は顔を赤くする。

 

「うっさいわね!!

……というか、なんでこうなるって予想できたのよ!?」

 

「……ああ、それか。

なに、単純だよ。君とよく似た性格の人物を知っていてね。

彼女なら、やらかすだろう。と想定した上で動いたからさ」

 

何処か、懐かしげに語る衛宮。

 

「どんなやつなのよ……ソイツ……」

 

自分で言うのも癪だが、私は相当嫌な性格をしている。

だからこそ、コイツの語る相手がどんな奴なのか気になった。

 

「君の性格に、がめつさと猫被りを追加した感じといったところか?」

 

「……私が言うのもアレだけど。相当面倒臭いわね。ソイツ」

 

「違いない。手間をかけさせれるタイプだったよ」

 

肩を竦めて、衛宮はまた苦笑いをする。

 

「……さて、時間も時間だ。そろそろ、児童館の方に向かうぞ」

 

衛宮はそう言って、部室のドアを開ける。

 

「ぁ……ありがとう……」

 

「ん?何か言ったか?」

 

「べ、別になんでもないわよ!!」

 

「そうか…………────どういたしまして」

 

「ちょっと!?聞こえてるなら最初からそう言いなさいよ!?」

 

「ハハハッ」

 

腹が立つ。なんというか手玉に取られているのが凄く腹が立つ。

 

「ほんっと、腹立つわね!アンタ!!さっさと行くわよ!!」

 

「……三好」

 

「今度は何よ!」

 

語り掛けてくる衛宮の方を振り返る。

なんだというのだ────

 

「場所、分かるのか?」

 

「…………道、教えて」

 

「やれやれ……」

 

私は恥ずかしくなって、顔を赤く染め俯いた。

 

────────

 

「あ、夏凜ちゃーん!士郎くーん!こっちこっち!!」

 

友奈が手を振っているのが見え、私と三好は駆け寄る。

 

「いや、まさか本当に士郎の言ってた通りに居たのネ。

ちょっとビックリしたわ」

 

「うっさいわよ!……ちょっと、間違えただけなんだから!」

 

「……間違えたんですね」

 

「………」

 

東郷のなんとも言えない表情を見て、黙ってしまう三好だった。

 

「はいはい、でもまあ時間通り揃ったわけだし。

行くわよー、勇者部ファイトー!」

 

「「「「おー!」」」」

 

「お、おー……?」

 

 

集合までに、問題があったものの子ども会は順調に事を運んでいく。のだが。

 

それは、自由時間に起きた────

 

 

「え!?……どうしよう……風先輩!」

 

「どうしたの、友奈?」

 

「風先輩……予約してたケーキなんですけど……

忙しくて届けれないって……

ケーキ自体は出来てるらしいので取りにはいけば問題ないらしいですけど……」

 

「あー、そりゃ参ったわねぇ……

今から取りに行ったら子ども会中に出来るとは思えないし……」

 

困った様子で唸っている二人に私は気付く。

 

「……ちょっと、待っててくれるか?」

 

「えー、兄ちゃん遊んでくれねぇの?」

 

「後でな。ちょっと、あっちのお姉さんと話をするから……」

 

不満そうにする少年の頭を撫でてから風達のもとに行く。

 

「どうした、二人共」

 

「あ、士郎くん。

……あのね、誕生日のケーキなんだけど届けれないって話になって」

 

「……そういう事か」

 

友奈から事情を聞き、顔を顰める。

子ども会でのサプライは不可能か。となれば……

 

「……だったら、プランBでいくか」

 

「プランB?」

 

「そんなの用意してたの!?」

 

「いや、今思い付いた」

 

「オイ」

 

風が私の言葉を聞いてジト目で見る。

……いや、本当に今思い付いたし。

 

「……まあ、とにかくだ

……此処で不可能なら、彼女の家に行って祝うしかないだろう?」

 

「あー……やっぱりそうなるわよね

……よし、だったら私がなんとか言いくるめてみるわ」

 

「お願いします、風先輩!」

 

「……私達は子ども会が終わったらケーキを貰いに行くか」

 

「うん、ごめんね……士郎くん」

 

「私ではなく、彼女に謝るべきだ。

それに、こちらもそれを想定していなかったという落ち度があるからお相子だよ」

 

……ケーキ屋で注文し宅配してくれるサービスはあるが、

宅配業者も人材不足なこの御時世では

忙しい場合、届けれない事が稀にあるのだ。

 

「とりあえず、今はこっちに集中しよう。考え込んでも仕方ない」

 

「そうね」

 

「うん……」

 

ふと、その時、

男の子が何か愚図っており、東郷が困っている様子が見えた。

 

「……悪い、友奈。私の居た場所に代理で入ってくれないか?」

 

「え?良いけど、どうしたの?」

 

「ちょっと、東郷が困っているみたいでな」

 

「あ……ほんとだ。私が行った方が────」

 

「いや、相手が男子なら私が行ったほうが良いだろう」

 

「うーん……そっか。じゃあお願い」

 

「ああ」

 

友奈に頼まれ、東郷の方に向かう。

 

「絶対、須美ねーちゃんだ!」

 

「鉄男くん、私は須美って名前じゃないのよ?」

 

「絶対須美ねーちゃんだもん!」

 

「困ったわ……」

 

須美という名前を言い続ける少年と

それを聞いて困った様子の東郷。

 

「……どうした、東郷?」

 

「あ、衛宮くん……

この男の子……三ノ輪 鉄男くんって言うのだけど

私の事を誰かと勘違いしてるみたいで」

 

「須美って言っていたな……」

 

須美……先代勇者の鷲尾須美か?

……だとすると年齢が一緒ぐらいだというのは分かるが。

 

「────士郎兄?」

 

「…………え?」

 

愚図っていたであろう少年が

驚いた様子でこちらを見つめる。

 

「やっぱ、士郎兄だ!こんな所でなにやってんだよ?

須美ねーちゃんと一緒に姉ちゃんのとこに行ってあげなよ!」

 

「……何を言ってる?」

 

「士郎兄、寝惚けてんの?

銀姉ちゃんの事、よく知ってるだろ!?」

 

「銀?……誰の事を言っている?私は知らな────」

 

その時、視界にノイズが、頭に亀裂が走った。

 

「ぁ────」

 

『士郎くん!』

 

『えみやん!』

 

『士郎!』

 

……なんだこれ、誰だ。

……誰なんだよ……私は……オレは本当に────?

 

「衛宮くん!?」

 

「っ!?……はぁ……はぁ……」

 

「ちょ、士郎!?どうしたのよ、東郷!?」

 

「分からないんです……衛宮くん!」

 

「しっかりしなさいよ、士郎!!」

 

「……ぎ……ん」

 

……意識が朦朧としていき、

誰かが語り掛けたのだけは分かって……気を失った。

 

────────

 

そこは、剣の刺さった荒野だった。

視界の先には座り込む、男が居た。

 

「此処はお前の来るべき場所じゃないぞ。衛宮 士郎」

 

男がオレに語り掛けてくる。

 

「……お前は」

 

「去れ。オレのようになりたくないのなら」

 

そう言って、男はオレをこの荒野から突き飛ばした────

 

 

「此処は……」

 

目を覚ますと見覚えのない天井で。

 

「保健室よ。……起きたのね」

 

「────三好?」

 

私の言葉を聞いて、三好は少し不機嫌そうな表情をする。

 

「む、悪かったわね。アイツらじゃなくて」

 

「……いや、わざわざ此処に居てくれたのか?」

 

「そうよ。アイツらも残るって言ってたけど子ども会があるし

……それに、今日はアンタに借りがあったから」

 

少し恥ずかしそう恥ずかしそうに三好は告げる。

 

「……そうか、わざわざすまない」

 

「それにしてもいきなり倒れるなんて、何があったのよ?」

 

「……よく覚えてないんだ。

何か大事な事を告げられた気がするんだが……」

 

「……そう……まあ良いわ。

別に私に関係する事じゃなさそうだし」

 

「違いないな」

 

会話が途切れる。

────三好は、少しだけ悩ましい表情を見せるが、すぐに口を開く

 

「……今のままじゃアンタ、いつか全部背負い込んで壊れるわよ」

 

「────そうだな」

 

それは的確な言葉だった。

彼女の言葉が嫌に胸に響いた。

 

「そうだなって……アンタね……!

……はぁ、どうせ言っても無駄ね。

そうやって、アンタは二年前も背負い込んだらしいし。

覚えはないんでしょうけどね」

 

「二年前……?」

 

……二年前。

────何かあっただろうか?

 

「何、首傾げてんのよ。説明されてたでしょ。

アンタは二年前勇者として戦ったって」

 

「────っ、ああ……そうだったな」

 

……そうだ。オレは二年前に勇者として戦ったんだ。

それで────それで?

 

……あれ、オレはどうしたんだ?

 

「……どうかした?」

 

「あ、ああ……いや……なんでもない。

……そうだ。今は何時だ?」

 

「後少しで勇者と魔王の人形劇も終わるわよ。

────アンタに魔王の吹き替えしてほしかったって

何処かの誰かがボヤいてたけどね」

 

「何処の誰か目に浮かぶな……」

 

勇者部の部長の姿がすぐに浮かんだ。

────あの話は断った筈なんだがな。

 

「体調は大丈夫なのよね?」

 

「ああ。多少頭は痛むが……この程度なら問題ない」

 

「そ、良かったわ……か、勘違いはしないでよ!

私は、借りを返しに来ただけだから!!」

 

「わかってるさ」

 

「フ、フン。なら良いわ!」

 

頬を赤く染めて、そっぽを向く三好。

……全く、何処まで彼女と似ているんだか。

 

────────

 

「で……なんでウチでやるわけ!?」

 

激昂する三好。

子ども会は無事に終了。

その後、お疲れ様でしたの会。と称して三好の家にお邪魔するという暴挙に風が出た。

 

いや、なんとか言いくるめるとは聞いたが

こういう風にするとは思わんかったぞ……

 

「お待たせしました!結城友奈、到着です!!」

 

友奈が、夏凜の家にケーキの箱を持ってやってくる。

 

「お、ようやく来たわね」

 

「話聞きなさいよ!?」

 

「まあまあ、良いから良いから」

 

「良くないわよ!?ていうか何よそれ!!」

 

三好は、友奈の持ってきた箱を指刺す。

 

「これ?これはね……はい。ハッピーバースデー!夏凜ちゃん!」

 

友奈はケーキの箱を開ける。

そこにはチョコソースで『お誕生日おめでとう』と書かれているホワイトチョコを乗せたショートケーキがあって────

 

「え?」

 

「改めて、夏凜ちゃん。お誕生日おめでとう!」

 

「「おめでとうございます!」」

 

「どうして……」

 

「アンタ、今日誕生日でしょ。ちゃんと此処に書いてるじゃない」

 

困惑する三好に風は三好が書いた部活の入部届を見せる。

そこには生年月日の記入欄にしっかりと6/12日と書かれていて────

 

「友奈ちゃんが見つけたんだよね?」

 

「えへへ、あっ!って気付いてね。だったら誕生日会しないとって」

 

「歓迎会も一緒にできますしね!」

 

「本当は子ども会の方でやろうと思ってたの」

 

「当日に驚かそうと思ったんだけどね……」

 

「ケーキ屋さんの方でトラブルがあるわ。

こっちでも部員一人倒れるわでね……」

 

「いやほんとすまん……」

 

風の言葉が胸に突き刺さった────

企画しておいてあれだが、私のせいだなこれ!間違いなく!

 

私が倒れなかったらいけたんじゃなかろうか。

 

「…………」

 

「ん?どうしたの?」

 

「夏凜ちゃん?」

 

「あれー?ひょっとして、自分の誕生日も忘れてたぁ?」

 

……アホ……バカ

 

「夏凜ちゃん?」

 

ボケ……おたんこなす……!

 

「ちょ、なによそれ!?」

 

「誕生会なんて、やったことないから!

……な、なんて言ったら良いのかわかんないのよ」

 

頬を真っ赤に染めて、視線を逸らす三好。

 

それを見てオレ達は顔を見合わせてクスリと笑い……

 

 

「「「「お誕生日おめでとう。夏凜(三好)(ちゃん(さん))!」」」」

 

三好に向けて、そう告げた。

 

「……そういえば、三好。

冷蔵庫に水しかなかったが……何を食べてるんだ?」

 

「え、コンビニ弁当だけど?」

 

コンビニ弁当……だと……?

 

「……三好、今……コンビニ弁当と言ったか?」

 

「い、言ったわよ……それが何か問題?」

 

「……ほう…………そこに正座」

 

「は?」

 

「正座!!」

 

「ひゃ、ひゃい!?」

 

怯えた様子で正座する三好。

私はそんなに怖い顔をしているか?

 

「良いか、そもそもだな────」

 

「お、お姉ちゃん……これ……」

 

「入ったわねー……士郎の主夫モード……」

 

「しゅ、主夫モードですか?」

 

「ええ、樹の部屋見た時にもこんな感じになってねー

……即座に掃除始めたし。

まあそろそろ掃除しなきゃってのは思ってたし丁度よかったけどさ

……あの時は後ろに修羅が見えたわネ」

 

「うぅ……忘れようよ、お姉ちゃん!」

 

 

 

「────なにより、成長期の娘がコンビニ弁当で生活しているなど言語道断!!」

 

はい……

 

「風!!」

 

「は、はい!なんですか士郎さん!?」

 

そんなに怯えなくても良いだろう?

今それほど怖い顔をしているとは思っていないんだが。

 

「これからは、三好の家に朝食と夕飯を作りに行く。

手伝えなくなるかもしれんが、良いな?」

 

「あっうん……別にそれぐらいなら良いけど……」

 

「ちょ!?何勝手に決めてんのよ!?

私は良いとは一言も────」

 

「 良 い な ? 」

 

「……………………はい」

 

「東郷さん。士郎くんの前では健康とか色々気を付けようね……」

 

「……そうね」

 

 

全くの余談だが、

これ以降勇者部のメンバーの食事が

基本的に栄養バランスの整った物になったらしい。

 

そこまで、言ったつもりはないんだが────




ちなみに今回の伏線は鉄男くんが出たこと。

────まあ、だいたい予想はつきますよね。


……士郎に関する事で疑問が出たら……それはきっと勘が鋭い人。
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