E.Sは衛宮士郎と読んでください。
とはいいつつ、樹海の記憶での日常編はやりません。
ストーリー本編だけです。
樹海の記憶にのみ存在する敵とかもあるので
その辺を違和感なく組み込めるかが不安。
UA十万突破ありがとうございます!
ちなみに先日は月光仮面が六十周年だったそうです。
月光仮面は正義の味方という言葉を産んだ作品なので
衛宮士郎という存在とは結構密接に絡んでますよね
……あと今日は、乃木園子演じる花澤香菜さんの誕生日です。おめでとうございます!
少女が立っていた。
懐かしい声で何かを告げていた。
『■■■■、■■しないでね。
■■■■も■■■■も……他の■■の皆も、きっと■■■から────』
「君は……誰だ……」
『────ッ。
覚めないで、覚めたらきっと……その先は
「ぁ……」
少女は告げて、消えていく。
オレは彼女を掴もうとして────
「…………夢か」
天井に向かって、手を伸ばしていた
……良い夢だったのか分からない。
だが……少し悲しい夢だというのは覚えていた。
「もう、良い時間か……」
時計を見ると、既に6:30になっていた。
「……行くか」
制服に着替えて、
昨日買っておいた野菜などを持っていくことにした。
△
「で、本当に作りに行ったのねぇ……」
「……いきなり来たからビックリしたわよ」
「これでも、有言実行主義でね」
勇者部の部室で苦笑いの風と
複雑そうな表情の三好と私は会話する。
「あはは……士郎くんらしい……のかな?」
「……私はなんとも言えないわ」
「え、えっと……気遣いが出来る衛宮先輩らしいと思いますよ……?」
「樹……その優しさが胸に染みるなぁ……」
樹の励まし?慰め?の言葉が染みる。
────この中じゃフォローしてくれるのは
彼女と友奈ぐらいだというのもあるだろうが。
「はい、じゃあ雑談はここまで。議題に入るわよ。
樹、皆にプリント配ってあげて」
「はい!」
樹は私達にプリントを配る。
「このプリントに書いてある通りですが……
今週末は子ども会のレクリエーションをお手伝いします」
……子ども会のレクリエーション?
何故だか、覚えがあった気がした。
やっていないはずなのに、やったことがあるような……
「遊びたくてウズウズしてる、元気いっぱいの子供達が相手よ!
皆心してお手伝いに臨むように!」
「具体的には何をするんですか?」
「えーっと……折り紙の折り方を教えてあげたり……
一緒に絵を描いたり、やる事は沢山あります!」
「わぁ、楽しそう!」
「夏凜には……そうねぇ……
暴れ足りない子のドッジボールの的になってもらおうかしら?」
「……ちょっと待って。
やられっぱなしになんかならないわよ!」
「何言ってんのよ、小さい子相手に大人げない」
「うぐっ……ぐぬぬ……」
風に正論を告げられ、押し黙る三好だった。
「まあまあ。私達も中学生ですし!」
友奈が仲介しているのを尻目に考え込む。
……ところどころに妙な既視感がある。
一度、経験した事があるような……
「……衛宮くん?」
「ん?……あ、ああ東郷か。どうかしたのか?」
「ちょっと考え込んでたみたいだから何かあったのかなって……
悩んだら相談よ。衛宮くん」
「すまない……なら────」
今のこの既視感を、東郷に伝えようとすると────
全員のスマホから警報音が流れ、世界が止まる。
「「「「「「ッ!」」」」」」
「じゅ、樹海化警報です!」
「やれやれ……忙しいわね」
「タイミングの悪い……さっきの話は後でだな。東郷」
「そうね。今は御役目に集中しましょう……!」
「文句は後で!行くわよ皆!」
「「「「「了解!!」」」」」
世界が塗り替えられていく。
現実の世界から、非現実な様々な色の木の根が蔓延る樹海の世界へと────
「来た……バーテックス……!」
空中から接近する
巨大な桃色の異形。乙女座のバーテックスを全員が睨みつける。
「アイツ、何処かで……」
ただ、その姿に見覚えがあった。
いや……正確に言うなら、倒していた気がした。
そんなはずはないのに────
「アンタ達!遅れを取るんじゃないわよ!」
「こらこら、仕切るんじゃない!上級生の言う事に従うように!」
「こっからは実戦!部活動は関係ないでしょ!?」
風の注意喚起に、三好はそう反論する。
「……皇国の興廃は、この一戦にあります」
「い、行こう!お姉ちゃん!皆さん!」
「まあ、なんにせよ……
アイツを倒さない限りは樹海化も解けないし、
私達が日常に戻る事も出来ないのは事実だ。
……さて、部長さん。指示の御手並み拝見だ」
私は白と黒の二丁の銃剣を握り締めて笑う。
「随分、偉そうな部員が居るけど……」
「事実、君達よりは先人になるらしいからね。詳しくは知らんが」
「あ、ちょっとその上から目線ムカつく……まあいいわ。
────勇者部、突撃!バーテックスを殲滅するわよ!!」
「「「「「了解!!」」」」」
それぞれが個人の判断でバーテックスに接近する。
────が、そこで異変に気付く。
「バーテックス確認!
……って、何か変なのがいっぱい出てきた!?」
「な、何あれ!?あれもバーテックスなの?」
「……小型か。厄介そうだな」
青や赤のクリオネのような形の怪物、
三角錐の物体の周囲を蛇にような存在が蠢くモノ、
四脚の機械のような異形など、様々な小型の怪物が居た。
「正体不明の取り巻きがいるけど……
バーテックスと一緒に居る以上、敵よ!
各自、アイツらを蹴散らしながらバーテックスにも攻撃して!行くわよ、皆!」
「はい!」「うん!」「しょうがないわね!」
「了解!」「ああ!」
それぞれが風の指示に従う形で散開して小型達を蹴散らしていく。
「よしっ!これなら……って、なんかいっぱい増えたあ!?」
友奈の周囲に赤い結晶と小型の怪物が無数に現れる。
「さっきまであそこに居なかったわよ!?」
「友奈、じっとしてなさい!薙ぎ払うから!!」
「は、はい!」
風が即座に友奈のところに向かい、大剣で小型を薙ぎ払うが……
「ええ!?また増えて!?」
「ちょ!?無限湧きとか洒落になんないわよ!?」
薙ぎ払われ、小型が消滅すると同時に再び小型が出現する。
……その時、空中に浮いていた赤い結晶が光るのに気付いた。
「……あの赤い結晶……まさか」
「こんのぉっ!」
「お姉ちゃん!友奈さん!えええいっ!!」
三好と樹も援護に向かうが、倒しても倒しても小型が増え続ける。
そして、増える度に赤い結晶が光る。
……そうか。やはりあれか。
即座に東郷に連絡をいれる。
「東郷、あの赤い結晶を狙えるか」
『……衛宮くんも気付いたのね?』
「ああ……光る度に小型が出現している。
あれが増やしてると見て間違いないだろう」
『やっぱり……分かった、狙ってみるわ』
「……頼む。私はなるべくあの結晶に接近してみる」
赤い結晶に近付いていく。
……まだ行くな。まだ耐えろ。
銃声が鳴り響く、だが銃弾は赤い結晶には直撃せず────
「外した……!」
「ッ────!」
そのタイミングで、赤い結晶に急接近する。
そして、銃剣を剣に戻し────
「ハァッ!!」
赤い結晶を斬り裂いた。
「うぉおおおおお!……ってあれ?消えちゃった?」
斬り裂かれ、消滅する赤い結晶。
それに合わせて小型達も消滅していった。
「大丈夫か?」
「あ、士郎くん!いきなり小型が消えちゃって……」
「ああ、それなら……
アイツらを出現させていたヤツを壊してきたからだろうな」
「は!?そんなのあったわけ!?
……っていうかあるなら教えなさいって士郎!」
「それはすまん。だが下手に動いて、
気付かれたら何をするかわからなかったからね」
「……まあそうなんだけどさ」
「そこ、ぼさっとすんな!今のうちに封印の儀始めるわよ!!」
「ごめんなさい夏凜ちゃん!」
「あーもう!だから仕切らないでってば!部長の立場ないじゃないの!」
樹、三好に続いて、封印の儀を始める友奈と風。
「────」
「……今、誰か……気の所為か?」
友奈達のもとに合流しようとしたその時、人影を見た気がした。
「覚めないで────」
「ッ────!?」
再び人影が見え、覚えのある声が聞こえた。
そうだ、この声は……夢で聞いた────
「待てッ!……消えた」
人影を追うが、すぐにその姿を消す。
────いったい、君は誰なんだ?
謎の小型のバーテックス。そして……見覚えのある大型。
そして……勇者システムを纏っていないはずの少女が樹海に居る。
違和感は拭えず……
むしろ、その違和感は増していくばかりだった────
謎の少女 いったい何者なんだ(棒)