衛宮士郎は正義の味方である   作:星ノ瀬 竜牙

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リアル忙しくなってきて投稿遅くなるかもしれないけど許して!

多分これ以降は東郷さん√よりのオリジナル。
メインが東郷さんと士郎くんの二人になると思います。
樹海の記憶のストーリー的にもキャラ的にもネ


第二十九話 樹海の記憶 E.S√ EP.2

乙女座を倒した後日、勇者部の部室に集まる。

 

「────全員、集まったわね」

 

「どうしたんですか風先輩?怖い顔して……」

 

「……単刀直入に言うわ。大赦から報告があった。

『壁』が枯れ始めたって……

 

「ええっ!?」

 

「うそでしょ!?」

 

「お姉ちゃん……」

 

「………!」

 

それは、本来なら有り得ない事だ。

神樹の力を最も宿しているのは壁。

それの崩壊は即ち、世界の崩壊を意味するのだ。

だからこそ、それはおかしいことで────

 

「ちょっと待て、それはおかしくないか?

壁は神樹の力の大半が宿る場所だ。

そこが枯れるという事は神樹自体になにかしらの異常が発生している事になる。

そうなれば、現実世界にも影響を及ぼす筈だ」

 

「ええ……そこなのよ。これは想定外の事態。

でも、私達と大赦以外の無関係の人達はその事に気付いていないの

 

「なんで……壁が枯れるなんて一大事なのに!!」

 

「そうね。少し変だわ。

……壁の事については、大赦が調査中だって」

 

認識阻害の力が働いている……?

いや、それこそ有り得ない。ソレはこの時代では既に衰退したものだ。

……それに、その類を使えるのは私だけだ。

他の誰にも使えない。

 

だとするなら……候補に上がるのは、神樹の力を宿す精霊。

その中でも化かす力がある精霊だろう。

 

……私の知る中でその類の精霊を持つのはただ一人。東郷の刑部狸だけだ。

……だが、東郷もこの事実は知らなかった。となればこの可能性は有り得ない。

 

「……やはり妙だな。

なにか裏で動いているとしか考えられない」

 

「……異常事態なのは間違いないわ……これも調査中なんだって」

 

「そうか……」

 

「先輩、確認なのですが……

大赦は、あの時バーテックスと共に現れた

未確認物体について何か言っていましたか?」

 

「ええ……あれは『星屑』と呼ばれるものよ。

やっつけた後でなんだけど、あれも敵。

バーテックスの亜種……みたいなものかしら」

 

「星屑……名前は綺麗なのに……」

 

「常軌を逸した存在が殆どだったな……

星屑と呼ばれるのは皮肉なのか……或いは……」

 

ただ、奴らに少しだけ違和感があった。

……私の知る星屑は、あの形ではなかった。

そう。もっとおぞましく……気味の悪い……真っ白な────

 

「あれが現れたのも、壁が枯れ始めたのが原因らしいわ。

今後も、バーテックスと一緒に現れるでしょうね……」

 

「どうでもいいわ、あんな雑魚。

バーテックス諸共、ぶっ飛ばすまでよ!」

 

「数で攻めてくるのが厄介なところだが……

あの結晶体を壊せば、幸いにも数が増えるのを防ぐ事は出来るしな」

 

「ほんと、無限湧きは洒落にならないわよね……」

 

「ゲームなら稼ぎと言えるのだろうが……

生憎、現実だと無限湧き程厄介なものは存在しないな……」

 

ジリ貧である。

先にこちらが倒れ伏してしまうのが目に見えてしまうのだ。

 

「お姉ちゃん、私の聞きたい事があるの……

あの時、女の子が樹海に居たよね……?」

 

「あ! 私も見ました!」

 

「む、そういえば……」

 

「私も目視で確認しました」

 

「……全員見ているという事は、幻覚ではないか。

風、大赦からなにか彼女に関する報告はあったか?

私のもとには来なかったが……」

 

「それが……大赦にも確認はしたんだけど

私達以外には、勇者は存在しない(・・・・・・・・)っていう返答があっただけ……」

 

「────ッ」

 

ノイズが走った。これは、違和感……?

そうだ、私達以外にも────

 

「士郎くん、頭を抑えてたけど大丈夫?」

 

「────ぁ……あ、ああ。気にするな」

 

心配そうに、友奈がこちらの様子を伺ってきた。

……あれ、何をオレは考えてたんだっけ。

今は、気にしない方が良いか────

 

「勇者じゃないの?じゃあ、何であそこに────」

 

樹が喋っている途中で、樹海化警報が鳴り響く。

 

「ひゃうっ!?」

 

「わわっ!?警報!?」

 

「……ったく、せっかちな奴らね」

 

「先輩……!」

 

「分かってるわ。女の子の事については後で考えましょう。

まずはバーテックスを倒してからよ!!」

 

「そうだな、今は考えても仕方ない」

 

世界がまた、塗り替えられていく────

 

────────

 

赤いバーテックスを確認する。

蟹座のバーテックスだ。……この前の乙女座と同じく既視感を感じた。

 

「おいでなすったわね。行くわよ、皆!」

 

「お姉ちゃん!星屑がまた……!」

 

私達の目の前には、前回の戦いで見た小型の怪物達。

星屑が無数に存在していた。

 

「……今回も居るみたいね」

 

「この前の女の子、まだ居るのかな?

バーテックスは人を先に襲うっていうから……早く倒しちゃおう!」

 

「………やっぱり妙だな」

 

既視感が拭えない。

アイツは倒した筈で────

 

「衛宮くん……?」

 

「……なんでもないさ、東郷」

 

「皆、いい?

バーテックスと星屑を倒す!一匹も逃すんじゃないわよ!」

 

「「「「「了解!」」」」」

 

────────

 

「コイツで星屑は終わりか……」

 

「後はアイツだけね……!封印開始!!」

 

「「「「了解!」」」」

 

「トドメは任せたわよ、士郎!」

 

「了解した」

 

洋弓と螺旋状の剣、偽・螺旋剣(カラドボルクII)を投影して構える。

 

「────出ました!」

 

御霊が出現する。

 

「士郎!今!!」

 

「───ッ」

 

弦を引き絞り、御霊に向けて撃とうとしたとき────

 

「本当にそれで良いの────?」

 

「────」

 

声が聞こえた。あの声だ。

 

「………どういう意味だ」

 

「この先で、きっと辛い思いをいっぱいする……それでも?」

 

……辛い思いか。

 

「生憎、地獄は既に味わった身だ」

 

「…………それは、貴方に限った話じゃないんだよ?」

 

……分かりきっている。

きっと、彼女達の事も指すのだろう。

 

「なら、彼女達の分まで私が背負うだけだ

 

「そっか……やっぱり、それを選んじゃうんだね……」

 

「君は……」

 

何を知っている────?

そう言いかけて……

 

「士郎!!」

 

「ッ!」

 

風の言葉で意識が戻る。既に少女の気配はなく────

 

I am the bone of my sword(我が骨子は捻れ狂う)……

偽・螺旋剣────!!」

 

弦を手から離し、直後に偽・螺旋剣が御霊を貫いた。

 

 

「敵バーテックス、及び星屑を撃滅しました」

 

「よっし!皆、お疲れ様!」

 

「さっきの言葉の意味……やはり何かを彼女は知っているのか……」

 

バーテックスを倒し終わるも、私は心が晴れることはなかった。

むしろ、違和感や不信感は増していくばかりで……

 

「士郎。さっきはどうしたのよ。急に固まって」

 

「……すまない。あの一瞬だけ意識が飛んでいたみたいだ」

 

「飛んでたって……無茶はしてないのよね?」

 

「健康そのものだよ。今の私は」

 

咄嗟に嘘をついた。彼女から告げられた事。

……それを風達に伝えるのをなぜか躊躇ってしまった。

 

「……………」

 

「あ!お姉ちゃん!この前の女の子!」

 

「わっ!あんなところに!?大丈夫だったのかな……?

あれ……もう一人居る……?」

 

そこには、この前居た少女だけではなく……あと一人居て────。

 

「待って……!」

 

静止の声を聞かず、二人の少女は去っていく。

だが、その時一瞬だけ……私と東郷を見て、

悲しそうな表情をしたのが何故か不思議だった。

不思議な筈なのに……妙な懐かしさもあって────

 

「………行ってしまったわね。

もうすぐ樹海化も解けてしまう」

 

「ちっ!捕まえて色々問いただしたかったのにすばしっこい奴!」

 

「あの子達が助かって良かったけど……

なんでバーテックスはあの子達を攻撃しなかったのかな……?」

 

……あの二人は、何かを知っている。

それは今の事態を。そして……おそらく、それ以上の何かを。

 

「二人を探しに行きたいのはやまやまだけど……

東郷の言う通り、じき樹海化も収まるわ。

ここまで来て悔しいけど……いったん戻ろう」

 

「うん……」

 

「致し方ないですね……」

 

「戻ってから探すのは、

針山の中から針を探すようなもんだしね」

 

「そうだね……でも……心配だな……」

 

「……あの二人」

 

見覚えがある。それだけではなくて────

 

「乃■ ■■……三■輪 ■────」

 

ふと、私は誰かの名前を口にした────

わからない筈なのに、懐かしく思って……

 

「それを選ぶんだ。か……」

 

その言葉だけが、やけに頭に残っていた────




二人目の少女……いったい誰なんだ(棒)
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