衛宮士郎は正義の味方である   作:星ノ瀬 竜牙

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今回割と無理矢理なのでガバガバかもしれない。

お兄さん許して!何でもしますから!


第1話 覚醒の鼓動

はは、なんの冗談だ────

 

あの時、俺は正直にそう思った。

 

人が戦うには余りにも強大過ぎる敵。

そんな奴等とたった三人の少女が……

俺の知人が戦っていたのだから。

 

────思えば、あの時だった。

俺が、■■■■■の力を手にしたのは。

 

そして、この時からだった。

■■が無くなっていったのは。

 

そして、この時はまだ……自分の使っている力の■■が

■■を■うという事に気付きもしなかった────

 

 

────────────

 

 

なんだかんだ、ありはしたものの

昼休みも終わろうとしていた。

 

「にしても、衛宮は羨ましいよ」

 

「どうしたんだよ、急に?」

 

ふと、一緒にぼーっとしていた友人がボヤいた。

 

「いやだって、あの我が校で憧れの的である

鷲尾さんと隣の席ってだけでも羨ましいのに

乃木さんや三ノ輪さんとも知り合いときた。

こりゃもう呪うしかないなって」

 

「物騒だなおい!?それは俺に言わず大赦の人達に言えよ!?」

 

物騒な事を言い出す友人に思わず口元を引き攣らせた。

好きでこうなったわけではない。

親が大赦で共働きである俺の家系。そこそこ位も高いらしい。

ただ、忙しいらしく殆ど家に帰ってきたことはない。

おかげで、広い和風の屋敷を持て余している程だ。

 

なのでお屋敷は親戚に当たる安芸先生……

俺は安芸ねえと昔から呼んでいた、

彼女とほぼ2人暮らしという現状である。

 

そして、安芸ねえが……たしか現在の勇者?を見守る役目らしい。

ただ、教師という立場上。目を離す機会が多い為

俺が見ておいてくれ。と頼まれた結果、こんな事になったのである。

 

好きでなったわけじゃないんだ。本当に。

いや、そりゃ役得だけども。

 

まあ、俺が彼女達と知り合いなのは

ある意味お役目のお陰なのである。

 

それでも銀とは結構昔から仲が良かったりするが。

 

 

 

そんな風に何気なく過去を振り返っていたら

 

ふと、風が止み、音が消えた────

 

「…………え?

────止まってる?」

 

周囲を見渡すと、自分以外の生徒が動いていなかった。

まるで、時が止まったように────

 

いや、違う。実際に時が止まっている。

なんとなくだが、そう感じた。

 

「どうなってるんだ……これ……」

 

困惑していた俺の耳に鈴の音が入ってきた。

 

「鈴……?どこから……」

 

その直後、俺の視界を光が、花びらが、遮った────

 

「────ッ!」

 

そして、目を開けた時、俺の視界には

 

「は────?」

 

色とりどりの樹木の根があった────

 

「な、なんでさ────!?

 

俺がこう叫んでしまったのは多分間違いじゃない。

うん、間違いじゃないと信じたいなぁ……。

 

────

 

 

とりあえず、状況整理だ。

時が止まって、鈴の音が聞こえて、光が視界を遮ったら

目の前は辺り一面カラフルな木の根っこ

 

うん、訳分かんねぇ。

そんでもって大橋だけが残ってるのは此処から見て分かった。

なんで数km離れた場所にある大橋が見えるのかは……

もう突っ込まない方が良いかこれ。

 

建物なんもねぇし。

と、大橋の方を見つめると

何やら巨大な異形が迫ってきているのが見えた。

 

「水が上に行ってる……なんだよあれ……」

 

間違いなく、触れてはならないものだ。

人の手には余る怪物だと理解した。

 

だが、そこに……赤と青と紫のナニカが怪物のもとに跳んでいった。

 

いや、ナニカじゃない。あれは見覚えのある顔だった。

人であの顔は……

 

「まさか────」

 

嫌な予感がした。

どうか間違いであってくれと────

 

「どうして、アイツらが……!?」

 

────

 

士郎が駆け付けてくる一方で

鷲尾須美、乃木園子、三ノ輪銀の三人が

巨大な異形、世界を殺す存在、バーテックスと戦っていた。

 

「水のせいで……矢が思ったように……!!」

 

いや、正確に言うのであれば苦戦していた。

 

「あぁもう!決定打が全然ない!!どうする鷲尾さん!」

 

「いきなり私に言われても────!?」

 

銀の言葉に焦る様子の須美。

その時、ふと……信じられないモノを見た。

 

「どうして……どうして、衛宮くんが居るの!?」

 

なぜなら、そこには本来居ない、

いや居てはいけない筈の人間が居たのだから。

 

「嘘だろ……!?」

 

「なんでえみやんが此処に〜!?」

 

「やっぱり……見間違いじゃなかった……どうして……」

 

四人がそれぞれの反応を見せる。

一人は有り得ないモノを見たように

一人は嘘であって欲しいと願うように────

 

「悪い、鷲尾さん!」

 

「あ……三ノ輪さん!?」

 

銀が須美達を置いて、士郎のもとに走っていく。

 

「士郎!なんでお前が此処に居るんだよ!?」

 

「銀!?……アレはなんなんだよ!?

お前らのそれはなんなんだ!?」

 

「あーもう!一々説明できるか!

とにかく!士郎は何処か隠れてろ!!」

 

銀のその言葉は、自分にとって一番聞きたくない言葉だった。

 

「それは嫌だ!」

 

「なんでだよ!?」

 

「女の子に戦わせて、

黙って見てるなんてできるか!」

 

「あー、なんでこんな時に、士郎は頑固者なんだよ!!」

 

そんな風に怒鳴られるが、俺は嫌だった。

此処で引いたら、後悔してしまうと思ったから。

 

その時、銀の後ろに水の塊が接近している事に気付いた。

 

「ミノさん!後ろ!!」

 

「しまっ……!?」

 

園子の言葉に銀は後ろを向くが間に合わない。

……だったら、俺がどうするべきかなんて分かりきっている。

 

「銀────!」

 

「士郎、何を────ッ!?」

 

銀を俺は突き飛ばす。

目の前には既に水塊が迫っていた。

 

あぁ────俺は此処で死ぬのか────

 

そうなんとなくだが理解できた。

 

死の間際は焦る、冷静、虚無。などといろんな説があるが

どうやら俺は……冷静なタイプらしい。

 

はは────

まあ、助けて死ねるなら……まだ良いのかな────

 

────それで良いのか?

 

ふと、声が聞こえた気がした。

 

……それで良いのかって?

仕方ないじゃないか、だってもうどうしようもないんだから────

 

────本当にそうか?

 

あぁ、だって此処からどうやって生き残れる?

そんな事、不可能じゃないか────

 

────答えは既にあるだろう?

 

答え?そんなもの俺には────

 

────本当は理解しているだろう、自分が成すべき事など

 

成すべき事……

その時、俺は意図せず、一つの言葉を口にした。

 

同調(トレース)開始(オン)────」

 

その時、静電気のような痛みが全身に走り

嘔吐感と異物を無理矢理起こしたような感覚があった。

だが、それでも思考は冷静(クリア)そのものだった。

 

……水塊が遅く動いてるように見えた。

 

────なら、どうする?

 

 

「今、俺は何を────」

 

水塊を避ける為に

後ろに跳んだ感覚だけは残っていた。

樹の根を蹴って、後ろに跳んだのだけは理解出来た。

 

だが────

 

「……どうやってこんなに後ろに跳んだんだ、俺」

 

「衛宮くん……?」

 

常人じゃ考えられない程跳んでいたのだ。具体的には10m程。

 

前を見ると、再び水の塊が接近してきていた。

 

どうする────避けているだけじゃ────

 

その時、紅い外套が見えた気がした。

 

「え?」

 

荒野に立ち尽くす、

紅い外套を纏った白髪の男の背中が目の前に見えた。

そうだ────この男の背中を知っている────

 

この男の結末も知っている────

 

この男の在り方も、総て知っている────

 

そうだ、この男は────

 

「えみやん!」

 

「ッ────!」

 

園子の言葉でさっき見えたモノが全て消え、先程の景色に戻る。

 

しまった、幻覚に気を取られ過ぎたか────!?

 

再び水塊が目の前に迫ってきていた。

 

ッ……避けてばかりじゃキリがない。どうする。

 

────対抗の手段は既にある。

 

あぁ、そうか……なら……やるしかない────

 

投影(トレース)開始(オン)────」

 

自分のその言葉に合わせて、

脳内で無数の剣が現れ、一つの夫婦剣に至った。

 

「ハァッ────!!」

 

そして、俺は……水塊を斬り裂いていた。

 

「士郎……それ……?」

 

「衛宮くん……」

 

「ふぉおお……えみやんカッコイイ!」

 

「え────?」

 

手元を見ると、白と黒の夫婦剣を俺は両手に握り締めていた。

 

「これは……干将(かんしょう)莫耶(ばくや)……?」

 

太極図の模様が刻まれた二本の剣の名が頭に過ぎった。

 

「ガッ────!?」

 

その剣を握っていた白髪の男……その風景が目に映ると同時に

何かが砕け、崩れる音が聞こえた────

 

「────今のは」

 

「士郎!」

 

「銀か……」

 

「なんだよそれ!!そんなの有るなら最初っから言えよー!

士郎が死んじゃうかと思ったんだぞ!?」

 

何処か拗ねたように、叫ぶ銀に苦笑してしまう。

 

 

「すまないな、銀。

いや、まぁ……オレ自身、

こんな力があったとは思わなかったんだが……

それに、さっきの────」

 

「えみやん、かっこよかったよー!!」

 

「うぉ!?……いきなり抱き着くのはやめろと

言わなかったか、園子?」

 

急に抱き着いてきた園子の頭を撫でる。

撫でられてか、顔がニヤける園子。

ふむ、このなんとも言えない背徳感はなんだろうか。

────なるほど、これが保護欲か。

 

「えへへ〜」

 

「ふむ、聞いてないなこれは」

 

「撫でてるからだと思うぞー」

 

呆れたようなジト目でこちらを見つめてくる銀。

そうか、オレのせいか……オレのせいなのか?

なんだか昔からこんな感じだったような気が……

 

「って、そんな事してる場合じゃなああああああい!!」

 

「わわわっ!?」

 

「うわ!?」

 

「おおう!?」

 

鷲尾の叫び声に全員が正気に戻る。

ビックリした……。

 

「全く、三人とも……まだ敵は────!」

 

そういえばそうだった……すっかり抜けていた。

 

「……で、どうするべきだ。これ」

 

「どうって……どうする?」

 

「うーん、総攻撃ぃ?」

 

「無茶ぶりも良いとこね……」

 

……良い意見なしか。

いや、待てよ……?

 

「総攻撃……意外と良い案かもしれん」

 

「え!?」

 

オレの言葉に驚いたように鷲尾が視線をこちらにやる。

 

「……その、言っちゃ悪いかもしれんが

……まだ三人は連携をやった事がないんだろ?」

 

「あー……たしかに、まだしてないんだよなぁ……」

 

銀が困ったように苦笑する。

やっぱりか……ちょっと見た感じだったが……

まだ互いの状況把握が上手いようには思えなかった。

 

「つまり、互いの力量がまだ把握できてないわけだ。

……そんな状況で作戦を練っても上手く行く可能性は低い」

 

「なるほど、たしかに言われてみればそうね……」

 

鷲尾はオレの意見に一理あると思ったのか頷く。

……やっぱり理解が早いのは鷲尾か。

 

「だったらいっその事、

攻撃の手を休めずにダメージを与え続けるべきだろう」

 

「おー、猛攻撃だね!」

 

「そういう事だ。

それだけやれば、相手は撤退を余儀なくされるというものさ

さて、オレの意見に乗ってくれるか?」

 

ニヤリと笑ったオレを見て

三人はコクリと頷くのだった────




次回、本格的戦闘

だけど戦闘描写上手く書ける気がしない……
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