記憶の片隅にある天国   作:パフさん♪

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前回は花音にドラムを教えてくれることを了解してもらったところまででした

さて、先生はどんな反応をするのか?

では、第18話始めます


第18話 希望の報告

............

誰もいない静かな空間に自分だけが居た

正確には自分の寝室で目覚めただけ

 

「.......」

 

目が覚めてから布団から起き上がることもできず、ただただずっと変わることのない天井の白を眺めていた

 

夢で起きた記憶を早く整理したかった

残っていたのは二つ

 

花音にドラムを教えてもらう事を約束した

 

それともう一つ

他人の温もりを知った

 

二つとも大切な記憶

その記憶がしっかり残っていた

 

だが、妙になにかが抜かれたような感覚があった

それが何なのかわからない

 

 

「ふぅ.......」

 

息を短く吐き捨てて、自分は布団から出た

 

 

 

 

 

 

なにもない日常は今日も始まり、終わらない

現実が楽しいなんて思ったことがない

自分にとっての現実は無駄に呼吸して、無駄に生命維持しているだけのただの有機物にしか過ぎない

ずっとそう思っていた

 

だけど、最近少しづつ変わってきているのを感じ取っていた

原因はこころ、ハロー、ハッピーワールド!の存在

そこに気づかないほど、自分は馬鹿ではない

 

それと、この世界でのドラム

これについてはまだ始まったばかりで何とも言えないが、多分自分を変えてくれる存在になるのだと思っている

 

こころが言っていた「世界を笑顔に」

この言葉をこころが見ていないところで実現できれば、こころはどう思うのだろう?

 

喜んでくれるのか? それとも、

見れなかった事を悲しむのか?

参加できなかった事を悔やむのか?

 

 

自分の中でのこころのイメージがいつの間にか、常時ポジティブシンキングであると勝手に結論づけていた

 

自分とは似つかない人

自分とは正反対の人

自分とは住む次元が違う人

 

そうやってまた自分自身を卑下し、自虐に走る

ここはなにも変わらない

 

変わったのは外面だけ

変わってない内面

 

 

 

そんな事を考えていた惰性の日だった

 

 

 

 

 

 

放課後、自分は音楽室へ向かった

普段ならすぐに教室から出て、学校の敷地から逃れ、ゆっくりとした帰り道を迎える

今日はあの人に報告することがあるから

 

都合のいいことに、音楽室から流れている楽器の音はなかった

いつもなら吹奏楽部の部活の時間で軽やかな音色が流れているが、今日はお休みで部活の人は多分いないだろう

 

自分は音楽室の扉に手をかけ、一言

 

「失礼します」

 

と言って扉を開けた

 

 

 

「おおっ、君かね」

 

先生は自分の方を振り返らずに言った

 

「もうすぐ来ると思っていたよ」

 

そう言われて自分はドキッとした

何故か先読みをされていると思ってしまったのだ

年寄りの勘というものなのか、長年いろんな生徒を見てきたからなのか、時としてそれらが武器になる事を何回か経験をしたことがあったからだ

 

「...はい。あの?何故わかったんですか?」

 

自分に言える言葉はこれ以外わからなかった

そして、少し強張って先生の答えを待っていた

 

「いやいや、今日のお昼休みに来なかったから放課後にここに寄って、今日の作業をするかしないかを伝えに来ると思ってな。昨日の君から逃げるなんて言葉は見えなかったからな」

 

...見透かされていた

元々、逃げる気なんてさらさらないのだが、もしここで逃げていたら自分の事をずっと悔やみ、嫌になるだろう

そして、自分は二度と学校には来なくなるかもしれない

 

もう一つ、今日のお昼休みは私は机に突っ伏していた

それはほんの少しだけだが、音楽室に行こうとする勇気がなかったから

クラスメイトがいる昼休みに誰かに見られてでも行こうとできなかった

 

「ははっ...先生は凄いですね...」

 

少し恥ずかしくなりながらこう答えた

他問他答だったはずの行動が

自問自答になっていた

先生には一生勝てる気がしなかった

 

「はっはっは。まぁ、半分くらいは君とは違う人だったかもしれないとは思ったがね。それはそうと、ドラムは直せそうか?」

 

先生はやっと私の方を向いて質問をして来た

 

「はい。昨日、自分の......親友が、ドラムやってまして、その人がドラムを教えてくれるそうで。これからその人......のドラムを見せてくれると約束しました」

 

下手な誤魔化し方だった

先程、私は読まれていたのに下手な嘘は見破られるに違いない

でも、どう言えばいいんだ?

 

「自分の夢にいる人」と言えば普通は怪しまれるし、

「ハロー、ハッピーワールド!のドラムの人」と言ったら先生はわからないだろうし...

そこで自分は苦肉と策として「親友」と言い換えるしかできなかった

 

自分の考えている間の空白に先生は何を思ったのかわからないが、それを聞いて少し嬉しそうな顔で

 

「おおっ、それはよかった。ありがとう。じゃあ今日はドラムを仕舞って置くぞ。じゃあまた明日な」

 

「はい、また明日来ますね」

 

先生は私を見ながら笑顔で話してくれた

まだまだ作った感のあった笑顔だったが、嬉しかった

昨日見た笑顔とは違うが、受け取り方は同じ

昨日は授業中でそんな事を思っていたのかあまり覚えていないのだが、多分そうだったのだろう

 

 

「では、失礼します」

 

自分は扉に手をかけ、先生の方を振り返り言った

 

「ああっそうだ、君」

 

退室しようとした時に言われ、かけていた手を戻した

 

「はい?」

 

「君の...親y...友達を大切にな」

 

「......失礼します!」

 

ピシャン!

 

自分は気付かないうちに音楽室の扉を強く閉めていた

それは、先生の言葉で思い出した記憶の欠片

そのことを自分を奇行に走らせていた

 

 

「...いいよ......だって、友達でしょ...?」

 

花音の声と花音の姿に自分はそれから先の今日のことを忘れてしまった

 

 

 

 

 

カチカチカチカチカチカチ...

 

何故だろう...朝以上に静かで、壁時計の秒針の進む音が聞こえている

まだ夜が深いわけではない

今は20:30

何もやることがなく気がつくと布団に入っていた

 

(...いいよ......だって、友達でしょ...?)

 

頭の中でずっと同じ言葉が廻っている

自分には縁もゆかりもなかった言葉なだけに、想像以上に効きすぎている

 

「......花音...」

 

自分が今日発した最後の言葉だった

 

 

そして、私が目覚める

自分の気持ちを知った私が

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

まだ辺りは薄暗い

太陽が昇っているかもわからないくらいに、私は目を醒ました

 

「んー....!」

 

私は背伸びをして身体を起こした

まだまだ寒い

4月の早朝なんて霜がまだ降りることもある

私は近くにあった薄めのジャンバーを羽織り、一階のリビングに向かった

 

 

「あらっ?おはよう。早いわね?」

 

リビングに行くと、母さんが朝ごはんの支度をしていた

この前もあったが、やっぱりこんな時間に起きてくるのは不思議なのだろう

 

「あっ、いや、今日は早く学校に行かなきゃ行けなくて」

 

と、嘘をついて

いつも思うのだが私はどうして苦しくなったら真っ先に嘘をつくのだろうか?

 

「といっても、まだ4:30よ?そんな時間から学校って空いてるのかしら?」

 

うっ...そこをついてくるなんて...

どう返そう......そうだ

 

「先生に学校の機材で修理を頼まれて、私なら出来るって言われて。今日日直だしね」

 

間違ってない

うん、間違いじゃないけど間違ってる

嘘と真実を一緒くたに言うと本当のことっぽく聞こえる

 

「まぁそれなら早く呼ばれるよね、ちゃんとやってきなさいよ?」

 

「はーい」

 

そんなたわいのない会話をしている

そして、平和な時間が過ぎ去っていく

 

ご飯を食べ、制服に着替え、支度する

 

そして、今日も現実とは違う一言をいう

 

 

「いってきまーす!」

 

その声は希望に満ち溢れた元気な声で

小さい時の私と同じような

何も怖いものがないと思わせるような

 

私だった

 

 

今日も始まる夢物語

そして今日から始まる特別授業

 

二つとも大事なチェックポイント

二つとも大事な変化点

 

 

 

そしていつか私の口から言いたい

 

 

「...いいよ......だって、友達でしょ...?」

 

この言葉に対しての私の主張

私の本当の気持ち

 

 

「こころ、みさき、はぐみ、花音、薫!ハロー、ハッピーワールド!のみんなとずっと友達でいたい!」

 

本当にこんなことが言えるような関係になりたい

そのためにも今日も明日もずっと、進み続けなければ行けない

 

 

 

進んだ先にゴールがあると思い続けて

私は軽やかに学校へと足を進めた

 

 




あれ...?書きたいところまで書けなかった...orz

ということで超絶中途半端ですけどキリがいいのでここで

だんだんと主人公の気持ちが変わって来ましたね
こころはすごい!

バンドリではプライド革命きましたね!
フルコンできなくて萎えてます...w

そしてチャレンジイベントでは
28レベルの判定、
27レベルのフルコン、
28のフルコンが出来る気がしません!
誰かやって(


そんなことより!
なんと!
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推薦と多くの方々に色々と声援をいただきました!

新しくお気に入り登録していただきましていただきました、

「カール・クラフト様」
「ひろぽ様」
「裂空様」
「因幡の黒兎様」
「メタナイト様」

高評価していただいた
「止まるんじゃねーぞ様」

推薦していただいた
「黒音195(kurone)様」

皆様、本当にありがとうございましす!!
これからも精進して小説執筆していきますのでこれからもよろしくおねがいします!

ではまた次の話を楽しみに待ってください!

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