さて今回はクロとこころと花音の3人での話です
では第20話開始します
キーンコーンカーンコーン
今日の終わりのチャイムが学校に響いた
変化のない学校生活は何も楽しくない
楽しく変化のある時間は今から始まるのだ
「ありがとうございました」
簡易的な終わりの会の最後の挨拶
そして、クラスの人達の動きが変わる
部活
バイト
残ってお喋り
帰宅
寄り道
私はどれにも属さない
今日は『授業』である
今朝のことはここにいる人には知られてない情報
一部の通行人には見られたが...
...今思い返すと恥ずかしくなってきた
公園で泣いた
女子高生に抱きついた
この二つを掛け合わせると側から見たら、私が変出者で、こころは被害者
痴漢をしたら逆に女子高生に叩き出されたということか...
もし、あの時こころがもっと大きな声をあげていたら、私は通報されて捕まっていたのだろうと思うとゾッとした
......これは...秘密にしておこう...
クラスメイトにも
こころ以外のバンドのメンバーにも...いや...まず、こころに釘を刺さないと不意を突かれて言われそうだ...
と、珍しくすぐさま教室から消えずにうわごとのように考えているとクラスメイトの女子に声をかけられた
「ねぇ......担任に...呼んで来いって...」
「はい」
軽く返事をして私は教室から出て行った
何かやらかしただろうか...?
いや、そもそもさっき話しかけてきた人の名前は...?
というか、初めてだ
この世界で話しかけられた学校の生徒
私が変化していくと周りも変化しているのかもしれない
もしそうであるならこの世界で私から話しかけるのも悪くない
そしたら友達ができるのかもしれない
今日は放課後に頭を使いすぎている
そして周りが見えてない
頭を下げながら歩いているせいか、職員室を通り過ぎて曲がり角の壁にぶつかった
幸い誰もいなかったので見られていない
また新しい秘密ができてしまったことに息を吐きながら、軽く早歩きで職員室に戻り
「失礼します」
と、ノックをしながら扉を開けた
「やっと会えたわね!クロ!」
へ?
そこにいたのは今朝の救世主
金色の髪で私を見ながら笑顔でニコニコしていた
言わずもがな弦巻こころだ
「なんでここにいる!?」
私の声は驚きに満ち溢れていて、職員室にいる他の人には全く目がいかなかった
そして、声が響いて何人かの目線が私に向いた
「すみません、クロ様。こころ様がどうしてもクロ様の学校に行かれたいと伺いましたので」
と、の隣にいる付き添いの黒服の人が私に言ってくれた
いや、そこは昨日みたいに外で待っていてください
ここにいるとすっごく目立ちますよ...
スーツを着てる先生はほとんどいない、つまりはほぼ紅一点ならぬ黒一点だ
そして、私が来たことで担任の顔から緊張が抜けたのか、肩の力を抜かしていた
「まぁ、なんだ。お前が来てくれてよかった。取り敢えず弦巻さんに粗相のないように行動しろよ?あっ、では弦巻さん、これからも仲良くしてください」
なんで担任は腰を低くして対応しているのか?
来賓者として扱うと言ったら納得はできるが、少々丁寧すぎる感じはする
ましてや、相手は同じ他校の高校生なのだからもっとフランクに話していいと思う
「それじゃあ、行きましょ?クロ」
(...明日の学校は少し怖いなぁ...)
と、こころの問いかけに声にならない言葉を頭に流した
変な噂が流れないか心配で、それとこころの学校で何か言いふらさないか
その考えは一瞬で消えてしまう
ギュッ
手に温もりと柔らかさと圧を感じた
咄嗟の行動に私はなんの反応もできずに一瞬固まった
私の感覚は手以外には感じなくて
その感覚は今日で2度目
気がつくともう私は引っ張られていて、職員室から走り出ていた
意識が足に移り、私は引きづられない様に必死に足を回す
(早すぎる!!)
そう感じた時に手が離れそうになる
温もりが離れそうで
今朝あった温もりが消えてしまう様で
そう思うと絶対に離したくなくなった
私はその手を両手の指を噛み合わせ、ガッチリと掴み込んだ
握り込んだ両手から感じる相手の心拍数
その間隔が短くなっていることを感じた
相手は私に気づいたのか、それとも私が聞こえてなくても周りの人に認知してもらえる様に言ったのか
「あたしの手をずっと握っていてね!クロ!私の大切な友達!」
こころに引っ張られて校門裏
ようやく彼女は止まってくれた
私は彼女が急に止まったことに気づかなくて、足を止められなかった
ドンッ
「「痛っ!?」」
手を繋いでいたせいか勢いを殺すことなく、こころに突っ込んだ
そして私たちはおでこ同士をぶつけた
これがアニメだったら二人とも頭に天使が回っている感じだろうか、ただただ痛い以外の言葉が出なかった
それはこころも同じことで、軽く尻餅ついて女の子座りをしながら頭を摩っていた
「ごめん!こころ!」
「ううん、平気よ?クロは?」
「...少し痛いけど、大丈夫」
謝るとこころはすぐに大丈夫っと言った
だけど、私が痛いのだからこころの方も痛いに決まっている
私は無意識のうちにおでこを撫でていた
「...⁉︎ク、クロ⁉︎」
少しの間があってからこころは驚きの声を出していた
その声を聞いて私は手を引っ込めた
理由は複数ある
こころを脅かすつもりはなかったこと
ここがまだ学校前であったこと
私自身が恥ずかしくなったこと
私の無意識は後々、私自身に悪いこととして返ってきている
リムジンの前でこんな行為をしているので、帰りの生徒の注目の的になってしまった
複数の人の目線を感じる...
そしてそれよりも強い目の前にいる照れている顔のこころ
(ああっ、これはもう逃げられないな)
と、悟った
今朝のことを隠そうと言った同じ日に、公共の場所の前で羞恥を晒してしまった
もう、隠せきれない
さっきまでの悩み事は一瞬で悪い方に解決した
「と、とにかく車に入ろう!」
と少し声を高くしながら早口で言った
そうしたら周りの目は多少マシになるだろう
と、リムジンに入ったと同時に
私の予想は崩され、さっきよりも恥ずかしくなり、顔を赤らめた
「ふえぇ...クロさん.......」
こころや私よりも真っ赤な顔で、今日の第2の先生が目の前に居た
一部始終を見られて居たのだ
そう思うと3人とも顔も合わせることもできずに、喋る事も出来ずに床しか見れなかった
その時間が着くまで続いていた
「...それじゃあ...クロさん。今からドラムのことについて教えますね」
「はいよろしくおねがいします」
ここは弦巻家の楽器部屋
今日もまたここで放課後を過ごす
昨日と違うことはここにこころがいること
二人でいるときは広すぎたと感じていた部屋も、一人増えただけでなんだか少し狭く感じてしまう
その増えた人がさっきからアクロバティックな技を絶え間なくやっているからではあるが...
「ねぇ、こころ...もう少しだけ落ち着けない...?」
なんたってここは楽器の部屋
一つでも壊してしまうと多額な損害が出そうと感じてこころに言った
まぁ、無駄なことはわかっている
「こうやっていると楽しいわよ!ほらっ!広い部屋でこーんなに動き回れるなんて素晴らしいじゃない!」
ほんと、こころの体力は底知れずだ
一体、こころは何者なんだ?
忍者か?
飛脚か?
体操選手か?
それとも宇宙人...?
...馬鹿馬鹿しくなってきた
結論、こころはお嬢様ってだけだ
「あのね、こころちゃん...今からクロさんがね、ドラムを練習するから...こころちゃんはこの前みたいに、練習手伝ってくれないかな...?」
「花音がそう言うならあたしも手伝うわ!この前、一緒に駅前でした演奏をもう一度、みんなで演奏したいわ!」
「ありがとう、こころちゃん」
「ありがとう...花音さん...」
少し悲しくなった
何故、私の意見は聞いてくれなくて、花音の意見なら聞いてくれるんだ...
まぁ、期待は端からしてなかったけど...
なんというか、いつものこころらしい
それから花音にみっちりとドラムのことについて教えてもらった
時間は、5時半過ぎ、もうすぐ日没だ
今日、花音に教えてもらったことは私にとってはすごく難しかった
スネアとか
バスとか
トムとか
ハイハットとか...
聞きなれない単語が並べられた
私の頭の中はだんだんと違う言葉に置き換わって行く
スネーク
バス(車)
トムとジェリー
ハイハット(帽子)
...うん、まぁ...覚えた?
第一印象は大事だから大丈夫でしょう...
もし、これを覚えてないと明日、花音先生に何を言われるかわからない
意地でもしっかり覚えておこう...
「花音さん、一度叩いてくださいな?」
と、要望してみた
ずっと話だけなので頭がもうパンクしてしまいそうだった
それに先生の演奏を聴いてみたかった
「ふえぇ...上手くできないよ...?それでもいいの...?」
「はい、この前のこころとの駅前演奏と同じようにやって欲しいです」
「ふえぇ!?あの時、クロさん見てたんですか...!?」
私はすぐさま首を縦に振った
それを見て、こころは私の方を見て「クロ、あたし達の演奏どうだった!?」って言ってきた
対して、花音は下を向いたまま何かブツブツ言っているが、よく聞き取れない
二人とも対照的で反応を見るだけでも楽しい
それから、こころが「もう一度やりたいわ!」と言い、スタンバイし始めた
花音の顔は少し赤く染まっていたが、それは夕焼けが肌を色付けているのか?
それとも他に理由があるのか?
そうやっているうちに花音の準備も出来たようで、私は二人の前に座った
「じゃあ、行くわよ!」
こころの掛け声から二人の演奏会が始まった
らーららららーーーー♪
二人の初めての歌
こころは全てのリズムを鼻歌のように歌う
歌詞なんて無くて、即興で作った感じしかしない
だけど、これを即興で歌にできるこころはすごいと思う
その歌声に合わせて、花音は一生懸命にビートを刻む
その姿は初めて会ったときのか弱い花音でも、ドラムを教えてくれた頼りなさそうな花音でもなくて
そこにいたのは力強く正確に叩いている花音だった
私に見えた花音はある意味別人で、とてもかっこよかった
こころも花音も素晴らしい才能があると私は思った
そして、私はこんなバンドに入っているのだと初めて怖く感じた
私には何の才能もないのだから
他の3人も凄く上手なんだろうな...
どうしてだろう...なんか逃げたく...
座っていた足を起こし、地面を強く蹴ろうとした
と、足が地面につくかのところで
「ねぇ、クロ!一緒に歌いましょ!」
とこころの声が聞こえてきた
「はぁ?」
飛び抜けて間抜けな返事をしている
いや、そんなことしたくな...
「ほらっ、私に続いて!らーららららーーーー♪」
「.......」
続けない
私の口が動こうとしなかった
口だけでは無く足も動く気がしない
「らーららららーーーー♪クローも一緒にー歌おうー♪」
「ああっ、もう!歌うよ!」
もうこうなったらやけだ
どうにでもなれ!
「らー!ららららーーーー!あああ!!すっごく恥ずかしいなぁああこれ!!」
リズム感のない私の歌は本音が漏れたただの叫びとなった
それを聞いた花音は手を止めずに「ふふっ」と笑っていた
これと同じ経験をした花音も同じだったのだろう
これは本当に恥ずかしい
よく耐えれたな、花音
「うーん!クロの歌は面白いわねー!じゃあ今度は一緒に歌いましょー!
らーららららーーーー♪」
「らーららららーーーー」
一度吹っ切れると後はなすがままだった
それから5分くらいこの謎のデュエットが続いた
なんとも阿呆らしい
「とっても楽しかったわ!クロ!花音!」
「ふえぇ...つかれたぁ...」
「花音さん、お疲れ様です....」
ついに、日は沈んで暗くなっている
それなのにこの部屋はなんとなく明るい
その明るさは誰によって作られたのかは言わなくてもいいだろう
さっき、こころが私に歌を歌わせた
確信はないが、もしかしたらこころは私のことを止めてくれたのだろうか?
この場から逃げることを
現実から逃げることを
当事者から傍観者に逃げることを
本当に私は逃げることばかり考えている
何回逃げの選択肢を作ってしまうのか
その度に私は逃げようとしている
だけど、
変えたのはこころで
変わったのは私なのだ
傍観者から当事者になったのは私のせい
夢の私を現実の私に変えようとしているのも私
そこに必ずこころがいる
こころは本当に私のことを見てくれている
いつか、約束通りこころのことを見てあげたい
その為には今の私をもっといい方に変えていきたい
約束
今日出来たばかり
そして今、絶対に達成したいと決意した
花音とこころに別れてからの記憶はあまり残っていない
朝早くから家を出て、疲れていたのだろう
なにせ、泣いたり笑ったり歌ったり、小学生のようないろんな感情を1日で出していたのだから
私の大切な記憶はしっかりと胸に残っている
もしも、自分に引き継がれなくてもいい
だけど、絶対に忘れない
この夢を見続ける限り、クロはずっとこころを守る
そして夢が終わる
私は最後に
スネア
バス
トム
ハイハット
と、今日学んだことを思い返した
意識が遠のくにつれ、言葉よりも印象が強くなっていった
スネーク......バス......トムとジェリー......ハイハット.......
そして、また新しい朝がきた
投稿遅くなってすいませんでした!!
弁解させていただくと、平昌オリンピックを毎日見ていたからでして...(自業自得)
日本のメダル数が過去最高と本当に見ていて楽しかったオリンピックでした!
...話を戻しまして、今回は花音ちゃんにようやくドラムを教えてもらいましたね!
花音ちゃんにドラムを教わって見たいです...
そしてこころとデュエットしたいです!
バンドリはPastel* Palettesイベが終わって日菜ちゃん可愛すぎて死ねそうです...
ああっ...儚い...(次イベの薫さんも楽しみです!)
そして、お気に入り登録していただいた
「椿姫様」
「マルク マーク様」
「スカイイグール様」
「山橋黒豆様」
「kurisava様」
評価していただいた
「椿姫様」
「マルク マーク様」
感想をいただいた
「椿姫様」
この小説も遂に20話になりました!
まだまだ話の進み方と投稿ペースが亀のように遅いですけど...
この小説書いてから、多くの方々に読んでもらって感想や評価、お気に入り登録など本当に感謝しきれないほど嬉しいです!
これからも頑張っていきますので応援よろしくお願いします!
それでは次の話も楽しみに待っててください!