記憶の片隅にある天国   作:パフさん♪

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前回はドラムの基本を教えてもらったところまでした

さぁ、今日は登場人物が増えます!

では第21話始めます


夢と現実の少女
第21話 共通の人物


今日は少し瞼が重かった

 

昨日...というか、夢の中だから深夜といったほうが正しいのだろう

自分の記憶ではドラムを教えてもらったことを思い出せた

夢で学んだ知識は、今までに経験したことがないくらいにとても新鮮だった

 

それと同じく、楽器の知識など一度も覚える気にはならなかった

何故なら、一人で出来る遊びではなかったからだ

一人で家にいる長い時間の中で、楽器を買うのを頼むわけにもいかず、買ったとしても一人で演奏するのは寂しさを増長させてしまう

 

でも、もうそれは過去の話

今はこうやって花音に教えてもらっている

 

みんなのためになりたいから

こころのためになりたいから

じぶんのためになりたいから

そして、自分を変える為に

 

いろんな理由が自分のやる気を上げ、そして必死に行動に移す

普段の自分はやらないことだからこそ夢の中で学んだことに相当頭を使ったようだ

 

 

外は朝5時、徐々に黒い世界が灰色に変わる頃

もうすぐ5月だというのに中々日の出が早くならない

そして低気圧が原因か、それとも学んだことが原因か

少し頭が痛い

 

起きた時間が早いので後もう一眠りはできそうだ

しかし、自分の頭の中では何かモヤモヤするものに引っかかっていた

 

(.....スネーク......バス......トムとジェリー......ハイハット....?????)

 

記憶の断片が私に睡魔を与えなかった

頭に浮かぶ言葉の意味が全く分からない

それどころか、これが何のことだったのかも全く分からない

 

自分の記憶は特に無駄なところにしか残らないようだ

そのいらない記憶の前後をもう一度夢で確認したいくらいだ

 

瞼を閉じても繰り返される暗号文が邪魔をして

気がつくともう登校時間ギリギリになっていた

 

 

 

 

 

授業の内容は今日も頭に入らない

ここに来て本格的に頭が痛くなって来た

放課後まで2時限分残っている

1秒が20分くらいにも感じる

長く苦しくきつい闘い

それを耐え切れろうと努力はした

 

だけど、努力は水泡に帰し自分は重力に従ったまま机に突っ伏した

 

そこから先の記憶は残っていない

多分、気絶したのだろう

 

 

 

 

 

 

「........大丈夫ですか...?」

 

微かに聞こえた声で自分に意識が戻る感覚がした

 

「うっ....うーん....?」

 

間抜けな声を出しながら、目を開けた

声がした方向に顔を向けようとしたが、その姿が見えない

姿だけではなく橙色以外の色覚を感じない

 

「...うわっ?まぶしぃ....」

 

声の主の方向は窓があり、窓から入る夕焼けの日の光が目を焼き付けるように私を歓迎した

まだ機能しない頭は、目に直接太陽光を浴びることを危険だと判断していないのか、自分の声はさっきと同じように間抜けな声でまだ眠たそうにしていた

 

「あっ...!ごめんね、今カーテン閉めるから」

 

その声の主はそういうとすぐに両脇からカーテンを急いで締めた

急に暗くなったような感覚に陥った自分の目は、次に白い世界で塗り潰されていた

 

 

「...あなたは?.......誰...?」

 

見えないその人に向かって言った

自分の中では目が見えない一大事よりも、目の前で声をかけてくれた数少ないその人物の方が気になっていた

その現れか、いつしか机から頭をあげていた

 

「...相当寝惚けているんだね...私は...」

 

その言葉と同時に、漸く明順応をした瞳がその人の顔の輪郭を捉え、そして顔全体が見えてきていた

その顔は無意識のうちに毎日見ている顔だった

それに、その顔を見た記憶の中で1番新しいのは何故か昨日の夢の中であった

 

 

「私は、君の隣の席に座ってる 喜多見 良子 (きたみ りょうこ)。あれ?自己紹介初めてだったけ?」

 

「......ん...?」

 

彼女の顔を見てから自分の中でいくつかの記憶を巻き戻した

彼女に会ったという記憶を探し出す為に

そしてそのことに意識を向けていたことによって、またしても間抜け声を出していた

 

 

「...そろそろ、起きないと教室閉めるよ?もう最終下校の時間だからね?ずっとそこで寝ていてよく先生に怒られなかったよね...。まぁ、私たちの席は1番後ろだから見えにくいんだろうけど」

 

彼女の声は自分の返答に呆れたのか、はたまた眼中になかったのか、すぐに話を続けていた

自分はその話の内容は理解しようとしていない

そんなことよりもこの声も知っている

確か...昨日...教室で...話し.....!!!

 

 

「じゃあ、先に帰r「ああっ!!!!」

 

さっきまでの自分の倒れっぷりが嘘のように飛び起きた

それはもう椅子が倒れ、すごい音がしたくらいに

それに負けないくらい、自分の大きな声も響き渡った

 

 

「!?び、びっくりさせないで!?どうしたの!?」

 

「あっいや、なんでもない...」

 

思い出した

夢の中で、こころが学校に来た時に私が先生に呼び出された時に、私に言ってきたクラスメイトであることを

 

歯に詰まった肉が取れたようにとても開放的で清々しい気持ちだった

普段の自分ならここでいつものように恥ずかしがるところだが、今はそんなことを思うことはなかった

 

 

「そう、なら良かった。あっ、そういえば。君、最近音楽室に顔出してるよね?」

 

「......!?なんでそのこと知ってるんですか!?」

 

予想外の一言が放たれた

さっきまでの清々しい気持ちが少しの妙な間と共に消え失せ、だんだんと驚きと恥ずかしさが入り混じる

自分の声は誰もが分かるかのような相当の慌てた声を発している

 

 

「だって、私吹奏楽部だし。ごめん、昨日顧問と話している君を見かけたから...顧問から聞いたんだ」

 

「えっ...あの...その...」

 

全然内容が入ってこない

自分の目は四方八方に泳いでいて

私の両手は忙しなく動き続けている

動揺が自分の身体中から滲み出ている

言葉を話そうにも口もうまく動かない

 

 

「君、凄いね!あのドラム一人で直そうとしてるの!?私、君のこと見直したよ!だから、私も手伝うね!」

 

「.......えっ......?」

 

「だって、私も聞いてみたい!君の奏でるドラムを、君の奏でる音を、君の奏でる音楽を!」

 

(あれ...?自分...褒められてる...?)

 

「だから、一緒に頑張ろう!ねっ!」

 

ギュッ...

 

「ひゅふぁっ!?」

 

気がつくと自分は手を彼女に握られてしまっていた

そのことに驚いた私の声は本当に情けない

「ひゅふぁっ!?」とか言う男子高校生って居るんですか?

しかも、女子に手を握られるだけでこんな変な声は出ないだろう...

 

とか、なんとか考えて居ると恥ずかしさよりもだんだんと嬉しさが込み上げてくる

 

そう、彼女は自分の陰の活動を見つけた人

そして、その活動に笑いもせず、罵ることもせず、素直に自分の事を凄いと言って褒めてくれた

 

自分にとって人生経験したことのない

自分を認めてくれた初めての人

 

もしかしたら、私は涙腺が弱いのかもしれない

また泣きそうになる

夢と現実での涙の意味は似ている

 

私の事を見てあげると言ったこころ

自分を認めてくれた彼女

 

そしてもう一つの共通点は

 

こころと彼女はとても温かく包み込んでくれる笑顔を持っている

 

自分は必死に涙を堪えながら潤んだ瞳を彼女の顔から離さない

離したくない

だって、笑顔という宝物をこの目で焼き付けておきたかったから

 

 

「ありがとうございます!喜多見さん、これからよろしくお願いします!」

 

「こちらこそ、よろしく!」

 

二人の耳には最終下校のチャイムが聞こえず、お互いにしっかりと握手をしていた

そして彼女と同じように私も笑顔になっていった

 

 

 

 

 

今日あったことは今後一生忘れることが出来ないであろう

そんな事を思いながら私は布団を被って寝る前の暇な時間を費やしていた

 

あの後、彼女から一つの本を貸してくれた

『はじめてのドラム 入門編』

今、その本は私の枕元に置いてある

 

帰り道に、本を手に取り軽く読んでいると朝のモヤモヤが解決した

 

「スネア、バス、トム、ハイハット」

 

私の記憶の断片に残る邪魔な存在が重要な知識であることに気づいたのだ

 

そしてもう一つ、彼女にこう言われた

 

 

「あっ、名前で呼んでいいよ?もう一度私の名前言うね。私は喜多見 良子。良子でいいよ」

 

「じゃあ、良子さんでいいですか?自分の名前は....」

 

やっぱり下の名前を呼び捨てにするのは自分にはまだ照れ臭いようだ

唯一呼び捨てにしている「こころ」は特別だ

だけど、良子さんもこころと同じく大切な存在だ

もちろん、花音、美咲、薫、はぐみもだ

 

まだ、こころと花音以外の3人のバンドメンバーとはそこまで絡んではいないが、自分が全員を呼び捨てにする時が来るのであろうか?

 

そう言う関係にするかしないかは全部私と自分の頑張り次第である

 

 

 

今日は体調が悪かったのもあって、まだ21時だと言うのに眠い

自分はドラムの本を閉じることなくそのまま睡魔に襲われた

 

「......良子さん...ありがとう....」

 

今日最後に呟いた言葉は誰にも届かないが自分自身には届いた

 

「世界を笑顔に」するという達成感

「世界を笑顔に」する喜び

今日だけで色々な嬉しさを感じることができた

 

それは自分の頑張りが評価されたから

もしも、私がいろんな人を助けようと、笑顔にしようとしたら、みんな良子さんと同じように評価してくれるのだろうか?

 

いや、絶対に見てくれている

誰からも見られていないと言うことは絶対にない

良いことをしていると自然に仲間ができる

 

今日は小さい時に失くしてしまった大切な事を思い返えした

 

 

 

(さぁて、頑張るか!花音さんにドラムを教えてもらって、そして良子さんと二人で先生を喜ばせるんだ!)

 

私の思いに一つの強い紐で結ぶ

「仲間」という言葉で

私の思いが強くなっていく

 

その気持ちが現れるかのように今日の私はいつも以上に気合を入れて夢に向かう

 

 

 

夢と現実の狭間で思いを結びつけた

 




投稿の間が空いちゃって申し訳ございませんでした!
まぁ軽く言うとサボってました...
(いや!?水曜どうでしょうが面白かったとかそういう理y(ry)

まず最初に今回から出てきた新たな登場人物紹介します


喜多見 良子 (きたみ りょうこ)

クロと同じクラスの高校1年生
吹奏楽部に入部している
クロとは隣の席
クロを音楽室での頑張りを見てから、クロのことを協力する
(喜多見は世田谷区の地名です)

こんな感じです。(全く決まってない)
ちなみに前回の話で軽くは出ています
(主人公クロの名前は作ってないです)


バンドリではもうすぐ1周年ですね!
そして今回のドリフェスガチャは花音ちゃんですよ!
当てたい!(まぁ、10連ガチャ一回目は惨敗しましたけど)
それに!ハレ晴レユカイ追加ですよ!
しかも、vocalがこころ×蘭×彩ですよ!?
もう運営大好き!


そして、今回もお気に入り登録していただきました

「コーヒー豆様」

いつも皆さんありがとうございます!




最後に、なんと!
「山橋黒豆様」の
『アルバイトだらけの生活にも、癒しはあって然るべき。』にて、
「クロ」を出させていただきました!!

モブキャラですが、クロのフルネームを考えていただいて「鹿島 黒斗(かしま くろと)」という素敵な名前をいただきました!
この小説とは違ってとても明るい関西人なので必見ですよ!!(番宣)

改めて、「山橋黒豆様」誠にありがとうございます!


それでは次の話も楽しみに待っててください!
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