さて、今回はその2日後の学校での出来事です
では第28話始めます
自分は気がつくといつもの服装になっていた
私の服装は二種類しかない
一つは制服、もう一つは寝間着だ
それ以外の服装は滅多なことがないと使わない
その滅多なことが土曜日だった
今思い返しても、本当に忘れられない記憶となっている
自分から進んで行った音楽店
そして、思わぬ伏兵
なんというかこれが自分に起きたなんて、金曜日の自分に言っても信じられないことだろう
そして土曜日がプラスだった分、普段の何もしない0の日曜日なんて記憶になかった
昨日のことのはずなのに、一つしか思い出せなかった
その思い出せた物だけが、自分が残した日曜日の分身だ
この制服を着始めて、早1ヶ月
慣れというものは恐ろしく早く進行している
この制服を着て、通学する
その一連の動作が、もうなんの不自由もなく行われる
それは日曜日と同等レベルの扱いになっていた
自分の記憶は、学校に着いて人の声を聞いたところから蘇った
「おはよう」
案の定、隣の席からだ
自分は軽く頭を下げる程度で、声を出さずボーと黒板を眺めていた
喜多見良子ならこういう態度をとっていても、対応がなんとなくわかっていたからだ
「一昨日買ったドラムスティック、ちゃんと持ってきた?」
やっぱり
喜多見良子を自分の視界の中に入れてから、まだ1週間も経ってないはずなのだが、何故か行動がほんのりと読めてしまう
その原因は、多分喜多見良子を二倍の時間見ているからだと思う
現実と夢、お互いに自分に干渉して来る人物がいる
その二つの波が似ているからだ
自分はまたまた何も言わず、首をさっきより大きく振った
鞄の中に入っているのだが、取り出すのが億劫だ
もういっそのこと、自分の鞄の中から勝手に取ってくれても構わない
まぁ、流石にそんなk...
「あっ本当だ!ちゃんとスティック入ってる!」
前言撤回
まさか鞄を開けずに、鞄の上から触ってスティックがあるのを探すとは思わなかった
その行動は予測できない
それは流石に一般的な行動ではないはずだ
その一連の行動に、自分は思わず視線を移さざるを得なかった
視線の先には、摩訶不思議な行動と眩しい笑顔
この人の身体と頭は、本当に同じ生き物でできているのかと、失礼ながらに思ってしまった
このままだといけないと本能的に察し、何か言わないといけない気がして自分の口から音を出した
「ちょっと、良子さん!一体、なにやったんですか!?」
素の自分というか、平然を纏えてない自分はこんなにも語彙力がなくなってしまうのだ
というよりも、そんな時が来ることが今までなかったので、対処法を知らないと言った方が正解か
そんな自分は喜多見良子にどう見えたのかわからないが、自分の顔が今どうなってるか知りたい
その顔がどういう効果をもたらすのかを、記録したい
その願いはすぐに叶った
自分の声を聞いた喜多見良子は笑顔からとぼけたような顔でこう言い放った
「だって、なんも言ってくれなかったら勝手に探してもいいっていう意味でしょ?」
本当にこの人は高校生なのか疑うような発言
常識がないというか...遠慮しないというか...
正直、自分の苦手なタイプだ
人の事情にずけずけと入ってきて、勝手に行動を起こされる
他人だという事を頭の中に入れてない、そんな奴が嫌いだ
この人も同じだと思うと、虫酸が走るような思いになる...とはいかなかった
何故か、自分はこの人に嫌な思いを沸かせられなかった
最初に話しかけられた時は、関わらないでほしいと思ったはずなのに、どうしてだろう?
...答えはいつか出そうと思う
「いや...でも...、そんな急に...流石に...ダメですよ...」
なんでこんなにも弱々しく話してるんだ
何かに怒られたわけでもないし、恥ずかしい思いをされたわけでもないのに
勝手に鞄から探してもいいと思ったはずなのに
それに近い行動だったはずなのに
どうしてこんなにも言葉に詰まるんだ
「あーごめんね?私はちょっと確認できれば良かっただけだから。じゃあ、また放課後に音楽室でね!」
と喜多見良子は言って、そのまま隣の席に座った
彼女からしたら、これが普通なのか悠々と教科書を机の中にしまっていた
そんな喜多見良子を、自分の眼が自然と捉えていく
こういう時の自分の顔も、想像がつかない
他人をこんなにも自然と見入っていることがまずおかしいのだ
...このままいろんな事を考えすぎるのは良くないと感じる
ドツボにハマってまた無駄な時間を使いたくない
そう考えた自分は、顔を水平に戻した
その時、自分の眼は別の光景を捉えていた
顔も名前も覚えていない、最後列のクラスメイトが自分を不思議そうに見ていたのだ
そんな事を想像だにできなかった自分の今の顔はヤバイ
ヤバイ以外の感情が出ないくらい、心の中ではテンパっていた
内心錯乱状態の顔を出さないように、顔の筋肉を強張らせながらもう一度正面を向いた
もし正面の黒板が鏡だったとしたら、机に突っ伏していただろう
それほど、今の自分は自分を見たくないのだ
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終業のチャイムが鳴った
自分にとっては、ようやく流れた解放の時
自分の学校の時間はここから始まる
ガヤガヤしている生徒を尻目に、自分は一人だけは山の如く、黙って座っている
人それぞれこれからの用事は異なる
部活に行くため遅れないように急ぐ者
提出物を出す為に職員室に直行する者
何をするのかわからないが速攻で家に帰ろうとする者
この中に自分は含まれない
自分は、夢を始める者
それを実行するまでの時間が余っている、その時間をゆっくりしているだけなのだ
今日は、吹奏楽部が音楽室を使っているので、すぐに音楽室に入れない
喜多見良子もこれから音楽室に向かうのだが、自分とは同じ道を歩かない
お互いに同じ目標でも、過程は違っていい
最後に、出逢えればいいだけなのだから
西日が自分の顔を赤く染めていく
この喧騒が去った後の教室は、より一層の静けさを引き立たせる
この空間が、自分のお気に入りだ
この世界に自分以外の邪魔が入らない
自分を飾る感情を見にくいものに変えてくれる
まるでここは白一色だけの何もないキャンパスのように、ただただ透き通った色になれるのだ
しかし、その考え方が急に変化し始めた
このキャンパスに他の色が書き込まれ始めたのだ
何本かの線は枝分かれしてこのキャンパスを掻き分けていく
色はどれも個性的で、十人十色
ある色には、見るだけで癒され、
他のある色には、尊敬する気持ちが湧き出た
こうやって、自分を染める存在が太陽以外にあるなんて、昔の自分は気にしないようにしていた
今朝のやりとりでも、その癖が顕著に出ていた
誰かに気に留めてくれるくらいなら、自分一人がそう感じさせないようにすればいいと
だが、ある色は私に
「××、あたしは××のこともっと知りたいわ。
あなたが好きなもの、嫌いなもの。嬉しかったこと、悲しかったこと。
そしたら、あたしが××のこともっと楽しい思い出を作ってあげる!
あなたの笑顔は素敵だわ!
あたしも笑顔にしてくれるわ!
だから××?
あたしのことも見て?」
と言って、
また、ある色は
「××さん、私達は友達です!」
と、
自分に対しても、
「だって、私も聞いてみたい!君の奏でるドラムを、君の奏でる音を、君の奏でる音楽を!」
私をこんな世界ではない、色のある世界へと連れて行ってくれる
自分をこんな世界ではない、色のある世界を作っている
二つとも自分達にとって大切なのだ
そんな事を考えながら、自分は鞄の中からドラムスティックを取り出した
まだ何も知らないただの棒に、自分の魂を分け与えて生まれ変わらせたいという願いを込めて、自分は強くドラムスティックを抱え込んだ
よし!2月中に投稿できたぞ!(ギリギリ)
本当は放課後シーンまで書きたかったんですけど長くなりそうだったので切りました!
因みに、途中の色の台詞は
「××、あたしは××のこともっと知りたいわ〜」が、第19話のこころの台詞
「××さん、私達は友達です!」が、第25話の花音の台詞
「だって、私も聞いてみたい!君の奏でるドラムを、君の奏でる音を、君の奏でる音楽を!」が、第21話の喜多見良子の台詞です!
その辺りを読み直すといいかも?
だんだんと主人公の気持ちが変化していくのを書くのは難しいですね...
ブランクがあるせいでどこまで書いたかわからないのもありますけど...
でも、書いてる時は楽しいのでこれからもどんどん書いていきます!
バンドリは昨日(2020/2/27)までの花音ちゃんイベ頑張りました!
結果は3023位でした!
目標の5000位以内に行けたので私は満足です!
最後にこの小説をお気に入り登録していただいた
「ひとりのリク 様」
「雪月楓 様」
「アデリーペンギン 様」
そして、評価していただいた
「ひとりのリク 様」
本当にありがとうございます!!
私のモチベがドンドン上がっています!!
この前、ツイキャスで小説執筆しているときにいろんな方から私の小説の感想をいただきました!
めちゃくちゃ褒められて顔を真っ赤にしながら聴いてましたw
感想を書いてくださったらすぐに返信させていただきますので、ドシドシ書いてくださいお願いします!
それでは次の話もお楽しみに待ってください!