記憶の片隅にある天国   作:パフさん♪

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第3話では「夢」から「現実」に戻ってきて共有点を見つけたところまでです

今回はハロハピ出るよ!そろそろメンバー全員が出てくるかも...?

では4話始めます!


第4話 夢のような再会

目を覚ますとそこは綺麗に整頓された部屋だった、私は眠気まなこで周りを見ていく...制服...寝巻き...あっ...!

 

そこには昨日「現実」で買った日めくりカレンダーがかかっていたそして日にち観ると「現実」で寝た日の次の日になっていた

 

(またこの世界に来られたんだ...‼︎)

 

そう思うとおもむろに身体中から血潮が流れ出すのを感じて突如として起き上がりそのままリビングに行く

 

コーヒーのいい匂いが漂っているリビングでは、父さんが朝刊を読みながら朝食を食べていた

父さんは私を見ると

「おっ!今日は寝坊助じゃないな!どうしたんだ?なんか今日は予定があるのか!?」

とにこやかな顔で質問をしてきた

 

(懐かしい...父さんはよくこの顔をしてたな...)

 

そう思うと私は「いいや?何にもない」と簡潔に答えた

父さんは「そっか」といってまた新聞を読み始めた

私は「母さんは?」と言った、この台詞は今まで言ったことがない、それはまだ喋られない時に母さんは無くなってしまったからだ

父さんは「町内会の集まりで会計のお仕事しに行ったぞ?」と返す

私はまた「そっか」と返した

 

母さんは数学が得意でよく会計のお仕事をしていたという、中学 高校 会社で一度は会計職をこなしており、父さんとは会社の役員会議の時に出会ったってお酒を呑んで上機嫌だった父さんの言葉を思い出した

 

ただ、母さんはしっかりと家事をこなしており 洗濯 掃除 食事 ゴミ出し 全てを終わらせて仕事に行ってるところを見ると、まだ朝早いのに母さんはもっと早朝から起きて全部してくれていると思い、何故か申し訳ない気持ちになってしまった

 

「さてと、父さんも行ってくるよ」

と聴こえて私は父さんを見た

休日なのにスーツを着こなして鞄が横に置かれていた

 

私は「どっか行くの?」と聞くと

父さんは「...出張」と少し溜息を吐きながら応えた

 

父さんは根っからの転勤族で、年間10回ほどの海外出張に15回程度の国内出張と世界を股にかけて会社のために頑張っている

なので、家に居られる時間は1ヶ月でも4日程度と少なくあまり家族のことを見れてないのが父さんの一つの悩みだった、ただ小さかった私はそんなこと知る由もなかった

 

父さんが靴を履き始めた時、私は変な胸騒ぎを覚えた

それは父さんが電車に撥ねられた日その日も出張の行きだった

そこで老人を助けるために犠せ.....

 

(ダメだ...思い出すな...思い出すな...思い出すな思い出すな思い出すなぁ思...)

 

暗い過去があって一人になった時のトラウマが脳裏を駆け巡る

そしていつしかそれは内心だけではなく身体にも現れ始めた

 

息が荒くなり始める

汗が大量に噴出する

足が震え始める

歯がガタガタと揺れ始める

寒気、吐き気がする

 

色々なことに押しつぶされそうになった時、咄嗟に父さんの背中に手を置いた

誰かの体温を感じることが大切だとそういう情報知っている

昔からトラウマが蘇った時、私は布団にくるまりずっと震え続けて居た、近くには熱を感じる物はなくただただその感情を無理矢理無かったことにしようとずっと逃げ続けて居た

だが、今は父さんがいた、だから勝手に手がそうしてしまった

 

「どうした?父さんが居なくなるのが寂しいのか〜?高校生でもやっぱ子供は親に甘えてくるものなんだな〜?」

 

と少しわざとらしく笑っている父さんが振り向いて来た

私はそこで「た...す...た.........け」と声にならない唸り声が出ていた

ただその声はあまりにも小さく誰にも届かない声であった

 

(父さんを出張前に心配させたらダメだ)

 

そう自分に勇気付けて奮い立たせて全ての感覚をなくし

私は少しだけ顔が引きつった作り笑いをした

 

「ププッお前いい笑顔してお見送りとはやっぱ大人になったんだな...」

 

そう父さんが言うと「行ってきます〜」と言って出張に行った

私はドアが閉まるの当時に身体中の力が一気に抜け落ちてスライムのようにヘナヘナと玄関口で蹲ってしまった

 

漸く身体を動かせるようになった時、私はさっき言った父さんの言葉を思い出した

 

「お前いい『笑顔』してるな」

(笑顔か...そういえば何年振りだったか...)

 

作り笑いだったが『笑顔』に変わりはない

普段の私ほぼ無表情で生活をしており

喜怒哀楽はほぼ出さなかった、その中でも「喜び」の感情は全くと言っていいほどだしていなかったのだ

 

「笑顔か...」

思ったことを口に出すとその言葉は何かの魔法にかかったかの様に固く閉ざされていた感情が、今少しだけ開いたと言う感覚に浸っていた

 

(最後に笑ったのは、父さんの出棺の時に大丈夫だよっていうのを伝えたくて笑ったんだっけな...)

 

そう昔話を思い出すと少し血が口に登ってくる感覚に見舞われてそこで考えるのをやめた

 

 

夕方過ぎになって私は商店街の方へ歩いていた、母さんにおつかいを頼まれたからである

 

父さんが行った後、私はソファーの上で昼間までグッタリしており母さんが帰ってきた午後3時過ぎくらいまで何もせずにただ、ボーっとする時間を過ごしていた

 

母さんは買い物から帰宅してきた

母さんが買ったものを冷蔵庫に直している

そこで母さんはあることをやらかしたことに気づいた

 

「あっ!?いくつかの商品買うの忘れた!?今から行ったらご飯作れないし....」

 

ほんとドジである、買い物行って買うもの忘れるのは何しに行ったのかそこを問いただしたくなったが堪えた

あまり母さんを怒らせるようなことをしたく無かったからだ

そして、

 

「ちょっと?お使い頼んでいい?買うものはここのメモに書いといたからよろしくね?」

 

と母さんが言った、断る時間をも与えないように母さんは料理を準備し始めた

 

「はぁっ...」っと少し溜息を吐きながら私はメモとエコバックを持って買い物に出かけた

 

 

で今に至る

ただメモを見るとどう考えてもおかしい買い物リストだった

 

「えっとー....玉ねぎ...にんじん...トイレットペーパー...フォアグラ...キャビア...ん!?」

 

なぜか世界三大珍味が入っていた

こんなものどこに売ってるんだよって内心思いつつスーパーを探す

...あるわけない...そう思ってメモの裏を見ると

「世界三大珍味とか買うんじゃないわよ!?家計が火の車になるから!絶対にだぞ!?」

と注意書きがあった

 

(なんでこんなの仕込んでるんだよ...)

と内心見下すような態度で少しだけ面白いと思った

これを見て怒りという感情はでなかった

それは母さんに買い物を頼まれたのは生まれて初めてだからだ

 

スーパーでのある程度の食材を買って最後に書かれてる項目を見る

 

「...北沢精肉店....?のコロッケ...?」

知らねーよ!と自分の中でツッコミを入れた

商店街にいる人に話をかけるのは苦手な私はどうにか見つける為に歩き回った

そこで聞いたことある声が私の耳に入った

 

 

「すーっごく楽しかったわ!花音、ありがとう!あなたのドラムのおかげだよ!」

「あっ......わたし.......」

 

その声はこの前の駅前で曲を披露してた二人だった

確か...名前は....つ、つる....そう!「弦巻こころ」!

思い出した!

その名前を思い出すとこの前見れなかった容姿をみた

 

金髪でロングヘアーの女の子

声はすごく元気っ子って言う感じだったけど、容姿はお嬢様みたいな人

建前なしで可愛いと思った

ただ私は苦手なタイプだ

経験上、キラキラしている女子は大抵人のことを馬鹿にしてきた奴らだ

私のことをいじめて来てそれを楽しむような悪女...

そう言うイメージだった

 

ただ、こころは違う

隣いる水色の髪のサイドテールの女の子の態度で大体察せた

その子の名前は「花音」さっきこころが言ってたし

 

予め言っておくが、人の顔を見て感情を読み取れる能力は、昔の状況下では仕方のないことだったから好きでこれを取得したわけではない

 

花音の苗字はわからないがこころと話している時、彼女は楽しそうな顔をしている

どちらも同い年に見えるからクラスメイトとかかな?と思うけど花音は敬語使ってるしなぁ...

 

と無駄な考えを回していると思いっきり走ってくる女の子が近づいてくることに気づかなかった

 

「も〜〜? あかりーー!どこに行っちゃったの?」

 

そう聞こえてきたので避けようとしたがもう遅かった

走って来た女の子が急ブレーキしてくれたから助かったけど危うく二人と転びそうになったのだ

 

「って、わっ! ごめん、ぶつかりそうになっちゃったっ」

と言ってきたので

 

「大丈夫...」

と返した

 

そしてその女の子は急にこんなことを言い始めた

「ふーっ。よかったー。 って、そーだ!そこの角の店。北沢精肉店のコロッケ!!テレビにも出る有名店だよ!お土産にいかかがですかっ!」

 

(ん!?この子宣伝してきたぞ!?)

「いや、今買い物中なんで...」

 

と言って断ってこの場を去ろうとした時

 

「あ、そーなの?じゃあ終わったら、食べに来てね! あとこれくらいの小さい、ユニフォーム着た女の子見かけたら教えて!じゃあね!」

 

気がつくとまた走り去ってしまっていた

 

(なんだろう...あの元気印な子は...)

そう思っていると商店街に来ていた近所のおば...お姉さんたちが

 

「はぐみちゃんは相変わらずわよねー?

この商店街の元気印!」

 

ビクッと少し飛び上がったと思うくらい動揺しかけた

心を読まれるのは苦手なのでこのおねえさんは怖い人と一瞬身構えてしまったからだ

ただここで何か言わないと後が怖いので恐る恐る聞いてみた

 

「そこの......精肉店の子......?商店街に来るのは初めてで....」

 

すごく固い言い方になってしまった

それだけ内心ビビっていた

 

「いやぁこういう子が商店街にいるとみんな活気つくからいいわよねー!」

とお姉さんがいってきた

私はすぐにでも逃げたかったので逃げようとした瞬間

おねえさんが「ねっ♪」と威圧の込めた笑顔で私の背中を叩きつつ言った

 

私はその威圧に耐えきれず「...はい!!」と裏声で語尾が上がった言い方で返すしかなかった

 

 

さっきの子の名前は「はぐみ」北沢精肉店の娘さんって言うところか

だからフルネームは「北沢はぐみ」か...

オレンジ髪の短髪でボーイッシュな子だったなぁ...

ユニフォームって言ってたから体育会系の部活やってるのかな...だったら相当パワフルな子なんだなぁ...

 

と頭の中でさっきの会話を整理していくと遠くから

 

「うわっ!?ごめんーー」

 

とはぐみの声が聞こえて来た

(もしかして常習犯なんじゃ...)

そう思いまた歩き始めようとしたら

(待って!?さっきの子北沢精肉店の子だから店はこの角か!)

と思い出したのだ

 

 

そうして無事コロッケを買って商店街を抜けようとした

そこには二度見をしそうな光景があって思わず見直してしまった

 

この商店街の色に合っている(?)のピンク色のクマが立っていたのだ!?

 

なんだこのクマ!?

しかも動くし!?

しかも人間ぽい動きするぞ!?

イミガワカラナイ

 

と混乱していたがもう一度見たら後ろにファスナーがあるのが見えてホッとした

 

(なんだ...キグルミか....)

何故最初からそう思わなかったが馬鹿馬鹿しい...ただあのクマなんだろう?イベント用かな?

と3度見までしていることに気づくと早く帰らなきゃと止めた足を動き出した、ただその足はすぐ止まってしまった

 

「はぁっ......はぁっ......?」

 

その吐息の音にまた見てしまったこれで4度見...ただ止まったのには訳があって

 

「あっこの人ナンパされてたと勘違いした人だ」

 

と小声で言った

何故吐息だけで判断できたかわからないがなんとなくしか言い様がなかった

本当に吐息だけで誰かわかったらそれはストーカーみたいな変人じゃないか!

とツッコミをいれて辺りを見回すとこちらを犯人を見る様な目で見てくる警察の人がいたのですぐさま逃げた

 

 

 

家に着くと母は洗濯物を取り込む作業をしている

なので買って来たものを一個一個冷蔵庫に入れていった

 

最後に苦労したコロッケを入れて、冷蔵庫を閉めると急に睡魔に襲われ始めた

無理もない普段閉じこもりっぱなしの私がこんなにいろんな人に会ったんだから気疲れしてるんだなっと感じた時には少しずつ体に重りがつけられた様に重力に逆らえずにゆっくりとゆっくりと視界がぼやけてくる

 

(ああっ...コロッケ...たべ...た.......い....)

 

 

 

 

そうして自分は「夢」から覚めた

 

 

 

 




長く書きすぎた気がします...

今回ハロハピのメンバーとの再会シーンだけ書くつもりでしたが父親とのシーンを急に入れたくなったので少し長くなりました...

しかもハロハピのメンバーの内薫さんには会えてないし

ちなみにセリフはバンドリアプリのハロハピストーリーを参照しています(ほぼ丸パク(ry....

次回も楽しみに待ってください!

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