記憶の片隅にある天国   作:パフさん♪

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今回は他のメンバーがハロハピに加入するところまで書きたいと思います
(書けるかは未定)

では第6話始めます!



第6話 ひとりの笑顔

私は今家にいる

まだお昼過ぎなので今から羽丘女子学園に行っても演劇発表会までは時間がある

また学校に侵入をしてしまったらまた変出者呼ばわりされてしまう

私は変出者じゃないし警察沙汰は御免である

 

あともう一つ羽丘女子学園に行けない理由があった

それは場所がわからないからである

 

私は高校までの最短ルートと駅までの道のり、近くのスーパーまでの道順しか知らない

ここに引っ越してから約1ヶ月は経ったが私の脳内地図は殆ど白地図に近い状態だ

しかもこの辺りの地図は持っておらずほぼ八方塞がりな状態だった

 

とそこに母さんが帰ってきた

(ナイスタイミング!)と小さくガッツポーズをしながら母さんに羽丘女子学園の場所について聞いて見た

 

「羽丘女子学園?そういえばここからそう遠くない場所にあったよ?

てか、お主女子学園に何をしに行くつもりだ!?淫らな行為をする気か!?

母さんは許しませんよ!!」

 

何か勘違いをしている

そもそも友達もいないのに彼女なんて以ての外有り得ない

ましてそんな事の為に情報を聞き出してスパイのようなことはしたくない

 

「違うよ!今日羽丘学園で合同演劇発表会があるらしくて、それを見に行きたくて...」

 

少し落ち着かせる為ゆっくりと訳を言った

母さんは落ち着いてくれたみたいで「そうなのね」と返してきた

 

「そういえば今日だったのね、演劇なんて興味あったんだ?」

 

と母さんが尋ねてきた

演劇というよりは薫という女の子に興味があると言ったら絶対に勘違いされるので

「そうだよ」って適当に返した

 

そうして漸く母さんは手書きで羽丘女子学園に行くための地図を描いてくれた

ただ、母さんの地図は一筆書きのように簡潔すぎる地図を書いている

目印すら書かないそんな地図を見て羽丘女子学園につけるのか少々不安に駆られた

 

そろそろ放課後になるという時間帯を見計らって私は家を出た

「行ってらっしゃいと」にこやかな笑顔で言ってきた母さんの姿を見ていると、その言葉の意味が色々なものに聞こえてしまうのだった

 

 

結局母さんの手書きの地図は必要なかった

歩いていると薫のファンであろう女子生徒が雪崩れ込むようにある場所に集まっているのが見えた

そうして迷わずに羽丘女子学園についたのだ

 

普段は花咲川女子学園と同じ入学許可書が必要だが今日は演劇部の練習の為、一般開放されていた

 

私は校門をくぐり羽丘女子学園の警備員に軽く会釈をした

先程あった警備員への少しの恐怖がそうさせていた

今度は人混みの中、誰にも叱られることもなく合同演劇発表会の会場である

ホールに向かっていった

 

 

ホールの座席に座っているのは殆ど女子高生で男性の観客は両手で数えられる数ほどしかいなかった

その中でも男子高校生は私しかいなかった

 

 

そして間もなく合同演劇発表会が始まった

 

「ああ......風よ、吹け、頬を吹き破らんばかりにもっと吹け!吹き荒れるだけ、吹け!」

 

全くわからなかった...これが「リア王」の一文というのは演劇が終わった後、観客の知っている人が話しているのを聞いてからだ

これを聞いて私は「風の又三郎」を思い出した

 

(どっどど どどうど どどうど どどう

青いくるみも吹きとばせ...)

 

どう考えても西洋のお話なので合う訳がない

そして突然に隣にいた女子生徒が「薫さま......!...はあっ...」という艶かしい声共に倒れた

隣の女子生徒以外にも何人かがその甘い言葉に倒れている

倒れている人がいても続けているあたり演劇部のメンバーは慣れているのかどんどんと進めて行く

 

(薫はかっこいいなぁ...)

 

と男である私でもそう思うほどだ

紫色の髪にポニーテールで羽丘女子学園の制服を着ている「瀬田薫」はどこか生き生きと演技をしていた

これが本番の舞台であったら本格的な衣装に身を包んだ瀬田薫を見てみたいとお世辞抜きにそう思った

 

 

演劇会が終わり私はこころ達を探していた

そもそも薫の演劇が見たいが為に来たわけではなく、こころ達に話しかけるのが目的だ

うっかり本筋を外すところだった

 

演劇が始まる前に探せばいいと思っていたが、羽丘女子学園のホールは300人以上入る大きなホールで、その上女子生徒ばっかりの空間の中特定の生徒を探すのは竹藪から光る竹を探すのと同じくらい辛いと感じた

 

私はホールから大勢の人が出て来ているその出入り口に佇んでこころ達の特徴のある髪色を探していた

 

ただ殆どの観客が帰ったはずなのにこころ達が見当たらない

私は見落としていたのだとそう結論づけ会場を後にしようとした

 

そこで探していた人達ともう一人さっきまでの主役がいた

 

 

「かのシェイクスピア曰く、ーー行動は雄弁である......私は今まで、幾多のスカウトを受けてきた。けれど......ふふっ。君のような強引なお姫様は、初めてだ」

 

そこにいたのは瀬田薫だ

薫はこころの前に片膝を地面につき、こころに手を差し伸べていた

側から見たら完全に告白のシーンにしか見えない

薫が王子様、こころはお姫様といった感じか

やはりそう思っているのは私だけではなく、その状況を見ている花音がいた

 

花音は両手を頬に当て、目を見開き恥ずかしがっているように少し頬を赤らめている

この状況は花音でも予想外のことなんだろう驚きの顔にも見えた

 

「そう?バンドって、すっごく楽しいわよ!音楽っていろんな曲にあわせて、色んなことをするのよ。演技と似ていないかしら?」

 

間髪入れずにこころは重ねるように言った

 

「バンドをやれば、きっといろんな役ができると思うの!あなたがこのバンドで、どんな役をするのか、考えてみて!とってもワクワクしないっ?」

 

本当に強引な勧誘活動だ

ただ的を得ている

その言葉を聞いて薫も満更ではなさそうな顔をしている

少々無言な時間が続いた

その間に薫は考えをまとめたようだ

 

「......なるほど、私が必要なのはそういうことか......可憐な君たちを守る王子であり、そして......この世界を彩る役者がほしいということか、ーーわかった、入ろう」

 

普通はこんな強引な勧誘をすぐに受ける人はいないだろう

こんな勧誘だと裏があるんじゃないかと身構えてしまうものだ

薫はその辺に疎いのか大胆なのかただの馬鹿なのかもしれない

そのことが少し口から漏れそうになったので咄嗟に口を押さえた、流石にこのことを聞かれると怒られるかもしれない

 

「ありがとう!!すごく嬉しいわ!」

 

こころは満面の笑顔で言った

私はその姿をみてドキッてしてしまった

何故こうなったのかわからない

恋をしてしまったのかもしれない

曇りなきその笑顔に

何かを包み込むようなその笑顔に

 

そしてただその笑顔は美しく綺麗だった

 

そこから薫とこころのよくわからない話になっていた

花音はその輪の中に入れないのかおどおどしてその様子を眺める事しか出来ないようだ

 

そしてやっとわかる話があったのか花音が口を開いた

 

「バンドにはあと、ベースが必要ですよっ〜」

 

その言葉にキョトンとした様子で

 

「「え?そうなの(か)?」」

とこころと薫が同時にハモった

 

ということは薫はギターだな...

昔はバンドについて良くわからなかったが音楽の教科書を読んでる際一通り読んだのだ

 

この構成を見るに

こころはボーカル

花音はドラム

薫はギターという感じかな?

 

そう思っているうちに遠目から見ていたのはずなのだが少しずつ体が3人の方に近づいていたことに気付かなかった

 

ただ気づかなかったのは私だけで他の3人には気付かれてしまったようだ

 

「おや、君?私に何か用かな?」

「何かようかしら?もしかしてバンドのベースをやってくれるとかかしら?」

「な、何かようですか......?」

 

皆口々に私に尋ねてくる

こころ達から話しかけられるのは嬉しいことだが今はそれどころではなかった

まずはこの状況をどうにかしたい、あと私はベースなんて弾けない

そう本当のことを言うとしたがうまく口が動けず

「あ....あ....の...わ...し...ベー...ス...ひけ...な...」

 

私の中ではしっかりと口を動かしたはずだが全ての言葉に意味がない発音にしか聞こえない

それを見ていた3人は皆違った

 

近寄って手を差し伸べ用とするこころ

なぜか目を瞑って謝りの言葉をいう薫

私以上に慌ててパニックに陥ってる花音

 

全部私のせいなのに...みんなのせいじゃないのに...

そう心中で思っていると私の中に眠るパンドラの箱が開くような感覚に苛まれた

そのパンドラの箱が開くともう戻れなく...

 

そう思った私は急に「うわぁああああああああ!!!!!!」と突如にして叫んでしまった

そして、その場で座り込んでしまった

 

体が震える

急に風が吹いてくる

体温が冷える

息が苦しい

 

いつのまにか過呼吸状態になっている私をどうにか抑えようとするがもう遅い

その場でもう動けなくなってその場に突っ伏してしまった

 

 

そこからの記憶はない、そして気づいた時には、自分がいた

 

 

「夢」の世界で何かを得て、何かを失ってしまった

失ってしまったのはわからない

 

 

 

ただ、あの「笑顔」は私の脳裏を焼き付けて2度取れなくなってしまった

 

 




やっと薫さんが加入のところまでかけました
(本当はこの話までにはぐみちゃんが加入するまで書きたかったのですが...)

そして今度は全員揃うところまで書きます!(何が何でも)


これから先の主人公の変化を予想しながら楽しみに待ってください
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