記憶の片隅にある天国   作:パフさん♪

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タイトルの通りメンバーが全員揃うところまで書く予定です

やっとここまでの序章が終わりそうです

では第7話始めます



第7話 バンド結成

「うわぁあああ!!!」

 

そう自分は声を上げてしまった

何もない暗闇に支配された部屋で

無が支配していた空間で

自分の悲鳴だけが木霊していた

 

今は何時だろう?少なくなくてもまだ朝ではない、こんな時間に奇声をあげても誰も来るわけがない

来たとしてもそれは家族ではなく隣人が苦情に来るだけで助けに来るわけではない

 

「はぁ...はぁっ...っ...」

過呼吸気味だった呼吸が少しづつ治まって、自分の今の状態が整理できるようになって来た

そうして私が目覚めた第一声が

 

「夢か...」

 

当たり前な事だった、こころ達がいるのは「夢」だけで「現実」には会った事はない

そもそも現実に駅前に行ったり女子校に行くことなんてありえない

私自身から出会いをしていないのだ

 

5分くらいが経ったのかそれとも1時間以上経ったのか自分の頭では考えられないほど気が滅入り、自分の少しづつ整っていく呼吸の音だけをずっと聞いていた

 

呼吸の速さ

身体の熱さ

発汗による嫌な着心地

熱いはずなのに身体の震え

 

何もかもが嫌でただそれらから避けることができない感覚、環境から自分はまた疲れが出て来ている

 

 

今日2度目の睡眠は意識の糸が急に切れたのかのように一瞬で気がつくと

 

 

いつしか「私」になっていた

 

 

 

「..........ょう.......き...」

「だ...じょ....ぶ...きみ」

 

何か聞こえる...何を言っているんだろう...

 

「だいじょうぶかきみ」

 

(だいじょうかきみ....?

何が起こっているんだろう...

ああっ疲れたなぁ...このまま寝ていようかな...)

 

「どうしましょう...もうすぐさいしゅうげこうのじかんだからそろそろほけんしつをしめなきゃいけないのに...」

 

(さいしゅうげこう...?ほけんしつ...?

何が起こったんだっけ...あれ...確か気を失って...そして....、!!)

 

何かを思い出したかのようにバッと起き上がった

それは「こちらの世界」の方なのか、それとも「あちらの世界」の方なのか

どちらの方の記憶なのかは定かではない

ただ、両方とも共通して「倒れた」というので一致したらしい

 

急に起き上がったのを見てひとりの白衣の女性が驚いたかのようにこちらを見ながら目を大きく開けている

 

「ひゃ!?びっくりした...」

 

そしてその女性は驚きから安堵の表情へと変わり、ホッとしたのか少し息を吐きながら

 

「よかったわ、あなたうちの生徒の瀬田さんの前で倒れたらしいのよ?

それで、他の生徒さん達がここまで運んできてもらって私が診ていたというわけなの」

 

と説明をしてくれた

そこで漸く「こちらの世界」の記憶が繋がった

 

(そうか...薫達に話をかけられて倒れたんだ...)

 

その考えには半分当たっていて半分は間違っている

でもこれで充分な答えだった

私が悪いということを除いて

 

「そうね...いろいろ診たけど特に悪いところは見当たらなかったわよ?

立ちくらみが起きたんじゃないかと

あなたは大丈夫かしら?」

 

と心配そうな口調で尋ねてきた

まだ少しは落ち着きを取り戻してはいなかったが

 

「はい、大丈夫です...」

 

と一言口にした

その言葉を聞いてその女性は

 

「うん、じゃあよかったわ。それじゃあ家まで帰られるかしら?もし無理なら親御さんに連絡をした方がいいのかしら?」

 

と帰りを心配してくれた

自分はここの生徒ではないし、この人とも初対面なはずなのに何故ここまで心配してくれるのかと思っていると

そこでやっと自分がどこにいるのかを理解した

 

「ここは...羽丘女子学園の保健室...ですか...?」

 

今更感が出た質問をした

そうだ羽丘女子学園で倒れたことまでは最初に思い出せなかった

 

「そうよ?」

 

とそこにいた羽丘女子学園の保健の先生が少し小首を傾げた

 

「もしもあなたがこのまま私の反応に問いかけがなかったら救急車を呼んで病院で治療しなくちゃいけなかったのよ。ここは24時間営業じゃないしね」

 

と少し怖い顔の笑顔で言ってきた

多分早く帰りたいんだと思う、特に今日は演劇部の発表会で多くの人が来校されてそれだけでも保健室に来る人は多くなるが、そこに瀬田薫という女子高生キラーな存在がいて倒れる人が続出したのでさぞかし大変だったんだろう...

私はその事を察し少し申し訳ない気持ちを出しながら「ハハハ...」としか返せなかった

 

と保健の先生とお話していると、外から数名の黒服に身を包んでサングラスをしている集団が保健室に入って来た

 

私はすごくびっくりして私が寝ていた布団で顔を隠してしまった

保健の先生は驚く様子もなく私のその行動をみて面白そうに笑っていた

 

「すみませんこんな状況下でお邪魔してしまって」

 

と黒服の人が私に尋ねて来た

(えっ...!?私何か悪いことした!?何!?どっかに連れてかれるのかな!?)

と頭が混乱し始めたが何も返すわけにもいかないので

 

「はい!!」

と声が裏返って早口になってしまった

その様子を見ていた先生が声を上げないように口に手を当て笑いを堪えていた

(お願いします!助けてください!)

という心の悲痛は届かない

 

「あっ申し遅れました。私達はこころ様をサポートさせていただいている...謂わば執事のような者です」

 

(いや...明らかにおかしい...一体何が目的で私に話しかけて来たのだろうか...

ん?こころ?こころにはこんな大勢の人が付いているんだな...)

 

その話を聞いていると黒服の人は話を続けた

 

「先程、あなた様はこころ様と話をされていましたよね?その時にこころ様の前であなた様が倒れたことを見つけ、あなた様をここに運んだ訳です。

そして気がつかれた時に何かこころ様が粗相をされたのかどうか尋ねて見たいと思いまして」

 

と言ってきたのである

ただその言葉はこの混乱している状態ではほとんど理解できずにいた

それとその倒れた時に何をしていたかをわすれていたので何も答えられなかった

 

「...覚えてらっしゃいませんか?しかたないですよね...もしこころ様に悪気がないしても、あなた様を傷つけるようなことになっていましたら謝りを入れに来たのですが...どちらにしてもこれをお受け取りください」

 

と他の黒服の人が懐から茶筒の封筒を取り出し私の前に差し出した

私は何も言わずにその封筒を受け取り恐る恐る中身を見た

そこに入っていたのは十数枚の一万円札だった

 

(ええっ!?何考えている!?そもそもここ学校で不適切な行為でしょ!?

というかこんな金渡したからって何も解決しない!!!)

 

そうして少しの戸惑いから謎の怒りが露わになって、その封筒を無言で差し返した

その時の顔は私には見えなかったが多分相当な顔をしているんだろう

黒服の人達の中には私から少し身を引いた

その行為は些細なことだが私には堪え切れないものであることをその人達は知らない

そして一言強い口調で言った

 

「わたしがなにをしたか覚えていません、そもそも私はこころと話をしたことがありません、それにあの時が初対面でした、だからこんなものは要りません!」

 

と言ってしまった

せめて呼び捨てではなくこころさんと言った方がよかったことを言ってから気がついた

そしてその言葉を聞いて黒服の人達は無言でその封筒を直した

 

そして先程まで何も言わなかった保健の先生が終わったタイミングを見計らって「じゃあ保健室締めるわよ?」と少し呑気な口調で言ってきた

それはここで何か起きてしまうのを未然に防いでくれての行動なのか、分からなかったが私はその言葉に感謝している

 

 

今、黒服の人達が私に向かって頭を下げている

彼女らは何かをした訳ではない、そもそもここへ来て私に謝る必要なんてなかったのだから頭を下げられているのが本当に申し訳ない

そう思って私は「何もしなくていいので...」と言った

 

 

保健室を出て漸く一人の時間を得た

やっと重い空気の空間から出れてホッとした

そのホッとしたその時に何故ここに来たかを思い出した

そしてその目的を果たすため先程険悪な雰囲気になってしまったその場所にもう一度戻った

 

「すいません!あのさっきこころ...こころさんのサポートしているって言ってたんですよね?」

 

と尋ねてみた、そこには保健の先生にも謝っていた黒服の人達がいてその言葉に「はい、そうですが」と直ぐに返してくれた

 

「あの!今、こころさんがどこにいるか知っていますか!?こころさん達のバンドに興味があるんです!」

 

と目的を言ってしまった

黒服の方は相当驚いている

 

まず、第一にこころが花音に会ったのは昨日出会ったばかりで何故知っているのか

次に、その話は一般人は知らない筈だ

ましてや初対面な私には絶対に知らない筈の情報だ

 

多分黒服の人達も多少不思議そうに考えていたが先程の失態を犯した手前拒否するのもどうかと思ったのか

 

「...はい、知っています。私達の車で行きますか?」

 

という返答に「はい!」と二つ返事で引き受けた

 

 

 

乗った車はリムジンで乗ってるいる最中ずっと借りてきた猫になっていた

それもそうだ初めて乗ったのだから

そしてすごく乗り心地が良かった

 

そうしているうちにこころがいるという商店街に着いた

 

「着きました。こころ様はここの交差点にいます」

 

車が止まり外からドアを開けてくれた

そしてまたどこから現れたか分からないが数人の黒服の人が私の間に現れた

 

「すみませんが今日はこころ様達に話をかけないでください。あなた様が倒れた際、こころ様達はすごく心配してらっしゃいましたので今会われるとどうなるか少し心配でして...」

 

と黒服の人が言ってきた

ここでこころ達に色々と心配されるのは少し面倒なので仕方ない

その提案を鵜呑みにした

 

そして商店街の路地に黒服の人と一緒に入り聞き耳を立てた

 

「来たれい〜〜っ、ベーシストーっ!!あたしたちと一緒に、楽しいことしよーっ」

「さぁおいで。子猫ちゃん達。万物はすべて、等しく愛おしい......」

 

そこには3人の姿が見えた

こころ、花音、薫だ

3人はポスターを持ってバンドのベーシストを勧誘しているようだ

 

ただあまり効果はなく商店街に来ている親子連れには「見てはいけません」と言われる始末...

いつしかこころ達の周りは閑散とし始めた

 

「........」

「あ、集まらない......ですね......」

 

それはそうだまず見るからに怪しい

そもそもどんなポスターを配っているのか

それを黒服の人に聞くと作ったのは彼女らであると言ってくれて原本を見せてくれた

 

「.......」

そのポスターは薫さんの顔が一面に貼られていて「ベーシスト募集中!」としか書かれていない

よっぽどのことがなければ失敗するだろう

 

「不思議ね。なにがいけないのかしら?」

 

きょとんとした顔でこころは言った

それは全てだ...とツッコミを入れたい...

 

「やはりそうか......すまない......また......!私の近寄りがた過ぎる美しさのせいで......」

 

薫は何か勘違いしてる...自意識過剰にもほどがあるよ...

私は薫のことを勘違いしたままだった

 

「うーん?だったら.............近寄り......」

「......やすい......?」

 

そんなのがいる訳...

 

「ミッシェル!ねぇ、握手して!!」

 

...いたわ...そこにピンクグマが

あとやっと名前わかった、こいつミッシェルっていう名前か!

 

「......」

こころはミッシェルをみてニコッとしている

何か素敵な...悪い閃きをしたんだろうか

そしてそこにいるミッシェルも何かを感じ取ったようだ

 

「ミッシェル!!あなた、このポスター配って!!」

と笑顔のこころはそう言ってミッシェルにポスターを差し出した

 

「え。ちょっと、それはうちの商店街のマスコ....」

 

それを聞いていた隣の黒服集団が瞬時に動いてそのこころにいちゃもんをつけた男性に声をかけていた

バイトの担当者らしき人...南無...

 

「はいっ、これね!たくさん刷っちゃったの!あたし達も頑張るから、よろしくね!」

 

とこころはお手伝いをほぼ無理やりやろせようとしている

ミッシェルも困ったようであたふたと動いている

そのミッシェルに無理矢理ポスターを持たせると商店街の子供達はすぐに群がり初めてキラキラした目でミッシェルをみていた

「ミッシェルー!なにそのポスター?

ちょうだーーい!!」

子供は無邪気なものだと感心しているとバイトの担当者を連れて黒服の人がどうやら戻って来た

 

バイトの担当者は何故かニコニコと満面の笑みを浮かべていた

少し見えた茶筒で大体のことがわかる

行動は口よりも情報を与えてくれるとその時改めて気づかしてくれた

多分そこにはさっき私に渡した茶筒でそれをミッシェルの使用料として担当者に渡したのだろうと

 

まぁ何よりもこんなバイトの担当者よりも儲かっただろう...と意識をこっちに注意を受けていた

その間こころ達にも進展があったようで

 

「クマ!クマ!わーーいっ!!あかり、かわいいねこの子っ。なんていう名前っ?」

 

と昨日私に当たりそうになったはぐみがそこにいた

そしてその隣には見知らぬ女の子がいた、そしてその子もはぐみと同じようにミッシェルに好意を抱いていたのだ

 

「ミッシェルよ。あたしたちと一緒にバンドのメンバーを探しているの!」

 

と当事者の一人であるこころは言った

どうやら相当ポスターを配れて大満足したのか凄く生き生きとしていた

 

「クマがいるバンドなんて珍しいね!」

 

とはぐみが言う

クマが好きなのはわかるがミッシェルはメンバーじゃないはずだ

ほらっ、ミッシェルも初耳だったようで困ってずっと首(?)を横に振っている

 

「あらっ?首をふってる......もしかして、メンバーになりたいの?言ってくれればいいのに!じゃあ、クマ枠で採用!」

 

とキラキラしているこころが言っている

これは隣に黒服の人がいるから言えないがこころは馬鹿だと言わざる負えない

首を振ってると言っても縦ではなく横でその意味がわからないとは本当に高校生なのか...しかも同い年...

という感じで傍観者である私は呆れながら見てるが当事者はそうとも言っておらず

ミッシェルは凄い拒絶感を示していた

ただそれはこころ達にとっては逆効果だ

 

「ふふふ。こんなにはしゃいで。愛らしい。ーーキミを夏の日にたとえようか......」

 

前言撤回、もう一人バカがいる

やはりというか薫もこの首振りの意味を履き違えている

 

凄く不憫なミッシェルを助けようと動こうとしたが隣の集団に止められてしまった

 

「先ほども申し上げましたが、今ここであなた様が出られるとこころ様達が混乱されます。どうかここは堪えてください」

 

と釘を刺されてしまった

それを条件に連れてもらえた事を忘れていた

その言葉を聞いて前に出そうとしていた宙に浮いたままの左足を前に出す事を堪えてまた元に戻した

 

(すまない...ミッシェル)

 

「ありがとうございます」

と小声で言ってくれたのを聞き逃さなかった

ただ、それよりも重要だったこころ達の声を聞き逃してしまった

そして気が付いた時にはもう勧誘が終了していた

 

「ーーじゃあやる!はぐみも、メンバーになりたいっ!!」

 

ともう一人の笑顔が凄く綺麗に見えた

ここにいる4人と1匹のクマのうち2人の笑顔に私はこの場が天国に見えてしまった

そしてその光景をよく見ようとして前へと歩みを進めてしまった

今度は黒服の声が聞こえないくらい一気に進んだ

 

そして私は今日2度目の接触を果たそうと...あれ...走っても追いつかない...

 

走ってもこころ達の姿が大きくならず逆にどんどん小さくなっていく

そして小さくなっていくこころ達の姿に比例したかのようにどんどんと暗闇が世界を包み始めた

 

(ダメ!待って...!!こころ...)

 

 

その願いは伝わることもなく...

目を開けると自分はそこにいた

 

腕を自分の上の方に伸ばした状態で何も掴めずにいた

 

 

そこは天国から地獄に突き落とされたかの様に一瞬にして堕とされたのだった

 

 




やっとハロハピのメンバーに会えました!
長かった...ここまでで序章です
(まさか7話までかかるとは思いませんでした)

そしてついにタイトルを一度回収できました!良かった良かった

そして今度からは主人公がドンドンとハロハピに絡みます。ここから主人公とハロハピとの関係がドンドン変わっていきますのでまた次の話も見てください!
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