ここからは第2章です
これから主人公はどうハロハピのメンバーと関わるのか?
それでは第8話はじめます
第8話 少女の要求
...醒めた...
ひとときの幸せな時間が終わり、またいつもの日が始まる
そうして「現実」が始まる
(................)
長い沈黙が寝室を包み込む
それはこの空間だけが世界から切り離されたように
何も聞こえない
見える風景はいつもの散らかった寝室
少しカビ臭くなってきた布団
喉の渇きを感じる
そして冷気に晒された両手
五感の全てで地獄を味わった
いつもより長い時間をかけて学校に行く用意を済ませた
いつもなら通学路での記憶の整理の時間が必要だが今日は要らない
何故なら覚えていることは1つだけだからだ
(こころ達がバンドを始める...)
それだけだった
それ以外の記憶は残っていない、いや正式にいうと絶対に残らない
それは心の奥底にある穴が大きい網で唯一引っかかった過去の記憶
音楽
1つ1つの音だけでは作れない集大成の形
それがいつも癒しになり支えだった
おじさんに否定された音楽
めっきり聞かなくなった音楽
ただそれでも音楽を聴くことが嫌いにはならなかった
その気持ちをずっと閉まっていて気づかない振りをしていた
ただ気がつきたくなかった
いつか迎える「最悪な結末」が待っているから
通学路での記憶の整理が必要でなかった為なのか、それとも家を出るのが遅くなったので急いでいたのかわからないが、いつもよりはやく学校に着いた
教室にはいつものように何人かのグループが対話している
挨拶するわけでもないただのクラスメイト同士の会話
感情を生み出す無駄な会話
そんなのに自分には必要ないとして自分はいつもの場所に座った
辺りはもう真っ暗で自分は帰路についていた
今日一日何をしたかは全然記憶にない
もしかしたら今日も「夢」なのかと思った時もあった
そして気がついた
自分は今日何も話していないことを
何も行動していないことを
そして何も考えなかったことも
「...はぁ...」
今日の第一声は溜息だった
疲れて出た溜息ではない
何か辛いことがあったわけでもない
その溜息はここが「現実」であると再認識した確認の為のものだった
部屋に帰り、ご飯を食べ、風呂に入り、洗濯をして、布団に入る
その一つ一つの動作を卒なく機械的にこなした
記憶はない、ただ寝てしまえば「夢」の記憶ができる
そんなことを思いながら
私は夢へと歩き始めた
「.......さい!誰か来てるわよ!?」
最初は聞き取れなかったが母さんの声だ
頭が重い...もう少し寝よ...
「聞こえなかった?それじゃあ...」
....?痛い!?痛い!?痛い!?
その強烈な痛さに目を開けずにはいられなかった
まだ覚醒しきっていない頭だが分かったことがあった
母さんが布団叩きを持っている
そしてこの痛み
叩かれたとしか考えられない
「...おはようございます...」
恐る恐る朝の挨拶をしてみた
その言葉にあまり効果はなかったのか
怖い笑顔で少し荒らげて言われた
「今は12:30。そして早く着替えなさい来客が来てますよ?」
その言葉に首肯するしかなかった
早速着替えをして玄関へと向かった
来客を待たせるわけにもいかないので空腹ではあったが...
玄関の扉を開けるとそこには昨日見た黒服集団が立っていた
「こんな時間にすみません。少々あなた様に折り入ってご相談がありまして伺いました」
と言ってきた
私はその言葉を理解する前に混乱してしまった
(ん!?なぜこの人達が来たんだ!?てかそもそも何故、家を知ってる!?)
その疑念が頭を駆け巡った
だが次の言葉ですぐに我に帰った
「あなた様の協力が必要なのです。お願いします、この願いはこころ様が私たちに要求した数少ない出来事なのです」
こころ!!その3文字が頭に入った
そこで頭が完全に覚醒した
もう今の状況はどうでもいい
こころにまた会えればなにか退屈な日々が変われるかもしれない
「こころがどうしたんですか!?何か私が必要なんですか!?それで何をしたらいいんですか!?あとこころはどこにいますか!?」
と畳み掛けるように黒服の人の手を掴んで必死に言った
私は覚醒した頭でこの数日の記憶を呼び覚ましていることに殆どの意識を集中させている、そのせいで今やっている行為が困らせる事だとは感じなかった
逆の立場にいた黒服の人は質問に対する答えをいう時間も用意されず、質問が多すぎて少し聞きそびれそうになって、さらに手までも握られてしまったのだ
それは相当困った様子で周りの手を握られなかった黒服の人達も相当アワアワと慌てふためいていた
ただ、その握られた手を跳ね除けたりはしなかった
そして手を握っている事に気づかない私は自分の中で作ってしまった勝手な質問の答えを口走ってしまった
「こころのために私なら手伝います!」
...この台詞がきっかけで今は昨日乗ったリムジンにいる
「ごめんなさい...急に手を握ってしまって....」
リムジンの中で先程手を握ってしまった黒服の人にお辞儀をしている
それも90度に背中を曲げた本気のお辞儀だ
私は少し恥ずかしいという感情が出ていたがそれよりも謝りたいという感情が優っているのでこういう行動に出ていた
「いえいえ...お気になさらずに」
と言ってはいたが黒服の人は女性である為、私のような男子高校生でも少しはドキッとしたのであろう
ただ今は仕事の話をしに来たのでそういう感情を押し殺しながらも少しだけ照れながらそう言ったんだと私は思った
リムジンの中でこころの要求について話してくれた
「あたしあの人を呼んで欲しいの!今日薫の演劇の時に話しかけた男の子!
あの人にもう一回会いたいわ!」
とこころが食事の時にウキウキしてこの事を黒服の人達に言ったらしい
そしてその話を聞いた黒服の人達の情報網によって私の名前、住所、年齢、学校などほとんどの個人情報を数時間でリークされたらしい
そして今日の朝に学校に黒服の集団で学校に訪問されたみたいだが、私は登校していなかった
その時、私はまだ家で寝ていて倒れたという羽丘女子学園の保健室からの電話を聞いていた母さんが私の学校に欠席の連絡をしていたらしい
で、黒服の集団はその事を先生から聞いて私の家に尋ねて来たという過程だ
殆どは知らない事だったので、らしいとしか言いようがなかったが、ずっと私を探していてすれ違っていたことに無性に申し訳なく感じていた
それを悟ったかのように
「いえ、大丈夫です。こうしてこころ様の要求を承諾して頂いただけで結構な事なので」
と黒服の人が繕ってくれた
リムジンが止まり扉が開けられた時に目に映った光景は「夢」の世界のそのもっと奥にある「桃源郷」のような場所だった
「なんだここ...宮殿!?」
プールに噴水、テニスコートに大きな庭...昔見たことがある本の西洋の宮殿そのものだった
こんなところにこころは住んでいるという事実に今までこころに対しての感情を全て消し去りたくなっていた
「ふふっ...先程ここを宮殿だと仰っていた方がいらっしゃってましたよ」
と黒服の人が小声で言っている
誰だろう...?と考えを巡らせていると
「先程の答えは奥沢様です」
と答えも教えてくれた
ああっ!って誰だ..?と一瞬なったが、確かバイトの研修に来ていた子だったはず...
と直ぐに思い出した
そして1番重要なこころの要求について聞くことにした
「あの...まだこころの要求の聞いてないんですが具体的に何をすればいいんですか?」
それに対して黒服の人は少し羨ましそうな顔でただ口調は変えずに
「今はまだお答えすることはできません。ただ、ヒントを申し上げておきますと今日はあなた様のほかに4名の方が招待されております。
北沢様、瀬田様、奥沢様、松原様です。
そして、今日が出発点になるものです」
と少しお茶を濁されてしまった
その上言い方が回りくどすぎて全く伝わってこなかった
しかし、呼ばれたという4人の名前全員この前に私と会っている
しかもその4人ともこころと関わりがある
だいたい答えがまとまってきたがいまだに半信半疑のままこれから起きることに少しの不安を感じつつ
弦巻家の大きな宮殿の扉が開かれた
この時から私の人生が大きく変わっていったのだ
今回は弦巻家に入るところまで書きました
第2章入っての最初の話なのでできればハロハピのメンバーが出るところまで書きたかったのですが長くなりそうだったのでやめました
この1週間、少しのお休み期間で東方の小説を読んでいました
因みにその小説がこの小説の元ネタだったりします
タイトルは「夢現(ゆめうつつ)」「うつつのゆめ」です!
その名の通りですねw
あとバンドリのアプリではガチャで一つ前のイベントの☆4のはぐみが当たりました!はぐみちゃんのひたむきな姿勢にすごく惚れてしまいました...可愛い...
ここからは通常通りの更新スピードにしていくので次の話も楽しみにしてください!