欝蒼と乱立する木々に深く覆われ上空からもはっきりとは全貌を知ることは出来ないような、名も無き山。後に『妖怪の山』と呼ばれ、人里は勿論力を持たない弱い妖怪からも恐れられることになる人外魔境の一つ。限定された種族によって成り立ち不用意に侵入した余所者には容赦ない排他的なコミュニティ。
そんなところにどういうわけか、ウチのペンギンは迷い込んでしまったようです。
「わんわん!わぉーん!」
「こら椛、鳴きながら走り回るんじゃない。落ち着け」
「……なんか、あんなに溌剌とした椛なんて久しぶりに見た気がするわ」
「ここしばらくはずっと真面目ちゃんだったし、あんな姿は付き合いの長い人くらいしか見たこと無いのよね。ほら、あそこ。前に椛に告白して振られた若い天狗がこっち見て唖然としてるわ」
「他にも周りの視線が厳しいわね。全く、誰のせいかしら」
「おお、よしよし。椛よしよし」
ちょっと刺されてくればいいのに。
嬉しさでテンションがマックスになっている犬走椛と普段から『錯乱』の状態異常がかかっているんじゃないかっていうくらい頭の可笑しいペンギンは気付いていないが、確かにこの一団を見る目は普通ではなかった。
「いつも冷静な犬走さんがあんな……!」という視線に始まり、鴉天狗の中でも屈指の実力を持つ射命丸文と、勤勉な性格の者が多い天狗でありながらなにかとサボりがちな悪い意味で有名な姫海棠はたて。そして得体の知れない胡散臭い男。この一団は秩序を重んじるこの山の中ではぶっちゃけ異常であった。
「う、嘘だろ……普段滅多に笑わない犬走さんが、満面の笑みを浮かべるどころか尻尾を振っているだて……?」
「俺達は奇跡を見ているのかもしれない……」
「つかあの男誰だよ。射命丸様や姫海棠様まで引き連れて」
「はっ、もしや犬走さんはあの男に怪しい術か何かをかけられているのかもしれない……っ」
「いやいや、無い無い」
「もみじたんはぁはぁ」
てめなに下の名前で呼んでんだごるぁドカバキボコ、などと遠巻きに伺っている姿も見られる(一部抜粋)。
「――――っ!」
そんな周りのことなど気にも留めず、椛を愛でつつ文やはたてと会話を交わしていたギンだったが、不意に目つきが鋭くなった。すごく……キモいです。
「ちょっと、いきなり立ち止まってどうしたの、きゃあ!」
「え、何?何してんの、って、わ、わ」
「?」
足を止めたギンを追い越し少し少し先に進んでいた文とはたて、そして足元にいた椛をまとめて持ち上げる。鴉の二人は戸惑っていたが狼の子は取り乱すことなくただきょとんとした表情を浮かべるのみだった。
ぐるりと腰を曲げ、伸ばす勢いで三人を宙へと放り投げ、
「ほいさっ」
「おお、流石だねぇ」
背後から打ち込まれた弾丸のような拳を背中に回した手のひらで受け止めた。
がっちりと相手の拳を掴んだ手を中心に滑るように回転し、鋭い蹴りを繰り出す。掴んでいるのとは逆の腕で防がれ、蹴りを押し込んだ勢いでこちらの拘束を抜けられてしまった。
浮いた状態で身を捻り滞空時間と勢いを追加してさらに距離を開けるその人物に向けて、蹴り足を戻し僅かに体を緊張させたままギンは問いかける。
「久しぶりだってのに随分な挨拶じゃないか、勇儀」
★
「何を言ってるんだい。私とアンタの仲じゃないか。これぐらいの挨拶は笑って受け止めてくれよ!」
「どう考えても今のは確実に俺を殺す気だったろ。つか鬼なら堂々と正面からかかってこいよ」
「はっはっは。それを言われると弱いねぇ。でもしょうがないじゃないか。旧友に久しぶりに会えたと思ったらそいつが女侍らして鼻の下を伸ばしてたんだ。そりゃ多少ムカつきもするさ」
「可愛らしい嫉妬だな」
空を引き裂きながら打ち込まれる拳を紙一重で避け、振り上げられそうになった脚を動き始めの時点で手で押さえ込む。そのまま体を浮かし丸めた体を引き伸ばして威力を増加させて繰り出した蹴りは腕一本で防がれた。
「鬼の私に可愛いなんて腑抜けた言葉を面と向かって吐けるのは、アンタくらいのものだろうね!」
「それはそれは。お前の周りには気の利かない男しかいなかったんだろうな。同情するぜ」
「口だけの男なら巨万といたさ!だが、涼しい顔して私の攻めを流し続けたのはお前さんが始めてさ!」
「それは光栄だ」
勇儀の長い脚が鎌のように俺の首を狙って凪がれる。その膝頭に上から垂直に肘鉄を打って打点を下げ、そのまま脚を脇に抱え込んで投げ飛ばした。
「――まったく、そんなに勇儀に夢中になっちゃって。妬けちゃうじゃないか」
突然ささやかれた声に体が一瞬硬直。強引に体を動かし構えようとするが間に合わない。
わき腹に鋭く拳が突き刺さる。体がくの字に折れ曲がり、踏みとどまる余裕もなく脚が地を離れ空を飛んだ。
ぐるぐると乱回転しながらも自らの位置を見失わず、上手く脚から着地する。
「あいたたた……そういえばお前と勇儀は一緒だったっけか、萃香。すっかり油断してたぜ」
「別にいつも一緒にいるわけじゃないけどさ。一人旅ってのは寂しいもんだし、勇儀とは一番ウマが合うからね。気が付きゃ一緒に酒を飲んでるのさ」
「いいねえ。またお前らと一緒に酒を飲みたくなってきたよ」
「おお、乗り気だね!それじゃあ今晩にでもお邪魔するよ」
「うん?今からじゃなくていいのか?」
「――なに、いつ飲んでも酒は上手いけど、拳を交えた後の酒は格別なのさ」
着物のあちこちに砂埃を付け、けれど大したダメージは負っていないようで軽やかな足取りで萃香の隣に並び立つ勇儀。
端正な作りをしているその顔は獰猛な笑みに彩られており、歯を剥き出しにして口を歪ませ、ぎらぎらと目は強い光を携えている。
「おいおい、ちょっと待てよ。何その立ち位置。まるでこれから二対一の勝負が始まるみたいじゃんかよ。ずるいぞ。それでも鬼か」
「何言ってんだい。前もこうして二対一でやりあって、アンタはあっさりと私らに勝ってみせたじゃないか」
「あれはほら、勝てる条件があったから。お前らも本気じゃなかったろ?」
「そいつはお互い様さね。ならまた条件を決めようじゃないか。私達二人に一撃入れて、背中が地面についたらアンタの勝ち。そっちが倒れたら私らの勝ちだ」
「女にここまで言わせたんだ。まさか自分から倒れて負けるなんてことはしないよねぇ?」
「……はぁ」
なんだかもう、やらなくちゃいけない雰囲気なんですけど。向こうノリノリだし、こっちの退路は塞がれたし。
まあこの辺で妥協しとこうか。下手なことして本気の殴り合いなんかになったら大事だ。多分この二人が本気になればこの山くらいなら更地になる。
離れたところから三人が心配そうに見てるし、ここは一丁カッコいいところ見せてやりますか。
ぐい、と。両手をズボンのポケットに捻じ込む。
「ほら、おいで。じゃれ合い程度には手加減してやるから」
★
砂煙を巻き上げ勇儀は風のよう駆け出し、それに紛れて萃香は姿を消した。そういえばアイツはそんな能力を持っていたっけか、いやー反則だろあんなの。
地を這うように低い体勢から打ち込まれる鉄拳は手では捌き辛いが、しかし脚なら問題ない。出来るだけソフトに真上から抑えつけて勢いを殺していく。
勇儀は両手に加えて度々蹴りを交えてくるが、それに対して俺の手数は右脚一本だけだ。動きづらいことこの上ないが、自分からしたことなのだから我慢する。
悔しそうな、でもそれ以上に楽しそうに暴れる勇儀を見れただけで俺は満足だよ。
不意に勇儀がその場を飛び退き、そして頭上に影が射した。
「――いくよ?」
空にいたのは萃香で、日を遮るのは彼女の腕だった。
本人の体躯の数倍はあろうかという、まるで巨人のような腕だった。
「骨風船か……っ!」
もちろん違う。
恐らくは能力で萃めた分だけ腕を大きくしたのだろう。理屈は全く分からないが。
でかいくせに動きは以前となんら遜色が無いときたものだ。さながら隕石のような勢いと圧迫感で拳は迫ってくる。ちょっと漏らしそうです。
助走をつけて全力で跳び、
「おりゃー」
正確に小指だけを蹴り抜いた。
「地味に痛い!」
とは言えこの程度で止められるはずも無い。そもそも止めるつもりもなかった。
小指から手の甲に移り、前腕から上腕へと走り抜ける。さながら気分は羽虫のようだ。
接近する俺の姿を見て萃香は慌てて手を引き戻そうとするが、如何せん大きくて手間取っている。伸ばすより曲げることのほうが難しいと知りなさい。
肩に近づくにつれて足場も細くなっていくが大したことじゃない。以前紫と地獄に行ったとき針の山地獄で先端だけを渡って遊んだことに比べればこんなもの。
ここで萃香はようやく腕を散らして元の大きさに戻すが、もう遅い。俺は既に間合いに入っている。
「こぉんな立派なモノがついているんだから、弄ってやんないと失礼だよね」
「ちょ、バカ、そこは」
がしっと萃香の角を両脇に挟みこみ、そのまま空気を蹴って急加速する。
ちゅどーん。
濛々と湧き上がる砂煙の中で目を閉じて気配を探り、察知した方向へ向けて駆け出す「ふぎゅ!」足元になんか角が生えた幼女がいたけど気にしない。
目隠しになっていた砂塵を破りながらトップスピードで飛び出し、身を捻りながら蹴りを繰り出す。
「ぅおっとー!」
完全に不意を撃ったはずなのに、勇儀は上体を九十度近く逸らすことでこれをかわした。勢い余っておっぱいがぶるんぶるん。くそっ、このまま脚を少し下げれば谷間にフィットするのに。どうしてほんの少しの勇気が出ないんだ、俺の臆病者!
勇儀の首を脚で挟み込み、腰を捻って豪快に振り回して地面に叩きつけながら、俺は自らの臆病さを嘆いたのだった。
★
「おじゃましまーす」
「え、キミだれ?……んー、なーんか見覚えがある気がする」
「お邪魔します」
「邪魔するわよ」
「失礼します」
「おお。さらに客人が増えたね。というか如何したの三人揃って。この面子が揃うのは久しぶりだね。……んん、この顔ぶれが揃うとなんかキミのことも思い出せそうなんだけどな~。なんでか思い出せない。喉に小骨が引っかかった気分だよ」
「邪魔するよ」
「うわ、散らかってるねー」
「……ひぃっ!な、なななんで鬼の方達が私の家に!?私なんかやらかしたっけ!」
「おいおい、出掛かっていた俺のことはもう良いのかい」
「吃驚して飲み込んじゃったよ!」
そうかそうか。まあ悩みが解消されたのなら結構だけど。
「ちなみにこいつらがいる理由なんだけど、さっきちょっと喧嘩して終わったら酒でも飲もうってことになってさ、でもそれより先にお前に会う予定立てててさ、そしたらこいつらが『じゃあそいつん家で飲もうじゃないか』とか言い出すもんでさ。あ、迷惑だったら言ってくれよ。このアホ共外に放り出すから」
「ええ……っと。残念ながら私の頭じゃ理解しきれないことが多くてさ、どれから質問すれば良いのかそれすらも私の頭じゃ今一整理がつかないんだけど、どうすればいい?」
「分かるわよにとり。貴女の気持ちは」
「いやー、驚きだよね。アイツがあの人たちと知り合いだったのもそうだけど、なにより鬼と喧嘩してあんなにあっさり勝っちゃうなんて」
「ギン様はやはりすごいです。偉大です」
椛からのキラキラした瞳がこそばゆいです。でももっと褒めてー。
「ああ、うん。大体分かった。理解しようとすることが無駄だってことが良く分かった。というかこのむちゃくちゃな感じで思い出せたよ。キミ、あれだよね、結構昔に私が川辺で拾った鳥の妖怪の」
「ああ、氷室ギンだ。実は今日はあの時の恩返しに来たんだ。嘘だけど」
「嘘なんだ。それにしてもすごい人たちを引っ張ってきたもんだね。……それで、その。申し訳ないんだけど、ちょっと今ウチには酒盛りできるだけの量のお酒は無いんだけど」
「ああ、なら問題ない。負けたこいつらに罰として用意させるから。おら、早く持って来い」
「なんだよー、鬼遣いが荒いぞー」
「そうだそうだー。そんな罰があるだなんて聞いてないぞ。それを知っていればもっと本気でやっていた」
「うるせえ敗者が。とっとと持って来い。走れよ」
「「へーい」」
気の抜けた返答とともに勇儀と萃香はくぐったばかりの扉を出ていった。
「すまないな。騒がしくて」
「いやそれは全然だけど。え、キミ何者?あの鬼の人たちにあれだけ好きに言えて、怒られもしないなんて」
「一児の父にして夢を追う男。ちなみにあいつらとはそこそこの付き合いがある」
「いやいや、それだけじゃないでしょ。この山を治めている天魔様もそれなりに交流はあるらしいけど、キミみたいな接し方をしたら下手すると殺されてるよ?」
「へー、それはそれは。大変だな」
俺としてはなんであの二人がこの山でそんなに偉い立場にいるのかが甚だ疑問だが。あいつらただの飲兵衛だぜ?
「そりゃあそうさ。天魔のやつにさっきみたいなことを言われたら、ぶん殴ってこの山から出て行ってるよ」
玄関の扉を開けて顔だけ覗かせた勇儀が快活に笑う。言ってることはあれだけど。
「随分早いな。あれ?おい、酒は如何した。持っているようには見えないが、あれか?お前らは酒をもってこいという簡単なお使いすら成し遂げることが出来ないのか。元気出せよ」
「はっはっは。言うじゃないか、ぶん殴ってやるから表出ろ」
ぎりぎりと力強く固めた拳を震わせながら尋ねられた。是非お願いします。
ノリノリで外に出た俺はそこで、小さいたくさんの萃香が自分の体の数倍はあろうかという酒樽を両手で持ち上げ列を作って次々と積み上げているという摩訶不思議な光景に出くわした。
「説明。三行で」
「酒を盛ってこようとしたのは良いが私らが飲むとなれば結構な量になる。でもそれを持ち込むにはあの河童の家は散らかりすぎてて使えない。だから家の前で飲もうと考えて私はそれを伝えに来て萃香は能力を使って準備をしているんだ」
「ありがとう。とても分かりやすかったよ」
「あの、例え私の家が綺麗だったとしてもあれだけの数のお酒は入らなかったんじゃないかと……あ、なんでもないです。すいません。私が悪かったです」
勇儀に一瞥されて腰が引けたにとりはすごすごと引き下がっていった。そうだよね。こいつら鬼だもんね。怖いよね。
小さい萃香は次から次へと酒樽を持ってきて積み上げては消えていく。なんだか働き蟻の生態を観察しているようで面白い。
しばらくして、両脇に酒樽を抱え込んだ原寸大の萃香がのそのそとやってきた。
「よし、これくらいあれば十分だろう。おい、ギン。懐に隠した私を出せ」
何故バレた。折角隣にいた勇儀に気付かれないよう幻術まで使って、消えないように凍結してから大事に服の中に閉まったミニマム萃香なのに。
なくなく俺は取り出したブツを本人に返却する。
「まったく、なんだってこんなことするんだい。私が欲しいなら直接言え。お前さんなら構わないから」
「いやほら、珍しい虫とか見かけたら捕まえたくなるじゃん。そんな感じ」
「子どもか。そして誰が虫だコラ」
げしげしと脛を蹴られる。適当に頭を撫でてあしらっておく。
「おし、酒も揃ったことだし、そろそろ始めるか」
「おいおい、まだつまみを用意していないだろう。しょうがない。ここは私の秘蔵の干し肉を出すとするか」
「お、奮発するね。これは私も負けちゃいられないな。いつだったか作った魚の燻製があったはずだからそれを持ってこよう」
「えっと……、なんか怒涛の展開でもう詳しいこと考えるの面倒になってきたんだけど、とりあえず私達も何か用意したほうがいいのかな?」
「そうですね。鬼の方達が準備しているのに私達が黙っているというのは失礼な話ですから」
「とりあえず適当にお酒に会うものを用意しましょう」
「にとり、確かアンタんとこ枝豆育ててたわよね。ちょっと採らせてもらうわよ」
ばたばたと全員が動き始める中で、俺は一人酒樽のひとつに腰掛けて、懐から一枚の札を取り出す。
俺謹製の一品で、妖力を込めると起動し対として作られたもう一枚の札が共鳴して起動。札に向かって話しかけるともう一枚の札に伝わるという、ぶっちゃけ携帯みたいなものだ。
対応する札を持っているのは天華だ。出るといいけど、話し合いの真っ最中だったら如何しよう。
『はい。お父様ですか?』
「他に誰がこの札を使うというのだ。今時間いいか?」
『ええ、構いませんが。……あ、待ってくださいお父様。紫さんが替わって欲しいそうですけど』
「何の用だろ。まいいか。元々お前からアイツに伝言頼もうとしてたんだし。向こうから出てくれるなら手っ取り早い」
『分かりました。失礼します。………………ああ、紫さん、この札はですね――』
向こうのほうで天華が紫に使い方を説明しているようだ。しばらくお持ちください。
『――ちょっとギン!あなた何をしているのよ!』
「そんなに叫ぶな。耳に響くから。というか俺が何をしたと言うんだ。一体どのことを言っているのか、皆目見当がつかない」
『そんなにやましいことがあるの……?貴方がこの山で鬼と戦闘になったって、天魔のところに連絡が入ったのよ』
「なんだそのことか。良かった。そのことなら気にすんな。その鬼達とは面識があってな。久々に会ってお互いに友情を確かめ合っただけさ」
『他にも天狗の娘を誘惑したとか、山中の酒屋から酒樽を根こそぎ奪っていったとかいう報告もあるんだけど?』
「天狗については今言ったのと同じ理由だ。酒樽?知らんな」
尻をもぞもぞさせて座る位置を直し、
「それよか、久しぶりに会ったやつらと宴会することになったんだけどさ、お前らも来るか?」
『よくないわよもう……はぁ、もう少ししたら話もまとまるからそれまで全部飲み干すんじゃないわよ』
「へーい」
ぷつりと通信を切る。と、そこへ散っていた萃香が集まってきたので、
「おい子鬼、この酒はどっから持ってきた」
「なんだい雛鳥、藪から棒に。その辺にあったのを拾ってきたのさ」
「そうかい」
どうやら、ここにあいつらを呼んだのは間違いだったようだ。
とりあえずお説教一時間は確実かな、と俺は肩を落とした。