すまない
「帰ってきたぞホーム!」
「壊れてるぞアジト!」
「何やってるんだよ団長!」
「あ?任務終わったのか。おいギル。今回の事、魔法帝に報告しに行くぞ」
「え?ヤミ団長?自分初任務から帰ってきたばっかりなんデスケド。てかなんでアジト壊れてるんですか!?」
「異論反論は受け付けません。大丈夫、少し空飛んでればすぐ着く」
「箒?箒ですよね!?何で頭掴んで肩に魔力集めてるんですか!?」
「口閉じてろよ。舌噛むぞ」
「あ、なんか察したわ。どうしよう、ウチの団長がブラックだった。二重の意味で」
「防禦魔法持ってるなら使ったほうがいいぞ。着地する時に死ぬから」
「やだ、思ってた以上に慈悲が無かった」
「俺も後から箒で行くからよ。生きてたら王都でな、ギル」
「僕はアジトでマグナのプリン食べてるから。新しいの買ってきてね」
「それただのパシリですよね!?てかフィンラル先輩は!?何の為の空間魔法ですか!?」
「フィンラルは昨日ナンパした女にこっ酷く振られてベットで泣いてるぞ」
「何やってんだよあの色ボケは!?」
「いいから覚悟決めろ。3つ数えたら投げるぞ。さーん、そらっ!」
「この嘘つきいいぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「マジで投げる人がいるかよ!怖すぎなんですけど!?」
未だに空の旅を続けている俺はある魔法を使っている。風魔法『
(あ、これ楽しいかも)
なんて事を思いながらとんでもない速度で減っていく魔力の残量を気にしないようにしながら俺は空を駆けた
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
無事?にヘトヘトになりながらも錐揉みしながら王都付近に着地した俺は重たい足を引きずりながら今回の呼び出しにについて考えていた。
今回の任務でどこかの中立地域がスペード王国に付いた事が発覚した訳だが、それを察知できないのは分かる。ただ、いくら恵外界のハージ村だとしても国境付近に自国以外の魔導士が近づくのを察知できない事は無いと思う。ただの職務怠慢か……それとも……、
そこまで考えた所で見知った魔力が近づいて来たので、考えを中断する。
「お、やっぱ生きてんじゃねぇか!見た所、怪我も無いようだしな!」
「マグナ先輩!それにラック先輩も。……ヤミ団長はいないんですか?」
「ああ、ヤミ団長なら一足先に魔法帝の所に行ったよ。それより聞いてよギル!マグナがギルの事が心配でずっとそわそわしててさー」
「ししししてねーし!そ、それは置いといて早く魔法帝の所に行くぞ!待たせる訳にはいかないからな」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「やっと来たか三バカ」
「心外ですヤミさん!」
「そうだよ!僕達はバカなんかじゃない!」
「ええ!その通りです!だってーー」
「「バカなのは
「え?何これ?何で俺虐められてるの?」
「いや、だってホラ…ねぇ?」
「まあ、そうですね……ハイ」
「お前ら何の理由もなく俺をアホキャラにしようとすんなよ!?」
「そういうのはお前ら。訂正しとけ」
「ヤミさん……!!」
「そいつは救いようの無い大バカってな」
「ヤミさんんんんん!?」
「…あの、ヤミ団長。早く来て頂かないと魔法帝が市街に逃げるので…」
「マルクスか。すまんすまん、今行く。」
(この人がマルクスか。魔法帝の側近の。記憶交信魔法の使い手だったっけ?原作じゃ余り活躍してないからな。実戦向きじゃないし)
「どうかしましたか?此方をじっと見て」
「!……いえ、何でもありません。案内お願い致します」
「?いえいえ、そんなに固くならないで。こっちです、付いて来てください」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
マルクスに連れられ、俺たちはとある一室の前にまで来ていた。
「魔法帝が中でお待ちです。どうぞ中にお入りください」
「入るぜ、オッサン」
流石ヤミさん。傍若無人。年中無礼講
「やあ、よく来てくれたねヤミ。そして三人も。早速だが君たちの件の任務についての話を聞きたい。伝令役の者から大方は聞いているが、当事者の意見は最も重要だ。いいかな?」
「はい、勿論です。ではーーー」
事の顛末を説明し始めたマグナ先輩。てかマグナ先輩敬語なれてるね。なんちゃって敬語じゃないよ
「ーーー。以上が今回の任務の報告です。」
「なるほど……有難う。今回の件については気になる点がいくつかある。主なのはスペード王国の魔導士に介入されたのにも関わらず、誰も気づけなかった事、そして何故使役した魔物を放置していたかだ。魔物を使って村を襲うこともできたはず。しかも強力な魔法も使えないハージ村なら尚更ね」
やっぱり魔法帝も同じ事を考えていたのか。
そう、ずっと不可解だったんだ。なんであの魔物はずっと森で放置されていたのか。少し考えてしまう、あれはひょっとして
あの魔物はスペード王国からの宣戦布告なのかもしれない。だとしたら何故?此方に侵攻の兆しを悟られてまでしたい事があった?それとも悟られる所までが作戦だった?
…ダメだ。情報が少な過ぎる。今の段階では只の憶測でしかない。俺はどこかの慎重勇者じゃないから想像が必ず的を得ているなんて事はない。
思考の海から切り上げた所で魔法帝が話し始めた。
「そしてスペード王国の魔導士に侵入された事について。僕はこの魔法騎士団の中に内通者がいると思っている。…まあ今この話をしても何かが変わるわけじゃない。憶測でしか無いからね。一応僕の考えを伝えたかっただけさ。頭の隅にでも留めておいてくれ」
……うん。これについて俺たちが出る幕はないな。魔法帝にはマルクスがいる。彼の記憶魔法がある限り内通者の割り出しは時間の問題だろ。
そして俺たちがすべき事は……
「そして君達には今一度ハージ村に行って森の調査をしてもらいたい。スペードの魔導士が残した痕跡があるかもしれない。」
うわぁ…。ホントに人の心の中読んでるんじゃないかっていうタイミングだな。実はマルクスの魔法に気づかないうちにかかってたとか?
……ないない。さすがに怖過ぎるて。
「ああ最後にギルくん。一ついいかな?」
「?大丈夫です。任務の事で何か?」
「いや、単なる僕の疑問さ。任務とは関係なくね」
「はあ…。でしたら何か?」
「聞きたい事は君の魔法についてだよ」
「魔法ですか……魔法!?」
「そうだとも。何故君は幾多もの属性を使えるのかな?」
やばい…やばいやばいやばい!?何も考えていなかった!そりゃ疑われるよな!一つの属性しか使えない筈の魔導士からしたら並外れた存在だよ俺!
き、気持ちを落ち着かせろ。表情筋を支配して何も悟らせるな!
「それで?何か言えないような理由でもあるのかな?」
や、やりずれぇぇぇぇぇ!?もっと気持ちを落ち着かせる時間をくれよ!?畳み掛けてくるなよこのお豆腐メンタルに!そうだ!もう嘘をでっち上げるしかない!唸れ俺の灰色の脳細胞!来たれ一瞬のひらめき!
「…魔法帝は妖精の存在を信じますか?」
あ、なんか変な事口走っちゃった。どうしよう。
オチとして弱過ぎるなこれ。