『ではこれから人間の改造について会議を行う』
誰にも感知できない空間にて、人間の真似事をするように円卓を囲んでいる人型の者たち。
荘厳な雰囲気を醸し出す翁が言葉を発する。
『まずは儂の名はソル、人間の太陽神の名だそうだな』
太陽の意思体、ソル。
『次は僕が、僕の名はアース。気軽にあっくんと呼んでくれてもいいよ』
地球の意思体、アース。
『次は俺だな、俺はマーズだ』
火星の意思体、マーズ。
『ふふ、私はマーキュリーよ。よろしくね』
水星の意思体、マーキュリー。
『アタシはヴィーナス、アタシ自身は綺麗でもないけどね』
金星の意思体、ヴィーナス。
『ふん、私はジュピターだ』
木星の意思体、ジュピター。
『……俺はサターンだ』
土星の意思体、サターン。
『わ、私の名前はウラヌスです! よろしくお願いします!』
天王星の意思体、ウラヌス。
『はっはっは! おいらはネプチューン! よろしくな!』
海王星の意思体、ネプチューン。
『うむ、全員いるようだな』
『あら、プルートさんはいないのかしら?』
『あやつは人間に完全なる惑星と認められなかった故、呼んではおらん』
そう、冥王星、プルートは惑星から外され、準惑星の枠組みに入れられてしまったのだ。よって、今は八大惑星となっている。
『ま、あいつのことは忘れよう。んじゃ早速、人間に比較的詳しい僕が図案を出そう』
アースは虚空から紙を取り出し、宙に固定する。
各々が図を見て、なにやら考えている。
『アタシ的にはこれいいと思う』
『わ、私も、こ、これでいいかと』
ヴィーナスとウラヌスは賛同した。残りは六人だが。
『おいらは反対ってわけじゃねえが、どうせならもう少し精神に自由を持たせたらどうだい? 人間ってのは成長によって変わるんだろ?』
『私もネプチューンさんと同意見よ、揺るがず、変容しない精神なんて死んだも同然じゃない。それにあっくんはあの子を本音では救いたいのでしょう? なら精神部分に手を出すのは真の意味で救うことにはならないわ』
人間の綺麗な部分、醜い部分を良しと考えるネプチューンとマーキュリー。二人は精神にまで干渉すべきではないと主張。
『俺も反対ではないが、改造を済ませた後に戦闘経験を積ませよう。相手は俺がやる』
改造後の戦闘経験が必要だと言うマーズ。
『……人間の闇と向き合わせなければ人理を救うなどできないだろう、俺に任せるがいい』
人間の闇と向かい合うべきと主張するサターン。
『はっ!私もサターンと同感だ。負の部分から目を背けることが良いことなどという綺麗ごとでどうにかなるわけないだろう』
鋭い眼光でアースを見据えるジュピター。
『あらら、僕としては一番良いと思っていたんだけどまだまだのようだね。君たちの意見は最もだ。図案を変更しよう』
いそいそと図案を片付ける。
そして最後に惑星の意思体たちは管理者である太陽、ソルに目を向けた。
『……儂としてはそなたらが決めたことなら何も言わん。ただ力を与えるのみだ』
瞼を閉じたまま、厳かに応えた。
『じゃあ僕はみんなの意見を取り入れた完成図案を作ってくるよ、それまで自由にしてて』
アースは虚空へ消えていった。
彼が消え、静まったところで鈴の音のような声が発せられた。
『うふふ、あっくんは人間が好きなのね。ソルにあそこまでお願いして人間を救いたいだなんて。前までは考えられなかったもの』
マーキュリーは優しげに微笑み、頬杖をつく。
『ふっ、たまには私も手伝ってやってもいいだろう。いずれ我々も消える星だ。何かを残すのも悪くない』
七惑星と恒星は頷き、各々の星の管理へと戻っていった。
土星君「……悪くない、悪くない未来だ」
火星君「あいつ何言ってんだ」
天王星ちゃん「さ、さあ?」
水星ちゃん「あらあら土星君、あの子のこと気に入っちゃったのね。私もよ」
土星君「……分かるか、水星ちゃん」
水星ちゃん「ええ、ええ、分かりますとも~」
木星ちゃん「(この二人からあの少女を守らなければ)」
海王星くん「はっは! 冥王星ちゃん! 気にしない気にしない!」
冥王星ちゃん「海王星くん……(キュン)」
太陽くん「うむ」