詩人の詩   作:117

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103話

 

 ルートヴィッヒがピドナから逃げ出して一週間。

 世界の中心に存在する、世界最大の都市はもはや一人が掌握しつつあった。彼の名はトーマス、ほんの数ヶ月前にトーマスカンパニーという会社を興したその男の、顔色を伺わないなど誰にできようか。トーマスと同等の者ならば名前が上がらなくもない。だがそういった者でさえ、気を使わなくてはいけない立場なのがピドナの支配者という地位なのだ。もはや彼はフルブライトやロアーヌといった勢力を上回る力をつけていた。

「正直、気が重いよ」

 疲れた顔でピドナを支配する男、トーマスはお茶をすする。それを苦笑いで見るのは彼の昔馴染みであるエレンとユリアンだ。

 仕事を片付け、肩肘張ったディナーを済まし。ようやくプライベートな時間を確保した彼は相当に疲れていた。確かにトーマスはピドナの支配者になりつつある。しかし、その最初の仕事は前の支配層を攻撃する事と、自分におべっかを使う人間の中で誰が有用かを見極めて要職に付ける事である。一般的な感性を持っていれば十分に嫌な仕事だ。そしてトーマスは幸か不幸か、その感覚は一般から外れていなかった。

 だがしかし、そこで弱った顔や甘い顔を見せてしまえば付け込まれるのが世の常。ピドナの支配者から一転、ピドナの落伍者になりかねない。それが悲惨でないと考えるのは楽観が過ぎるだろう。

 そんなトーマスが素の顔を見せるのは心から信頼するエレンにユリアンだけ。彼ら以外にこの世界でトーマスが脆い顔を見せる事はできない。この世界以外というならばサラも含まれるだろうが、それはこの場にいる全員の地雷なので決して踏んではいけないのである。

「トムはピドナ王に一番近いって聞いてるけど、王様って大変なのね」

「ああ。俺もミカエル様のほんの一部分しか見てないけど、それでも針のムシロが生温いって感じだったからな。実際に王様になるなんてぞっとしかしない」

「――他人事だと思いやがって、お前ら」

 トーマスが恨めしそうに二人を見るが、エレンは素知らぬ顔だしユリアンは半笑いだ。完全に他人事である。

 まあ仕方ないと、そこはトーマスが割り切る。むしろここで下手に共感されても彼の怒りを買うだけだろうことは想像に難くないからだ。その点を、この昔馴染みたちは理解してくれている。このような仲間がいる事をトーマスは感謝こそすれ、恨むことはない。彼の辛さをわかることができるのは、それこそフルブライト会頭やミカエルのようなトップだけだからだ。

 そこでトーマスは表情を切り替える。

「まあ、どういった訳か、僕はピドナの王様に最も近くなったといえる立場になった。

 僕のことはそれでいいとして、エレンはやはりアビスに行くのか?」

「行く」

 躊躇いは一切ない、エレンはそう断言した。サラを助けに行くのに今更迷いなど欠片も存在しない。

 分かっていた答えを聞いたトーマスと、決まっていた答えを言ったエレン。二人の視線は残る一人、ユリアンへと向かう。

「それでユリアン、君はどうする?」

「…………」

「時間は十分にあったわ。もう、答えを出さなくちゃいけない時よ」

「ああ、そうだな。いや、本当はもう決めていたんだ」

 そういうユリアンの声には覚悟が伴っていた。サラを助ける為にその命を使うか、モニカを守る為にロアーヌへ帰るか。そのどちらであってもユリアンの答えを尊重するつもりでいた。

 しかしユリアンが選んだのは、そのどちらかではなかった。

「親父がいつも言っていた。自分が正しい事をしろって。俺は今までそれを守ってきたつもりだ。そしてこれからも守るつもりだ。

 なら決まっている。サラを助けにアビスへ向かう。そしてモニカの元に生きて帰る」

 ユリアンが選んだのはその両方。サラを諦めない、モニカも悲しませない。ある意味強欲なその言葉にトーマスはうっすらと笑みを浮かべた。

「お前らしい」

「でも、アビスから帰れる保証なんて――」

「勝算がないとは思わない。サラを助けるとして、こっちに帰ってこなければ意味はないんだから。そしてゲートが生きていて、宿命の子も存在している。ならば向こうからこちらにだって帰ってこれるはず。

 そもそもエレン、サラを助けるとはそういうことだろ? サラと一緒に帰ってくる、ただそれだけの話さ」

「――アビスには四魔貴族の本体がいる。それに、それ以上の脅威がいないとも限らない。それでもいいのね?」

「構わない」

 決意を固めたユリアンの頑固さは随一だ。エレンは比較的あっさりとユリアンを受け入れた。アウナス討伐に関して決闘騒ぎまでいったのに、また彼女も大分成長したようだ。

 そんな昔馴染みをみてトーマスは口を開く。

「なら、僕のすることはバックアップだな。トーマスカンパニーとして、またピドナができることは僕が融通を利かす。

 命は懸けない僕だが、それでも友達の為にできる限りの事はさせて貰うよ」

「正直、凄く助かるわ。あたしなんてそっちの方に才能ないから」

「ああ、トムが後ろで構えてくれるだけで安心感が全然違う。適材適所だろ」

 トーマスとしては自分だけ安全な場所で吉報を待つということに罪悪感を覚えなくもない。だが、エレンもユリアンもそんなトーマスを肯定していた。

 無駄に命を散らす事をしない思慮深い男、トーマス。自分ができる最大限の事をして、突っ走りが多い年下の仲間たちのフォローをする。そんなトーマスにずっと助けられていたのに、今更その役割に徹すると言われても反感などあるはずもない。にっこりと笑ってトーマスに全幅の信頼を寄せる二人だった。

「さて。じゃあここまで決まった事はいいとして、明日の話も大事だな」

「トムの余裕もできたからいい加減に戦利品の分配をしようって話だったか?」

「それに詩人もなんか色々手配していたみたいだし、レオナルド武器工房に一度集まろうって。

 ウンディーネさんも来るみたいだし、アビスに向けて装備品の見直しね」

 そう言って立ち上がるエレンとユリアン。今日話す事は終わった、続きは明日にということだろう。

 簡単な挨拶をして、トーマスの部屋から立ち去る二人。それを見送ったトーマスは、侍従を呼んでテーブルの上にあったカップなどを片付けさせ、新しいものを用意させる。カップの数は2つであり、来客が一人であることを示していた。

 やがて時間通りにドアがノックされる。

「来られました」

「ご苦労。通してくれ」

 執事の声に承諾の返事をすると、ドアが開かれて一人の男が入ってくる。

 この度の戦いで最も活躍した男、詩人だ。

「忙しいのに申し訳ないね、詩人殿」

「暇してるから気にしないでくれ。それから、殿はやめてくれ。こそばかゆい」

 気楽な所作で対応する詩人だが、トーマスはそれなりの緊張と諦観を以って詩人と相対していた。

 詩人はピドナの近衛騎士団を秒殺した腕前である。もはや最強であることに疑いはなく、またドフォーレ会頭を暗殺したとの情報も入っている。彼がその気になるだけで死は免れない。これで緊張するなという方が無理であり、その場合はもう諦めるしかないのだ。己の命運を。

 しかし詩人はむやみやたらにその腕を振るう男でない事も承知している。敵対すれば容赦しないだろうが、少なくともトーマスはその範疇に入っていないだろう。エレンも信頼を寄せているようだし、今現在は安心できる材料もある。心配し過ぎてもそれはそれで損するだけである。

「つまらんか?」

 お茶を口にしながら詩人について考えていたトーマスだが、いきなり核心を突かれて動揺が漏れてしまう。

 人を見る目も一流かと、トーマスはなかば諦め気味に詩人の言葉を肯定した。

「分かりますか?」

「なんとなくな。悪かったと思わなくもないが、反省する気もない」

 そう。トーマスが満たされない、つまらないと思っていることは事実だ。その原因に詩人があることも。

 そもそもとして彼は最初に多少の援助して貰ったとはいえ、自分の力で会社を立ち上げて成長させた実績がある。僅かな期間でフルブライト商会からも一目置かれる会社に急成長させたその手腕は伊達ではなく、彼の才能を疑う者はいないだろう。それはトーマスにとって充実した日々であったし、爽快だった。

 しかしそこから暗雲が立ち込める。ミューズを介して銀の腕がこの世界に復活した辺りからトーマスの手に負えない事件に巻き込まれ、内乱では一般兵を都合した程度。アラケス討伐には彼の力で雇用した実力者を送り込めることはなく、近衛騎士団を壊滅させたのも詩人。その対価はシャールが払い、利益だけをトーマスが受け取った格好だ。彼自身が苦労したり才覚を振るった訳でもなく転がり込んだピドナ最高権力者の座。トーマスはこれに喜べる事はなかった。自分の手腕でなく得たそれに達成感を感じることができなかったのだ。

 かといって、それを手放すこともできない現状。まるで誰かの操り人形になったかのような錯覚を覚える。彼に命令できるものはほとんどいないが、ピドナの支配者の席に座らされたような嫌悪感。トーマスはそれを感じていた。

 これが誰のせいかといえば、まあ詩人であろう。近衛騎士団を破り、ルートヴィッヒをピドナから追い出す。せっかくだから味方側の誰かにピドナを支配して貰いたいと思ったところにいたトーマス。詩人が功績の全部をトーマスにぶんなげたのだから。

 まあそれでも詩人は支配者になる気はない。そもそもその資質がない。彼は戦いに関しては比類なき能力を発揮するが、人心掌握術など人の上に立つ才能というのは欠片も持っていなかった。だからこそフルブライト商会などと結びついていたのであるが。

「このまま実感のないままピドナの――メッサーナの王になる。正直、つまらないとは思いますよ。

 これが僕の力で立ち上げたものならこんな虚無感はなかったとは思いますけどね。

 まあ言っても仕方ないですし、詩人さんに恨み言を言う気もないです」

「そうか」

 僅かに空白の時間が流れる。詩人はゆっくりとカップを持ち上げて紅茶を楽しんだ後、真っすぐにトーマスの瞳を見た。

「なあ、トーマス。民主政治っていうのに興味はないか?」

 

 翌日、レオナルド武器工房。

 そこには大勢の人間と、物凄い武具が揃っていた。

 詩人、エレン、タチアナ、カタリナ、シャール、ユリアン、少年、トーマス、ノーラ、ミューズ、ウンディーネ。

 それに数多の聖王遺物と、大きな木箱がたくさん。大きな箱は詩人が手配したものらしく、中身を知るのは詩人のみである。

「じゃあ、戦利品を分けるか」

 詩人の言葉で一同の表情が引き締まる。ジャッカルは多くの聖王遺物を入手しており、今回の戦いでそれらをほぼ丸々回収した形となる。それらの所有権を明確にするというのは大事なことである。これを疎かにすると、後で必ず大きな騒動になってしまう。

 もちろん議論の余地がないものもある。詩人の妖精の弓、タチアナの氷の剣、エレンの聖王のかぶと。これらはほぼ彼らが独力で入手したものであり、他の者は所有権を主張することはできない。

 逆にそれ以外のものはしっかりと話し合わなくてはならない。銀の手、聖王の槍、ルツェンルンガード、七星剣、栄光の杖、聖王の指輪。これらが誰の者であるかを今ここで明確にしようというのだ。

「うちは聖王の槍を取り返したい。文句があるなら先に言ってくれ」

 ノーラがまずは口火をきる。聖王の槍はそもそもレオナルド武器工房のシンボルであったからして、彼女が欲するのはむしろ当然。そして異論がでるはずもない。

 そして次々に希望の声が出されていく。

「クラウディウス家は正式に銀の手を頂戴したく思います。もちろん、シャールに預けますが」

「今ここにありませんが、マスカレイドを奪取した暁にはそれを私の物と認めていただきたい。その代わりにこの場にあるものには手を出しません」

 それらの言葉は問題なく通る。残る聖王遺物は4つ。権利を主張できるのは、6人。

「じゃあ、俺は聖王の指輪を貰おうか」

 そういったのは詩人。今回、彼はこれがなかったせいで後手に回り、大失敗を犯してしまった。300年後にどうなっているかは分からないが、とりあえず確保しておきたいというのは理解できる話だろう。

 次に口を開いたのはトーマス。

「僕は槍を使えるし、残ったものの中ならルツェンルンガードが欲しいかな」

 こうして七星剣と栄光の杖が残される。まだ声を出していないのはエレンとタチアナ、ユリアンと少年。

 とはいえ困ったことになったのはユリアン以外の3人である。ユリアンは七星剣を得手として使えるが、他の者たちにとっては正直に言って両方ともいらないものである。今更こんなものを貰っても仕方ないといえば仕方ない。

「僕はいらないよ。正直、聖王遺物を扱えるとも思えないしね」

 そういったのは少年。死に魅入られ過ぎた彼は確かに聖王遺物をまともに使えるとも思えなかった。

 しかし他をどうするか。いらないのは事実だが、それをはっきり言うのも問題となる現状である。

 そこで口を挟んだのは詩人。

「ユリアン、お前装備は結構心もとないだろ? アビスに行くならなおさら」

「ええ、まあ」

 ユリアンがアビスに行くことは、今この場にいる者には全員聞かされている。今更それに驚く者はいないが、詩人はそこで一つ切り込んだ。

「取引をしよう。お前が聖王遺物を一つくれるなら、アビスに行っている間、俺の秘蔵の武器を貸してやる」

 そう言って詩人はいくつかある木箱の一つを開ける。そこには剣と鎧、そして盾が入っていた。

「竜鱗の剣、竜鱗の盾、竜鱗の鎧。一流の武具であることは保証してやる」

 あっさりと出される、最高の武具にほぼ全員の目が点になる。こんな雑に出されるレベルのものではないからだ。

 そして詩人の突拍子の無さは終わらない。別の木箱を開けると、そこにあったのは流麗な刀身を携えた大剣。

「月下美人。見ればまあ、凄さは分かるだろ。これはカタリナに預ける。いい武器を持つにこしたことはないだろうからな。

 それからシャールにも俺の槍を貸そうか。銘は竜槍スマウグ、俺のメインウェポンの一つだからちゃんと返してくれよ」

 ぽいぽいと投げ渡される、有り得ない武具の数々。特に竜を素材とした武具は簡単に手に入るものではない。いったいどこで手に入れたのか。

 単に疑問に思い、エレンは訊ねてみた

「詩人、この材料はどこから……?」

「ドーラだ」

 一言で切って捨てる詩人。グゥエインの母竜、ドーラ。その遺骸を素材として最高の武具に仕立てなおしていたのだ。

 死して武器に作り直すその行為は趣味が悪いと見るか、交友があったものを死しても共にあろうとする美談と読むかは個々人に任せるとして。とにもかくにもひとまず武器に関してはほとんど解決してしまった。詩人が口を挟むのはもう一つのみ。

「ああ、そうだエレン。お前の斧も仕立て直して貰え。その斧はブラック向きの形になっている筈だ。お前に合わせて調節してもらった方がいいと思うぞ」

「え、ええ。分かったわ」

「とりあえず残りの聖王遺物、栄光の杖と七星剣は詩人さんが持つってことでいいのかな?」

 ユリアンにエレン、タチアナはそれに異論を出せる状況でなくなったのだから、まあ不自然な話ではない。ごっそりと聖王遺物を回収する詩人に思う者がいなくもないが、今回の立役者は詩人ということを思えば文句もつけにくい。とりあえずこれはこれで一段落ついたとみていいだろう。

 さて。続けて防具に話が移る。ここで今まで黙っていたウンディーネの出番だ。

 フォルネウスとの戦いから、術具と防具の融合に力を注いできた彼女の成果が表に出される。用意されたのは二つの鎧。煌びやかな黄色の鎧と、蛇の革をなめして鎧に整えたようなそれら。

「黄龍の鎧。玄武、朱鳥、蒼龍、白虎のそれぞれの属性耐性を付加し、術耐性を大幅に上げる術具をつけた鎧よ。金属部分もレオナルド武器工房が丹念に打ちだした特級品。

 ヒドラレザー。ヒドラ革を素材に作った極めて頑丈な鎧よ。打撃、斬撃、熱攻撃、毒撃に高い防御力を誇るわ。

 間違いなく私とレオナルド武器工房の最高傑作ね」

 黄龍の鎧はエレンに、ヒドラレザーはタチアナに贈られる。少しだけ戸惑った彼女たちだが、装備はいいもの過ぎても困らない。謹んで受け取ることにした。

 ただ、ウンディーネは加えて申し訳なさそうな顔をする。

「けど、開発費用は請求させて貰いたいの。お金がかかっちゃって、流石にタダで渡す訳にはいかないわ」

「う。まあ仕方ないですね」

「まあお金を払うのは仕方ないよね」

 それなり以上に稼ぎまくっている二人はウンディーネの正論に頷いて、渡された請求書を見るが。その顔が一瞬で固まった。

 頑張ればどうなるという範疇を超えている。いや、そう、超越という言葉を彼女たちは確かに理解していた。

「あ、じゃあそれは僕が払うよ」

 そこに割り込んだのはトーマス。ひょいと請求書を奪うと、書かれた金額を検める。

 ピクリと眉を顰めるが、それだけ。彼ならば十分に払える金額だった。法外な額には違いないが。

「ト、トム。でも――」

「気にするなよ、エレン。僕には金を出す事しかできないんだからさ。サラの命の代金にしては安いものさ」

 はっきりいうが、そんな金額ではない。金と命を秤にかけることはあまり推奨されることではないだろうが、この場合でも金を取る者が出るのではないかという金額だ。

 だが命を懸けないトーマスに躊躇いはない。サラを、そしてアビスに向かう仲間の命を守る防具の為には金に糸目をつけるつもりはなかった。

 それにほっとしたのはウンディーネ。

「助かるわ。私としてもエレンお嬢ちゃんやタチアナお嬢ちゃんにお金の話はしたくなかったんだけど、今回は流石に額が額だから」

「いや、良い防具を用意して貰って感謝している。なんなら、僕がパトロンになりたいくらいだ」

「あら、いいの?」

「ああ。僕も親衛隊を用意しなくてはいけないからね。それに持たせる武器防具を開発してくれるなら願ったりさ。

 ただまあ、値段はもう少し考えて貰いたいが」

「それは大丈夫よ。ここまでのものを作るのは多分もう無理だから。そちらの意見を聞いて柔軟に対応させてもらいたいと思うわ」

 トーマスとウンディーネの間で話がまとまる。

 それはさておき、また一つ話が進んだ。アビスに向かうまで、他にしなくてはならないことをエレンは確認する。

「詩人、アビスにはいつ行くの」

「もうちょっと時間が必要だな」

 まだ不足していると詩人は言う。そして続けた言葉に、多くの者は目を見開いた。

「次は修行だな。特にエレン、タチアナ、ユリアン。使える技を教えてやるよ」

 詩人が手ほどきをする。それに驚きが伴わない訳もなく。

 準備は進む。苛烈さを増しながら。今度は負けるわけにはいかないのだから。

 


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