絶対に完結させるけど。多分、後10話くらいだし。H×Hの分をこちらに注げていたら完結していたかも。
しかし今は、サガシリーズではロマサガ3よりもフロンティア1が書きたくて仕方がない。詩人の詩の設定を引き継いで。
その為には早く完結させろって話ですよね。
では最新話をどうぞ。
想像はしていた。だからこの現状は決しておかしいものではない。
(バカな……)
それでも、シャールは驚愕で心のどこかが冷たくなっていくのを感じていた。それは視界の端で表情を捉えたカタリナも同じであると分かる。
実際に手合わせをした詩人は、それほどまでに強かった。
「連携に難がある」
アビスに向かうメンバーを見定めた詩人はそんな事を言った。基本的に彼らはベント家に厄介になっており、そこでアビスに向かう準備を進めている。そして詩人の言葉を聞いた一同はなるほどと納得をせざるを得なかった。
特に他の者と連携をほとんど取った事がないカタリナには反論の余地はなく、シャールだってユリアンはともかく他の者とは馴染みが薄い。エレンもユリアンやタチアナ以外とはうまく連携を取れる自信はない。少年に至っては実力差のせいで連携を取ること自体が困難な有様だ。
「模擬戦でもする?」
「そうだな。俺が相手をしよう」
エレンが軽く言い、詩人が簡単に頷く。それに驚きの表情をするのはカタリナ、彼女は別に模擬戦が厭だという訳ではないのだが、相手が詩人だけというのが引っかかったのだ。
「あなた一人を相手にしても仕方がないでしょう。2つのチームに分かれて……」
「いらんいらん。っていうか全員の連携を上げるんだから、そっちは6人が一緒のチームにならないと意味ないだろ」
その言い方にカチンとくるのは、カタリナとシャール。ユリアンは俺もあんな時期があったなぁと少し遠い目をしていた。
売り言葉に買い言葉というか、まあ多分詩人は売っている自覚はないだろう。彼の認識ではカタリナが勝手に言葉を買ったという印象に過ぎない。四魔貴族の影をこの世界から追い出して、宿命の子と共にアビスに行くだけという現状、自重という言葉が抜け落ちつつあった。
「いいでしょう。では私たち6人をお相手願えますか」
「もちろん。場所は……ピドナ宮殿の中庭でいいか。真剣を振り回すなら周囲に迷惑がかからない場所がいい」
しかも模擬戦用の殺傷能力を省いた武器ではなく、手持ちの真剣でやるとまで言う。ここまで来ると自信ではなく慢心だ、そう思ってしまう2人。
目に物を見せてやる。トーマスにピドナ宮殿中庭の使用許可を取る詩人にそう思うのだった。
(それができれば苦労ないよー)
その一連の流れを冷ややかに、そして正確に見ていたタチアナの感想である。
そして。
シャールの
咄嗟に割り込んだユリアンが手加減なしに頭上から地面に向かって竜鱗の剣を振るう。足一本で詩人は己の体を回転させ、くるりと半身をずらしてその攻撃をやり過ごす。そしてユリアンの開いた胴に棍棒で軽く殴打。
それを隙として、エレンとタチアナがその詩人に襲い掛かる。改良を重ねるブラックの斧を振り上げるエレンと、氷の剣を長剣と小剣に形を変えた二刀流で迫るタチアナ。タチアナが攻勢防御に出て詩人を釘付けにして、その隙にエレンが全力の一撃をお見舞いする連携。それを詩人はタチアナの連撃の間をすり抜けてその足を払い、エレンの斧は捻転を込めた拳で横っ腹を叩いて軌道を逸らす。
攻撃が失敗して即座に引くエレンの空白を埋めるように。体勢を立て直したシャールが槍をチャージで突き出して、カタリナが月下美人でスマッシュを叩きつける。少年も手に馴染んだ東方不敗を脇構えにして払い抜けを選択した。詩人は最も自分に早く到達するカタリナの攻撃から順番に対処する。
カタリナのスマッシュの勢いに合わせて縦回転。風車のように後ろ向きに回転し、頭を下にしてなんなくその技をやり過ごすと代わりに上がった足先でカタリナの顎を軽く蹴り上げる。上下反転した詩人はそのままシャールの槍の穂先を白刃取りで受けると、ギュルリと掌をこするように摩擦させることで槍を反対側から回転させ、あろうことか自分の天地を逆転させると同時に槍の反対側を持ったシャールに回転を届かせて思いっきり体をつんのめさせる。そして残った少年の刀をなんなくさばき、カウンターでポコン。
「――終いだ。残像剣」
持っているのは棍棒だが、その技は気による瞬間的な分身の作成を極意とする。棍棒だけを気で一瞬だけ実体化させ、それぞれの防御の隙間に差し込むように殴りかかる。受け手としては自分のすぐ傍にいきなり敵の武器が出現するのだからたまったものではない。避ける間もなくその一撃を許すしかないのだ。
「「練気拳!!」」
いや、このエレンとタチアナだけは違う。練気を発動させ、襲い掛かる朧な棍棒を弾き返して攻撃を無力化。攻撃に成功した棍棒も、弾かれた棍棒も。瞬く間にその形を失い、霧散する。
「見事、と言っておこうか」
それを見越したのか、読んだのか、それとも見てから動いたのか。いつの間にかエレンとタチアナの近くまで移動していた詩人は、今度は実体ある棍棒を振り上げる。
重なる攻撃で受ける準備ができていなかった彼女たちに、もはや対応は不可能だった。
「いたっ!」
「きゃん!」
ポコポコと軽い音が二回。
6人掛かりで無傷、6人掛かりで汗すら流させない。詩人という男に、その強さを体験していなかったカタリナとシャールは唖然とした。
確かにピドナの近衛騎士団を瞬く間に壊滅、全て一太刀で切り捨てたとは聞いた。自分たちはそんなことはできないとも思った。
だがしかし、実際に立ち合ってその武を肌で感じれば理解してしまう、理解せざるを得ない。この男、詩人は次元が違いすぎる。
「ま、運動にはなったかな」
軽くそう言う詩人に、もはや何も言い返せない。そこまでの圧差で完敗だった。
「どうだ、連携は大分馴染んだだろ」
「そうね、癖とかは結構把握できたと思う。そして次は殴る」
「私も合わせてくれるタイミングとかは掴めたかな。そして次は刺す」
そんな中で、エレンとタチアナだけは詩人に追いすがる事を止めはしない。飽くなき向上心で至高の男に挑み続ける。っていうかタチアナ怖いな。
さらっとセリフの後半を無視して、詩人は少しだけ考え込む。
「流石にカタリナとシャールの完成度は高いな、高すぎて手が加えられない。逆にエレンにタチアナ、ユリアンは発展途上だし加えて鍛えていいか……」
自分の中だけ完結して、詩人はエレン達三人を見る。
「最後に使った技があっただろ、気で武器を作り出したヤツ」
「ええ、初めての技だったわね、正直びっくりしたわ」
「アレをお前たちに教えようかと思う。気を扱った技だからできないということもないだろうしな」
「おー。詩人さんが新しい技を教えてくれる!」
無邪気に喜ぶタチアナ。それを笑って見た詩人は、最後に残った少年に顔を向ける。
「最後に少年だが、一人だけレベルが足りない。正直、今から急に強くなるのは無理だと思う」
「…………」
「とはいえ、君は宿命の子だ。ゲートを開く為にもついてきて貰わなくては困る。
だからその宿命の力を使いこなす事を目指してくれ」
「この、死の力をですか?」
嫌悪をにじませる少年だが、詩人は揺るがない。こくりと容赦なく頷く。
「死の術は強力だ。敵を殺すのはもちろん、攻撃の気勢を削ぐ守りの術にさえなるだろう。術の支配者は君だ、怯えなくていい。むしろ怯える方が死の宿命に呑まれてしまう。
そこでだ。ピドナから北に、死を祀った寺院跡がある。そこへ行き、死とはどういうものかに触れて、術力を高めてくれ」
「! そんな……」
「強制はしないが、それはサラを救う為の力になるだろう」
少しだけ静寂。
「分かりました、行きます」
「決まりだな。今日急にとは言わない、多少時間をかけて準備をしてくれ。そこには死の気配に誘われたモンスターも多いだろうからな」
いったん話が終わる。詩人はそこで解散を告げた。
ある者は疲れを癒す為にベント家に戻り、ある者は自分の用事を済ます為に街中へと向かう。
そしてシャールは、クラウディウスの屋敷へと足を向けた。
屋敷に着き、その扉をノックする。すぐにがちゃりと扉が開き、メイドが顔を出した。
「まあ、シャール様」
「邪魔をしていいか?」
「ええ、もちろんです。ミューズ様からもシャール様は許可を取らずに賓客として扱えと指示を受けていますわ」
そう言ってシャールを中へと誘う。どこか懐かしく、しかしどこか違和感がある屋敷を進むシャール。変わらないところもあれば、変わってしまったところもある。しばらくクラウディウスの手を離れてしまった弊害だろう。寂しいとは思うが、興隆と衰退は世の常。それを受け入れるくらいはシャールに度量はあった。クラウディウス家はむしろ中興できただけ幸いな部類だろう。
「ミューズ様は?」
「書斎で勉強なさっています。その他にも剣術を習ったり、自分に厳しくし過ぎかと心配ですわ」
困った顔をするメイドだが、シャールはどこかミューズの心が分かった気がする。
シャールを、己を失った罰をどこかでミューズは求めているのだ。そしてまた同じような悲劇が降りかかって来た時、それを払えるように。今度こそ自分の大事なものを守れるように。
それらが合わさって、ミューズは過酷ともいえる自己鍛錬を行っているのだと。
書斎に着き、シャールはコンコンとドアをノックをする。
「ミューズ様、シャールです」
「まあ、シャール!」
扉の奥から喜びに満ちた声が聞こえ、ぱたぱたとした足音の後にドアが開いた。
そこには少しだけ疲れた顔をした、けれども前よりもずっと健康的になったミューズが居た。
「シャール、今日はどうしたの?」
「特に何も。時間ができたのでミューズ様にお会いしようと思っただけですよ」
いつまでピドナに居られるか分からないから。その言葉は呑み込んで。
だが、言わなければ伝わらないというものでもない。それをしっかりと理解してしまったミューズは僅かに顔を哀し気に歪ませると、しかしそれでも気丈に笑う。
「そうね、お茶にしない?」
「喜んで」
すぐにベルでメイドを呼び、お茶の準備をさせる。書斎からリビングへと移動し、薫りが素晴らしい高級茶葉を一流のメイドが雑味なく抽出したそのお茶がふるまわれる。
それを口に運んだシャールは思う、満点を与えていいと。できるだけの最高をミューズに贈るという約束は守られているようだった。
しかし、そこにミューズが最も望んだシャールはいない。
「ね、シャール」
「はい」
「シャールは私の家族よ。私の、最後の家族」
「…………」
「その家族を、私は守れなかった。ごめんなさい。本当に、ごめんなさい」
「謝らないでください、ミューズ様。家族とて、永遠に一緒に居られる訳ではないのです。
人はいつか死ぬ、私はそれがほんの少しだけ早かっただけですよ」
「…………」
「それに、家族は新しくできます。佳い人を見つけ、できた子供を愛して下さい。
いつかミューズ様が聖王の御許に導かれる時、それを悲しんでくれる大切な人をたくさん作って下さい。それこそが私の願い、私の望み。
それ以外は望みません」
「シャール……。分かったわ、シャールがそう言うのであれば、私はそのように生きましょう」
そう言ってカップを持ち上げるミューズの手は震えていた。
人は、そう簡単に割り切れるならば苦労はない。シャールを喪う悲しみが癒えるのが何時になるか、それは誰にも分からないのだろう。
しかしミューズはそれでも笑う。シャールがそう生きる事を望むなら、できる限り沿うようにしようと。たとえ心から笑える日が来なくても、それでも心から笑えるように努力をしようと。
「ミューズ様に聖王の加護があらんことを」
そう言ってお茶を飲み干し、立ち上がろうとするシャール。
帰るのだろう。それが永遠の別れになる気がして、思わずミューズはシャールを呼び止めた。
「待って、シャール!」
「どうしました、ミューズ様?」
動きを止めるシャール。別にシャールとしては何も思うところはない。明日死地に赴こうとも、それは覚悟していること。今更死が怖いなどと、騎士として情けない事は死んでも口に出せない。
だが、未だに心の整理がついていないミューズにそれは強い恐怖を呼び起こした。今、シャールを帰せば二度と会えないかも知れない。その恐怖に、ミューズは勝てないでいるのだ。
「泊まって、泊まっていって!」
「は?」
「ベ、ベント家には使者を出しましょう。本日、シャールはクラウディウス家に宿泊すると。
詩人も、居場所が分かれば問題ないと判断するでしょう!」
「…………」
まあ、シャールとしては構わない。ただし、これだけは言っておかなくてはならない。
「今の雇用主は詩人殿です。もしも詩人殿から帰還するように指示があったらすぐに戻りますが、それでいいですか?」
「ええ、ええ。もちろんです」
「――分かりました。では明日の朝食までの予定で厄介になります」
ミューズの恐慌も理解できるシャールは、比較的あっさりミューズの言葉を受け入れた。
そしてこの話を聞いた詩人は、特にシャールを呼び出すことなくそのままクラウディウス家に彼を逗留させるのだった。
場所は変わってレオナルド武器工房。
そこに向かったのはエレン。ブラックの斧に手を加え、エレン専用の武器に仕立て直している。今はその最終調整、詩人との模擬戦で使い心地を感じ、ほんの少しの違和をなくす為の最後の手入れをしていた。
「軸がほんの少し、右にぶれてるわ。それから重心も手元に1.3mmくらいずらして貰いたいの」
「分かった」
その作業をするのはノーラ、聖王の槍を取り戻したこの工房の主。彼女は戦うことの最前線からは退き、職人として最高になろうと腕を磨いている。彼女を主とする工房に高々と飾られたのは聖王の槍。レオナルド武器工房の初代がアラケスの魔槍を叩き直し、聖王専用にしたという聖王遺物の中でも最も格のあるものの一つだ。
シンボルが戻ったレオナルド武器工房はなお一層の賑わいを見せ、ピドナではなく世界で最も有名な工房になりつつある。ピドナの新たな支配者になったトーマスから手厚い支援を受け、フォルネウスを倒した天才術師ウンディーネとも提携し、武具の新たな領域を目指して研鑽を積んでいる。
そんな彼女は真剣な瞳で斧に向き合い、精密な調整を行う。ヤスリでほんの少しだけ削って微細な修正をする。
「しかし結構形が変わったわね~」
「エレンが使うイメージと大分違ったからね、思い切ったアレンジをさせて貰ったよ。でも、地金は一緒だから」
「それは見てたから分かってるわ。それに今の方が断然に使いやすいし、文句もないわよ」
喋りながらでもノーラの手元は狂わない。そんな職人だからこそ、エレンは自分の相棒でもありブラックの形見でもあるその斧を任せるに値するのだと思っている。
ブラックから渡された時はバイキングアクスの形をしていたそれは、刃の部分が全く違っている。言うなれば風車のような三枚刃が、持ち手と合わせて十字のように広がっているのだ。
ホークウインド。そう呼ばれる斧として最高の威力を持つそれに、エレンの得物は姿を変えていた。形は大きく変わったが、その元となった金属はノーラの言った通りにブラックの斧のものを再利用している。とはいえそれなりに痛んでいた分もあったので、金属やその他の素材を足して強化し、傷んでダメになった部分は金属を溶かす際に浮き出たので捨てざるを得なかった。それを経由してできたこの斧は、生まれ変わったといっても過言ではあるまい。しかしその元は間違いなくブラックの遺品だという事実が、エレンの口から文句を出なくしていた。
ブラックの斧はその重量を振り回すように扱い、体重と合わせて相手を潰し切るような使い方を主眼に置いていた。しかし新生したホークウインドは刃物の切れ味を重視し、重みと合わせて裂傷を与える事に特化しているといっていい。
何よりエレンが好んだのは、重心が大分体寄りになった事で、斧の重さに振り回されることが少なくなったことだ。体術も扱う彼女は、武器を振るう際の遠心力によって体の軸がブレることを極端に嫌う。それが改善されたとなれば喜ばない訳がないのだ。
「と、完了。どうだい?」
ノーラに渡されたホークウインドを手に取り、軽く振るうエレン。修正したのはほんの少しであるのに、馴染み方は全く違う。
これが熟練の技の結晶なのだろう。ノーラの工房技術と、エレンの武術。そのどちらかが欠けても、理解できない領域なのだ。
「素晴らしいわね、助かるわ」
「良い言葉だ、職人冥利だねぇ」
そう言って男臭い笑みを浮かべながら、ノーラは仕事終わりの一服をするべく煙草を口に運ぶ。じりと少しだけ距離を取ったエレンには苦笑いだ。
「――どうだい、勝てるかい?」
「勝つのよ。それ以外ないわ」
「は。野暮を言っちまったか」
ノーラの敵討ちは終わり、これからは鍛冶場での戦いに身を投じる事になる。エレンはこれまでも戦い続け、そしてサラを助けるべく最後の決戦に挑むことになる。
道を違えた二人、そもそもとして面識だってそんなにない。それでも、彼女たちは戦友だった。
「んじゃま、勝ってこいや! 祝い酒で飲み比べをしようぜ!!」
「いいの? あたしザルよ? シノンの村でもどこでも負けたことなんて一度もないわ」
「いいね、楽しい酒宴になりそうだ」
その言葉を聞きながら、エレンはノーラに背を向ける。彼女は軽く手をあげて挨拶をしつつ、レオナルド武器工房を後にした。
湿っぽいのはゴメンだと、その粋な生き様は嫌いじゃない。見送るノーラは思うのだった。
「…………」
ベントの屋敷で詩人は送られてきた手紙に目を通す。
ロアーヌのリンが筆を取ったその手紙は、今はミカエルの為に尽くしたいと書かれてあって、東には行けないという詫び文だった。
それから、エレンとタチアナの武運を祈るとも。決して薄情なだけではなく、共に戦った者への信頼が溢れた文だった。
(まあいい。予想から外れてはいない)
結局、詩人はあの妖怪婆に説明する役がイヤだっただけである。っていうかリンも多分それがイヤなのが一因にある気がしてならない。
もうあの妖怪婆が全部悪いという事にしておこう。そうしよう。
それよりも気になるのは、ユリアンとカタリナが認めた手紙。それぞれモニカとミカエルに宛てられた、遺書である。
東に行き、ゲートを潜ってこちらに戻って来るまで、どんなに長く見積もっても三ヶ月と詩人は試算を出した。だから、半年。半年経っても戻らなかった場合、その遺書はトーマス手ずから渡される手筈になっている。
モニカには幸せに生きて欲しいという願望が綴られており、ミカエルにはマスカレイドを取り戻せなかった謝罪文があると聞いた。確かに死を覚悟しなくてはならない以上、間違った準備とはいえないだろう。
それでも。
(誰も死なせやしない。みんなで生きて帰ろう)
仲間に死んで欲しくない。
詩人は改めて心で誓いを大きくするのだった。