詩人の詩   作:117

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活動報告もちょくちょくあげています。
よろしければそちらもご覧ください。


056話

 

 

「じゃあ、支度から始めますか」

「はい」

「おー」

 翌日。サザンクロスと謳われた女がエレンとエクレアの元に訪れた。

 早速始まる旅支度。

「ってか、目的地ヤーマスでしょ? 5日かかんないじゃん。単純に5日分の食料と水持てばいいんじゃない?」

「雑っ!?」

「サザンクロスさん、旅についても勉強したいですっ!」

「あ~。野営時のサバイバルとか? 猪とか仕留めて肉にする方法でも覚えとく?」

「方向性が極端だよねサザンクロスさん!!」

「あ、それは慣れてるので省略でいいです」

「エレンさんも凄いねっ!?」

 前途は多難である。

 

 とりあえず、講義。練習も兼ねて水や食べ物の補給のやり方を含んだ旅であることを加味して荷物内容を洗い出し、道具の使用方法や節約法を教えていくサザンクロス。

 そして講義をしながらコリコリと頭を掻くサザンクロス。

「ってか、こんなの基本中の基本じゃん。アンタら、こんなのも知らないでよくフォルネウスを仕留める旅とかできたわね」

「詩人さんに言われた通りやってたから」

「あ~。あたしもトムとかに言われるがままに動いていました」

「他人に頼り過ぎ。まあ、そういう奴も居ない訳じゃないけどね~。こういう事を知っておかないと土壇場で脆いわよ」

「その為に今勉強してるんです。エクレアもちゃんと覚えておきなさいよ」

「はぁ~い」

「……やる気が感じられないわね、この子からは」

 やれやれとため息を吐くサザンクロス。

 そんな彼女を見てふとエクレアが思い至った事を口にする。

「そういえばさ、私たちってサザンクロスさんのことを何も知らないよね」

「ん~? まあ、簡単な自己紹介もしてなかったっけ?」

「うん。折角だし、簡単に話を聞きたいな」

「ま、別にいいけど。本名は……まあ言わなくてもいいわよね。今はもうサザンクロスっていう通り名の方が有名だし。歳は二十歳」

「あたしとタメなのっ!?」

「あ、エレンも二十歳なんだ。

 で、バンガードで旦那と出会って去年に男の子を産んだばかりの新米ママよ」

「しかも子持ちっ!?」

 ズーンと落ち込むエレン。女として明確に優劣がついた瞬間である。

「しばらくは育児に専念しようかとも思ったんだけどね~。ほら、フォルネウスが攻めてきて軍が半壊になったじゃない?

 サザンクロスを遊ばせてる場合じゃないってキャプテンから要請が入ってね。子供の授乳は終わったし、お義母さんに任せてしばらくぶりに稼ぎに出たって訳。情勢が一段落したらまた育児に戻るつもりよ。

 本格的に復帰するのは子供が大きくなってからね」

 気軽に言うサザンクロスだが、エレンやエクレアにとってはこんな機会でもなければ西部最強の剣士から学ぶ事は無かった訳である。人生とはどう転ぶか分からないものだ。

 それでとサザンクロスの表情が問いをかけるそれになる。

「そっちの名前とかを教えてくれるかな?」

「名前はエクレア! 今は詩人さんについて槍とかの練習中!!」

「うん。で、本名は?」

「エクレア!」

 ひくとサザンクロスの表情が引きつった。

 場を取りなす為に慌ててエレンが口を挟む。

「あたしはエレン・カーソン、シノンの村の開拓民でした。事情があって村を出た後、四魔貴族を討伐する旅に出ています」

「経緯っ! 何があったら開拓民が四魔貴族を討伐する旅に出る事になるのよ!?」

「……一身上の都合です」

「便利な言葉を使うわね……」

 そして実際にフォルネウスを討伐している辺り、なかなかツッコミがしにくいところである。気まずそうに視線を外しているのも、そしてまた意思が強そうな色を湛えた瞳も追求を躊躇わせる要因である。並々ならない事情がある事は察せるし、それを簡単に言う事がないであろう事もまた察せる。

 まあサザンクロスの仕事は手解きをする事であって、調べる事ではない。四魔貴族を相手取り、倒すという結果を出したのなら抱える秘密も大きかろうと深くは聞かない事にする。そして彼女たちが簡単に口を割る事はないだろうが、隠している秘密は宿命の子と大商人ラザイエフの令嬢である為に正しい判断である。簡単に抱えるには大きく重すぎる秘密だ。

 

 経験者がいると準備にかかる速度が全く違う。その日のうちに準備が整うのだった。

 

 

 バンガードからヤーマスへの旅。

 町と町の間が短く、モンスターが巣食うには人の往来が激し過ぎる道である。その為、出現するモンスターは縄張りを追われた弱い個体であったり、新しい縄張りを探す若い個体である事が多く、総じて弱い。

 だがしかし、弱い敵には弱い敵なりに活用法があるものだ。

「ふっ!」

「ギィィィ!!」

 エクレアがただ一人で相手取っているのはロックアインの(つがい)。ゴリラをさらに凶暴化させたようなそのモンスターは頭が悪く、力任せに殴りつけてくるか拾った岩を投げつけてくるくらいしか攻撃方法を思いつかない。

 それを練習台としてエクレアがシルバーフルーレを振るって数分。ロックアインは何度も何度も突き刺され、体中が血まみれである。

「グギャァァァ!!」

「よっと」

 苦痛に喚きながら繰り出す拳を避け、カウンターでその胴体に思いっきり拳をめり込ませるエクレア。苦悶の声を上げながら、もう動けないとばかりにへたり込んでしまうロックアイン。だが、この拷問地獄はこの程度で終わってくれない。動けないロックアインに向かって術を唱えるエクレア。

「再生光」

 太陽術で回復効果を持つそれは容赦なくロックアインを癒す。傍から見ても泣きそうな顔で立ち上がったロックアインがちらりと後ろを見れば、そこにはその(つがい)であったもう一匹のロックアインの遺体。そのロックアインは後頭部に刺突の傷を受けて絶命していた。逃げようと背を向けた瞬間、エクレアに殺されたのだ。

 逃げようとすれば殺される。戦おうとも傷一つつける事なく嬲られる。それでも死にたくないと、ロックアインは絶望的な戦いに身を投じざるを得ないのだった。

「ねえ、なにこれ?」

 少し離れた場所で見学しているサザンクロスがドン引いた声でエレンに尋ねる。

「手加減の練習ですよ」

「はい?」

「あの子、強い相手と戦ったり殺してもいいモンスターと戦闘した経験は豊富なんですけど、格下で殺しちゃいけない人間と戦った経験がほとんどないんですよね。

 その為に詩人から出された課題があれです、相手を殺さないように手加減をする練習。ついでに回復術の練習も兼ねてるんですって。まさか人間相手に練習する訳にもいかないですから」

「いや、モンスター相手にも勘弁して欲しいんだけど……」

 回復術をかけても流れた血が戻る訳でもない。全身を血で赤に染めるロックアインには、人を襲うモンスターとはいえ同情心の一つも湧いて出てしまう。

 そうこうしているうちにやがて血を流し過ぎたのか、ロックアインは地面に倒れてピクピクと痙攣するだけになってしまった。回復術でも効果がない辺り、もう生命力は残っていないのだろう。

「はい、おーしまいっと」

 今まで散々いたぶっていたのが嘘のように、あっさりと一撃でロックアインの命を絶つエクレア。

「おまたせー。大分慣れたから、次からはサクサクいこっか。もう手加減の練習はしなくて大丈夫だよ~」

「ですって」

「……良かったわ、心底」

 見ていて精神衛生にはとても良いとは言えない光景である。課す方も課す方だが、受ける方も受ける方だ。

 無邪気な笑みを浮かべるエクレアに思わず背中に冷たいものが走ってしまったサザンクロスであった。

 

 気を取り直して進む一行。弱いモンスターばかり出てくるとあって、フォルネウス軍を圧倒する戦闘能力を持つ三人の前では大した障害にならない。鎧袖一触にたまに出るモンスターを蹴散らしていく。

 むしろ手間取ったのは野営の準備である。ある程度まで進み、適当な野営地を見つけて準備をするが、エレンはまだしもエクレアの手際が悪い事この上ない。サザンクロスが手取り足取り教える羽目になっている。その点、エレンはシノンで数日かけて狩りに出た経験もある分、野営の準備に手間取る事はなかった。彼女の知識に無いのは旅の前準備で荷物整理をする方法や、現地でも水などを補給する方法などである。

 エクレアとサザンクロスが散々苦労して野営の準備をする。エクレアは自身に興味がある事は異常ともいえる速度で吸収するが、興味がない事にはとことん覚えが悪いらしい。

「つかれたぁー……」

「それはこっちもよ……」

 ぐったりした道連れ二人に苦笑いをしながら淹れたお茶を差し出すエレン。彼女はまだ精神力に余裕がある。

 もう一時間もしたら夕暮れになり、更に半刻もすれば夜闇に包まれるだろうこの時間に野営の支度を終わらせたことにはもちろん意味がある。サザンクロスを旅の同行者に選んだ理由である、彼女からの手解きを受ける為だ。

 時間は有限であり、無駄にはできない。少しだけお茶を飲む休憩を挟んだ彼女たちは具体的に話を持ちだす。

「それで私は鍛える依頼を受けた訳だけど、一番得意とするのは小剣よ。エレンの指導までは手を出せないと思うけど」

「小剣のエキスパートならエクレアを鍛えてあげて下さい。あたしはあたしで自習をしますから、手合せはまた明日以降でお願いします」

 組み手くらいならばエレンもお世話になれるだろうが、エクレアも小剣を使うのでそれは最優先ではないだろう。もちろん色々な相手と戦闘経験を積むのは悪い事ではないのでこの旅の最中に数回は手解きを願いたいところだが、それよりもエクレアの小剣を鍛え上げる方が効率的だ。

 エレンはそう思い、主にサザンクロスが鍛えるべきはエクレアにして欲しいと伝えると少し離れた所で目を閉じて集中する。

 学ぶのは気を使った戦闘術。錬気拳を使えば動かずして相手の動きを誘導する事ができる。実際、エレンはフォルネウスのぶちかましの拍子を外す事に成功している。ならばそれをもっと繊細に扱えるようになれば、敵に触れる事なく投げる事も可能ではないか。いや、そこまでいきなり欲張らずとも気を繊細に扱う技術は必ず有用になる。

 そう考えたエレンがまず極める事にした技は集気法である。気を己に集め、回復術と同等の効果を及ぼすその技術。集めた気を癒しの力に変える事無く外に放出させれば錬気拳の弾く力となり、拳と共に相手に叩き込めば短勁のように破壊する力になる。フォルネウス相手に短勁の効果が薄かったのは、おそらく叩き込む気の量がまだ足りなかったせいだろう。

 故にエレンは基本から歩む。集気法にて気を集める技術を磨いていくのだ。その総量が多くなればなる程、錬気拳や短勁の威力があがるのだと理解して。

「じゃあこっちはこっちで始めましょうか」

「はいっ! よろしくお願いします、サザンクロスさん!!」

 そんなエレンを尻目にこちらも鍛錬を始めるサザンクロスとエクレア。

 だが、サザンクロスに教えられる事はそう多くない。エクレアは既に自分の戦闘スタイルを確立させており、それにサザンクロスが手を加えるのは数日という期間では短すぎる。

 もちろん小剣同士で手合せをして自分の技術を教える事はするが、今一番大事なのは別の事。

「それじゃあ技の伝授をするわね」

 そう、技と呼ばれる技術を伝える事である。これは単に技を使えるだけの人間ができる事ではなく、極意を習得するといえるレベルまでその深奥に触れないと他人に上手く教える事ができない。教える難しさは、覚える難しさとは一線を画する。ちなみに天才肌であるエクレアは極意を習得するところまではともかく、人に上手く伝えるのは苦手だったりする。そういった諸々を込めて、サザンクロスは人に教える技術や彼女が持つ技をエクレアに教えるのだ。技や術が多大な意味を持つこの世界、サザンクロスに技術を伝授させる為にバンガードが払った金額は三万オーラムにもなるといえばその価値が分かるだろうか。

 エクレアは基本とその上くらいまでの小剣技を修めている。独学にて短時間でここに至るのは驚異的だが、当然ながら四魔貴族はそんな事情など鑑みてくれない。相対した時に未来でどれだけ強くなる素質があろうとも、その時強くなければ殺されるだけなのは当然だろう。サザンクロスの役目はかつて世界を力で支配した四魔貴族を打倒する可能性を僅かでもあげることなのだ。

「そうね。マタドールまでは会得しているみたいだし、まずはライトニングピアス辺りから教えようかしら。それから小剣はその独特のしなやかさで相手を幻惑させる技もあるわ。マインドステアやインプリズンといった技も教えてあげる」

「よろしくお願いしますっ!!」

 

 

 数日はあっという間に過ぎ去り、彼女たちは目的地であるヤーマスにつく。そこは暴力と金に支配された、享楽と退廃が同居した危険な町である。ほんの数日離れたバンガードとは全く比べ物にならない。

 このような現状を語るには15年前の死食にまで話は遡る。

 年若い者には理解しにくい事かも知れないが、死食は文字通り世界を揺るがした。産まれたばかりの子が全員死ぬ事は当然として、最も問題視されたのは存在するのかどうかも分からない宿命の子。もしも存在するのならば、その子は魔王の如く世界を脅かすのか、若しくは聖王の如く世界に安寧をもたらすのか、はたまたそんな人の想像を超えた何事かを引き起こすのか全く分からない。それが起こす混乱は、それに触れた者にしか分からない。

 実際にその混乱は。例えば神王教団を設立させ、ゲッシア王朝を滅ぼすに至った。例えばピドナの主権者を次々と死に至らしめ、世界に混乱を招いた。例えばその動乱を読み切れず、世界最高の商会たちがその規模を一段下げて世界中に中小規模の商会を多く作るに至った。例えば海賊や野盗といった刹那的に生きる者たちが跋扈し、既存の治安に大きな打撃を与えた。

 ここでヤーマスに話が戻る。死食当時、ヤーマスはフルブライト商会の傘下の町であった。かの商会が支配し、融通を利かせ、飽食を溢れさせる程ではないがある程度以上の水準で満たされていた。

 だが、死食の混乱でフルブライト商会の手が回らなくなった途端に平和に牙を剥いた存在があった。ドフォーレという男を頂点とするドフォーレ商会である。

 ドフォーレ商会は金と暴力を巧みに操った。ある時は賄賂を渡して自分の都合を最優先させ、またある時はならず者を雇って自分に不利な事を知った者の口を封じた。これらの方法は死食による混乱と人心の動揺によほど相性が良かったらしく、ドフォーレ商会は瞬く間にヤーマスという町の実権を握る事に成功した。

 しかしドフォーレ商会の暴走はそこで終わらなかった。ヤーマスを手に入れる際に熟知した金と暴力の使い方を最大限に活用し、世界中の町にちょっかいを出し始めたのだ。更に裏切られる事を恐れたその商会は聖王が禁じた麻薬を使ってヤーマスの人々を蝕み、ヤーマスという自分の町にさえも疑惑と恐怖の種を植え付けたのだった。そういった感情こそが金や暴力で支配するには適した環境だと理解していたのだろう。

 だが一方的にやられるだけが人間ではない。聖王にさえ背くドフォーレ商会に愛想を尽かす人々は少なからず存在し、彼らはヤーマスの中でドフォーレ商会に対するレジスタンスを設立するに至った。ヤーマスの表であるドフォーレ商会に見つからないように独自のルートで武器や食料、薬などを仕入れる。そして暴力で支配しようとするドフォーレ商会に抗おうという集団である。決して単一の一枚岩ではない彼らは、時にはドフォーレ商会に見つかりその一部が壊滅させられようとも、形を変えて十年以上もドフォーレ商会に対抗してきた。

 ある人間は余りある金を使い、最上の贅沢を堪能する。ある人間は高給で雇われ、そんな特権階級を守護する。ある人間は貧困による日銭を稼ぐ為や心を蝕む麻薬を手に入れる為に、奴隷の如くこき使われる。ある人間はこんなヤーマスの現状を変えようと戦い続ける。

 どこか歪に、どこか愚直に。死食後の町というものを表した町がヤーマスである。

「まあ、ここに着く前に説明した通りの町よ」

 煌びやかな宿の一室、そこでサザンクロスは道中に説明した通りであることだけを告げる。その内容はヤーマスの中ではとても言えない。この町ではどこに耳があるのか分からないのだ。

 エレン達一行がいるのはヤーマスの中でも上級の客が止まる宿である。ヤーマスではスラムに近い場所もあり、そこはピドナの旧市街よりも治安が悪い。安全を買うにはヤーマスでは高い金を払わなくてはならないのだ。なのでここで数日泊まる分まではバンガードがお金を出してくれている。

「他に何か情報はないの?」

「ん~。ゲリラ的にドフォーレ商会に奇襲を仕掛けるレジスタンスのせいで状況が安定しないのよね。過去の情報に縋るのはヤーマスじゃあ悪手なのよ」

 ちなみに彼女たちに知る由もないが、詩人はフルブライト商会の依頼で何度かこの町で正体を隠して暴れ、ドフォーレ商会に大打撃を与えていたりする。

 もちろん暴れているのは彼ばかりではない。

「ここ数年、ずっと暴れている奴はいるわね。ドフォーレ商会に捕まっていなければまだレジスタントとして活動していると思うわ。

 漆黒の衣装で全身を隠して覆面を被った怪傑ロビンとか名乗っている男よ」

「……それ、この町じゃなければただの変態ですね」

 結構辛辣な事をエレンが口にする。確かにレジスタンス運動で正体を隠すからこそ納得できるのであって、そうでなければ奇異の目で見られること待ったなしであるだろう。

「フルブライト商会に依頼を受けた事は聞いたけど、あんまり目立つ事はお勧めできないわよ。

 このくらいは言うけど、ドフォーレ商会は容赦ないからね。敵対行動を取ったと思われるだけで何をさせるか分かったものじゃないわ」

 サザンクロスはそうとだけ言い、立ち上がって部屋を後にする。例え高級な宿であっても、安全の度合いでいえばヤーマスの外で野宿をした方が安全という判断だろう。

「これで私の仕事は終わり。じゃあ、またね。エレン、エクレア」

「ありがとうございました」

「うん、お世話になりました」

 軽い挨拶をかわし、サザンクロスは部屋のドアを開けて退室する。

 それを見送ったエレンとエクレアはお茶を一口飲む。

「「嵌められたぁー!!」」

 そして絶叫。流石にヤーマスの現状を聞き、フルブライト商会庇護下にいるフォルネウスを倒した者が情報を集めればどうなるかの想像はついたらしい。

 明らかにフルブライトは彼女たちを目立たせ、そして矢面に立たせようとしている。この町で事が穏やかに済む想像が欠片もできない。かといって簡単(・・)な依頼として受けた事を無視することもできない。これで何もしなかったら、フルブライトは嬉々としてこの事を起点としてエレンやエクレアの足元を見るだろう。

 

 約束された大騒動にゲンナリとするエレンとエクレアであった。

 

 

 




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