柔らかく、そして濡れているデク   作:海棠

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子供に殺しを教えることだけはごめんだ。
世界中の子供が正義だといって殺しを教えられたら、いつか世界中の人間は全滅するだろうな。
                                 手塚治虫






緊急作戦:敵連合を撃退せよ!①

気が付くと僕たちは船の上にいた。

近くを見ると峰田君や梅雨ちゃんさんもいる。そして船の周りには敵がたくさんだ。・・・敵がたくさん?!

 

「二人とも!起きて!早く!」

「う、うぅ・・・」「ぐ、ぐぅ・・・」

僕は体をゆすりながら二人に呼びかけると二人は少しうなって目を開けた。

 

「」ビュンッ

「グェッ!!」

その間にもいつの間にか現れたソフト&ウェットが船に這い上がろうとしている敵を殴り倒していた。容赦ないね、君。容赦する必要性もないけど。

 

「お、おおおおおおいどうすんだよこれぇ!!」

「ケロ・・・・」

すると峰田君が状況を把握した瞬間泣き叫び、梅雨ちゃんさんは少し諦めの色が見えていた。

 

「二人とも、まだあきらめないで!」

「で、でもどうすんだよぉ?!!俺たちまだ対人訓練しかしてないんだぞぉ?!!マジモンの敵なんて相手したことなんかねぇんだぞぉおお?!!!!」

「悔しいけど、その通りよ。緑谷ちゃん。こんなにたくさんの敵に囲まれてるし、救助の見込みも薄い…。はっきり言って八方塞がりよ」

「・・・」

確かにそうだ。だけど、そんなにあきらめていいのか?僕だって心のどっかであきらめているのかもしれない。妙に冷静な部分がそれなのかもしれない。だけど、諦めたらそこでおしまいなんだ。

だからこそ言ってやるんだ。

 

「いや、策はある!」

「「?!」」

「ほんとかよ緑谷ァ!」

「あぁ、一つだけいい策がある!峰田君、君がキーなんだ」

「・・・へ?」

「梅雨ちゃんさん」

「なにかしら?」

「人をおぶって潜水することはできる?」

「一応できるけど…、何するの?」

「とりあえずおぶって!策はおいおいその時に説明するから!」

「ヘェアッ?!!」

「・・・わかったわ」

そう言うと梅雨ちゃんさんは僕をおぶって水中に飛び込んだ。そしてどんどん潜っていく。敵もそれにつられてどんどん潜水してくる。

僕はシャボン玉を一個口からポコッと出すと上で待機している峰田君に向けて飛ばした。そして次に大量のシャボン玉を敵に向かって放つ。すると敵の口からどんどん泡がこぼれていく。そして耐え切れなくなったように上へどんどん上がっていく。僕は梅雨ちゃんさんの肩をたたいて合図を送って離れたところから水面に上がるとモギモギの実をがむしゃらに投げつけている峰田君の姿が!

 

「峰田君!」

「あぁ、緑谷!終わったのか?!」

「うん。そっちもうまくいったみたいだね」

僕がそう言いながらボートに上がると峰田君が不思議そうに声をかけてきた。

 

「よし、逃げよう」

「チョ、ちょっと待ってくれよ!い、一体な、何が起こったんだよぉ!」

「私もよくわかってないわ。何をどうしたのか教えてほしいわ。ケロッ」

「あぁ、あれはね・・・」

そう言いながら僕はボートの操縦席をいじる。

 

「・・・なにしてるのかしら?」

「とりあえずボートを動かそうと思って。これ使えば岸に早く着くでしょ?」

「ボート操縦したことあるの?」

「いや、全然」

「ゑ」

「そもそもボートに乗ったこともほとんどないし仕組みもさっぱりわかんない」

「え、それ大丈夫なのかよ・・・」

「峰田君に梅雨ちゃんさん」

「「?」」

『背に腹は変えられない』ッてことわざ、知ってる?」

「・・・おい、まさか」

するとエンジンがかかった。

 

「おぉ、かかった。案外やってみるもんだな」

「おい、本当に大丈夫なのかよ?!!」

「適当にいじくってれば何とかなるさ。もしも危ない時はすぐに船から脱出するよ」

「えっ」

「・・・あぁ、そうだ。あの時について説明するよ。

①まず潜って敵をおびき寄せて

②僕のシャボン玉で肺から酸素を奪って上に上がらせる。

③そのタイミングで事前に峰田君に飛ばしたシャボン玉で峰田君に指示を送る

④峰田君が捕まえる。

こんな感じ。おっ、動いた」

するとボートはすごい勢いで岸に向かって走り始めた。

 

「すごいな、緑谷!よくそこまで思いついたよな!」

「私もすごいと思うわ」

「いや、僕がすごいんじゃないよ。君たちがいてくれたおかげさ。この作戦は誰か一人でも欠けてたら実行できなかったからね・・・」

「ところでよ」

「?」

「これ本当に大丈夫なのかよ」

「速いわね」

「オ、もうすぐ岸につきそうだ。ブレーキを…ブレーキを…」

「どうしたんだ緑谷?」

「・・・ねぇ、二人とも」

「「?」」

「ブレーキってどうかけるの?」

「「えっ」」

「全然止まらないんだけど」

そんなことを言ってる間にも岸が目の前だ。・・・って。

 

「逃げろぉおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!!!」

「うわぁああああああアあああああああああッ?!!!!」

「ケロォオオオオオオオオオオオオオオオオッ?!!!!」

僕たちは急いで水の中に飛び込んだ。ボートはそのまんま勢いを殺さずに岸に派手に突っ込んで見事に大爆発、大破した。

・・・・・・・・。

 

「まるで大ヒットだ」

「言ってる場合か緑谷ァ!!」

「ボートがなくなっちゃったわ…」

「だったら泳げばいいだろう! 岸はすぐそこだ!」

「そんなぁ・・・損害請求されたらどうすんだよぉ・・・」

「そん時はよく訓練された敵がやりましたって言えばいい。これはやむを得ない犠牲だったんだ。コラテラルダメージってやつだよ、峰田君」

「・・・お前って結構えげつないよな」

さて、なんのことだか。そう心の中で思いながら岸に這い上がると近くにあったマップを見た。

 

「最短ルートはここをこうしてこうだね」

「そうなると私の苦手なエリアを通ることになるわ」

「俺は気体と液体以外なら何でもくっつくからあまり関係ねぇな」

「風が吹いてる場所はあまりいただけないなぁ」

「ケロッ、なんでかしら?」

「シャボン玉がどっかヘ飛んじゃうことがたまーにあるから」

「ケロッ、納得したわ」

「とにかく、弱点がどうこうとか言ってられないよ。オールマイトがいつ来るのかもわからないし、それに相澤先生もどこまで持つかわからないからね」

「なんでそう思うんだよ。先生を信用してないのか?」

「してるよ。してるさ。だけどね、疑いの目は必要最低限持つべきだと僕は思ってるんだよ。そんなことはどうでもいいからさっさと行くよ」

「え、そっちに行くのか?こっちの方が近いだろ?」

「・・・僕のゴースト(スタンド)がささやくんだよ。こっちの方に行けってさ」

「?!」

「いや、お前の個性素で驚いてるみたいなんだが・・・」

「そんなこと言ってる場合か。さっさと行くよ」

僕たちはこの場をあとにした。後ろで再び爆発が起こった気がしたけど気のせいにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして各々(おのおの)走っていると山岳ゾーンにたどり着いた。するとそこには人質にされている上鳴君とそれに対して手を挙げている八百万さんと耳郎さんの姿が!

 

「ど、どうする?」

「ここは僕に任せて」

「ゑ」

僕は靴の裏にシャボン玉を撃ち込んで『音』を消すと敵の後ろにこっそりと回り込む。よし、どうやら気づいていないみたいだ。八百万さんと耳郎さんは少し驚いたような表情をしていた。僕は口元に人差し指を当てながらソフト&ウェットを出現させると一気に首を締め上げながら拘束する。

 

「グェッ」

なんか蛙がつぶれたような声がした。僕は正面に回り込むと上鳴君と敵を引きはがす。

 

「大丈夫?!上鳴君」

「ウ、ウェ~~~~~~~~~~~~イ」

「?!!」

はっきり言って異常だった。どこが異常かってまず垂れ下がった両目は焦点が全く合ってないし、口はだらしなく開いた状態を常にキープしてるし、鼻水と涎を延々と垂らしてるからばっちぃし、サムズアップした両手をひたすら前後に動かし続けているし、とりあえずまぁとにかく異常だった。

 

この時、緑谷出久に電流走るッ!!

 

まさか・・・コイツの仕業かッ!僕はそう思いながらいまだに拘束している敵を見る。間違いない、こいつの仕業だ!(※違います)こいつのせいで上鳴君は頭がおかしくなってしまったんだ!

絶対(ぜって)ぇ許さねぇ…!!

 

僕は拘束されている敵の胴に思い切り蹴りを入れる。

「グェエッ?!!」

「「「「?!!!」」」」

「貴様だな!貴様が上鳴君をこんな風にしたんだな!!」ゴッ

「ち、違う!俺じゃない!」

「キ・サ・マ・だ・な!」ドガッ

「違う違う違う!!!」

「じゃあなんでこんな風になってるんだ!恐怖のせいで頭がおかしくなったんだぞどう責任を取ってくれるつもりだこの野郎!!」ユサユサ

「違うんだ!俺が来た時にはあいつはすでにあんな感じだったんだ!!」

「言い訳するなぁアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!」

僕は怒りに任せて思い切り左フックを顔面に叩き込んだ。

 

「グェエエエエエエエエエエエ?!!!」

「正直に吐けこの野郎!!今ならとりあえず半殺しで済ましてやる!!」

「こ、この、クソッタレがぁあああああああああああああああああああああああああッ!!」

次の瞬間、僕の体に思い切り電流が走った。

 

「うがぁああああああああああああああああああッ?!!!!!」

僕は思わずふらついてしまう。だがしかし!僕は踏ん張った!S&Wも耐えてるんだ!僕も耐えなくちゃ意味がない!そして僕には上鳴君の仇をとる使命がある!(※死んでません)

 

「これは上鳴君の分だ!!」

「グボァ?!!」

「これも上鳴君の分だ!!」

「ゲボォ?!!」

「これもこれもこれもぉ―――――――――ッ、ま・と・め・て・返すッ!!」

「ヤッダーバァアァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!」

そのまま敵は上空に打ち上げられて地面にべちゃっと落ちた。僕はそっと口元に手をかざす。よし、息はある。

 

「仇はとったぞ上鳴君!」(※もう一回言いますが死んでません)

僕はそう言いながらウェイウェイ言ってる上鳴君に駆け寄る。

 

「あ、あの・・・」

「なに?八百万さん」

「あの・・・非常に申し上げにくいのですが、上鳴さんは本当に敵の仕業でこうなってるわけではありませんわよ・・・?」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・。

・・・・・・。

 

「は?」

「だから、上鳴さんは自分の“個性”を使った後で、反動で自然にそうなってしまったんですわ」

「そうそう。オールマイトの授業でもまだ『ウィける』とか言ってて少し怪しかったし。まぁ、あの時はスタンドがカバーしてくれたんだけどさ」

「じゃあなんで今はいないの?」

「一人一人に攻撃するより全体に一気に攻撃した方が効率がいいからじゃない?」

・・・。

 

「えっと・・・、つまり・・・僕のあれは無駄手間だったと…?」

「・・・言いづらいですけど、そういうことになりますわね」

・・・・・・。

 

「・・・ロープ」

「え?」

「八百万さん、ロープ」

「え、あ、はい。すぐにお創り致しますわ!」

すると八百万さんのおなかからするするとロープが出てきた。僕はそれを使って敵を拘束すると腹いせに蹴りを一発入れておく。

 

「「「「?!!!」」」」

「このこのこのこのこのこのこのこのこのこの」

僕はそのままゲシゲシと蹴りつけておく。この、二度手間三度手間かけさせやがってこの野郎。ややこしいことしやがってコイツ。

・・・ふぅ。

 

「よし、行こう」

「「「「え?!」」」」「ウェッ?!!」

「ここでぐずってても仕方がない。早く先生のところに行かなくちゃ」

「え、他のクラスメイトは?!」

「大丈夫でしょ。僕信じてる」

「聞こえ『だけ』はいいよね、それ」

アーアーキコエナーイ。すると誰かが肩をポンッとたたいた。

 

「誰だぁ!」

僕は思わず後ろを向く。

 

「ご、ごめん!私だよ、私!」

するとヒーロースーツがスゥ…と現れた。

 

「もしかして・・・葉隠さん?」

「そうそう。私だよ、葉隠だよ!」

「そうなんだ。そっちは無事だった?」

「一応、ね。一人でここまで来ちゃった❤」

「ほかに誰かいた?」

「轟君がいたよ。危うく凍らされそうになっちゃった。しばらく一緒にいたんだけど分かれて行動することにしてさ。私たち他のエリアの増援に行くことにしたんだ!」

「葉隠さんの個性って詳しく知らないんだけど教えてくれない?」

「あぁ、そうだね。なんていえばいいのかなぁ・・・『自分も入れた周りのものを透明化する個性』と言えばいいのかな?」

「あぁ、なるほど。透明にして敵の裏をかくってことだね」

「そうそうそう!」

聞いてみるとなかなかに便利そうな個性じゃないか。

 

「談議に花咲かせてるとこ悪いんだけどさぁ」

「あぁ、うん、ごめん。早く行かないと、ね」

僕たちは走り出した。行き先はただ一つ。集合場所だった広場だ。

 

 

 

続く





葉隠透(※Ctrl+A推奨)
パワー:?
スピード:?
知力:C程度?
持続力:A
精密動作性:?
成長性:?
個性は『自分も入れた周りのものを透明化する』個性こと「アクトン・ベイビー」
とても明るく、元気な性格。ちなみにここの彼女は後述の能力のおかげで脱ぎ癖はない。

アクトン・ベイビー
破壊力:E
スピード:E
射程距離:なし
持続力:A
精密動作性:E
成長性:A
スタンド像:無像型
パワー分類:近距離特殊型
周りのものを透明化する個性。本人の感情の高ぶりにおうじて透明化する範囲も拡大・縮小する。一度半径内に入って透明になったものは、能力が解除されない限り透明のままである。
小さい頃は制御が一切できず本当に困ったようだ。
ちなみに彼女はスタンドを持っているという自覚がない。




実を言うと今回でUSJ襲撃編は終わらすつもりでした。ですがあまりにも長すぎるため分割することにしました。
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