柔らかく、そして濡れているデク   作:海棠

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強いやつは笑顔になれるぞ!
   仮面ライダー響鬼よりヒビキ/仮面ライダー響鬼






緊急作戦:敵連合を撃退せよ!②

僕たちが広場に到着するとそこには倒れている相澤先生と徐々に近づいている黒い怪物の姿があった。

 

「まずい…!」

僕が走りだそうとした瞬間、赤いひもが相澤先生をぐるぐる巻きにすると一気にこっち側まで引っ張ってきた。そのヒモをたどるとなんと梅雨ちゃんさんの舌だった。意外!それは舌ッ!

 

「ケロッ、相澤先生は保護したわ」

「ありがとう。よし、これで気兼ねなくやれる」

「あぁ、そうだな」

あぁ、上鳴君復活したんだ。えがったえがった。

 

「行くよ、上鳴君」

「おうよ!」

僕たちは走り出した。僕と上鳴君が前衛、梅雨ちゃんさんや峰田君、そして耳郎さんは中衛、葉隠さんは後衛だ。

 

僕は跳び上がって怪物の振り下ろした拳をよけるとついでに黒い怪物の露出している脳みそにS&Wの拳をたたきこませておく。

上鳴君はスタンドを使って拳をいたるところに叩き込んでいる。耳郎さんは音をしみこませて妨害に徹している。

僕が着地して再び怪物にとびかかろうとした次の瞬間、後ろから殺気を感じた。思わず後ろ回し蹴りが炸裂(さくれつ)する。するとそこにはこっちに向かって手を伸ばしていたハンドマン(仮称)の姿が!

 

「さすがヒーローの卵だけある…忌々(いまいま)しい…」

「お褒めの言葉どーも。だけどね、こっちとしては全然嬉しくないんだわ、これが」

僕は首をゴキッと鳴らす。

 

「・・・」ジリッ

「・・・」ジリッ

僕とハンドマンはお互い向かい合ってじりじりと間合いを(はか)る。

 

「・・・」バッ

先に動き出したのはハンドマンの方だった。僕は構えなおして攻撃を(さば)きにかかる。

しかし、捌き切れずに何発かは命中する。すると不思議なことが起こった。触れられた部分の服がボロボロと崩れ始めたのである。

 

「お前…、まさか触れたら何かを分解できるのか…!」

こいつ、手をいつも開いたまま攻撃している…。つまり、5本の指すべてが触れないと個性が発動しないタイプか…!なら話が早い…!

僕は再び突き出してきたハンドマンの腕をつかむ。そしてもう片方の突き出された腕もつかむとクロスするようにして拘束する。

 

「グッ…?!」

僕は少しうなった敵を蹴って一旦弾き飛ばすと怪物の方に思い切り走りだす。狙いはうなじの奥にある延髄(えんずい)だ!

僕はソフト&ウェットを出現させると思い切りうなじにラッシュをたたきこむ。そして内側からくぐもった破裂音がした。

するとガクンッと怪物の体勢が崩れる。しかしすぐに立ち上がると今度は僕の方に襲い掛かってきた。

 

「なんだ、こいつ…!延髄を破壊したはずなのにすぐに立ち上がってきやがる…!」

ここで一旦説明しよう。

延髄とは、うなじの奥(より少し上付近?)にある脳の一部のことである。これには血液の循環や呼吸など自律的なことを勝手にやってくれる機能が備わっており、はっきり言ってしまえば生きるためにはとても重要な部分なのだ。もしここを破壊、傷をつけられたならばたちまち呼吸は止まり、血液は循環を停止し、死に至るであろう。それくらい重要な部分なのだ。

そして話を戻すが今さっき確かに延髄を破壊したはずだ。くぐもった破裂音が確かに聞こえたのだ。しかし、こいつはいったん体勢を崩しただけですぐさま襲い掛かってきた。こっから導き出されるのはたった一つ。

 

「こいつ、再生系の個性か…?!」

そうでもないと説明がつかないのだ。そう言ってる間にも怪物は僕に向かって拳を振り上げてくる。しかし、その拳が振り下ろされることはなかった。急に腕が地面にたたきつけられるように落ちたのだ。地面が少し陥没する程度には。

そしてよく見るとその腕には『ズシンッ』という音が張られていた。

 

「こ、これは・・・!」

耳郎さんのスタンドがやったのか…!擬音を張り付けてそれと同じ効果を発揮するなんて…改めて思うけどなんて汎用性の高い能力なんだ…!

すると僕の体がスゥ…と透明になっていく。

 

「えっ・・・」

「私だよ、私」

すると耳元で声が聞こえてきた。もしかして僕を透明化してるのか…?!いざ体感するとほんとにすごい能力だな…。

そして完全に透明になると怪物が僕を見失ったかのようにあたりを見回し始めた。よし、このすきにこっそりと…。

次の瞬間、僕と葉隠さんは衝撃で吹っ飛ばされた。そして葉隠さんが気絶したのか僕の透明化が解除された。

 

「?!」

姿は完全に消えていたはず…!なんで・・・!

僕は怪物をもう一回よく注意して『観る』ことにした。『観る』ということはとても重要である。

見る(Watch)』んじゃくて、『観る(Look)』んだ。

よく見るとクンクンと何かをかいでいるようなしぐさをしている。もしかして・・・。

 

「匂いか…!」

こいつ、『におい』でどこにいるのか判断してるのか…?!しかしそれだと『個性』が必要になってくるはず…!個人個人の『匂い』を正確に識別するためには特に(きゅう)(かく)に関する『個性』が必要になるはず…!ま、まさか・・・!!

 

「複合型か…!」

そうでもないと説明がつかない。あの異常なほどの再生能力も、この異常なほどの嗅覚も、あの異常なほどのパワーも…!

次の瞬間、僕の目の前に何かが着陸した。

僕は再び衝撃で軽く吹っ飛ばされる。土煙が巻き起こる。僕が地面をごろごろ転がってすぐに立ち上がった。そして着地した何かを見る。

 

「嫌な予感がしてね・・・校長のなg…いや、ありがたいお話を振り切ってやって来たよ。来る途中で飯田少年とすれ違ってね、何が起きているかあらかた聞いたよ。もう大丈夫だ。

 

私が来た!

 

それは『平和の象徴』、『吐き気がおさまる絶対的正義』とうたわれる男、オールマイトだった。

というより、飯田君はいつの間に抜け出してたんだろう? あの時見えなかったけど。

 

「...来たか、社会のゴミめ」

するとハンドマンは恨めしそうな声でうめいた。すごいこと言うな、こいつ。

次の瞬間、爆風が起こる。どうやら怪物とオールマイトの拳が激突したみたいだ。なんてパワーだッ・・・!

それはさておき・・・!

 

「お前の相手は僕だ」

「邪魔だな、ヒーローの卵…!特に厄介なのはお前だ…!」

そううめくようにつぶやくとハンドマンは僕に襲い掛かってきた。僕は指先に注意しながら攻撃を捌いていく。

その横ですさまじい衝撃波がしょっちゅう起こる。僕にはわかる。オールマイトは本気(マジ)だ。

 

「ところでさ」

「?」

「あの怪物、絶対にこのために用意したやつでしょ?『超再生』に『嗅覚』とか、こんなにハチャメチャな個性持ちがいてたまるかって話だし」

「・・・お前、観る目があるな。その通りだ。脳無はオールマイト(ヤツ)の100%にも耐えられるように改造された超高性能サンドバック人間さ。ちょっとやそっとじゃびくともしない」

「マジか」

改造された人間にちょびっとだけ同情するよ。

次の瞬間、風が巻き起こった。周りにある木々はその風により激しく揺れ、そこには気絶している葉隠さんがいた場所に殴った体勢をした怪物がいた。

そしてオールマイトが葉隠さんをかばっていた。口から血反吐を吐いている。

・・・なるほど。

 

「『馬鹿力』も個性に入れておくべきか…」

僕がそんなことを言っている間にもハンドマンはすごいニタァ…と笑いながら叫んだ。

 

「俺はなオールマイト、怒っているんだ。同じ暴力が『ヒーロー』と『ヴィラン』でカテゴライズされ善し悪しが決まる世の中に、何が『平和の象徴』だ!!所詮(しょせん)抑圧のための暴力装置なんだよお前はァ!!暴力は暴力しか生まないのだとお前を殺すことで世に知らしめてやる!」

すごいこと言ってるな、こいつ。

一方オールマイトはその叫びを無視して怪物の後ろに回り込むとバックドロップを決めた。すさまじい衝撃波が起こる。

しかし、土煙が晴れるとそこにはわき腹をつかまれて拘束されているオールマイトの姿が!どういう仕組みか知らないけど怪物の上半身がオールマイトの下から出てきている。

 

「目にも止まらぬ速度のあなたを拘束するのが脳無(のうむ)の役目、そしてあなたの身体が半端に留まった状態で"ゲートを閉じ引きちぎる"のが私の役目」

 

黒い靄の男がそう言った次の瞬間、僕と上鳴君は同時に走り始めた。僕たちの考えていることは同じだろう。あの怪物、のうむ、だっけ?それの筋繊維(きんせんい)をぶっち()って拘束を(ゆる)めるのが目的だ。すると目の前に黒い靄が現れた。

 

「浅はか、ですね」

そんな声が聞こえた。むかついたので僕は思い切りその靄の中に飛び込む。すると目の前に黒い靄をまとった男がいた。

 

「なっ・・・?!」

「浅はかなのはお前だ」

そう言いながら僕は思い切り奴の顔面を殴りぬく。

 

ベキィッ

 

入った!手ごたえが確かにあった!

 

「ぐぅ・・・!なかなかやりますね…!」

すると黒い男は殴られた部分を押さえながら少しうめいた。ざまぁみろ。

僕が怪物の方をチラッと見ると氷漬けにされていた。どうやら轟君が来たようだ。

すると拘束が緩んだのかオールマイトは脱出した。しかし怪物は無理やり起き上がる。すると凍らされた部分は粉々になり、再び新しい肉体が生えた。うぇ、気持ち悪・・・。

 

「なるほど・・・ショック吸収に超再生…、その他もろもろの個性が混ざり合ってるのか…!」

僕は再び戦慄した。あれは間違いなく無理な改造をされている可能性が高いと。ふつう天然であそこまでキチガイじみた個性の組み合わせは存在しないからだ。

 

「おや、あなたはなかなかに見る目があるようですね」

すると黒い靄の男はそう言ってくつくつ笑う。なんだよ、なめてんのか。

僕はそう思いながら再び殴りにかかる。しかし直前に目の前に再び靄が出現する。僕はソフト&ウェットを出現させると靄の上から思いきり殴りに行かせる。しかし、これはぎりぎりガードされた。ここでパワーのなさが露呈するか…!!

 

「あなたのソレ、なかなかに速いですね…!」

「誉め言葉どうもありがとう。だけど今はうれしくないかな…!」

そう言いながら僕はいったん距離をとる。しかし後ろからまた殺気を感じた。

 

「ッ?!!」

僕が跳び退くとそこには黒い靄から手を伸ばしているハンドマンの姿が!

 

「まさか気づくなんてな…忌々しい…」

「チッ・・・!」

僕は思わず舌打ちする。さすがに2体1じゃあ分が悪すぎる…。いや、正確に言えば2対2(?)だけどS&Wは基本的に僕から離れれないからどうしても動きに制限がかかるんだ。

 

そうしている間にオールマイトが黒い怪物を吹っ飛ばして勝っていた。何なんだ、あの人。正統派ごり押し戦法を直球ストレートど真ん中で行ったぞあの人。

 

「・・・あーあ、ゲームオーバーだ」

そう言ってハンドマンは首をがりがりとかきむしると黒い靄の人に何かを話しかける。すると黒い靄の人が靄を発生させてそのまま中へ入って行った。

・・・終わったのか。あまり実感わいてないけど。

すると僕は膝から崩れ落ちた。あれっ・・・?

僕は地面を見る。すると血がしたたり落ちていた。まさかあの時、僕の肉体も崩壊されかけてたのか…?!

 

「デク君!」

 

あ・・・、麗日さん・・・。

僕は意識を失った。

 

 

 

続く




爆豪勝己
パワー:B
スピード:B
知力:A
射程距離:A
持続力:C
精密動作性:D
成長性:C
個性は「爆発」
傍若無人な性格で興味のない人間を「モブ」扱いし、緑谷を「デク」「クソナード」呼びしている。
当初作者としてはキラークイーンを持たせたかったがかっちゃんは絶対スタンドを使わないだろうし宝の持ち腐れになると判断してやめた。
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