柔らかく、そして濡れているデク   作:海棠

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「真の『失敗』とはッ! 開拓の心を忘れ!困難に挑戦する事に無縁のところにいる者たちの事をいうのだッ!
このレースに失敗なんか存在しないッ!
存在するのは冒険者だけだッ!」
ジョジョの奇妙な冒険Part7『Steel(スティール)_()Ball(ボール)_()Run(ラン)』よりスティーヴン・スティール







いざ新たな舞台へ

(ゴールデン)(ウィーク)が明けた次の日、僕たちが教室で座っていると相澤先生が入ってきた。

・・・って。

 

『『『えええええええええええええッ?!!!』』』

僕たちは叫んだ。

なんと相澤先生が包帯でぐるぐる巻きだったからだ。

 

「もう復帰かよ…!」

「なんてプロ意識なんだ…!!」

「先生無事だったのね、よかったわ」「いや、あれ絶対無事って言わないと思う」

「相澤先生には何が何でも授業をするという『凄み』を感じる…!」

僕たちが先生の凄みに圧倒されていると先生は口を開いた。

 

「お前ら」

『『『は、はい!』』』

「俺のことなんかどうでもいい。戦いはまだ終わってねぇ」

「ま、まさかまた敵連合が…!」

「ちげぇ」

なんだ、違うのか。

 

「じ、じゃあなにが・・・」

「・・・」ゴゴゴゴゴゴ

『『『(ゴクッ)』』』

 

「雄英体育祭が迫っている!」

 

「クソ学校っぽいの来たあああ!!」

切島君が大声で叫んだ。

 

「チョ、ちょっと待ってください!つい数週間前に敵連合が襲撃したんですよ?!」

「いや、むしろ、らしい。どうやら今年は警備員を倍以上に増やして雄英のセキュリティーを見せつけるらしい」

「そんな滅茶苦茶な…」

思わずそうつぶやいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雄英体育祭。

それはオリンピックが(すた)れたこの個性社会において、かつてのオリンピックに代わる大規模行事だ。全国のトップヒーローまでもがスカウト目的に訪れ、進路にも割とマジで大きくかかわってくる。

なんとしてでも、いい結果を残さなくちゃあいけない。もしくは強烈なインパクトだ。

・・・とはいっても…。

 

「特に目標がないんだよなぁ…」

「デク君どしたん?」

「いや、特に何もないよ」

そう言いながら僕らは食堂で昼食を摂っていた。うん、相変わらずおいしい。

 

「ところでさ」

「?」

「麗日さんはなんでヒーローを(こころざ)そうと思ったの?よければ教えてほしいんだけど・・・」

「あぁ、それはね」

すると彼女は僕に対してなんでここ(雄英)に来たのか教えてくれた。

 

「・・・つまり、すごく端的に言えばお金が欲しくてヒーローに?」

「うん、そういうことになるね…」

「でも、ヒーローになってもすぐにお金が入ってくるわけじゃねぇだろ?さすがにお給料はもらえると思うが…」

「うん。確かに上鳴の言う通り、ヒーローになったらまずはグッズやイベントの展開までこじつけて行かないとお金はそうそう入ってこないよ」

「うん、それはわかってる。だけどね、ヒーローになったら個性の使用許可も取れるやろ?」

「うんうん」

「・・・これ、あんまり言わん方が良いと思うんだけどうち(実家)、建設会社やってんねん。でも仕事全然来なくて…えっと、その、なんていうか、まぁ素寒貧(すかんぴん)なんよ」

「あ、そっか。麗日さんの個性なら使用許可が取れればその分の費用がかかんないのか」

「せやろ?!それ昔お父さんに言うたんよ!そしたらお父さん、『気持ちはうれしいけど、お茶子が夢をかなえてくれる方が何倍もうれしい』って言うてくれたんよ!」

めっちゃいいお父さんじゃん。今度あいさつしに行かなあかん。←?

 

「だから、うち絶対ヒーローになってお金稼いで、お父さんとお母さんを楽にさせてあげるんだ!」

「(´;ω;`)ブワッ」

「緑谷どうした?!まさか泣くほど感動したのか?!!」

なんて健気なんだこの人は…!!感動した!ものすごい感動した!今心から「ブラボー!おお・・・ブラボー!!」と叫びたくなった。

 

「で、デク君?大丈夫?」

「うん、大丈夫。感動しただけだから…」

「そ、そうなん?なんかつらいことがあったらうちに言ってな?」

「うん、ありがと」

うん、僕トーナメントで3位以内に入ったらしたら絶対に麗日さんに告白する。絶対する。これはもう決定事項だ。絶対告白してみせる。

 

「・・・よし!」

「どしたん?」

「僕、今目標ができた」

「え、何々?」

 

「僕、絶対3位以内に入る」

 

次の瞬間、食堂の空気が静まり返った。

 

「え、マジかよ?! そんなでかすぎる目標持ってていいのかよ?!」

「目標はでかい方がいいって昔母さんが言ってたんだ。だから僕は3位以上を目指す」

「え、でも・・・」

「耳郎さん。僕は、今まで何も目標なんてなかったんだ。だけど、今の僕に初めて『らしい』目標ができたんだ。だからこそ、僕は、その目標に挑戦する。そして、到達してみせる」

「か…」

「?」

「感動したぜ、緑谷!俺もお前みたいに雄英祭に挑戦するぜ!」

「私も!」

「うちもうちも!」

するとその場にいたA組全員(かっちゃんを除く)がワイワイと騒いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして放課後…。

僕は背伸びをしてふと廊下の方を見るとなんか人だまりができていた。

 

「何だこれ。何しに来たんだよ、出れねーじゃん」

「敵情視察だろザコ」

あ、峰田君涙目になった。なんだよ、たかがザコって言われたぐらいで。僕なんかクソナード(キモオタ野郎)だぞ。

 

「しっかし、なんで敵情視察なんかに…」

「考えりゃわかるだろうがバカ。俺たちはほかの誰よりもいち早く本物の敵共と交戦したんだぞ。そりゃあ視察ぐらい来るだろうが、脳みそあんのか」

あ、今度は切島君が涙目になった。何だよたかがバカって言われたくらいで。僕なんかデクの坊のデクだぞ。笑えよ。

 

「意味ねぇからどけモブ共」

「知らない人の事を取り敢えずモブって言うのやめないか!」

実際その通りだと思う。興味のない人をモブ呼ばわりなんて実際どうかしてると思う。

 

「どんなもんかと見に来たが、随分と偉そうだなぁ」

「あ”ぁ?!!」

「こういうの見ちゃうと幻滅しちゃうなぁ……。そういえば普通科とか他の科ってヒーロー科落ちたから入ったって奴、結構いるんだって。知ってた?」

勝手に幻滅してろ。あと自分語りはよそでやれ。

 

「敵情視察?いや、違うな。オレは調子乗ってると足元ごっそり(すく)うっていう宣戦布告のつもりで来た」

それこそマジでよそでやれ。なんでA組を敵視するんだ、ふざけんな。

 

「僕たちB組なんだけどね、敵と戦ったA組の話を聞こうと思ってたんだけど調子乗り過ぎじゃない?本番で恥ずかしい事になるよ?」

知るか馬鹿野郎。少なくとも僕は調子づいてねぇよ。あれで調子づいてたらマジであほだわ。

というよりなんでこんなに喧嘩売られてるわけ?あ、かっちゃんのせいか。

 

「おい、爆発さん太郎」

「誰が爆発さん太郎だクソナード!!」

「君のせいでなんかA組全体が敵視されてんだけど、どう責任とってくれんのよ。いっつもそうじゃないか。君の傍若無人(ぼうじゃくぶじん)な振る舞いでどれくらい僕や当時のクラスメイトが迷惑こうむってきたか知ってるでしょうに」

「知らねぇよ!!」

「あっそ。で、それくらい言うんなら何か考えでもあるんじゃあないの?」

「・・・チッ、上に行けば問題ねぇだろうが」

・・・あぁ、なるほどねぇ。

 

「あぁ、そう。じゃあ帰るわ。バイバイ髪の毛爆破野郎」

「うるせぇ髪の毛まりもが!!」

「なんだとゴラァ!!」

「そこ?!怒るとこそこ?!」

見てろ。明日絶対あいつの髪の毛シャボン玉で奪って10円ハゲつくってやる。そう決心して廊下に出るとなんか見ててクソむかつくキザ野郎につかまった。放せバカ。

 

「ちょっと、君。調子乗ってるんじゃないのかい?」

「眼科かもしくは精神科行け」

「そんな調子だと足元すくっちゃうよ?」

「足元をうかがってる暇があるんならその前に上に行く努力でもしたら?そもそもこんなことに時間つぶす暇なんてあるの?正直言って時間の無駄だと思うよ?」

そう言って僕は腕を振り払うとその場を立ち去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帰り際に人があまり来ない池によるとなぜか気絶している梅雨ちゃんさんを棒で引き上げようとしている耳郎さんの姿があった。ついでなので手助けしておいた。

 

 

続く

 




峰田実
パワー:D
スピード:C
知力:B
射程距離:B
持続力:A
精密動作性:D
成長性:A
 「性癖はゆりかごから墓場まで」を豪語している。個性は「もぎもぎ」。健康状態によるが最大で約1日はくっつく。ただし自身にはくっつかない。
エロにかける情熱がすさまじい。皆さまも高校の時のクラスに一人や二人はこんな人がいたのではなかろうか。少なくとも作者には「いた」。



今回の話いかがだったでしょうか?
自分で書いてて言うのもあれですがこの作品のデク君は普通に性格が悪いです。たぶん中指くらいは普通に立てると思います。


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