柔らかく、そして濡れているデク   作:海棠

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「勝つ」ことではなく「負けない」ことにホンモノの強さはある
                           桜井章一







周りはライバル!始まるサバイバル!①

あれから1週間が経過した。

宣言(言ってない)通りかっちゃんの頭に個性で10円ハゲを作ったのがばれて悪鬼のような形相で追いかけまわされたり(その日は逃げ切り成功。次の日出会い頭に爆発をおみまいされた。許すまじ)、なぜか再び池の真ん中で気絶して浮かんでいた梅雨ちゃんさんをその場にいた上鳴君と一緒に引き上げたり、皆の個性や性別が反転するという珍事が起こったり、皆が幼児化したりもしたがおおむね何事もなく過ぎて行った。

そしてその間にも僕は色々個性を研究した。その中で新しい発見もあったりしたがここで説明するのは面倒なので省略させてもらおう。

そして今日は雄英祭当日。皆控え室で様々な反応を示している。皆それぞれすごく緊張しているようだ。

 

 

(かれ)ぇ?!!なんだコレ!!!」(切島君)

「オイ!勝手に俺のジンジャー飲んでんじゃねぇ!」(かっちゃん)

 

「飲むか?」スッ(砂藤君)

「いや・・・いい。大丈夫だ」(障子君)

 

「この緑茶、味薄くない?」(耳郎さん)

「ケロッ、それは私の池の水よ」(梅雨ちゃんさん)

「ブフゥッ?!!!」

 

 

・・・あれ?一周回って案外いつも通りじゃね?

 

「おい、緑谷」

すると轟君が話しかけてきた。

 

「?」

「お互いの“個性”の相性や、客観的な視点から考えてみても、実力はお前より俺の方が上だと思う」

マジで何言いだしてんだ、コイツ。

するとクラスの皆が少し騒がしくなった。どうやら個性的な意味で多分クラスの1、2位に入る轟君が僕に対して吹っ掛けてきたせいだろう。

だからこそ僕はこう返させてもらおう。

 

「いや、何言ってんの?」

「なに…?」

「僕と戦ったこともない癖によくそんなことが言えるよね、君。恥ずかしくないの?」

「・・・」

「確かに君の個性は強いさ、強いと思うよ。だけどさ、それが勝ちに直接つながるかって言われたら、それは違うと思うよ」

「なに?」

「勝負は時の運。もしかしたらどんでん返しがあるかもしれないだろ?僕ばっかり見てたら誰かに抜かれるかもよ?例えば、かっちゃんとか」

「ア"ァン?!!」BBBBB...

「ヒュー、怖い怖い」

僕たちがこんなことをしている間にもだんだんと舞台(戦場)が近づいてくる。

するとかっちゃんが緊張のせいか手から小規模の爆発を連鎖的に起こし、切島君の皮膚がパキパキと音を立てながら硬質化していっている。そしてなぜか八百万さんは緊張と不安のせいか仏像とマトリョーシカをポコポコと作り続けるだけの機械になってしまった。とりあえず仏像を一つ拝借して拝んでおこう。あ、梅雨ちゃんさんが擬死状態になった。ちなみにマトリョーシカをぱかっと開けると中は空っぽだった。なんだ、中身手りゅう弾だったらちょっと面白かったのに。

・・・ん?待てよ。これはもしや様々な個性を見れるすごいいい機会になるんじゃないか?!実を言うと僕はほかクラスの戦闘訓練の映像記録も見させてもらっているがやっぱり映像と生で見るのとじゃあ全然違うよねって話。

するとスピーカーからプレゼント・マイクの声が聞こえてきた。

 

『雄英体育祭ッ!! ヒーローの卵達が、我こそはと(シノギ)を削る年に一度の大バトルッッ!! てゆーか、どうせテメーら、アレ(・・)だろ!?コイツ等だろ!? ヴィランの襲撃を受けたにも拘らず、鋼の精神で乗り越えた奇跡の新星ッ!! ヒーロー科の、1年A組だろぉおおおおおおッ!?』

 

僕たちが入場すると歓声がさらに大きくなった。僕はふぅと軽く息を吐いて手をぶらぶらとさせる。

 

「デク君?」

「ん、なに?」

「緊張するねぇ…」

「・・・そうだね」

そんなことを話していると次々とB、C、Dと入ってくる。そして全員が入場を終えると18禁ヒーロー『ミッドナイト』が台の上に鞭をポンポンとしながら上がってくる。

というよりあの人、風俗店で共働きした方がいいんじゃないかな?そっちの方がよっぽど稼げそうな気がするけど。

 

「(ギロッ)」

「ヒエッ」

なんかすごい剣幕でにらまれた。やべぇよ、やべぇよ…。おとなしくしとこ。

 

「ミッドナイト先生…、なんて格好してんだよ…」(上鳴君)

「さすがは18禁ヒーロー…」(耳郎さん)

「18禁なのに高校にいて良いのか?」(常闇君)

「いい!!!」(峰田君)

「こらそこ、静かにしなさい!」

「「「「(ピシッ)」」」」

やーいやーい怒られてやーんのー。

 

「「「「(チラッ)」」」」

「・・・」プイッ

なんでみんなわかるんですかねぇ・・・。もしかしてみんな読心術会得(えとく)済みだったりする?

 

「選手代表!雄英試験仮想(ヴィラン)撃退ポイント一位、1年A組爆豪勝己!」

「ハイ!」

あぁ、やっぱりかっちゃんか。

 

「雄英試験救出ポイント一位、同じく1年A組緑谷出久!」

 

・・・。

 

「え?」

「おい、緑谷。呼ばれてるぞ」

「え?え?え?」

「おら、さっさと行け」

「えぇ・・・?」

僕はなされるがままに前に出た。

 

「・・・ケッ」

何だよ、かっちゃん。そんな親の(かたき)のような目で僕を見おってからに。別に君のお母さんは今でもぴんぴんしてるじゃないか。

しかも見た目すごく若いし。

見た目すごく若いし。←(大事なことなので二回言いました)

 

「では宣誓の言葉を」

「「せんせー」」

僕たちは大きな声でその次の言葉を言った。

 

「俺が1位になる」「僕が優勝する」

 

おっと・・・、どうやら考えていることは同じようだね。

 

『『『お前ら何言ってんだぁ?!!!』』』

そしてA組の面々が叫び、周りから非難が飛ぶ中かっちゃんと僕は続きを言った。

 

精々(せいぜい)俺のいい踏み台になれ、クソナード」

「かっちゃんだけは絶対に僕がぶっつぶす」

 

次の瞬間、僕たちはお互いの胸倉につかみかかった。

 

「なんだとクソナードォ!!やってみやがれぇ!!」

「おう!やってやろうじゃねぇかゴラァ!!!」

そしてじりじりとお互い譲らない。おう、こっちだって毎日筋トレやジョギングで鍛えてんだぞゴラァ。昔のもやしみたいな僕とは違うんだぞオラァ。

 

「そこまでよ!」

そう言いながらミッドナイト先生は鞭を僕たちの間にふるう。僕たちはとっさに胸倉をはなしてよけた。

 

「「チッ」」

僕たちは舌打ちするとすごすごと元の場所に戻っていった。

周りからのブーイングがすごいが相手するだけ面倒なので無視することにした。

 

「さーて、それじゃあ、早速第一種目行きましょう!」

「?!」

僕は少しびっくりした。なんて切り替えの早さなんだ…!

 

「運命の第一種目!! 今年は……コレ!!」

するとデデンとモニターに文字が浮かぶ。

 

『障害物競走』!! 計11クラスでの総当りレースよ!ここで皆涙を呑むわ(ティアドリンク)! コースさえ守れば基本的に何をしても構わないわ!! それを理解したら位置につきまくりなさい!!」

僕はそれを聞くと人をかき分けて無理やり先頭に立つ。

そして全員が並び終わったのか再びミッドナイト先生が口を開く。

 

「では行くわよー!!

3!!

2!!!

1!!!!

スターーーーートォ!!!!!

次の瞬間、僕は後ろの方に大量のシャボン玉を飛ばした。するとどんどん後ろの奴らがすっ転んでいく。それをチラッと確認すると全速力で走った。

 

続く







蛙吹梅雨
パワー:B
スピード:B
知力:B
射程距離:舌が20m先まで届く
持続力:?
精密動作性:C
成長性:C
個性は「カエル」。カエルっぽいことはなんでもできる。通称「ケロイン」。
「ケロッ」が口癖。
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