柔らかく、そして濡れているデク   作:海棠

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柔弱は剛強に勝つ。
         「老子」第36章より抜粋






ヘドロ事件と雄英試験

次の日から僕は一人で暇な時間があったら山や裏路地に行って個性の研究や実験をした、ついでに僕の肉体改造も。自身の個性を知らないことには何もできないからね。

それから2年後のある日のこと、僕が町中を歩いていると何か人だかりができていた。気になって近くの人に声をかけてみる。もちろんソフト&ウェットはしまっておく。

 

「すいません・・・、何かあったんですか…?」

「あぁ、実は、子供がヴィランにつかまっていてヒーローが手を出せなくて・・・」

僕はそれを聞くと急いで人の群れをかき分けた。そして視界が開けるとそこには、泣き出しそうな表情をしているかっちゃんの姿が!!

 

「うぉおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!」

僕はその顔を見た瞬間、走り出した。いつの間にか現れたソフト&ウェットもついてくる。僕は走りながらシャボン玉をヘドロの敵に向かって飛ばした。シャボン玉はスーッとヘドロ状の敵に近づいてそしてはじけた。

すると水がじょろろろと噴き出し始めた。そしてどんどんヘドロ状の敵はカサカサになっていく。

 

「お前の体から水分をほとんど奪った。ヘドロということは元は有機物を多く含んだ泥だ。つまり水分を抜けば乾燥する。今、お前は動けないはずだ」

「が・・・がぁ・・・!!」

「ソフト&ウェット!!」

「・・・!」シュバッ

ソフト&ウェットはかっちゃんをつかむと一気に引っ張った。するとボロボロとヘドロ状の敵は崩れ始めた。

 

「かっちゃん、大丈夫?」

「・・・おい、クソナードォ」

「?」

「なんで俺を助けやがったぁ!!!!」

「・・・ないよ」

「あ”ぁ?!!」

「わからないよ。いつの間にかさ。気づいたら、だよ。気づいたら体が動いてたんだ」

「・・・ケッ」

するとソフト&ウェットがかっちゃんを軽くどついた。

 

「なにしやがるてめぇ!!!」

「な、何してるの?!」

「・・・」

すると彼はプイっと顔をそむけた。どこか怒っているようにも見える。

 

「もしかして、怒ってる?」

「・・・」コクッ

「なんで?」

「・・・・」ビシッ

彼はかっちゃんを指さした。どうやら彼が悪いと言いたいらしい。

 

「んだとゴラァ!! やんのかゴラァ!!!」

「・・・」

すると彼はシャボン玉を飛ばすとかっちゃんの足元ではじけた。するとかっちゃんがステーンっと転ぶ。

 

「?!!!」

かっちゃんはいきなりすぎて何が起こったのか理解できなかったようだ。

そして僕もシャボン玉で転がされるとそのまま滑らされた。

 

「うわぁああああああああああああああああ?!!! WRYYYYYYYYYYYYYYYYYィーーーーー?!!!!」

僕はくるくると回りながら叫んだ。そしていつの間にか帰路についていた。

まぁ、そのあとプロヒーローが訪問してこってり注意されたけどね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まぁ・・・、そんなこともあったわけだけどそれから何か月か経った今日。

今日はついに雄英高校の試験日だ。

 

「うわ~~~~マジで緊張するなぁ~~~~」

「おいデク。道どけや」

「うわ・・・」

「何だテメェ!!!」

「まさかこんなところで遭遇するなんて…」

「俺も嫌だわ!」

「・・・だったらかみついてこなけりゃいいのに

「アァ?!」

「何でもないよ」

するとかっちゃんは舌打ちして先に進んでいった。やれやれ、彼の性格は一生治らないかもしれないな。すると何かにつまずいた。そして重力に従って顔が地面のタイルに近づいていく。あぁ、これ転んでるわ。ソフト&ウェットも間に合わないや。畜生、なんて日だ。

するとふわっと、不思議な感覚が起こった。わかるかな、ジェットコースターとかで急降下したときに感じるあの感覚と似ている、さすがにあれよりかは穏やかだけど。そして気が付くと僕の目の前にはタイルなんて無機物ではなく、可愛らしい女の子の顔があった。

 

「ご、ごめん。勝手に個性使っちゃって。だけど、転んだら縁起悪いから・・・」

え・・・?たったそれだけのために僕を助けてくれたの? まさかこの人、天使かッ!!

僕は顔が熱くなって思わず顔を背ける。ソフト&ウェットはキャーとでも言いたげに顔を隠していた。

 

「ところで、そこに浮いてる人(?)って君の個性?」

「そんなとこ・・・です」

「へぇ・・そうなんだぁ・・・」

そう言いながら彼女はソフト&ウェットを眺めるように見ると言った。

 

「かっこいいね!」

「そ、そうかな?」

「・・・」テレッ

「・・・緊張するよねぇ」

「・・・そうですねぇ」

「お互い頑張ろ?」

「は、はい!」

すると女の子は離れていった。・・・。

 

「今時あんな天使みたいな子がいるんだなぁ」

世界は広いなぁ、と僕は思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、筆記試験が終わり、講堂でプレゼント・マイクからルール説明を聞くことになった。それまでに

 

~☆~

 

「おい、クソデクゥ!! 俺の前にいるんじゃねぇ!!」

「やかましい! うっとぉしいぞ!!」

『『『?!!!』』』

・・・ハッ、駄目だ駄目だなんかきんちょうで変なテンションになってる…。で、誰に向かって話しかけたんだっけ…?

 

「・・・かっちゃん?」

「テメェ・・・余程死にてぇらしいなぁ‥‥」

「物騒だねかっちゃん?!」

「テメェのせいだろクソナードォ!!」

「かっちゃんまた人のせいにする・・・。それに今更だけど僕の名前はクソナードじゃないよ」

「どっちでも同じだろ!!」

「同じじゃないよ! ナメクジとカタツムリくらい違うよ!それかもしくはポッキーとトッポ!!」

「うるせぇどうでもいいわ!」

「二人とも静かにしろ。二人とも落とされたいか?」

「やめてください! かっちゃんは別に落としてもいいですけどせめて僕は落とさないでください!」

「てめぇ人を勝手に売るんじゃねぇ!!」

 

~☆~

 

・・・みたいなことがあったけど別に気にすることはないと思う。

 

「今日は俺のライブにようこそー!!」

「YEAH!!!!」

・・・返事僕だけか。せめてだれか一緒に返事してよ!←無茶ぶり

 

「お!そこにいる緑のリスナー!あんがとよ! ま、それは置いといて受験生のリスナー!!実技試験の概要をサクッと説明するぜ!! ・・・おぉ?皆誰だって聞きたそうな顔してんぜ? 俺はボイスヒーロー『プレゼントマイク』!! 今日が受験日だって聞いてすっ飛んで来たぜ!!」

あ、あれはプレゼントマイク!いつもラジオ聞いてます!うわぁ、現役ヒーローから直々に説明してもらえるのかぁ…、感激だなぁ。

 

 その後の説明は少し省くけど実技試験は10分間、各自指定された演習会場で1P、2P、3Pの架空(ヴィラン)を出来るだけ多く戦闘不能にするというシンプルイズベストを真正面から体現したようなルールだ。なお、他の受験生を邪魔する行動は禁止とのこと。・・・たぶん他人を邪魔してくる子いると思うんだよねぇ。

 

 「質問よろしいでしょうか!」

するとその時、四角い眼鏡をかけた真面目そうな男子学生が手を挙げた。

 

「受験番号7111のリスナー! どうしたんだ?」

「プリントには4種(・・)の敵がいると書かれていますがこれはどういうことなのでしょうか?」

「あぁ、なるほどな!お便りサンキュー!! それはな、いわゆるお邪魔キャラってやつだ。マリオで例えるならブラックパックンだな! ちなみにぶっ倒してもポイントにはなんねーぞ!」

「わかりました。ありがとうございます」

そう言いながら受験番号7111さんは座った。

 

「他に誰かお便りのあるやつはいねーか?・・・いないな。俺からは以上だ!最後にリスナーへわが校の校訓をプレゼントしよう!

かの英雄ナポレオン=ボナパルトは言った!『真の英雄とは人生の不幸を乗り越えていく者』と!Plus Ultra(さらに向こうへ) お前ら、いい受難を」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・ところかわってここは実技試験会場、移動はバスだった。僕は軽く準備運動をする。そしてんーと背伸びをしていると

 

『はい、スタート』

 周りが「え?」「ん?」と困惑する中、僕は一人走り出した。スタートと言われてるんだったら駆け出してもいいはずだ。

僕はソフト&ウェットを出現させると出現した仮想敵に向かって同時に思いきり殴りつけた。

 

「ナンダ、コノ攻撃ハ・・・。効カナイナァ!!」

あ、やばっ、と思った。忘れてた。ソフト&ウェットの破壊力のなさを。だったら・・・!!

 

「オラオラオラオラオラオラオラアラオラオラオラオラァ!!!」

今度は高速でラッシュをたたきこませる。すると仮想敵は内側から破裂するように破壊された。

 

「研究してた成果がここに出たか…」

僕はそうつぶやいた。シャボン玉を内側にもぐりこませて破壊力を上げる方法だ。残骸に「1」って書かれてるから今僕は1ポイント稼いでるってわけだ。

そう思いながら僕は周りを見ると皆他の敵を破壊しまくっていた。

 

「・・・ゑ」

嘘やん。みんな早すぎやん。

 

『あと6分だぞお前ら~~~』

僕は急いで駆け出した。

そしてたどり着いた場所は仮想敵と受験者で埋め尽くされていた。

 

「うわぁ?!!」

すると大きな声が聞こえてきた。僕が後ろを向くと髪の黒い子が壊れかけの仮想敵に攻撃されそうにあっていた。僕は走りながら跳び上がって思い切りソフト&ウェットで殴りつけた。すると仮想敵は部品をまき散らしながらきりもみ回転をかけつつ吹っ飛んでいった。よく見ると残骸に「1」と書かれていた。

 

「君、大丈夫?」

「あぁ、うん・・・」

僕はそれを聞くと足にS&Wを重ねて跳び上がった。そしてビルの上に着地する。

 

「やばい・・・僕今2回しか敵を倒せてない・・・。しかもどっちも1ポイントだし、片方は壊れかけを沈黙させただけだし‥‥」

ビルの屋上から僕はぼやいた。いっそのこと他の人の足でもひっかけようかな(禁止行為でもしようかな)と思い始めたその時、ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴという地からうなるような音が響いた。

 

「え? 何が…」

 

それはとてつもなくデカかった。大きく重く、余りにも大雑把な作りだった。まさに、でかぁい!説明不要ッ!!本当に「デカい」としか言いようのない仮想敵だった。

僕の脳の片隅に、あるものが浮かぶ。多分、いや、絶対だ。あいつは……

 

「0(ポイント)敵・・・」

どうしよう、と僕は思った。ここで戦ってもリスクが大きすぎるしそれになにより得点にならない。無視して逃げるか。そんなことを思っていた。しかし・・・

 

「いったぁ…」

彼女だった。僕を試験前に助けてくれた人だ。それでも僕は悩んだ。今あの子は仮想敵に近くにいる。僕が助けに行ってもいいけど、二人とも死ぬ可能性がある。僕だって人の子だ。自分の命は大事だ。だけど・・・。

 

「恩は、返さなくちゃ…!!」

僕は決意すると倒れている彼女に向かって走り出した。

 

「き、来ちゃダメ…」

「いや!僕は君に助けられた! これはかっこつけに聞こえるかもしれないけど、今度は僕が君を助ける番だ!」

僕はそう叫んで彼女をおんぶすると一気に跳び上がってビルの屋上に上がってさらに連続で移動する。そして少し離れた場所に彼女を下ろすと僕は再び仮想敵に向かって走り出した。

 

僕はビルの屋上を連続で移動しながら算段を立てる。

あんだけ大きいということはどこかしらに弱点が露出してるはずだ。ゲームだってそう決まってるし、試験者だって鬼じゃない。・・・いや、あんなものを出してくる時点で鬼だけど。

そして僕は0P仮想敵にすぐ横にビルまで移動し終わると仮想敵に向かって跳び上がった。そして着地すると鉄板を無理矢理はがしたりして弱点を探し始める。そしてなにか回路みたいなものを見つけた。

 

WRYYYYYEEEEAAAAAAAA(ウリィイイイイイイイアアアアアアア)ッ!!!」

僕はソフト&ウェットに巨大仮装ヴィランの回路らしきものにラッシュをたたきこませた。機能停止に追い込めてしまえば(おん)の字だよね。

すると0P仮想敵はがくんっがくんッとなると動きを停止した。どうやらかけは成功したみたいだ。

 

『試験終了~~~~!!!!』

 

「あ」

・・・終わった、僕の雄英試験。

 

 

続く





緑谷君の性格は少し改変しています。分かりやすく例えるなら原作のデク君が1部の主人公、ジョナサン・ジョースターなら僕の小説のデク君は7部の主人公、ジョニィ・ジョースターです。



平成ジェネレーションズFINAL見に行きました。
いやいやいやいやいや、最高でしたよ。あれは映画館で見るべき映画だと思いましたね。
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